JPH0570403A - 新規メタクリレート - Google Patents

新規メタクリレート

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JPH0570403A
JPH0570403A JP26273491A JP26273491A JPH0570403A JP H0570403 A JPH0570403 A JP H0570403A JP 26273491 A JP26273491 A JP 26273491A JP 26273491 A JP26273491 A JP 26273491A JP H0570403 A JPH0570403 A JP H0570403A
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正浩 横多
Koki Tani
弘毅 谷
Eizo Omori
英三 大森
Fusao Hanzawa
房夫 半沢
Mamoru Fujita
守 藤田
Seiji Ide
誠二 井手
Kazuyoshi Kimura
和義 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】粘着剤として有用である新規な高級アルキルメ
タクリレートを提供することを目的とする。 【構成】本発明は、2−プロピルヘプチルメタクリレー
トである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な高級アルキルメ
タクリレートに関するものである。更に詳しくは粘着剤
に有用な新規な2−プロピルヘプチルメタクリレートに
関する。
【0002】
【従来の技術および問題点】本発明の2ープロピルヘプ
チルメタクリレートは、今まで知られておらず、当然そ
の重合物もまた合成された例はない。2ープロピルヘプ
チルメタクリレートの最も近いものとして、n−デシル
メタクリレート、イソデシルメタクリレートが知られて
いる。2−エチルヘキシルアクリレートを用いることに
より低温粘着性を改良する接着剤が知られている。(特
開昭58-79068号)
【0003】近年アクリル系粘着剤はその優れた粘着特
性および耐久性等の特長をベースに、天然ゴム、合成ゴ
ム系等の感圧性粘着剤に代わって広く普及されてきた。
粘着剤として求められる性能としては、例えば低温粘着
性、再剥離性、非極性被着体への接着性などがあげられ
る。こうした性能は粘着剤を構成する各種成分の特性、
組成比および重合条件にもよるが、特にアクリル系モノ
マーの特性により大きく左右されるものである。粘着剤
に使用される基本モノマーとしては、ブチルアクリレー
ト、もしくは2−エチルヘキシルアクリレートが主であ
り、メタクリル酸エステルはほとんど見られない。この
理由はメタクリル酸エステルがアクリル酸エステルに較
べ価格が高いことが挙げられる。一般に低温特性に優れ
るアクリル系モノマーとしては2−エチルヘキシルアク
リレートが良く知られているが、上記2−エチルヘキシ
ルアクリレートでも氷点下の低温条件で使用する上で粘
着性は不充分であった。さらにポリカーボネート板のよ
うに表面張力の高い表面保護部材用の粘着剤はアクリル
系粘着剤の場合、接着力が経時的に上昇する為再剥離を
困難とし、基材自体の破壊を引き起こすなどの問題があ
った。その為、表面張力の高い被着体に対しては通常、
糊残りによる被着体の汚染を容認しつつゴム系感圧性粘
着剤が用いられ、アクリル系の使用は貼着後再剥離まで
の期間が短い短期間保存を目的とするものに限られてい
た。 二次転移点:Tgの低いものは、粘着性樹脂に必要な物
性である凝集性、再剥離性を提供することが出来る。こ
の特性は2−エチルヘキシルアクリレートをはじめとす
るアクリル系の粘着性樹脂では到底得ることが出来ない
ものである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】本発明者らは、前記の問
題点を改良すべく鋭意検討した結果、新規なメタクリレ
ートモノマーである2−プロピルヘプチルメタクリレー
トが、アクリル系粘着剤の低温特性および再剥離性など
の性能を向上させる主たる成分として有用であることを
見いだし本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、2−プロピルヘプチルメタクリ
レートである。2ープロピルヘプチルメタクリレート
は、2ープロピルヘプタノールとメチルメタクリレート
とのエステル交換等の方法により容易に製造することが
出来る。2ープロピルヘプチルメタクリレート製造用原
料である2ープロピルヘプタノールは、公知の方法によ
り2−エチルヘキサノールと同様に安価に製造できる。
即ち安価なスペントブテンを、オキソ化して得られるn
−バレルアルデヒドをアルカリ存在下にアルドール縮合
した後、水添を経て得られる。2ープロピルヘプタノー
ルは、炭素数10のいわゆるイソデシルアルコールであ
るが、今日工業的に製造されているイソデシルアルコー
ルとは本質的に異なるものである。即ち一般のイソデシ
ルアルコールは、プロピレンの三量体であるC9オレフ
ィンをオキソ化、水添して得られる為、単品ではなく種
々のデシルアルコールの異性体の混合物となっている。
【0008】2ープロピルヘプチルメタクリレートは、
2ープロピルヘプタノールとメタクリル酸とのエステル
化、またはメチルメタクリレート、エチルメタクリレー
トなどの低級アルキルメタクリレートとのエステル交換
等の公知の方法により容易に製造することが出来る。例
えばメチルメタクリレートとエステル交換反応する場
合、アルコール成分1モルに対しメチルメタクリレート
を1〜3モル、触媒としてパラトルエンスルホン酸のよ
うなプロトン酸を約0.5〜2重量%、重合禁止剤とし
てハイドロキノンまたはハイドロキノンメチルエーテル
を約0.05〜2重量%を反応器に仕込、生成するメタ
ノールを連続的に系外に留去する。次ぎに減圧下に蒸留
精製を行い目的とするメタクリレートを得ることが出来
る。
【0010】本発明の2−プロピルヘプチルメタクリレ
ートを用いた単独重合体は、アクリル系粘着剤として低
温特性、再剥離性に優れるが、これらの特性を損なわな
い範囲で2−プロピルヘプチルメタクリレートと他の重
合性モノマーとの共重合体とすることができる。この他
の重合性モノマーとしては例えば、酢酸ビニル、スチレ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、アクリロニトリル、アクリル
アミド、メチルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、ポリエチレングリコー
ルアクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、マレイン酸等の他の、公知の重合性モノマーが
あげられる。
【0011】2−プロピルヘプチルメタクリレート単独
重合もしくは他の重合性モノマーとの共重合は、公知の
溶液重合、エマルジョン重合などで行われる。例えば、
溶液重合の場合はモノマーおよびトルエン、酢酸エチル
などの溶媒30〜50重量%、過酸化ベンゾイル等の重
合開始剤をモノマー合計量に対し0.1〜1重量%を仕
込、70〜80℃で5〜8時間重合反応させる。一方、
エマルジョン重合の場合はイオン交換水40〜50重量
%、乳化剤2〜5重量%、重合開始剤0.2〜1重量%
を仕込、系を70〜80℃に保ちモノマーを2〜3時間
で滴下しながら重合反応させ、更に2〜3時間熟成を行
いエマルジョン重合を完結する。
【0012】粘着剤の各成分の構成比は用途に応じて任
意に選択されるが、低温特性、再剥離性を充分に引き出
すには本発明の2−プロピルヘプチルメタクリレートの
構成比が高い程よく、好ましくは50重量%以上が選ば
れるべきである。
【0013】
【実施例】
【比較例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。 実施例1 2−プロピルヘプチルメタクリレートの合成 温度計、空気吹き込み管、ビグリュウカラムを備えた3
00cc3つ口フラスコに2−プロピルヘプタノール7
9g、メチルメタクリレート101.6g、ハイドロキ
ノン2g、パラトルエンスルホン酸1.1gを仕込、空
気気流下に釜温109℃〜130℃にて14時間反応さ
せた。この間生成するメタノールをビグリュウカラムの
上部より連続的に留去した。その後150mmHgの減
圧下にて過剰のメチルメタクリレートを釜温167℃以
下の温度で留去した。反応液をさらに20mmHgの減
圧下に蒸留し、留出温度102〜119℃の留分を得
た。こうして得られた物質のガスクロ純度は99.53
GC%であった。この物質の1H−NMR及びIRスペ
クトルよりこのものが目的とする2−プロピルヘプチル
メタクリレートであることを確認した。
【0014】本発明化合物の2−プロピルヘプチルメタ
クリレートの1H−NMRを
【図1】にIRスペクトルを
【図2】に、また比重と屈折率を以下に示す。 比重(d25/4) 0.857 屈折率(η25) 1.4410
【0015】実施例2 2ープロピルヘプチルメタクリレートホモポリマーの合
成 還流冷却器、攪拌器、温度計、窒素バブリング用グラス
ボールバブラーを備えた4つ口フラスコに重合禁止剤を
除去した2ープロピルヘプチルメタクリレートモノマ
ー、酢酸エチルを同重量ずつ仕込、ここに重合開始剤と
して過酸化ベンゾイルを0.3重量%を加え窒素バブリ
ング下、攪拌しながら7時間加熱還流させた。反応終了
後反応液をメタノール中に注ぎ、沈澱した固体をデカン
テーションにより分離し減圧下に乾燥させ製品を得た。
【0016】本発明の2ープロピルヘプチルメタクリレ
ートモノマーを通常の溶液重合により単独重合体(ホモ
ポリマー)とし、このもののTgを測定したところ −
77.1℃を示した。比較として同条件で合成した2ー
プロピルヘプチルアクリレートホモポリマーは−16.
7℃、2−エチルヘキシルアクリレートホモポリマーは
−72.6℃、n−デシルメタクリレートホモポリマー
は−67.9℃、n−デシルアクリレートホモポリマー
は−52.1℃、ラウリルメタクリレートホモポリマー
は−62.3℃、2−エチルヘキシルメタクリレートホ
モポリマーは−19.7℃、イソデシルメタクリレート
ホモポリマー(日産石油化学製イソデシルアルコール使
用)は−39.5℃といずれも本発明のポリマーよりも
低いTgを有するものはなかった。以下に本発明のメタ
クリレートホモポリマーを含め参考例1〜5で合成した
各種アクリル系ホモポリマーの二次転移点(℃:Tg)
と分子量の実測値を表1に示す。測定機器、測定条件に
ついても以下に示す。
【0017】
【表1】
【0018】二次転移点(Tg:℃)測定法 測定機器はリガク(株)製DSC−8230を用い、液
体窒素を冷媒として−100℃から室温までの温度範囲
を毎分20℃の昇温速度で測定した。
【0019】分子量測定法 測定機器は日本分光(株)製GPC−800シリーズS
HODEXカラムを用い、テトラヒドロフランを溶媒と
して示差屈折法により測定し、数平均分子量を算出し
た。
【0020】評価試験−1 実施例2および参考例でそれぞれ得られた重合体の酢酸
エチル溶液を、50μおよび100μのアプリケーター
によりポリエステルフィルム(25μ)に塗布し、1時
間乾燥した後、粘着力をJIS Z−0237に準じて
評価した。すなわち、粘着力(接着力)は180度剥離
法により、20℃および0℃の条件でそれぞれ測定し
た。参考例1から7までの各種ホモポリマーについても
同様に測定し、それぞれ比較例1から7とした。結果を
表2に示した。
【0023】
【表2】
【0024】評価試験−2 試料(A) 2−プロピルヘプチルメタクリレート90部(重量部、
以下同様)、メタクリル酸5部をトルエンからなる溶剤
中で、アゾビスイソブチロニトリル0.2部を重合開始
剤として共重合処理して、感圧性粘着剤を得た。
【0025】試料(B) 2−プロピルヘプチルメタクリレートに代えて2−エチ
ルヘキシルアクリレートを用いた他は試料(A)に準じ
て感圧性粘着剤を得た。
【0026】評価方法はJIS Z−0237に準じて
行った。すなわち試料(A)および試料(B)で得た感
圧性粘着剤を厚さ50μのポリエステルフィルムの片面
に乾燥後の厚さが10μとなるように均一に塗布し、約
100℃で3分間乾燥して粘着シートを得た。得られた
粘着シートの幅20mmものをその感圧性粘着剤層を介
して20℃の雰囲気下、ステンレス板、ポリカーボネー
ト板および硬質ポリ塩化ビニル板に貼着し、次に、貼着
後30分経過したもの、または貼着した状態で60℃下
に2日間保存した後20℃下で雰囲気温度になるまで冷
却したものにつき、20℃の雰囲気下で180度剥離法
で剥離強度を測定した。結果を表3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】以上の結果に示される様に本発明の2−
プロピルヘプチルメタクリレートは、優れた低温粘着性
能を与え、かつまた粘着力の経時変化が少ないことから
優れた再剥離性を与える粘着剤として有用であることが
明かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】2−プロピルヘプチルメタクリレートの1H−
NMR
【図2】2−プロピルヘプチルメタクリレートのIRス
ペクトル
フロントページの続き (72)発明者 藤田 守 千葉県市原市辰巳台東2丁目17番地 (72)発明者 井手 誠二 千葉県市原市辰巳台東2丁目17番地 (72)発明者 木村 和義 千葉県市原市君塚3丁目18番地2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−プロピルヘプチルメタクリレート。
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