JPH0570334A

JPH0570334A - 皮膚外用剤

Info

Publication number: JPH0570334A
Application number: JP23323891A
Authority: JP
Inventors: Ichiro Sasaki; 一郎佐々木; Chiharu Koide; 千春小出; Noboru Kobayashi; 昇児林; Midori Hirobe; みどり廣部
Original assignee: Kose Corp
Current assignee: Kose Corp
Priority date: 1991-09-12
Filing date: 1991-09-12
Publication date: 1993-03-23

Abstract

(57)【要約】【構成】次の成分（Ａ）及び（Ｂ）（Ａ）蛋白質及び／又はその加水分解物とリン脂質との
複合体（Ｂ）細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤。【効果】細胞賦活剤が効率よく皮膚内部に浸透し、皮
膚を改善する効果に優れる皮膚外用剤である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明の皮膚外用剤は、含有する
細胞賦活剤を効率よく皮膚内部に浸透させ、皮膚の新陳
代謝を活発にし、皮膚改善効果に優れた皮膚外用剤に関
する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
皮膚の老化防止、創傷治癒促進、細胞賦活等を目的とし
て、皮膚外用剤中にヒアルロン酸、胎盤抽出液、牛血清
タンパク抽出物、コハク酸等の細胞賦活剤が配合されて
いる。

【０００３】しかしながら、これらの細胞賦活剤を含有
する皮膚外用剤は皮膚に塗布しても表面に作用するのみ
であり、皮膚の改善効果は高くなかった。そこでより高
い効果を得るためには、細胞賦活剤を大量に配合しなけ
ればならず、逆に皮膚トラブルを起こしてしまう等の問
題があった。

【０００４】従って本発明は、含有する細胞賦活剤を効
率よく皮膚内部に浸透させ、皮膚改善効果に優れた皮膚
外用剤を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、細胞賦活剤と共に蛋
白質及び／又はその加水分解物とリン脂質との複合体を
併用することにより、細胞賦活剤が効率的に皮膚内部に
浸透し、その効果が著しく向上した皮膚外用剤が得られ
ることを見出し、本発明を完成した。

【０００６】すなわち本発明は、次の成分（Ａ）及び
（Ｂ）（Ａ）蛋白質及び／又はその加水分解物とリン脂質との
複合体（Ｂ）細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤に係るものである。

【０００７】本発明の皮膚外用剤に配合される（Ａ）成
分の製造に用いられる蛋白質としては、植物や動物から
得られる蛋白質、例えば大豆蛋白、小麦蛋白、ホエー粉
末、大豆カゼイン、フィブロイン、グルカゴン、コラー
ゲン、ゼラチン、エラスチン、卵白アルブミン、ミルク
カゼイン、ミオシン、フィブリノーゲン、これらのアル
カリ金属塩等が挙げられ、その加水分解物としては加水
分解酵素処理によって得られるものが挙げられる。

【０００８】また、本発明の皮膚外用剤に配合される
（Ａ）成分の製造に用いられるリン脂質としては、卵
黄、大豆、トウモロコシ等の動植物、大腸菌等の微生物
から抽出される天然のリン脂質及びそれらの水素添加物
並びに合成のリン脂質が挙げられる。具体的にはフォス
ファチジルコリン、フォスファチジルイノシトール、フ
ォスファチジルイエタノールアミン、フォスファチジル
セリン、スフィンゴミエリン、フォスファチジルグリセ
ロール、ジパルミトイルフォスファチジルコリン等が挙
げられる。

【０００９】（Ａ）成分の蛋白質及び／又はその加水分
解物（以下、「蛋白質類」という。）とリン脂質の複合
体は、例えば以下のようにして製造される。すなわち、
蛋白質類１重量部に対してリン脂質０．１〜５０重量部
を加えて混合し、これに精製水を加えて超音波処理を行
った後、乾燥することにより（Ａ）成分の複合体が得ら
れる。

【００１０】上記（Ａ）成分の複合体は単独で、又は二
種以上を組み合わせて使用でき、その配合量は、細胞賦
活剤の効果を充分に向上し、かつべたつきを防止する上
で、本発明の皮膚外用剤中、０．０５〜２０重量％、特
に０．０５〜５重量％が好ましい。

【００１１】本発明の皮膚外用剤に配合される（Ｂ）成
分の細胞賦活剤としては、例えば血清又は血球由来抽出
物、胸腺抽出物、脾臓抽出物、胎盤抽出物、鶏冠抽出
物、ローヤルゼリーなど動物由来の抽出物；酵母抽出
物、乳酸菌発酵代謝物、ビフィズス菌発酵代謝物、霊芝
抽出物等の微生物由来の抽出物、アロエ抽出物、紫根抽
出物、当帰抽出物、ローズマリー抽出物、黄柏抽出物、
黄ごん抽出物など植物由来の抽出物；アデノシン三リン
酸、アデノシン二リン酸、アデノシン一リン酸、デオキ
シリボ核酸、リボ核酸等の核酸類及びその塩類；γ−リ
ノレン酸、ヒノキチオール、グアイアズレン及びその誘
導体、アラントイン及びその誘導体、コハク酸及びその
誘導体が挙げられる。このうち好ましいものとしては、
血清抽出物、胸腺抽出物、胎盤抽出物、酵母抽出物、ア
ロエ抽出物、γ−リノレン酸、コハク酸などが挙げられ
る。

【００１２】これらの細胞賦活剤は、単独で又は二種以
上組み合わせて使用することができ、本発明皮膚外用剤
への配合量は、充分な効果を得、着色、におい、沈澱の
発生を防止するためには、０．００１〜１０重量％、特
に０．０１〜１重量％が好ましい。

【００１３】また、本発明の皮膚外用剤には、本発明の
効果を損なわない範囲で、前記必須成分以外に、有機・
無機粉体、精製水、低級アルコール、多価アルコール、
油脂、界面活性剤、各種美容成分、紫外線吸収剤、増粘
剤、色素、防腐剤、酸化防止剤、香料等の皮膚外用剤に
通常使用される成分を適宜配合することができ、乳液、
クリーム、化粧水、美容液、クレンジング、パック等の
基礎化粧料；シャンプー、リンス、ヘアリキッド、ヘア
トリートメント等の頭髪化粧料；ファンデーション、口
紅、ほほ紅、アイライナー等のメーキャップ化粧料；軟
膏、分散液剤等の医薬品等種々の形態で応用することが
できる。

【００１４】

【実施例】以下、実施例を挙げて更に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。

【００１５】製造例１蛋白質−リン脂質複合体の製
造：下記表１に示す成分をホモミキサーで充分撹拌し、
均一な懸濁液とした。次いでこれに超音波ホモジナイザ
ーにより超音波処理を３０分間行った。処理液を乾燥さ
せ、複合体Ａ、Ｂ及びＣを得た。

【００１６】

【表１】

【００１７】実施例１乳液：下記表２に示す組成の乳
液を調製し、それぞれの皮膚改善効果について評価し
た。（製法）Ａ．（６）、（７）、（１０）、（１３）及び（１４）
の各成分を加熱混合し、７０℃に保つ。Ｂ．（１）〜（５）、（８）、（９）、（１１）及び
（１２）の各成分を加熱混合し、７０℃に保つ。Ｃ．ＢをＡに加えて均一に乳化し、冷却して乳液を得
る。

【００１８】

【表２】

【００１９】（試験方法）２１〜３０歳の女性３４名を
パネルとし、スキーに行く前日及びスキーから帰って１
日後の肌状態をミクロスコープカメラで観察し、下記基
準によりスコアを求めた。その後７日間にわたって毎日
朝と夜の洗顔後に被験乳液を塗布し、スキーの３、５及
び７日後に同様にして肌状態のスコアを求めた。また、
スキーの前日及び７日後の肌状態スコアより回復度を求
めた。肌状態スコア：１肌の皮溝が不鮮明であり、角質のはがれが認められ
る。２肌の皮溝がやや不鮮明であるか又は一方向性が強
い。３肌の皮溝は認められるが、浅いか又は一方向性が強
い。４肌の皮溝が認められるか又はやや網目状である。５肌の皮溝がはっきり認められるか又はきれいな網目
状である。回復度： ○ スキー前日の肌状態スコアよりスキー７日後の肌状
態スコアの方が高い。 × スキー前日の肌状態スコアよりスキー７日後の肌状
態スコアの方が低い。（結果）その結果を表３に示す。

【００２０】

【表３】

【００２１】表３の結果から明らかなごとく、複合体Ａ
と胸腺抽出物を組み合わせた実施例１および複合体Ａと
コハク酸を組み合わせた実施例２は、各々単独で配合し
た比較例１〜３及びこれらを含まない比較例４と比べ、
顕著な肌あれ改善効果を示すものであった。

【００２２】実施例２クリーム：下記表４に示す組成
のクリームを調製し、その美肌効果及び皮膚老化防止効
果を評価した。（製法）Ａ．（１）〜（７）、（１１）及び（１２）の各成分を
加熱混合し、７０℃に保つ。Ｂ．（８）〜（１０）及び（１３）の各成分を加熱混合
し、７０℃に保つ。Ｃ．ＡにＢに加えて混合し、３０℃まで冷却してクリー
ムを得る。

【００２３】

【表４】

【００２４】（試験方法）２６〜５２歳の女性１５名を
パネルとし、毎日朝と夜の２回、１２週間にわたって洗
顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布によ
る美肌及び皮膚老化防止効果を下記の基準によって評価
した。美肌効果：［評価］［内容］有効肌のくすみが目立たなくなった。やや有効肌のくすみがやや目立たなくなった。無効使用前と変化無し。皮膚老化防止効果：［評価］［内容］有効肌のはり、つやが改善された。やや有効肌のはり、つやがやや改善された。無効使用前と変化無し。（結果）その結果を表５に示す。

【００２５】

【表５】

【００２６】表５の結果から明らかなように、本発明品
３及び４のクリームは、肌の「くすみ」、「はり」、
「つや」の改善に有効であった。

【００２７】実施例３パック：（処方）（重量％）（１）ポリビニルアルコール２０．０（２）エチルアルコール２０．０（３）グリセリン５．０（４）カオリン６．０（５）複合体Ｃ０．１（６）胸腺抽出物０．５（７）防腐剤０．２（８）香料０．０５（９）精製水残量（製法）Ａ．成分（１）及び（３）〜（５）を混合し、７０℃に
加熱し、混合する。Ｂ．（２）、（７）及び（９）を混合する。Ｃ．上記Ｂを先のＡに添加し、混合後冷却した。更に、
（６）及び（８）を加えパックを得た。

【００２８】実施例４ゲル軟膏：（処方）（重量％）（１）カルボキシビニルポリマー１．０（２）トリエタノールアミン１．０（３）１，３−ブチレングリコール１０．０（４）複合体Ａ０．１（５）血清抽出物０．５（６）防腐剤０．２（７）精製水残量（製法）Ａ．成分（４）及び（６）を（３）中で加熱溶解する。Ｂ．（１）、（５）及び（７）をＡに添加し、混合す
る。Ｃ．Ｂに成分（２）を加え、均一に混合し、ゲル軟膏を
得た。

【００２９】実施例３のパック及び実施例４のゲル軟膏
は、いずれも皮膚改善効果に優れたものであった。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明の皮膚外用剤は細
胞賦活剤の含有量を上げることなく、その皮膚改善効果
が著しく向上したものである。

フロントページの続き (72)発明者廣部みどり東京都北区栄町48番18号株式会社コーセー研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）及び（Ｂ）（Ａ）蛋白質及び／又はその加水分解物とリン脂質との
複合体（Ｂ）細胞賦活剤を含有する皮膚外用剤。