JPH0570219A - マンガン−亜鉛系フエライトリングコアの焼成方法 - Google Patents

マンガン−亜鉛系フエライトリングコアの焼成方法

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JPH0570219A
JPH0570219A JP3261213A JP26121391A JPH0570219A JP H0570219 A JPH0570219 A JP H0570219A JP 3261213 A JP3261213 A JP 3261213A JP 26121391 A JP26121391 A JP 26121391A JP H0570219 A JPH0570219 A JP H0570219A
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JP
Japan
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ring core
ferrite
ferrite ring
manganese
firing
Prior art date
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Pending
Application number
JP3261213A
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English (en)
Inventor
Tetsuji Yabe
哲司 矢部
Toshitaka Hashimoto
敏隆 橋本
Masaru Shinoda
勝 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
FDK Corp
Original Assignee
FDK Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積載効率が高く生産性が極めて良好であり、
しかも初透磁率が大幅に改善され、形状不良も生じ難い
高品位のMn−Zn系フェライトリングコアを焼成す
る。 【構成】 Mn−Zn系フェライト製の三角棒状炉材1
4を複数本並設してそれらにより逆三角形状または逆台
形状の溝部16を形成する。Mn−Zn系フェライトリ
ングコア成形体12を、その外周面が前記溝部の傾斜し
た側壁に接触し且つ隣接する前記リングコア成形体同士
が互いに近接するように立てて多数個配列して焼成す
る。また焼成の際に、多数個配列したフェライトリング
コア成形体群の上方部を、更に同種のフェライト板で覆
う方法もある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング状のマンガン−
亜鉛(以下、「Mn−Zn」と略記する)系フェライト
コアの焼成方法に関するものである。更に詳しく述べる
と、フェライトリングコア成形体を、同じくMn−Zn
系フェライト製の三角棒状炉材によって形成される逆三
角形状もしくは逆台形状の溝部に、立てて且つ近接させ
て整列し焼成することにより、透磁率特性を向上させる
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Mn−Zn系フェライトリングコアはイ
ンピーダンス整合用あるいはノイズフィルタ用等に使用
されており、近年、使用機器の高性能化に伴い高透磁率
化の要求が非常に強くなってきている。
【0003】フェライトリングコアは、一般に原料粉末
と結合剤等を混合したペレットを成形機によりリング状
にプレス成形し、焼成炉で千数百℃の高温で焼成するこ
とにより製造する。従来技術としては、アルミナ製の三
角棒状炉材を複数本並設し、それらにより形成される逆
三角形状の溝にフェライトリングコア成形体を立てて多
数個配列し、炉内に送り込んで焼成する方法がある(特
開昭63−6386号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように三角棒状
のアルミナ炉材上にフェライトリングコア成形体を載せ
て焼成する方法は、線接触でリングコア成形体を支持し
ているため、炉材であるアルミナと成形体であるフェラ
イトとの反応が生じ難く、磁気特性が低下しない利点が
ある。確かに一般のフェライトではあまり問題はない
が、特にMn−Zn系の高透磁率フェライト材料の場合
は、アルミナ炉材とフェライト材料との反応や、ZnO
(酸化亜鉛)の蒸発などによって初透磁率が大きく低下
する現象が見られる。
【0005】またアルミナとフェライトとは熱伝導率の
差が大きいため、特に大型リングコアの場合には、焼成
中に変形し易い欠点もある。
【0006】本発明の目的は、上記のような従来技術の
欠点を解消し、積載効率が高いため生産性が極めて良好
であり、しかも初透磁率が大幅に改善され、形状不良も
生じ難い高品位のMn−Zn系フェライトリングコアを
焼成する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
することのできる本発明は、Mn−Zn系フェライト製
の三角棒状炉材を複数本並設してそれらにより逆三角形
状または逆台形状の溝部を形成し、Mn−Zn系フェラ
イトリングコア成形体を、その外周面が前記溝部の傾斜
した側壁に接触し且つ隣接する前記リングコア成形体同
士が互いに近接するように立てて多数個配列し焼成する
ようにしたMn−Zn系フェライトリングコアの焼成方
法である。
【0008】また上記の焼成の際に、多数個配列したフ
ェライトリングコア成形体群の上方部を、更にMn−Z
n系フェライト製の焼成用道具材で覆って焼成する方法
も有効である。
【0009】
【作用】Mn−Zn系フェライトリングコア成形体は、
同種のフェライト(即ち、Mn−Zn系フェライト)か
らなる炉材によって保持されるため、成形体と炉材との
間での反応は生じない。またフェライトリングコア成形
体は、その外周面のほぼ下半分での炉材の存在及び両面
での近接する隣りのリングコア成形体の存在により、Z
nOの蒸発が抑えられ表面でのマイクロクラックの発生
が防止される。これらのため、磁気特性、特に初透磁率
の悪化が回避され、異物との反応のための異常結晶によ
る外観不良も防止される。特に上部も同種のフェライト
板で覆って焼成すると、コア外周面の上半分でのZnO
の蒸発も防止できる。
【0010】更に本発明では、炉材により形成される逆
三角形状あるいは逆台形状の溝部を利用してフェライト
リングコア成形体を互いに近接するよう縦積みするた
め、1匣鉢当たりの積載数は非常に多くなる。
【0011】
【実施例】図1は本発明に係る焼成方法の一例を示す説
明図であり、図2のA,Bはそのリングコア成形体の焼
成時における保持状況を示す説明図である。平板状の匣
鉢10の上にMn−Zn系フェライトからなる断面三角
形状の棒状炉材14を多数並設し、それらによって上面
にほぼ逆三角形状の溝部16を形成する。そして溝部1
6の傾斜した側壁に、Mn−Zn系フェライトリングコ
ア成形体12の外周面が線接触し、且つ隣接する成形体
12が互いに密着するように立てて多数個配列し焼成炉
内に送り込む。
【0012】本発明方法を実施すると、図2からも判る
ように、Mn−Zn系フェライトリングコア成形体12
は、Mn−Zn系フェライト製の三角棒状の炉材14で
支持され、それらは全て同種の材料であるため、リング
コア成形体と炉材との間で反応は生じず、そのため表面
に異常結晶が発生することはなく、外観は極めて良好で
ある。またリングコア成形体と炉材との間で熱伝導率に
差がないため、大型のリングコアを焼成する場合でも変
形が生じ難い。また多数個配列したフェライトリングコ
ア成形体群の両端を除く中間部にあるフェライトリング
コア成形体は、同種の炉材及び同種の他のリングコア成
形体で取り囲まれているため、リングコア成形体と炉材
及びリングコア成形体同士の相互作用によりZnOの蒸
発が抑制され、マイクロクラックの発生も生じない。
【0013】各種の炉材を使用してMn−Zn系フェラ
イトリングコア成形体を焼成し、初透磁率を測定した結
果を表1に示す。
【表1】 なお表1において、「平積み」とは、平板状の炉材上
にリングコアの一方の端面が接するように載置し、重ね
ることなく一段積みした積載方法である。「縦積み」と
は本発明方法で行っているような積載方法をいう。また
積載位置が端部とは、複数個配列した成形体群のうち両
端に位置していたコアのことであり、中央とはそれ以外
のコアをいう。
【0014】表1から分かるように、焼成すべきフェラ
イトと同種のフェライト三角棒状の炉材を使用して、且
つ両端部はダミーとしてそれら両端部を除くことによっ
て、極めて高透磁率のMn−Zn系フェライトリングコ
アを焼成することができた。同種のフェライト板を用い
て平積みしても、かなり高透磁率のリングコアを得るこ
とが出来るが、平積みは積載効率が悪く(コア寸法、特
に厚みによって異なるが、縦積みの方が平積みに比べて
50〜300%積載数が増加する)生産性が劣るため、
本発明方法の優位性は際立っている。
【0015】図3は、各種の炉材を使用して焼成したフ
ェライトリングコアについて、初透磁率の周波数特性を
測定した結果を示している。得られた特性曲線は、各炉
材を用いた場合、ほぼ同じような傾向になっている。ま
た図4は周波数1kHzで初透磁率の温度特性を測定した
結果である。この場合も、各炉材について、ほぼ同じよ
うな傾向になっている。
【0016】ところで最近、多数の磁気特性の中で、初
透磁率のみ変えたい(他の磁気特性は同じにしたまま)
という要求がある。初透磁率を変えるためには、組成を
変えたり、添加物の種類や量を変えることによって、あ
る程度は対応できるが、そうすると、初透磁率のみなら
ず全ての磁気特性が変化してしまう。そのため、上記の
ようなユーザーの要求には対応しきれない。しかし図3
及び図4から分かるように、焼成炉材を変えることで、
ある程度その要求に対応できる。特に本発明では他の磁
気特性を変えること無く、初透磁率のみを高く出来る点
で、極めて価値の高い方法であると言える。
【0017】また種々実験を試みたところ、リングコア
同士、あるいはリングコアと炉材とが直接接触していな
い部分でも(若干離れていても)、ZnOの蒸発が抑制
されることが判明した。例えばフェライト板上に単にフ
ェライトリングコアを平積みしただけの場合には、焼成
炉でのトップ保持時間が約6時間以上で初透磁率が低下
しはじめるが、リングコアの上方をフェライト板で覆う
と(直接接触せずに若干の間隔をおいて)、トップ保持
時間が12時間以上でも初透磁率は増大する傾向を保
つ。これは下面の接触しているフェライトのみならず上
面の直接接触していないフェライトもまた、ZnOの蒸
発を抑制しているからである。このことから、本発明に
おいて、縦積みしたフェライトリングコア成形体群の上
方部を更に同種のフェライト材料で覆うことで、より一
層初透磁率の向上を図ることができる。
【0018】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明はこのような構成のみに限定されるもの
でないことは言うまでもない。コアの寸法や三角棒状の
炉材の寸法によっては炉材相互の間隔を離して逆台形状
の溝部を形成するようにしてもよい。三角棒状の炉材
は、焼成品でもよいが、未焼成品でもよい。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記のようにMn−Zn系フェ
ライトリングコアを逆三角形状あるいは逆台形状の溝部
に多数個立て且つ相互に近接して配列し焼成する方法だ
から、積載数を多くでき生産性を著しく高めることがで
きるばかりでなく、焼成する材料と同種の炉材を使用す
るため、両者間で反応が生じず、そのため表面に異常結
晶が発生せず外観不良が生じないし、またZnOの蒸発
が抑制され、マイクロクラックが発生しないため透磁率
が著しく高くなるなど、製品の品位を大幅に向上させる
ことができる。
【0020】更に本発明方法では一個一個分離した三角
棒状の炉材を用いるため、様々な寸法のコアに対応でき
るし、焼成の際に炉材が破損することも少なく、炉材の
製造も容易であり比較的安価にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施例を示す説明図
【図2】リングコアと炉材との接触状況を示す説明図
【図3】種々の炉材に対する初透磁率の周波数特性を示
すグラフ
【図4】種々の炉材に対する初透磁率の温度特性を示す
グラフ
【符号の説明】
10 匣鉢 12 フェライトリング成形体 14 三角棒状の炉材 16 溝部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン−亜鉛系フェライト製の三角棒
    状炉材を複数本並設してそれらにより逆三角形状または
    逆台形状の溝部を形成し、マンガン−亜鉛系フェライト
    リングコア成形体を、その外周面が前記溝部の傾斜した
    側壁に接触し且つ隣接する前記リングコア成形体同士が
    互いに近接するように立てて多数個配列し焼成すること
    を特徴とするマンガン−亜鉛系フェライトリングコアの
    焼成方法。
  2. 【請求項2】 多数個配列したフェライトリングコア成
    形体群の上方部を、マンガン−亜鉛系フェライト板で覆
    って焼成する請求項1記載の焼成方法。
JP3261213A 1991-09-11 1991-09-11 マンガン−亜鉛系フエライトリングコアの焼成方法 Pending JPH0570219A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004063117A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Tdk Corporation フェライト材料の製造方法及びフェライト材料
CN100334035C (zh) * 2003-01-10 2007-08-29 Tdk株式会社 铁氧体材料的制造方法以及铁氧体材料

Cited By (3)

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WO2004063117A1 (ja) * 2003-01-10 2004-07-29 Tdk Corporation フェライト材料の製造方法及びフェライト材料
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