JPH0978105A - 焼結用治具 - Google Patents

焼結用治具

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JPH0978105A
JPH0978105A JP23394495A JP23394495A JPH0978105A JP H0978105 A JPH0978105 A JP H0978105A JP 23394495 A JP23394495 A JP 23394495A JP 23394495 A JP23394495 A JP 23394495A JP H0978105 A JPH0978105 A JP H0978105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワークを上下複数段にして焼結する際に安定
性よく支えられ、かつワークに対する焼結雰囲気ガスの
流通もよくできる焼結用治具を提供する。 【解決手段】 ワーク1は、円環状で、上下両端面にそ
れぞれ一対の突起3,4を有する。ワーク1が載るセラ
ミックボード31は、突起3が入る溝部33を有するととも
に凹部34を上面に有する。また、前記凹部34に嵌入する
柱状部材32を有する。ワーク1をそれぞれ載せたセラミ
ックボード31を積み重ねる。凹部34は柱状部材32よりも
十分に浅いものであるので、ワーク1の上面とセラミッ
クボード31の下面との間に隙間ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末冶金におい
て、焼結炉内で焼結されるワークを上に載せて支持する
焼結用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金により製造される焼結部品の一
種に図9に示すようなものがある。この焼結部品(ワー
ク)1は、ほぼ円環状の本体部2の軸方向両端面に、第
1及び第2の突起であるそれぞれ一対の突起3,4を有
するものである。同一面にある一対の突起3,4は、そ
れぞれ互いに 180°離れて位置しており、両面の突起
3,4は、互いに90°離れて位置している。
【0003】また、図10は、粉末冶金において、原料
粉末を圧縮して成形してなる圧粉体を焼結する際に用い
られる焼結炉であるメッシュベルト炉の一例を概略的に
示している。このメッシュベルト炉は、メッシュベルト
コンベヤー11を有している。このコンベヤー11は、その
メッシュベルト12の上面が図面において右から左へ移動
するものである。そして、このメッシュベルト12の上面
に沿って、図示右から左へ並んで、装入部13、脱ろう部
14、加熱部15、冷却部16および取出し部17が設けられて
いる。焼結に際しては、装入部13において、ワークすな
わち圧粉体がメッシュベルト12上に順次供給される。そ
の後、ワークは、コンベヤー11により炉内を連続的に搬
送されていく。その間に、ワークは、特に加熱部15にお
いて、焼結雰囲気ガス中で加熱されることにより焼結さ
れる。焼結後のワークは、取出し部17において、順次取
り出される。
【0004】ところで、図9に示すワーク1は、両端面
にそれぞれ一対のみの突起3,4を有するものであるた
め、置いた際の安定性が悪い。これは、メッシュベルト
炉でワーク1を焼結するときにも、不都合をきたす。例
えば、特に平面度などの精度の低下、ワーク1相互の接
触による接合、取出し時におけるワーク1の破損などで
ある。このような不都合を防止するために、焼結に際し
て、例えば図11に示すような上下面が平坦なセラミック
ボード21からなる焼結用治具が用いられている。このセ
ラミックボート21には、ワーク1の突起3,4が挿入さ
れる貫通孔22が上下に貫通させて形成されている。これ
ら貫通孔22は、4つで1組をなし、これが6組ある。各
組の貫通孔22は、そのうちの2つにワーク1のいずれか
の端面の突起3,4が挿入されるものである。したがっ
て、1枚のセラミックボード21には、6つのワーク1を
上面に載せて支持できる。そして、このセラミックボー
ド21を載せた金網がメッシュベルト炉のメッシュベルト
12に載せられるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような従来のセラミックボード21では、次のような問題
があった。まず、1枚のセラミックボード21に6つのワ
ーク1を載せるようにしているが、1枚のセラミックボ
ード21が割れるなどして使えなくなった場合、6つのワ
ーク分のセラミックボード21が駄目になることになり、
不経済である。また、セラミックボート21に貫通孔22を
形成することは、セラミックボート21の成形性を悪くす
るとともに、このセラミックボート21を破損しやすくす
る。また、セラミックボート21へのワーク1の装着にも
手間がかかる。さらに、生産性を上げるために、ワーク
1を上下複数段にして焼結しようとする場合、セラミッ
クボート21上に載ったワーク1上に、さらにワーク1の
載ったセラミックボード21を載せることになるが、下の
ワーク1の上の突起4が上のセラミックボート21の下面
に当たった状態では、この上のセラミックボート21の安
定性が悪く、転落のおそれがある。一方、下のワーク1
の上の突起4を上のセラミックボート21の貫通孔22に挿
入して、下のワーク1の上面全体をセラミックボート21
の下面に接触させれば、安定性は増すものの、ワーク1
の下面のみならず、上面もセラミックボード21に密着す
るため、ワーク1に大きな荷重がかかるとともに、ほと
んどワーク1の外周面にしか焼結雰囲気ガスが当たらな
くなる。そのため、ワーク1に対する加熱が不均一にな
り、焼結されたワーク1の寸法が不安定になる。
【0006】前述のように、焼結時にワークを載せる焼
結用治具は、従来、単なる平板状のセラミックボードか
らなっていたため、ワークを上下複数段にして焼結しよ
うとする場合、安定性に欠け、焼結雰囲気ガスの燃焼効
率を劣化させたりする問題があった。
【0007】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、ワークを上下複数段にして焼結しようと
する場合、安定性よく支えられ、かつ、ワークに対する
焼結雰囲気ガスの流通もよくできる焼結用治具を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の焼結
用治具は、上部及び下部に凸部を有するワークをセラミ
ックボードの上に載せて支持する焼結用治具であって、
前記ワークの上部又は下部の凸部が嵌合する切込部を形
成するとともに一方の面に凹部を形成したセラミックボ
ードと、前記セラミックボードの凹部に嵌入される柱状
部材とを有するものである。
【0009】また請求項2の焼結用治具は、前記柱状部
材の嵌入される凹部を前記セラミックボードの他方の面
にも形成したものである。
【0010】さらに請求項3の焼結用治具は、前記ワー
クが略円環状の本体部の一側面に軸方向に約180 ゜離れ
て一対のみの第1の凸部を有するとともに前記本体部の
他側面に前記軸方向と直交して約180 ゜離れて一対のみ
に第2の突起とを有するものであり、前記セラミックボ
ードを略矩形で前記ワークの第1及び第2の突起が前記
セラミックボードの軸線方向に対して傾斜して載置され
るように前記切込部を形成するとともに前記ワークの略
円環状の本体部の位置に前記凹部を形成し、かつ前記柱
状部材を異形形状としたものである。
【0011】
【作用】本発明の請求項1の構成では、焼結炉内でワー
クを焼結するに際して、セラミックボードの凹部に柱状
部材を嵌入して、ワークをこのセラミックボードの上に
載せて支持する。そして、前記柱状部材の上にセラミッ
クボードを重ねることにより、ワークを上下複数段にし
て焼結できる。また、柱状部材により下のセラミックボ
ードの上面と上のセラミックボードの下面との間には隙
間が生じるが、この隙間がワークの高さよりも大きくな
るようにしておけば、下のワークの上面と上のセラミッ
クボードの下面との間にも隙間が生じ、下のワークに荷
重がかからないとともに、焼結雰囲気ガスがワークの回
りをくまなく通るので、ワークに対する加熱が不均一に
なりにくい。
【0012】また請求項2の構成では、前記柱状部材の
嵌入される凹部を前記セラミックボードの他方の面にも
形成しているので、前記セラミックボードを重ねる際に
下のセラミックボードの凹部に嵌入された柱状部材の上
部が上のセラミックボードの下面にある凹部に嵌合し、
上下のセラミックボートが互いに位置ずれを生じるのを
防げるとともに、上のセラミックボードの設置が容易で
かつ安定的である。
【0013】さらに請求項3の構成では、前記ワークが
略円環状の本体部の一側面に軸方向に約180 ゜離れて一
対のみの第1の凸部を有するとともに前記本体部の他側
面に前記軸方向と直交して約180 ゜離れて一対のみに第
2の突起とを有するものであり、前記セラミックボード
を略矩形で前記ワークの第1及び第2の突起が前記セラ
ミックボードの軸線方向に対して傾斜して載置されるよ
うに前記切込部を形成するとともに前記ワークの略円環
状の本体部の位置に前記凹部を形成し、かつ前記柱状部
材を異形形状としたものであるので、前記柱状部材によ
り焼結雰囲気ガスの流通が妨げられ、ワークの回りをく
まなく通るため、ワークに対する加熱の均一化を図るこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の焼結用治具の第1実施例につ
いて、図1および図2を参照しながら説明する。ワーク
1は、先に説明した図9に示すものである。本焼結用治
具は、セラミックボード31と前述したワーク1の内径よ
りも小さい円柱状の柱状部材32とからなる。前記セラミ
ックボード31は、略矩形の板状体であり、対向する側部
中央には切込部たる溝部33が上下方向に貫通して形成さ
れている。この溝部33は、幅がワーク1の突起3,4の
幅よりも大きくなっているとともに、高さが突起3,4
の高さよりも十分に大きくなっている。また上面中央部
に円形の凹部34が形成されている。この凹部34の外径
は、ワーク1の内径よりも小さくかつ前記柱状部32の径
よりも僅かに大きく、具体的には1mm程度大きくなって
いる。この凹部34の上下方向の深さhは、柱状部材32の
高さHよりも小さくなっており、かつ、凹部34の深さh
と高さHとの差は、ワーク1の本体部2と突起4とを合
わせた厚さよりも厚くなっている。
【0015】前記の構成につきその作用を説明する。圧
粉体であるワーク1の焼結時には、セラミックボード31
の凹部34に柱状部材32を嵌入する。このセラミックボー
ド31を金網41上に置いて柱状部材32を囲んでワーク
1の本体部2を位置させて支持する。このとき、ワーク
1の下面の一対の突起3をセラミックボード31の一対の
溝部33に上からそれぞれ入れ、ワーク1の下面をセラミ
ックボード31の上面に接触させる。このため上下に突部
を有するワーク1を安定的にセラミックボード31上に保
持することができる。また、ワーク1を上下複数段にし
て焼結するときには、ワーク1を載せた下のセラミック
ボード31の柱状部材32の上に別のセラミックボード31を
同軸的に載せる。このとき、凹部34の深さhと高さHと
の差が、ワーク1の本体部2と突起4とを合わせた厚さ
よりも厚くなっているので、上下のセラミックボート31
間には隙間が生じ、かつ、下のワーク1の上面と上のセ
ラミックボード31の下面との間にも隙間ができる。そし
て、上のセラミックボード31上に、前述のようにしてワ
ーク1を載せる。このようにして、ワーク1をそれぞれ
載せたセラミックボード31を複数段に積み重ねられる。
【0016】そして、圧粉体であるワーク1の焼結時に
は、図10に示すように複数組のセラミックボート31を載
せた前記金網41を装入部13においてメッシュベルト炉の
メッシュベルト12上に載せる。セラミックボード31に載
ったワーク1は、金網41とともにメッシュベルトコンベ
ヤー11により搬送され、加熱部15において焼結される。
焼結の済んだワーク1の載ったセラミックボード31は、
金網41とともに取出し部17において順次取り出される。
【0017】これら一連の工程において、凹部34の深さ
hと高さHとの差が、ワーク1の本体部2と突起4とを
合わせた厚さよりも厚くなっているので、ワーク1の上
面とセラミックボード31の下面との間に隙間が生じてい
るので、下のワーク1にも荷重がかからない。これとと
もに、特に焼結に際し、焼結雰囲気ガスが下のワーク1
の回りをもくまなく通る。したがって、ワーク1が均一
に加熱され、その焼結後の寸法精度を安定させられ、平
面度などを向上させられる。しかもセラミックボード31
と柱状部材32とを分離しているので、セラミックボード
31の上面を平坦に研磨しやすいので、ワーク1の平面度
などを向上させやすくなっている。
【0018】以上のように、前記第1実施例のセラミッ
クボード31を用いれば、焼結の安定性を損なうことな
く、ワーク1をラミックボード31上に安定的に載置する
ことができる。また、上下複数段にして焼結できる。こ
れにより、多数のワーク1を同時に焼結でき、生産性が
上がる。なお、冷却は、上下であまり差は生じないが、
冷却部16における冷却では、上の方が冷えやすく、ワー
ク1を上下4段以上に重ねると、上下で寸法などに差を
生じるおそれがあるので、2段または3段が適当であ
る。また、1つのワーク1に対してセラミックボード31
を1枚としたので、1枚のセラミックボード31が割れて
も、1つのワーク分のセラミックボード31が駄目になる
のみで済む。また、ワーク1の突起3を入れるために、
セラミックボード31に孔ではなく溝部35を形成したの
で、孔とした場合よりも、セラミックボード31自体の成
形性がよくなるとともに、セラミックボード31が破損し
にくくなる。これとともに、突起3,4を有するワーク
1のセラミックボート31への装着もより容易になる。さ
らに、溝部35を長くすることにより、ワーク1の径の違
いにも対応でき、複数種の径のワーク1に同一のセラミ
ックボード31を使える。
【0019】次に本発明の焼結用治具の第2実施例につ
いて、図3および図4を参照しながら説明する。ワーク
1は、先に説明した図9に示すものである。第2実施例
の焼結用治具は、前述した第1実施例のものと基本的に
は同一の構成を有するので同一の構成には同一の符号を
付し、その詳細な説明を省略する。第2実施例において
は、セラミックボード31の上面中央部に円形の凹部34が
形成されているとともに下面中央部にも円形の凹部34A
が形成されている。この凹部34,34Aとは同じ深さhに
形成されており、柱状部材32の高さHよりも小さくなっ
ている。そして凹部34,34Aの深さhと高さHとは、凹
部34,34Aの深さの和(2×h)と柱状部材32の高さH
との差がワーク1の本体部2と突起4とを合わせた厚さ
よりも厚くなっている。
【0020】前記の構成につきその作用を説明する。圧
粉体であるワーク1の焼結時には、セラミックボード31
の凹部34に柱状部材32を嵌入する。このセラミックボー
ド31を金網41上に置いて柱状部材32を囲んでワーク
1の本体部2を位置させて支持する。このワーク1を金
網41上に置いたセラミックボード31上に載せて支持す
る。このとき、ワーク1の下面の一対の突起3をセラミ
ックボード31の一対の溝部33に上からそれぞれ入れ、ワ
ーク1の下面をセラミックボード31の上面に接触させ
る。また、ワーク1を上下複数段にして焼結するときに
は、ワーク1を載せた下のセラミックボード31上に別の
セラミックボード31を同軸的に載せる。このとき、下の
セラミックボード31の柱状部材32上に上のセラミックボ
ード31の凹部34Aが嵌入するようにして載せることによ
り、上のセラミックボード31を安定的に重ねることがで
きる。また凹部34,34Aの深さの和(2×h)と柱状部
材32の高さHとの差がワーク1の本体部2と突起4とを
合わせた厚さよりも厚くなっているので、上下のセラミ
ックボート31間には隙間が生じ、かつ、下のワーク1の
上面と上のセラミックボード31の下面との間にも隙間が
できる。
【0021】そして、圧粉体であるワーク1の焼結時に
は、図10に示すように複数組のセラミックボート31を載
せた前記金網41を装入部13においてメッシュベルト炉の
メッシュベルト12上に載せる。セラミックボード31に載
ったワーク1は、金網41とともにメッシュベルトコンベ
ヤー11により搬送され、加熱部15において焼結される。
焼結の済んだワーク1の載ったセラミックボード31は、
金網41とともに取出し部17において順次取り出される。
【0022】これら一連の工程において、下のセラミッ
クボード31の柱状部材32が上のセラミックボード31の下
面側の凹部34Aに嵌合していることにより、上下のセラ
ミックボード31が互いに位置ずれを生じることを防止で
き、安定性よくセラミックボード31を重ねることができ
る。なお、前記セラミックボード31は凹部34,34Aの深
さhが同じであるので、表裏の区別なく使用することが
でき、設置が容易であるという効果も奏する。
【0023】本発明の焼結用治具の第3実施例につい
て、図5および図6を参照しながら説明する。ワーク1
は、先に説明した図9に示すものである。第3実施例の
焼結用治具は、前述した第2実施例のものと基本的には
同一の構成を有するので同一の構成には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。第3実施例の焼結用治
具においては柱状部材32が図5に示すように中間部が最
も径大でそこから上端部及び下端部に向かうにしたがっ
て順次縮径に形成している。
【0024】柱状部材32をこのような形状とすることに
より、図6に示すように焼結に際し、焼結雰囲気ガスG
が下のワーク1に向けて流れる傾向を示すため、ワーク
1に焼結雰囲気ガスが良好に当たるのでワーク1が均一
に加熱され、その焼結後の寸法精度を安定させられ、平
面度などを向上させることができる。
【0025】さらに本発明の焼結用治具の第4実施例に
ついて、図7および図8を参照しながら説明する。ワー
ク1は、先に説明した図9に示すものである。第4実施
例の焼結用治具は、前述した第2実施例のものと基本的
には同一の構成を有するので同一の構成には同一の符号
を付し、その詳細な説明を省略する。第4実施例の焼結
用治具においては前記セラミックボード31は、略矩形の
板状体であり、対向する角部には切込部たる一対の溝部
33が上下方向に貫通して形成されている。この溝部33
は、幅がワーク1の突起3,4の幅よりも大きくなって
いるとともに、高さが突起3,4の高さよりも十分に大
きくなっている。また上面及び下面中央部に前記矩形の
セラミックボード31の軸線方向に対して傾斜して、具体
的には概ね45°の角度をもって正方形の凹部34,34Aが
形成されている。この凹部34,34Aの最大幅(正方形の
対角線)は、ワーク1の内径よりも小さくかつ後述する
柱状部材32よりも僅かに大きく、具体的には1mm程度大
きくなっている。また柱状部材32は前記凹部34,34Aに
嵌入可能な異形形状たる正四角柱状となっている。
【0026】前記構成につきその作用について説明す
る。圧粉体であるワーク1の焼結時には、セラミックボ
ード31の凹部34に柱状部材32を嵌入する。このセラミッ
クボード31を金網41上に置いて前記第2実施例の場合と
同様にしてワーク1を載置することができる。また、前
記第2実施例の場合と同様にしてワーク1を上下複数段
に重ねることができる。
【0027】そして、圧粉体であるワーク1の焼結時に
は、図10に示すような複数組のセラミックボート31を載
せた前記金網41を装入部13においてメッシュベルト炉の
メッシュベルト12上に載せる。セラミックボード31に載
ったワーク1は、金網41とともにメッシュベルトコンベ
ヤー11により搬送され、加熱部15において焼結される。
焼結の済んだワーク1の載ったセラミックボード31は、
金網41とともに取出し部17において順次取り出される。
【0028】これら一連の工程において、図8に示すよ
うにセラミックボート31をメッシュベルト12に対して軸
線方向が平行となるように載置すると、前記一対の溝部
33が概ね45°をなすとともに、正四角柱状の柱状部材32
が前記凹部34の嵌入されることにより概ね45°の角度を
成してメッシュベルト12上に載置される。このため焼結
雰囲気ガスGの流通が正四角柱状の柱状部材32及び突起
4により抑制され雰囲気ガスGの滞留時間が長くなるの
で、ワーク1に焼結雰囲気ガスが良好に当たるのでワー
ク1が均一に加熱され、その焼結後の寸法精度を安定さ
せられ、平面度などを向上させることができる。
【0029】以上のように、前記第4実施例のセラミッ
クボード31を用いれば、焼結の安定性を極めて良好なも
のとすることができる。
【0030】さらに、本発明は前記第1乃至第4実施例
に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能であ
る。例えば、前記実施例では、焼結炉がメッシュベルト
炉の場合について説明したが、本発明は、焼結炉がプッ
シャー炉の場合などにも応用できる。また、対象となる
ワークも、前記第1乃至第3実施例の場合には円環状の
本体部2の両端面にそれぞれ一対の突起3,4を有する
ものに限らない。また第4実施例において柱状部材32を
正四角柱形状とし、凹部34,34Aの形状を正方形として
いるが、柱状部材32を六角柱形状、五角柱形状あるいは
三角柱形状とし、凹部34,34Aの形状を該柱状部材32が
嵌入可能なようにこれにあわせて六角形、五角形あるい
は三角形とするなど種々の変形が可能である。
【0031】
【発明の効果】本発明の請求項1の焼結用治具によれ
ば、上部及び下部に凸部を有するワークをセラミックボ
ードの上に載せて支持する焼結用治具であって、前記ワ
ークの上部又は下部の凸部が嵌合する切込部を形成する
とともに一方の面に凹部を形成したセラミックボード
と、前記セラミックボードの凹部に嵌入される柱状部材
とを有するものであるので、焼結炉内でワークを焼結す
るに際して、ワークを凹部側が上面のセラミックボード
上に載せて支持する。そして、ワークをそれぞれ載せた
セラミックボードの凹部に柱状部材を嵌入してこの上に
セラミックボード重ねることにより、ワークを上下複数
段にして焼結できる。また、柱状部材により下のセラミ
ックボードの上面と上のセラミックボードの下面との間
には隙間が生じるが、この隙間がワークの高さよりも大
きくなるようにしておけば、下のワークの上面と上のセ
ラミックボードの下面との間にも隙間が生じ、下のワー
クに荷重がかからないとともに、焼結雰囲気ガスがワー
クの回りをくまなく通るので、ワークに対する加熱が不
均一になりにくい。
【0032】また請求項2の焼結用治具によれば、前記
柱状部材の嵌入される凹部を前記セラミックボードの他
方の面にも形成しているので、前記セラミックボードを
重ねる際に下のセラミックボードの凹部に嵌入された柱
状部材の上部が上のセラミックボードの下面にある凹部
に嵌合し、上下のセラミックボートが互いに位置ずれを
生じることを防げるとともに、上のセラミックボードの
設置が容易でかつ安定的である。
【0033】さらに請求項3の焼結用治具によれば、前
記ワークが略円環状の本体部の一側面に軸方向に約180
゜離れて一対のみの第1の凸部を有するとともに前記本
体部の他側面に前記軸方向と直交して約180 ゜離れて一
対のみに第2の突起とを有するものであり、前記セラミ
ックボードを略矩形で前記ワークの第1及び第2の突起
が前記セラミックボードの軸線方向に対して傾斜して載
置されるように前記切込部を形成するとともに前記ワー
クの略円環状の本体部の位置に前記凹部を形成し、かつ
前記柱状部材を異形形状としたものであるので、前記柱
状部材により焼結雰囲気ガスの流通が抑制され、雰囲気
ガスの滞留時間が長くなるのでワークの回りをくまなく
通るため、ワークに対する加熱の均一化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の焼結用治具を示す断面図
である。
【図2】同上斜視図である。
【図3】本発明の第2実施例の焼結用治具を示す断面図
である。
【図4】同上斜視図である。
【図5】本発明の第3実施例の焼結用治具の柱状部材を
示す斜視図である。
【図6】前記第3実施例の焼結用治具により焼結した際
の焼結ガスの流通状態の概略を示す正面図である。
【図7】本発明の第4実施例の焼結用治具を示す斜視図
である。
【図8】前記第4実施例の焼結用治具により焼結した際
の焼結ガスの流通状態の概略を示す平面図である。
【図9】ワークの一例を示す斜視図である。
【図10】焼結炉の一例を示す側面図である。
【図11】従来の焼結用治具の一例を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 ワーク 31 セラミックボード 32 柱状部材 33 溝部(切込部) 34,34A 凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部及び下部に凸部を有するワークをセ
    ラミックボードの上に載せて支持する焼結用治具であっ
    て、前記ワークの上部又は下部の凸部が嵌合する切込部
    を形成するとともに一方の面に凹部を形成したセラミッ
    クボードと、前記セラミックボードの凹部に嵌入される
    柱状部材とを有することを特徴とする焼結用治具。
  2. 【請求項2】 前記柱状部材の嵌入される凹部を前記セ
    ラミックボードの他方の面にも形成したことを特徴とす
    る請求項1記載の焼結用治具。
  3. 【請求項3】 前記ワークが略円環状の本体部の一側面
    に軸方向に約180 ゜離れて一対のみの第1の凸部を有す
    るとともに前記本体部の他側面に前記軸方向と直交して
    約180 ゜離れて一対のみに第2の突起とを有するもので
    あり、前記セラミックボードを略矩形で前記ワークの第
    1及び第2の突起が前記セラミックボードの軸線方向に
    対して傾斜して載置されるように前記切込部を形成する
    とともに前記ワークの略円環状の本体部の位置に前記凹
    部を形成し、かつ前記柱状部材を異形形状としたことを
    特徴とする請求項1又は2記載の焼結用治具。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR102392104B1 (ko) * 2021-06-10 2022-04-29 한국피아이엠(주) 휴대폰금속테두리 기초제품 및 그 제조 방법
KR102405771B1 (ko) * 2021-06-10 2022-06-07 한국피아이엠(주) 휴대폰금속테두리 기초제품 및 그 제조 방법
WO2023068010A1 (ja) * 2021-10-18 2023-04-27 株式会社レゾナック 軟磁性焼結部材及び軟磁性焼結部材の製造方法

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