JPH07320965A - ロータリトランスコア中間品及びそれを用いたロータリトランスコアの製造方法 - Google Patents

ロータリトランスコア中間品及びそれを用いたロータリトランスコアの製造方法

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JPH07320965A
JPH07320965A JP6129814A JP12981494A JPH07320965A JP H07320965 A JPH07320965 A JP H07320965A JP 6129814 A JP6129814 A JP 6129814A JP 12981494 A JP12981494 A JP 12981494A JP H07320965 A JPH07320965 A JP H07320965A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層状態で焼成可能にし、一度に焼成可能な
コアの数を増加させて製造効率の向上を図り、熱容量不
足による焼成不良や、亀裂等の不良品の発生を抑制でき
るロータリトランスコアの製造方法を提供すること 【構成】 巻線が装着される主平面11aと反対のコア
本体11の背面11b側に、多数の小突起部13を一体
成形したロータリトランスコア中間品15を製造し、そ
れを背面が上になるようにして3個積層配置する。する
と、上下に隣接する一方の中間品の主平面と他方の背面
との間に、小突起部の高さ分の隙間17が形成される。
この状態で加熱炉内に挿入し焼成すると、隙間を介して
熱が均一に伝達されるとともに、焼成時に生じるガスも
その隙間を介して外部に抜け出る。よって、亀裂など発
生しない。焼成後、背面を研磨して小突起部を除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータリトランスコア
中間品及びそれを用いたロータリトランスコアの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VTR等の回転磁気ヘッドに用いられる
ロータリトランスの一種である平板型ロータリトランス
は、図5に示すようにフェライトで形成される偏平の円
盤状のコア1の片面(主平面)に同心円状の複数の溝2
を形成し、その溝内に巻線3を装着する。そしてこのコ
ア1の中心には中心孔1aが形成される。なお、このコ
ア1の裏面側は平坦面となっている。係る構成のロータ
リトランスを2個用意し、図6に示すように互いの主平
面同士を向かい合わせるとともに、軸心を一致させた状
態で回転自在に配置する。すなわち、下側のロータリト
ランス4aは下部シリンダ5に固定し、上側のロータリ
トランス4bをモータの出力軸6にレン列し、出力軸6
とともに回転するようにしている。これにより、2つの
系の間で電気信号の授受を行うようになっている。
【0003】ところで、上記構成のコア1を製造するに
は、図7に示すようにフェライト粉体を中心孔1aを有
したドーナッツ円盤状にプレス成形してロータリトラン
スコア中間品7を製造する。なお、図は背面(主平面と
逆側)を上にして描いている。
【0004】次いで、係るフェライト粉体を焼成する
が、この時図8に示すように、1枚の中間品7をセッタ
ー8と称されるセラミック製の皿の上に載置し、さら
に、このように中間品7を載置したセッター8を大型の
トレー9上に複数設置し、そのトレー9ごと(係るトレ
ー9も複数個積層する)加熱炉内を通過させることによ
り、1000〜1200℃程度で加熱し焼結するように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の製造方法では、セッター8の上に1個の中間品
7を載置していたので、その中間品7の上に無駄な空間
が生じてしまう。さらに、中間品7を加熱する際には、
それと同時にセッター8やトレー9も加熱することにな
り、加熱に要する全体の熱容量(中間品7,セッター
8,トレー9を加熱するために必要な熱容量)に対する
中間品7に対する熱容量が少なくなる。よって、加熱効
率が悪くなる。
【0006】さらに、上述のようにセッター8の上に配
置された中間品7の上空には無駄な空間があるので、加
熱炉内の空間に効率良く中間品を配置できず、一度に焼
成処理できる中間品7が少なく、作業効率が悪くなる。
【0007】一方、上記問題を解決するために、セッタ
ー8の上に複数の中間品7を載置することが考えられる
が、そうすると、最上端に配置された中間品以外は、外
部に露出する面が少なく(側周面程度)、熱量不足によ
り焼成不良を生じる。また、焼成により中間品7内のガ
ス抜けを生じるが、露出面が少ないとガス抜けが悪く、
各部位での収縮率が異なるなどの現象を生じ、それにと
もない亀裂,反り等を生じる。よって、不良品が製造さ
れることになり、歩留まりが低下する。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、複数のコア中間品を積層することができ、一度に
焼成可能なコアの数を増加させ、製造効率の向上を図
り、また、従来無駄な空間であった部分にもコア(中間
品)を配置可能とし、加熱エネルギーを有効にコアの焼
成に使用して加熱効率の向上を図ることができ、しか
も、熱容量不足による焼成不良や、亀裂等の不良品の発
生を可及的に抑制することができ、歩留まりの良いロー
タリトランスコア中間品及びそれを用いたロータリトラ
ンスコアの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係るロータリトランスコア中間品では、
最終的に巻線が装着される主平面と反対の円盤状のコア
本体の背面側に、多数の小突起部を一体成形した。
【0010】また、本発明に係るロータリトランスコア
の製造方法では、上記した構成のロータリトランスコア
中間品を複数個用意し、それらを同一方向を向くように
して積層する。次いで、その状態で加熱焼成した後、少
なくとも前記背面側を研磨して前記小突起部を除去する
ようにした。
【0011】
【作用】複数のロータリトランスコア中間品を同一方向
を向くようにして積層すると、上下に隣接する中間品
は、一方の中間品の主平面が他方の中間品の背面に形成
された小突起部と接触する。これにより、両面間には、
小突起部の高さ分の隙間(空間)が形成される。この状
態で加熱して焼成処理すると、上記隙間を介して積層さ
れた中間品の対向面間に熱がスムーズに伝達されるの
で、各中間品には十分かつ均一に加熱される。また、加
熱により中間品内部からガスが発生するが、係るガスも
上記隙間を介して外部に抜け出る。よって、亀裂等を生
じることもない。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るロータリトランスコア中
間品及びそれを用いたロータリトランスコアの製造方法
の好適な実施例を添付図面を参照にして詳述する。図1
は、本発明に係るロータリトランスコア中間品の一実施
例を示している。同図に示すように、中央孔10を有し
たドーナッツ円盤状のコア本体11は、フェライト等の
磁性体により形成されている。そして、このコア本体1
1の主面側11a(最終製品で巻線を装着するための溝
が形成される面)には、径方向に伸び、一端がコア本体
11の周縁に達する切欠き溝部12が形成されている。
なお、この状態ではコイルが挿入配置される同心円状の
溝部は形成されていない。そして上記切欠き溝部12
は、最終的に形成される同心円状の溝部を横断するよう
に配置され、溝部内に挿入されたコイルの外部への引き
出し用通路等となる。
【0013】ここで本発明では、主平面11a側と反対
側の背面11bに、多数の小突起部13を形成してい
る。この小突起部13は、同一の半球状としているが、
仮に形状を異ならせる場合には、少なくとも各小突起部
13の高さはすべて同じにすることがよい。これによ
り、各小突起部13の上端(頂点)は同一平面上に位置
する。さらに、このような形状に形成されるロータリコ
ア中間品15は、焼成前で比較的強度が弱いとともに、
後述するように小突起部13間に形成される隙間・空間
が焼決時のガス抜き通路になれば良いので、その突出量
(高さ)は小さく(例えば0.5〜2mm程度)設定し
ている。そして、係る形状のロータリコア中間品15を
製造するには、所定形状(従来の金型の形状にさらに小
突起部に対応する凹部が形成される)の金型内にフェラ
イト粉体を充填し、プレス成型することにより形成でき
る。
【0014】なお、上記した実施例では、背面11bに
形成する小突起部13を半球状としたが、その形状は任
意で、矩形状凸部(先端が平坦面)あるいは先端が尖っ
たものでもよい。但し、他のロータリトランスコアの主
平面との接触抵抗を考慮すると、先端が尖ったものより
も本実施例のように先端が球面となっている方が良く、
また、各小突起部の高さにばらつきがあるような場合に
は、矩形状と粒のものよりもやはり本実施例のように先
端を曲面状にしていたほうがよい。
【0015】次に、上記したロータリトランスコア中間
品15を用い、本発明に係るロータリトランスコアの製
造方法の一実施例について説明する。図2に示すよう
に、セッター16の上に上記構成のロータリトランスコ
ア中間品15を複数(本例では3個)積層配置する。こ
の時、3個のロータリトランスコア中間品15は、共に
同一方向(図示の例では背面11bが上)を向くように
している。
【0016】すると、図示するように最上方並びに真ん
中に位置するロータリトランスコア中間品15は、それ
ぞれその下側に位置するロータリトランスコア中間品1
5に設けた多数の小突起部13に支持される。すなわ
ち、下側のロータリトランスコア中間品15の小突起部
13の頂点と、上側のロータリトランスコア中間品15
の主平面11aとが接触する。これにより、上下に隣接
するロータリトランスコア中間品15の主平面11aと
背面11bとの間には、小突起部13の高さ分だけ隙間
17があく。この状態で、従来と同様に大型のトレー
(図8参照)内に複数設置し、さらにそのトレーを複数
段重ねた状態で加熱炉内(1000〜1200℃雰囲
気)に挿入する。
【0017】これにより、セッター16,トレーととも
に積層された各ロータリトランスコア中間品15が加熱
され、焼成される。この時、本例では、上記隙間17を
介して積層された各ロータリトランスコア中間品の主平
面11a,背面11bが露出するので、加熱炉内の高温
雰囲気にさらされ、熱の回りが良く均一に加熱される。
また、焼成によりロータリトランスコア中間品15内の
ガスが外部に抜け出ようとするが、上記隙間17がガス
抜け通路となるので、スムーズにガス抜けが行われる。
よって、全体的に均一にガス抜きが行われ、均一に収縮
して反りや亀裂なども生じることがなく、歩留まりが向
上する。
【0018】そして、1つのセッター16の上に3個の
ロータリトランスコア中間品15を載置したため、一度
に焼成処理できるロータリトランスコア中間品の数が3
倍になり、製造効率が向上する。さらに、係るロータリ
トランスコア中間品15の個数増加にともないセッター
16,トレー並びにロータリトランスコア中間品15全
体を加熱するのに必要な熱容量に対するロータリトラン
スコア中間品15のための熱容量の占める割合も上昇
し、熱効率も良くなる。
【0019】上記のようにして焼成後、トレーごと加熱
炉から取り出し(実際には、トレーが一定速度で加熱炉
内を移動するため、移動中に加熱焼成され、焼成処理終
了後は自動的にそのまま加熱炉から搬出されるようにな
っている)、図3に示すように、焼成処理したロータリ
トランスコア中間品15をマグネットテーブル20上に
置く。この時、主平面11aが下に成るようにする。す
ると、ロータリトランスコア中間品15は、フェライト
から構成された磁性体であるので、磁力によりマグネッ
トテーブル20に吸着保持される。
【0020】この状態で研磨用砥石21を用いてロータ
リトランスコア中間品15の背面11b側を切削・研磨
する。これにより、上記小突起部13が切除される。さ
らに、小突起部13を完全に削りとった後も所定距離研
磨し(図中破線で示す位置まで研磨する)、厚さが規定
値通りになるように調整を行う。その後、主平面11a
側に、コイルを挿入するための同心円状の複数の溝を形
成する。これにより、ロータリトランスコアが製造され
る。
【0021】なお、係る研磨工程は、ロータリートラン
スコアの厚さを規定値通りにするために行われている処
理である。すなわち、本実施例によれば、上記した所定
形状のロータリトランスコア中間品を使用し、セッター
の上に複数枚積層する以外は、従来の製造工程をそのま
ま使用することができる。つまり、従来から用いられて
いる製造設備を何等替えることなく実施することができ
る。そして、一度に製造することのできるロータリトラ
ンスコアの数を増加させることができ、生産性が向上す
る。
【0022】なお、上記した実施例では、積層するロー
タリトランスコア中間品の数を3個としたが、その積層
数は任意である。また、上記した実施例では、ロータリ
トランスコア中間品の背面を上にして積層したが、図4
に示すようにロータリトランスコア中間品15を積層す
るにあたり、その主平面11aを上にして積層しても良
い。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るロータリト
ランスコア中間品では、背面側に小突起部を設けたた
め、係る中間品を同一方向に向くように積層すると、そ
の小突起部により上下に隣接する中間品の対向面間に隙
間が生じる。その隙間を加熱時の熱伝達用及び、ガス抜
き用の通路として使用できる。よって、たとえ積層した
まま焼成処理しても、亀裂や反等の不良品が発生するこ
とが可及的に抑制できる。
【0024】したがって、本発明のロータリトランスコ
アの製造方法では、本発明のロータリトランスコア中間
品を用いて積層状態で焼成処理できるので、一度に処理
できる中間品すなわちロータリトランスコアの数が増大
し、製造効率が向上する。また、この様に積層配置でき
るので、従来無駄な空間であった部分(中間品の上方空
間)にもコア(中間品)が配置可能となる。よって、加
熱エネルギーを有効にコアの焼成に使用して加熱効率の
向上を図ることができ、しかも、熱容量不足による焼成
不良や、亀裂等の不良品の発生を可及的に抑制すること
ができ、歩留まりが向上する。なお、背面側に形成した
小突起部は、焼成後除去されるため、製品特性上の問題
もなく、係る除去処理は、従来から行われている焼成後
の背面の研磨処理をそのまま利用できるので、製造工程
の増加もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロータリトランスコアの中間品の
好適な一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係るロータリトランスコアの製造方法
の好適な一実施例における一工程を示す図である。
【図3】本発明に係るロータリトランスコアの製造方法
の好適な一実施例における別の工程を示す図である。
【図4】他の実施例を示す図である。
【図5】ロータリトランスコア一例を示す図である。
【図6】従来のロータリトランスコアの製造方法の一例
を示す図である。
【図7】従来のロータリトランスコアの製造方法の一例
を示す図である。
【図8】従来のロータリトランスコアの製造方法の一例
を示す図である。
【符号の説明】
11 ロータリコア本体 11a 主平面 11b 背面 13 小突起部 15 中間品 21 砥石

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終的に巻線が装着される溝を備えた主
    平面をもつ偏平円盤状のロータリトランスコアの焼成前
    の中間品であって、 当該主平面の反対側の背面部に、多数の小突起部を一体
    成形してなるロータリトランスコア中間品。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のロータリトランスコア
    中間品を複数個用意し、それらを同一方向を向くように
    して積層し、 その状態で加熱焼成した後、少なくとも前記背面側を研
    磨して前記小突起部を除去するようにしたロータリトラ
    ンスコアの製造方法。
JP6129814A 1994-05-20 1994-05-20 ロータリトランスコア中間品及びそれを用いたロータリトランスコアの製造方法 Expired - Fee Related JP2886086B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108349814A (zh) * 2015-11-11 2018-07-31 阿莫泰克有限公司 铁氧体片的制造方法及使用其的铁氧体片
JP2019148011A (ja) * 2019-04-17 2019-09-05 株式会社三井ハイテック 積層鉄心の製造方法及びプレート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108349814A (zh) * 2015-11-11 2018-07-31 阿莫泰克有限公司 铁氧体片的制造方法及使用其的铁氧体片
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