JPH056998U - スピーカ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び後
方の２ケ所に有するツインドライブ方式のスピーカにお
いて、振動板の前方に配された第２磁気回路を小型化す
ることにより、音波放射特性の乱れによる周波数特性劣
化の軽減、スピーカの小型化、軽量化、コストダウンを
図る。 【構成】 第１コイルボビン１４に対して第２コイルボ
ビン１７の径を小さくして、これら各コイルボビンをジ
ョイントスペーサ２０によって連結し、振動板２の前方
に配された第２磁気回路９を振動板２の後方に配された
第１磁気回路４よりも小型化する。尚、振動板２の後方
に配された第１磁気回路４の発生する駆動力と振動板２
の前方に配された第２磁気回路９が発生する駆動力とが
等しくなるように、第１磁気回路４の空隙内磁束密度、
第１コイルボビン１４に巻回されたボイスコイルの長
さ、ボイスコイルを流れる電流、第２磁気回路９の空隙
内磁束密度、第２コイルボビン１７に巻回されたボイス
コイルの長さ、ボイスコイルを流れる電流を設定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び後方の２ケ所に有するスピ ーカの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、振動板駆動用磁気回路を振動板の前方及び後方の２ケ所に設けたツイン ドライブ方式のスピーカとして、図３に示す如きものが知られている。同図にお いて１はフレーム、２は振動板であり、該振動板２はエッジ３を介して前記フレ ーム１に弾性的に支持されている。４は第１磁気回路であり、バリュームフェラ イト永久磁石５、ボトムプレート６、アッパープレート７で構成されている。９ は第２磁気回路であり、バリュームフェライト永久磁石１０、ボトムプレート１ １、アッパープレート１２で構成されている。８は前記振動板２に貫通されると ともに第１磁気回路４のボトムプレート６の先端部に一端が装着され、さらに第 ２磁気回路９のボトムプレート１１の先端部に他端が装着された結合用スペーサ 、１３は前記第１磁気回路４と第２磁気回路９を連結する固定ネジ、１４は前記 第１磁気回路４の磁気空隙１５に介在され、前記振動板２と連結された第１コイ ルボビンであり、該第１コイルボビン１４は第１ダンパー１６によって弾性的に 支持されている。１７は前記第２磁気回路９の磁気空隙１８に介在され、第２ダ ンパー１９によって弾性的に支持された第２コイルボビン、２０は前記各コイル ボビンを連結するジョイントスペーサである。

【０００３】 第１コイルボビン１４及び第２コイルボビン１７に巻回されたボイスコイルに 電気信号が印加されると、第１磁気回路４及び第２磁気回路９の作用によって振 動板２が駆動される。この時、第１磁気回路４が発生する振動板２を駆動する駆 動力をＦ１とすると、Ｆ１＝Ｂ１・Ｌ１・Ｉ１（Ｂ１；第１磁気回路４の空隙内 磁束密度、Ｌ１；第１コイルボビン１４に巻回されたボイスコイルの長さ、Ｉ１ ；ボイスコイルを流れる電流）で表される。同様にして第２磁気回路９が発生す る振動板２を駆動する駆動力をＦ２とすると、Ｆ２＝Ｂ２・Ｌ２・Ｉ２（Ｂ２； 第２磁気回路９の空隙内磁束密度、Ｌ２；第２コイルボビン１７に巻回されたボ イスコイルの長さ、Ｉ２；ボイスコイルを流れる電流）で表される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ツインドライブ方式のスピーカの場合、駆動力Ｆ１と駆動力Ｆ２とを等しくす ることが望ましく、加えて第１ダンパー１６及び第２ダンパー１９の弾性力も等 しくすることが望ましい。このため、第１磁気回路４及び第１コイルボビン１４ と第２磁気回路９及び第２コイルボビン１７は同等の駆動力を生み出すために同 じ仕様のものを使用する必要があるが、振動板２の音波放射面側に配された第２ 磁気回路９が障害となって音波の乱れを生じ、周波数特性が劣化するという問題 があった。

【０００５】 尚、前記問題を解決するために、バリュームフェライト永久磁石の代わりに高 エネルギー積を持つ希土類系永久磁石を使用して第２磁気回路を小さくすること も考えられるが、希土類系永久磁石はバリュームフェライト永久磁石に比べて高 価であり、大幅なコストアップにつながるという問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案では、振動板の前方及び後方の２ケ所に振動 板駆動用磁気回路を有するスピーカにおいて、前記振動板の後方の磁気回路に設 置されるコイルボビンの径よりも振動板の前方の磁気回路に設置されるコイルボ ビンの径を小さく設定し、振動板の後方の磁気回路に対して振動板の前方の磁気 回路を小さくしたことを特徴とするスピーカを提案せんとするものである。

【０００７】

【作用】

上記の如く構成したので、振動板の後方の磁気回路よりも振動板の前方の磁気 回路を小型化することができる。

【０００８】

【実施例】

以下、図面を参照しつつ本考案の一実施例につき説明する。図１及び図２は本 考案のスピーカを示しているが、従来のスピーカと同一の部分には同一の符号を 付し、その説明は割愛する。前記したように、第１磁気回路４が発生する駆動力 Ｆ１と第２磁気回路９が発生する駆動力Ｆ２とを等しくするという前提より、Ｆ １＝Ｆ２＝Ｂ１・Ｌ１・Ｉ１＝Ｂ２・Ｌ２・Ｉ２が成立すればよい。このため、 Ｂ１（第１磁気回路４の空隙内磁束密度）、Ｌ１（第１コイルボビン１４に巻回 されたボイスコイルの長さ）、Ｉ１（ボイスコイルを流れる電流）、Ｂ２（第２ 磁気回路９の空隙内磁束密度）、Ｌ２（第２コイルボビン１７に巻回されたボイ スコイルの長さ）、Ｉ２（ボイスコイルを流れる電流）を設定すれば、コイルボ ビンの径を変えて、第１磁気回路４または第２磁気回路の大きさを変えることが 可能である。本考案はこの点に着目したものであり、図に示すように第２コイル ボビン１７の径を小さくし、結果として第２磁気回路９の径Ｄ及び突出量Ｈを小 さくしたことに特徴を有するものである。第１コイルボビン１４の径と第２コイ ルボビン１７の径が異なるため、ジョイントスペーサ２０における第１コイルボ ビン１４の嵌合する円周溝ａの径よりも第２コイルボビン１７の嵌合する円周溝 ｂの径の方が当然のことながら小さい。

【０００９】

【考案の効果】

以上、詳述した如く本考案に依れば、振動板の前方及び後方の２ケ所に振動板 駆動用磁気回路を有するスピーカにおいて、前記振動板の後方の磁気回路に設置 される第１のコイルボビンの径よりも振動板の前方の磁気回路に設置される第２ のコイルボビンの径を小さく設定し、振動板の後方の磁気回路に対して振動板の 前方の磁気回路を小さくしたので、第２磁気回路の大きさを小さくすることがで き、音波放射の乱れによる周波数特性劣化の軽減、第２磁気回路の突出量の減少 によるスピーカの小型化、スピーカの重量の軽減、コストダウンを図ることがで きるといったさまざまな効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のスピーカの構造を示す側断面図。

【図２】本考案のスピーカの構造を示す斜視図。

【図３】従来のスピーカの構造を示す側断面図。

【符号の説明】

１ フレーム ２ 振動板 ３ エッジ ４ 第１磁気回路 ５ バリュームフェライト永久磁石 ６ ボトムプレート ７ アッパープレート ８ 結合用スペーサ ９ 第２磁気回路 １０ バリュームフェライト永久磁石 １１ ボトムプレート １２ アッパープレート １３ 固定ネジ １４ 第１コイルボビン １５ 磁気空隙 １６ 第１ダンパー １７ 第２コイルボビン １８ 磁気空隙 １９ 第２ダンパー ２０ ジョイントスペーサ

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 振動板の前方及び後方の２ケ所に振動板
   駆動用磁気回路を有するスピーカにおいて、前記振動板
   の後方の磁気回路に設置されるコイルボビンの径よりも
   振動板の前方の磁気回路に設置されるコイルボビンの径
   を小さく設定し、振動板の後方の磁気回路に対して振動
   板の前方の磁気回路を小さくしたことを特徴とするスピ
   ーカ。