JPH0569542A - インクジエツトヘツドの駆動方法 - Google Patents

インクジエツトヘツドの駆動方法

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JPH0569542A
JPH0569542A JP23183191A JP23183191A JPH0569542A JP H0569542 A JPH0569542 A JP H0569542A JP 23183191 A JP23183191 A JP 23183191A JP 23183191 A JP23183191 A JP 23183191A JP H0569542 A JPH0569542 A JP H0569542A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 好適なインク滴の形成と高い周波数応答性の
実現を両立させたインクジェットヘッドの駆動方法を提
供する。 【構成】 複数のノズル開口21が形成されたノズルプ
レート20と、ノズルプレート20との間に圧力室23
を形成する圧力板22と、圧力板22に自由端を振動子
ベース27に他の一端を接合された圧電素子24と、前
記圧力室23の内部に満たされたインク30とを具備し
たインクジェットヘッドの駆動方法において、前記圧電
素子24の1次の固有振動周期よりも大きいパルス幅を
有することを特徴とするインクジェットヘッドの駆動方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク滴を飛翔させ記録
紙等の媒体上にインク像を形成するオンデマンド式イン
クジェットプリンタに関し、さらに詳細には、インクジ
ェットプリンタヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットヘッドの構成とし
ては、インク溜部を形成する容器の一部を印字信号で変
形する圧電素子により構成し、圧電素子の変形で生じた
容器内の圧力によりインクを液滴として吐出させるも
の、さらには、ノズル開口を備えた圧力室に圧電素子を
設け、圧電素子の伸縮により圧力室のインク圧を変化さ
せてノズルからインクを液滴として飛翔させるもの等が
ある。上記従来技術のインクジェットヘッドの駆動方法
は、圧電素子のリンギングを防止する為に、圧電素子の
固有振動周期に等しいパルス幅を有する駆動波形を使用
していた。そのため、インクを液滴として飛翔させた直
後、圧電素子の残留振動の影響を受けて予期せぬインク
滴が飛翔することなく、好適なインク滴を形成できると
いう特徴を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のインク
ジェットヘッドの駆動方法では、好適なインク滴の形成
と、且つ高い周波数応答性の実現を両立させることが困
難であるという問題点を有していた。ここで、好適なイ
ンク滴とは、1粒の球状に近いインク滴のことである。
また、高い周波数応答性とは、単位時間に安定的にノズ
ルから吐出できるインク滴の数が多いことを意味してい
る。
【0004】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、好適なインク
滴の形成と高い周波数応答性の実現を両立させることに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドの駆動方法は、複数のノズル開口が形成されたノ
ズルプレートと、前記ノズルプレートとの間に圧力室を
形成する圧力板と、前記圧力板に自由端をベース板に他
の一端を接合された圧電素子と、前記圧力室内に満たさ
れたインクとを具備したインクジェットヘッドの駆動方
法において、前記圧電素子の固有振動周期よりも大きい
パルス幅を有することを特徴とする。
【0006】さらに、前記パルス幅が、前記圧電素子の
固有振動周期の1倍以上、2倍以下であることも特徴と
する。
【0007】
【作用】本発明によれば、インク滴吐出後の、メニスカ
スの戻り時間が速い。
【0008】
【実施例】図1は、本発明のインクジェットヘッドの斜
視図である。20は、ノズルプレートであり、縦8列、
横16列、合計128個のノズル21、21、2
1....が配設されている。ノズル21は、図示しな
い記録紙に対向している。ノズルプレート20の外縁
は、フレーム19に接合されている。フレーム19の内
部には、後述するインク滴形成手段が構成されている。
インク導入パイプ18a、18bは、図示しないインク
タンクに連通しているため、インク30をインク滴形成
手段に供給する役割を果たす。ドライバーIC17は、
図示しない回路基盤からの電気信号をフレキシブル配線
板15を介して受取り、圧電素子24を駆動する。
【0009】図2は、本発明のインクジェットヘッドの
断面図であり、図1のB―B’方向の断面をA方向から
見た断面図である。圧電素子24、24、24....
の片面は、ベース板27上に形成されたセグメント電極
28、28、28....に接着されている。この接着
は、圧電素子24の表面電極と電気的導通を確保する様
に、また、接着面が圧電素子24の固定端として機能す
る様になっている。圧電素子24、24、24....
の他の片面には、共通電極39(図3参照)が接合され
ている。セグメント電極28と共通電極39は、ドライ
バーIC17に繋がれている。圧電素子24の自由端部
31は、例えば4mmの長さであり、電気機械変換手段
としての機能を果たすようになっている。ノズルプレー
ト20には、列設されたノズル21の他に、隔壁32が
設けられている。圧力室23の空間は、隔離板25を介
してノズルプレート20と支持板26を接合することに
より構成されている。ここで、ノズルプレート20から
隔離板25までの距離は例えば90μm、隔壁32から
他の隔壁32までの距離は例えば0.5mmである。圧
力室23及びノズル21の内部は、インク30で満たさ
れている。隔離板25を挟んで圧力室23、23、2
3....に対向するように、圧力板22、22、2
2....が隔離板25に接合されている。したがっ
て、支持板26の開口部は、圧力室23と対向するよう
になっている。圧力板22、22、22....の他の
面には、自由端部31、31、31....の端面が接
合されている。ここで、圧力板22の端面から支持板2
6の壁面に至る距離d1は、例えば0.12mmになる
様に管理されている。隔壁板25は、例えば厚さ25μ
mのポリイミドフィルムにより構成されているため、圧
電素子24の変形を有効に圧力室23に伝達することが
可能となっている。本実施例のヘッド1では、1枚のベ
ース板27に16個の圧電素子24が列設され1ユニッ
トを構成している。8セットのユニットを、フレーム1
9の内部に配設することによりヘッド1を構成する。
【0010】図3も、本発明のインクジェットヘッドの
断面図であり、図2のC―C’断面図である。圧力室2
3、23、23....には、ノズル21の他に、それ
ぞれ2箇所の開口部33、33、33....が設けら
れている。圧力室23、23、23....は、開口部
33、33、33....においてインク流路29、2
9、29....と連通している。インク流路29、2
9、29....は、インク導入パイプ18a、18b
を経てインクタンクと連結している。インク流路29
は、支持板26に形成された溝とノズルプレート20と
により構成される。ここで、圧力板22の端面から支持
板26の壁面に至る距離d2も、例えば0.12mmに
なる様に管理されている。
【0011】図4は、本発明のインクジェットヘッドの
基本動作を表したグラフであり、駆動電圧、圧力室の内
部の排除体積、ノズルの内部のインクの体積変位と体積
速度を表わしている。波形W1は、圧電素子24に印加
する電圧の波形を表している。波形W2は、圧力室23
の内部において、圧電素子24の運動に伴い圧力板22
が排除したインク30の体積変化の波形を表している。
波形W3は、ノズル21を通過した、インク30の体積
変化の波形を表している。波形W4は、ノズル21を通
過する、インク30の体積速度の波形を表している。
【0012】以下、図4を元に本実施例のヘッド1の動
作の説明を行なう。時間t1以前において、圧電素子2
4には、例えば電圧30voltが印加されている。但
し、圧電素子24は静的な釣り合いの状態にあり、電圧
を印加していない状態と比較して、約1.5μm収縮し
た状態にある。また、時間t1以前において、圧力室2
3の内部とノズル21の内部のインク30は、静止した
状態である。時間t1において、圧電素子24が、波形
W1に示すような台形波状に駆動される。時間t1を起
点として、圧電素子24が運動を開始するため、圧力室
23は、内部の体積が縮小する方向に変形する。この変
形により排除されたインク30の体積変化を表している
のが、波形W2である。圧力室23から押し出されたイ
ンク30は、開口部33とノズル21の方向に流れる。
時間t2は、圧電素子24の変形が最大に到達する時間
である。時間t1から時間t2に至る所要時間は、圧電
素子24の固有振動周期に依存する。本実施例の圧電素
子24の固有振動周期は、約8μsecであるので、時
間t1から時間t2に至る所要時間は、約4μsecに
なる。波形W4において、時間t2を境として、ノズル
21を流れるインク30の体積速度が正から負に移行す
る。波形W3に示すように、時間t2においてノズル2
1へ流れたインク30の体積が不連続となる。これは、
体積QNのインク滴が、ノズル21から離れて飛翔を開
始したことを意味している。次に、時間t3において、
再び圧電素子24に電圧が印加される。パルス幅PW
を、t1からt3までの所要時間と定義する。パルス幅
PWは、圧電素子24の固有振動周期以上になるように
設定される。時間t3以降、圧電素子24の振動的な運
動は次第に減衰する。時間t3において、波形W3に示
す通り、メニスカスはノズル21の内部に大きく引き込
まれる。しかし、メニスカスの圧力の作用により、時間
t4においてノズル21の内部にインク30が満たされ
る。最終的には、時間t1以前と同様の静止状態とな
り、次のインク滴を吐出するための準備を完了する。
【0013】図5は、本実施例の駆動回路を表したブロ
ック図である。任意波形発生装置40は、図4の波形W
1に示す台形波形を連続的に発生する。任意波形発生装
置40で発生した波形W1は、アナログスイッチ41、
41、41....により選択的にPZT42、42、
42....に印加される。
【0014】図6に、パルス幅PWを横軸51、メニス
カス戻り時間である時間t4を縦軸52にした実験結果
のグラフを示す。単位は、横軸51と縦軸52共に(μ
sec)である。曲線50は、極小値を有している。従
って、本実施例のインクジェットヘッドは、パルス幅P
Wをこの極小値近傍に設定してある為、高い周波数応答
性を有している。ここで、周波数応答性とは、インクジ
ェットヘッドが単位時間にインク滴を形成する能力のこ
とである。すなわち、時間t4が140μsecの時、
インクジェットヘッドは、約10kHzの周波数でイン
ク滴を形成し吐出する能力を有する。図6のグラフは、
パルス幅PWを圧電素子24の縦方向の1次の固有振動
周期PW1以上に、且つ圧電素子24の縦方向の1次の
固有振動周期の2倍PW2以下に設定すれば、10kH
z以上の高い周波数応答性を有するインクジェットヘッ
ドを実現できることを示している。さらに、曲線50の
極小値部分が約10μsecにわたって一定であること
から、パルス幅PWの変動に対して安定したインクジェ
ットヘッドを実現している。また、曲線50が極小値を
有する理由は、十分に解明されていないが、圧力室23
の内部に発生するインク30の慣性流れの影響であると
考えられる。本発明者らは、様々な形状の圧電素子24
やノズルプレート20の組み合わせにおいて実験を実施
した。その結果が曲線50に類似し、さらに最適なパル
ス幅が圧電素子の固有振動周期と強い相関を有すること
を確認している。
【0015】図7に、パルス幅PWを横軸54、インク
滴の飛翔スピードを縦軸55にした実験結果のグラフを
示す。単位は、横軸54が(μsec)であり、縦軸5
5が(m/s)である。曲線53は、パルス幅PWが圧
電素子24の1次の固有振動周期PW1以上であれば、
インクスピードが一定であることを表している。すなわ
ち、本実施例のインクジェットヘッドは、パルス幅PW
をPW1以上に設定すれば、ばらつきの少ない安定した
速度でインク滴を吐出可能な構成になっている。また、
インク滴の飛翔形態は、パルス幅PWがPW1以上なら
ば、ほぼ球形である。
【0016】図8に、パルス幅PWを横軸57、インク
滴の体積を縦軸58にした実験結果のグラフを示す。単
位は、横軸57が(μsec)であり、縦軸58が(μ
cc)である。曲線56は、パルス幅PWが圧電素子2
4の1次の固有振動周期PW1以上であれば、インク滴
の体積が一定であることを表している。すなわち、本実
施例のインクジェットヘッドは、パルス幅PWをPW1
以上に設定すれば、ばらつきの少ない安定した体積のイ
ンク滴を吐出可能な構成になっている。
【0017】図9に、パルス幅PWを横軸60、周波数
応答性を縦軸61にした実験結果のグラフを示す。単位
は、横軸60が(μsec)であり、縦軸61が(kH
z)である。曲線59は、極大値を有している。従っ
て、本実施例のインクジェットヘッドは、パルス幅PW
をこの極大値近傍に設定してある為、高い周波数応答性
を有している。図9の曲線59は、図6の曲線50に対
して対象的な形状である。このことは、メニスカス戻り
時間の逆数が、インクジェットヘッドの周波数応答性に
強く影響している事を示している。パルス幅PWがPW
1以上PW2以下の領域は、10kHz以上の周波数応
答性を安定して実現できる領域である。
【0018】図10は、本発明の他の実施例であり、圧
電素子24に印加する駆動波形W5を表している。横軸
は時間、縦軸は電圧を表している。本実施例が図4の実
施例と異なる点は、駆動波形W5の立ち上がりと立ち下
がりが指数関数的に変化している点である。駆動波形W
5の場合でも、パルス幅PWを圧電素子24の固有振動
周期の1倍以上2倍以下の間に管理することにより、高
い周波数応答性を有し好適なインク滴を吐出可能なイン
クジェットヘッドを実現できることを、発明者らは、実
験により確認している。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットヘッドの駆動方法は、駆動波形のパルス幅が、圧
電素子の固有振動周期以上となるように管理されている
ため、高い駆動周波数を有し、さらに、好適なインク滴
を吐出するインクジェットヘッドを実現できるいう効果
を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の断面図である。
【図3】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の動作を説明する為のグラフである。
【図5】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の駆動回路を表すブロック図である。
【図6】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
のパルス幅とメニスカス戻り時間の関係を表すグラフで
ある。
【図7】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
のパルス幅とインクスピードの関係を表すグラフであ
る。
【図8】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
のパルス幅とインク滴の体積の関係を表すグラフであ
る。
【図9】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
のパルス幅と周波数応答性の関係を表すグラフである。
【図10】本発明の一実施例であるインクジェットヘッ
ドの駆動波形を表す図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 20 ノズルプレート 21 ノズル 23 圧力室 24 圧電素子 30 インク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口が形成されたノズルプ
    レートと、前記ノズルプレートとの間に圧力室を形成す
    る圧力板と、前記圧力板に自由端をベース板に他の一端
    をそれぞれ接合された圧電素子と、前記圧力室内に満た
    されたインクとを具備したインクジェットヘッドの駆動
    方法において、前記圧電素子の固有振動周期よりも大き
    いパルス幅を有することを特徴とするインクジェットヘ
    ッドの駆動方法。
  2. 【請求項2】 パルス幅が、圧電素子の固有振動周期の
    1倍以上、2倍以下であることを特徴とする請求項1記
    載のインクジェットヘッドの駆動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000044564A1 (fr) * 1999-01-28 2000-08-03 Nec Corporation Procede d'entrainement de tete d'impression par jets d'encre et dispositif d'impression par jets d'encre
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