JP3044863B2 - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JP3044863B2
JP3044863B2 JP24916991A JP24916991A JP3044863B2 JP 3044863 B2 JP3044863 B2 JP 3044863B2 JP 24916991 A JP24916991 A JP 24916991A JP 24916991 A JP24916991 A JP 24916991A JP 3044863 B2 JP3044863 B2 JP 3044863B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインク滴を飛翔させ記録
紙等の媒体上にインク像を形成するインクジェット方式
の記録装置に関し、さらに詳細には、そのインクジェッ
トヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットヘッドの構成とし
ては、(USP3211088)、(USP43039
27)、(USP4282533)、(特開昭57―1
78778)等が公知である。いずれも、ノズル開口の
形状は、アスペクト比1の円形あるいは、矩形である。
【0003】図12は、従来のノズルを使用したインク
ジェットヘッドの駆動周波数とインクスピードの関係を
表した実験結果のグラフである。駆動周波数を横軸10
1、インクスピードを縦軸102にしてある。単位は、
横軸101が(kHz)、縦軸102が(m/s)であ
る。曲線103は、5kHzから変化を始め8kHzに
おいては、4kHzの場合のスピードに対して半分のイ
ンクスピードになってしまう。
【0004】図13は、従来例のノズルを使用したイン
クジェットヘッドの駆動周波数とインク滴の体積の関係
を表した実験結果のグラフである。駆動周波数を横軸1
04、インク滴の体積を縦軸105にしてある。単位
は、横軸104が(kHz)、縦軸105が(μcc)
である。曲線106は、同じく5kHzから変化を開始
する。図12と図13の結果は、従来のインクジェット
ヘッドが、4kHzまで安定したインク滴の吐出特性を
有している事を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術のノズル
を使用したインクジェットヘッドは、高い吐出効率と高
い駆動周波数に対する応答性を両立させることが困難で
あるという問題点を有していた。ここで、高い吐出効率
とは、圧力室が排除したインク体積に対してノズルから
インク滴となり吐出されるインクの体積の割合が大きい
ことを意味する。また、高い駆動周波数に対する応答性
とは、単位時間に安定的にノズルから吐出できるインク
滴の数が多いことを意味している。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、高い吐出効率
と高い駆動周波数に対する応答性を有するインクジェッ
トヘッドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、複数のノズル開口が形成されたノズルプレー
トと、ノズルプレートとの間に圧力室を形成する様に配
設された圧力板と、一端が自由端として圧力板に接合さ
れ、他端がベース板に圧電素子とを具備したインクジェ
ットヘッドにおいて、ノズルプレートは、圧力室側のノ
ズル開口が形成された周囲の領域において段差部が形成
されており、且つノズル開口が1:1より大きいアスペ
クト比を有していることを特徴とする。また、係るイン
クジェットヘッドにおいて、ノズル開口の断面形状が、
インク滴吐出側から圧力室側に向かって、除々に拡大し
た形状であることを特徴とする。また、係るインクジェ
ットヘッドにおいて、段差部はNiの2段階電鋳で形成
されていることを特徴とする。また、係るインクジェッ
トヘッドにおいて、ノズル開口は、楕円形状であること
を特徴とする。また、係るインクジェットヘッドにおい
て、ノズル開口は、長方形であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の構成によれば、ノズルのイナータンス
が小さくなるため、圧力室の排除体積を有効にインク滴
としてノズルから吐出させることができる。また、ノズ
ルの流路抵抗を大きくすることができるので、インク滴
を吐出した後のメニスカスのリンギングを速く抑えるこ
とができる。
【0009】
【実施例】図1は、本発明のインクジェットヘッドの一
実施例を示す斜視図である。20は、ノズルプレートで
あり、縦8列、横16列、合計128個のノズル21、
21、21....が配設されている。ノズル21は、
図示しない記録紙に対向している。ノズルプレート20
の外縁は、フレーム19に接合されている。フレーム1
9の内部には、後述するインク滴形成手段が構成されて
いる。インク導入パイプ18a、18bは、図示しない
インクタンクに連通しており、インク30をインク滴形
成手段に供給する役割を果たす。ドライバーIC17
は、図示しない回路基盤からの電気信号をフレキシブル
配線板15を介して受取り、図2に示す圧電素子24を
駆動する。
【0010】図2は、本実施例のインクジェットヘッド
(以下ヘッド1という)の断面図であり、図1のB―
B’方向の断面をA方向から見た断面図である。また、
図3は、図2のC―C’断面図である。これらの図に示
すように、圧電素子24、24、24....の片面
は、ベース板27上に形成されたセグメント電極28、
28、28....に接着されている。この接着は、圧
電素子24の表面電極と電気的導通を確保する様に、ま
た、接着面が圧電素子24の固定端として機能する様に
なっている。圧電素子24、24、24....の他の
片面には、共通電極39(図3参照)が接合されてい
る。セグメント電極28と共通電極39は、ドライバー
IC17に繋がれている。圧電素子24の自由端部31
は、例えば4mmの長さであり、電気機械変換手段とし
ての機能を果たすようになっている。ノズルプレート2
0には、列設されたノズル21の他に、隔壁32が設け
られている。圧力室23の空間は、隔離板25を介して
ノズルプレート20と支持板26を接合することにより
構成されている。ここで、ノズルプレート20から隔離
板25までの距離は例えば90μm、隔壁32から隣の
隔壁32までの距離は例えば0.5mmである。圧力室
23及びノズル21の内部は、インク30で満たされて
いる。隔離板25を挟んで圧力室23、23、2
3....に対向するように、圧力板22、22、2
2....が隔離板25に接合されている。したがっ
て、支持板26の開口部は、圧力室23と対向するよう
になっている。圧力板22、22、22....の他の
面には、自由端部31、31、31....の端面が接
合されている。ここで、圧力板22の端面から支持板2
6の壁面に至る距離d1は、例えば0.12mmになる
様に管理されている。隔壁板25は、例えば厚さ25μ
mのポリイミドフィルムにより構成されており、圧電素
子24の変形を有効に圧力室23に伝達することが可能
となっている。本実施例のヘッド1では、1枚のベース
板27に16個の圧電素子24が列設され1ユニットを
構成している。8セットのユニットを、フレーム19の
内部に配設することによりヘッド1を構成する。
【0011】圧力室23、23、23....には、ノ
ズル21の他に、図3に示すようにそれぞれ2箇所の開
口部33、33、33....が設けられている。圧力
室23、23、23....は、開口部33、33、3
3....においてインク流路29、29、2
9....と連通している。インク流路29、29、2
9....は、インク導入パイプ18a、18bを経て
インクタンクと連結している。インク流路29は、支持
板26に形成された溝とノズルプレート20とにより構
成される。ここで、圧力板22の端面から支持板26の
壁面に至る距離d2も、例えば0.12mmになる様に
管理されている。
【0012】図4は、本実施例のインクジェットヘッド
の基本動作を表したグラフであり、駆動電圧、圧力室の
内部の排除体積、ノズルの内部のインクの体積変位と体
積速度を表している。波形W1は、圧電素子24に印加
する電圧の波形を表している。波形W2は、圧力室23
の内部において、圧電素子24の運動に伴い圧力板22
が排除したインク30の体積変化の波形を表している。
波形W3は、ノズル21を通過した、インク30の体積
変化の波形を表している。波形W4は、ノズル21を通
過する、インク30の体積速度の波形を表している。
【0013】以下、図4を元に本実施例のヘッド1の動
作の説明を行なう。時間t1以前において、圧電素子2
4には、例えば電圧30voltが印加されている。但
し、圧電素子24は静的な釣り合いの状態にあり、電圧
を印加していない状態と比較して、約1.5μm収縮し
た状態にある。また、時間t1以前において、圧力室2
3の内部とノズル21の内部のインク30は、静止した
状態である。時間t1において、圧電素子24が、波形
W1に示すような台形波状に駆動される。時間t1を起
点として、圧電素子24が運動を開始するため、圧力室
23は、内部の体積が縮小する方向に変形する。この変
形により排除されたインク30の体積変化を表している
のが、波形W2である。圧力室23から押し出されたイ
ンク30は、開口部33とノズル21の方向に流れる。
圧力室23により排除された最大インク体積は、QAで
ある。時間t2は、圧電素子24の変形が最大に到達す
る時間である。時間t1から時間t2に至る所要時間
は、圧電素子24の固有振動周期に依存する。本実施例
の圧電素子24の固有振動周期は、約8μsecである
ので、時間t1から時間t2に至る所要時間は、約4μ
secになる。波形W4において、時間t2を境とし
て、ノズル21を流れるインク30の体積速度が正から
負に移行する。波形W3に示すように、時間t2におい
てノズル21へ流れたインク30の体積が不連続とな
る。これは、体積QNのインク滴が、ノズル21から離
れて飛翔を開始したことを意味している。次に、時間t
3において、再び圧電素子24に電圧が印加される。パ
ルス幅PWを、t1からt3までの所要時間と定義す
る。パルス幅PWは、圧電素子24の固有振動周期以上
になるように設定される。時間t3以降、圧電素子24
の振動的な運動は次第に減衰する。時間t3において、
波形W3に示す通り、メニスカスはノズル21の内部に
大きく引き込まれる。しかし、メニスカスの圧力の作用
により、時間t4においてノズル21の内部にインク3
0が満たされる。QOは、メニスカスがノズル21の外
部にオーバーシュートした最大体積を表している。すな
わち、ノズル21を満たそうとするインク30の流れが
慣性流れとなり、メニスカスはノズル21の外部に突出
する。このオーバーシュートを伴うメニスカスの運動
は、ノズル21と圧力室23の抵抗により次第に減衰す
る。最終的には、時間t1以前と同様の静止状態とな
る。後述するように、本実施例のヘッド1は、オーバー
シュートQOが小さいため、メニスカスがノズル21を
最初に満たす時間t4において、圧電素子24を駆動し
てインク滴を吐出させることが可能である。
【0014】図5は、前述したノズルプレート20の断
面図である。図2のノズル21のみを抜き出して表して
いる。ノズルプレート20は、Niの2段階の電鋳によ
り形成されることにより、ノズルの断面形状がノズル開
口から徐々に拡大した形状を有している。40は、イン
ク滴が飛翔する方向を表している。本出願人は、既に2
段階構造を有するノズルプレートについて出願済み(特
願平3−132895号)であるので、2段構造のノズ
ルプレートに関する詳細な説明は省略する。
【0015】図6は、図5の44矢視方向から視たノズ
ルプレートの平面図である。ノズル開口43は、長円の
形状を呈している。アスペクト比は、ノズル開口第1の
幅41とノズル開口第2の幅42から求められる。例え
ば、第1の幅41が20μm、第2の幅42が80μm
の時、アスペクト比は1:4となる。本実施例のノズル
プレート20は、インク滴の吐出効率を高める為の小さ
いイナータンスと、メニスカスの減衰を促進するための
充分な流路抵抗を備えた構造となっている。以下、イナ
ータンスと流路抵抗について説明する。
【0016】ノズルプレート20に要求される条件とし
て、イナータンスがある。イナータンスは、ヘッド1の
吐出効率を決定する重要な要因である。一般に、ヘッド
1の構造から計算で吐出効率を求める場合、ヘッド1を
図7に示すような音響回路としてモデル化する。ここ
で、51は、圧電素子24の変形により圧力室23に発
生する圧力Vである。52は、圧力室23の音響インピ
ーダンスZpである。53は、ノズル21の音響インピ
ーダンスZnである。吐出効率は、インピーダンスの比
として与えられ、以下の式1となる。
【0017】
【数1】
【0018】音響インピーダンスは、流路抵抗を表す第
1項と、(角周波数)×(イナータンス)を表す第2項
から構成されている。本実施例のヘッド1では、基本と
なる角周波数は、圧電素子24の角固有振動数である。
すなわち、2×π×125kHzである。この周波数の
領域では、第2項が第1項の5倍以上の大きさとなる。
従って、音響インピーダンスZp、Znは第2項が支配
的になり、イナータンスにより決定される。
【0019】一般に、圧力室23のイナータンスMpは
以下の式2で与えられる。ここで、ρは、インクの比重
である。Lpは、圧力室23の長さであり、開口部33
から他の開口部33までの距離である。dpは、圧力室
23の深さであり、ノズルプレート20から隔離板25
までの距離である。Wpは、圧力室23の幅であり、1
方の隔壁32から他方の隔壁32までの距離である。
【0020】
【数2】
【0021】一般に、ノズル21のイナータンスMnは
以下の式3で与えられる。ここで、Dnは、ノズルが真
円としたときの直径である。
【0022】
【数3】
【0023】本実施例のノズル21は長円構造であるた
め、第1の幅41と第2の幅42の積がDnの2乗に相
当すると考える。ヘッド1の吐出効率を向上させる為に
は、ノズル21のイナータンスを小さく抑える必要があ
る。本実施例のノズル21は、5×107Kg/m3程
度の小さいイナータンスを実現している。小さいイナー
タンスを有するノズル21を備えた、本実施例のヘッド
1は、最大60%の吐出効率を有する。
【0024】ヘッド1の吐出効率が向上したことによ
り、以下の2つの効果が得られる。第1点は、30vo
lt以下の低い電圧で圧電素子24を駆動しても所望の
インク滴を吐出することができる点である。第2点は、
圧力室23を小さく設計しても所望のインク滴を吐出す
ることができるため、高密度に実装した、コンパクトな
ヘッドを構成できる点である。
【0025】ノズルプレート20に要求される他の条件
として、流路抵抗がある。流路抵抗は、ヘッドの駆動周
波数に対する応答性(以下周波数応答性という)を決定
する重要な要因である。一般に、圧力室23の流路抵抗
Rpは以下の式4で与えられる。ここで、ηは、インク
の粘度である。
【0026】
【数4】
【0027】一般に、ノズル21の流路抵抗Rnは以下
の式5で与えられる。
【0028】
【数5】
【0029】本実施例のノズル21は長円構造であるた
め、第1の幅41の3乗と第2の幅42の積がDnの4
乗に相当すると考える。図4の時間t3における波形W
3は、ノズル21の内部に大きく引き込まれたメニスカ
スの体積を表している。メニスカスは、ノズル21の内
部にインク30を満たそうとする圧力を発生する。この
メニスカスの圧力は、インク30の持つ表面張力の作用
により発生する。流路抵抗は、メニスカスの圧力の作用
により、インク30がノズル21に充填され動作に影響
を及ぼす。流路抵抗が小さい程、短時間でノズル21へ
のインク30の充填が完了する。但し、ノズル21の流
路抵抗が小さ過ぎると図12および図13の従来例に示
したように、メニスカスのオーバーシュートの影響を受
けて周波数特性を高める事ができなくなる。本実施例の
ヘッド1では、圧電素子24の振動とは別に、メニスカ
スの圧力と圧力室23のイナータンスとノズル21のイ
ナータンスとからインクの振動系が形成される。この振
動系の自由振動を減衰させる為には、流路抵抗が大きな
役目を果たしている。流路抵抗を増加させるためには、
圧力室23の深さdpを調整する第1の手段と、ノズル
21のアスペクト比を調整する第2の手段がある。しか
し、圧力室23の深さdpが狭い領域では深さdpの僅
かな精度ばらつきがインク滴の体積やインクスピードや
周波数応答性に大きく影響してしまうこと、複数の部材
から構成されている深さdpの寸法を精度良く管理して
製造することが困難であることから、第1の手段を採用
するのは適切ではない。逆に、ノズルプレート20は、
電鋳やエッチングといった方法により精度良く製造可能
であるため、第2の手段は有効な手段である。ノズルプ
レートにメニスカスの振動防止のための流路抵抗を付加
する具体的手段は、ノズル開口43のアスペクト比を大
きくすることである。式5に示したように、流路抵抗R
nはノズル開口の寸法に大きく依存している。すなわ
ち、アスペクト比1:1のノズルに対して、ノズル開口
の面積を等しくしたままアスペクト比を1:4に変化さ
せた場合、式3よりイナータンスMnは変化しないが、
式5より流路抵抗Rnは16倍大きくなる。
【0030】図8に、駆動周波数を横軸54、インクス
ピードを縦軸55にした実験結果のグラフを示す。実験
に使用したノズル開口のアスペクト比は、1:4であ
る。単位は横軸54が(kHz)、縦軸55が(m/
s)である。曲線56は、8kHzまでは殆どフラット
な特性を示し、8kHz以降僅かに変化している。
【0031】図9に、駆動周波数を横軸57、インク滴
の体積を縦軸58にした実験結果のグラフを示す。実験
に使用したノズル開口のアスペクト比は、1:4であ
る。単位は横軸57が(kHz)、縦軸58が(μc
c)である。図8の曲線56と同様に、曲線59は、8
kHzまでは殆どフラットな特性を示し、8kHz以降
僅かに変化している。本実施例による図8と図9に示し
た実験結果は、図12と図13の従来例の実験結果と比
較して起伏の無いフラットな特性を示している。そのた
め、周波数応答性は4kHzから8kHzに向上した。
また、8kHz以上において、インクスピードが減少し
インク滴の体積が僅かに増加したのは、メニスカスのオ
ーバーシュートに起因している。すなわち、メニスカス
がオーバーシュートしている状態で次のインク滴を吐出
した場合、ノズル開口より外部に存在しているインクが
インク滴の飛翔の負荷になり、インクスピードは減少す
る。また、ノズル開口より外部に存在しているインクの
体積が、曲線59の僅かな増加の原因となる。以上述べ
たように、アスペクト比を大きくするほど、メニスカス
の振動の減衰を早める効果がある。逆に、アスペクト比
が大きくなるほど、インク滴を吐出した後のノズル21
へのインク30の充填が遅くなる。また、アスペクト比
が1:6以上になると、インクの飛翔方向のブレが発生
することが実験により判明している。以上のことから、
ノズル開口のアスペクト比は、1:1より大きく1:6
より小さいことが好ましい。
【0032】図10は、本発明の他の実施例であり、イ
ンクジェットヘッドの1つのノズルのみを抜き出して表
した平面図である。本実施例のノズル開口60は、長方
形の形状を呈している。ノズルプレート61は、シリコ
ンである。ノズル開口60は、ノズルプレート61をエ
ッチングすることにより製造される。ノズル開口60の
第1の幅62と第2の幅63のアスペクト比は、1:1
より大きくなるように設定されている。
【0033】図11も、本発明の他の実施例であり、イ
ンクジェットヘッドの1つのノズルのみを抜き出して表
した平面図である。本実施例のノズル開口64は、楕円
形の形状を呈している。ノズルプレート65は、ニッケ
ルの電鋳により製造される。ノズル開口64の第1の幅
66と第2の幅67のアスペクト比は、1:1より大き
くになるように設定されている。
【0034】
【発明の効果】本発明のインクジェットヘッドは、複数
のノズル開口が形成されたノズルプレートと、ノズルプ
レートとの間に圧力室を形成する様に配設された圧力板
と、一端が自由端として圧力板に接合され、他端がベー
ス板に圧電素子とを具備したインクジェットヘッドにお
いて、ノズルプレートは、圧力室側のノズル開口が形成
された周囲の領域において段差部が形成されており、且
つノズル開口が1:1より大きいアスペクト比を有して
いることにより、ノズルプレートはノズル開口が形成さ
れる周囲の領域に薄肉部となる段差が設けられ該薄肉部
にノズル開口が形成されている為、ノズル開口の軸長さ
を短くすることでノズル開口部のイナータンスを低減さ
せることができると共に、薄肉部以外の領域であるノズ
ルプレート自体の厚みは厚く形成することができるため
ノズルプレートの機械的強度を保つことができる。同時
に、ノズル開口のアスペクト比を1:1より大きくした
構成と併せることでノズル開口部のイナータンスを更に
低減させることができ、よりインクの吐出効率を向上さ
せ、またノズル開口の流路抵抗を適度に大きくすること
で、メニスカスのオーバーシュートを防止することがで
きるという効果を有する。従って、本発明のインクジェ
ットヘッドは、高い吐出効率、高い駆動周波数に対応す
る応答性を有すると共にノズルプレートの強度向上を両
立することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の断面図である。
【図3】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の動作を説明する為のグラフである。
【図5】本発明の一実施例であるノズルプレートの拡大
断面図である。
【図6】本発明の一実施例であるノズル開口の形状を表
した拡大平面図である。
【図7】本発明の一実施例に適用したインクジェットヘ
ッドの音響回路を示す図である。
【図8】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の駆動周波数とインクスピードの関係を表すグラフであ
る。
【図9】本発明の一実施例であるインクジェットヘッド
の駆動周波数とインク滴の体積の関係を表すグラフであ
る。
【図10】本発明の変形実施例であるノズル開口の平面
図である。
【図11】本発明の変形実施例であるノズル開口の平面
図である。
【図12】本発明の従来例であるインクジェットヘッド
の駆動周波数とインクスピードの関係を表すグラフであ
る。
【図13】本発明の従来例であるインクジェットヘッド
の駆動周波数とインク滴の体積の関係を表すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 20 ノズルプレート 21 ノズル 23 圧力室 24 圧電素子 30 インク 43 ノズル開口

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のノズル開口が形成されたノズルプ
    レートと、前記ノズルプレートとの間に圧力室を形成す
    る様に配設された圧力板と、一端が自由端として前記圧
    力板に接合され、他端がベース板に圧電素子とを具備し
    たインクジェットヘッドにおいて、 前記ノズルプレートは、前記圧力室側の前記ノズル開口
    が形成された周囲の領域において段差部が形成されてお
    り、且つノズル開口が1:1より大きいアスペクト比を
    有していることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ノズル開口の断面形状が、インク滴
    吐出側から圧力室側に向かって、除々に拡大した形状で
    あることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記段差部はNiの2段階電鋳で形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ノズル開口は、楕円形状であること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
    インクジェット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記ノズル開口は、長方形であることを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のイ
    ンクジェットヘッド。
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