JPH0569083B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

発明の分野 本発明は洗口剤、さらに詳しくは、携帯に便利
で、かつ、どこでも簡単に洗口が行える洗口剤に
関する。 発明の背景 従来から、口臭の予防や除去等に種々の洗口剤
が用いられている。これらは、いずれも液剤や顆
粒で、液剤の場合は、重く、かさばるので携帯に
不便であり、また、顆粒の場合は複雑な製造工程
を必要とするという問題がある。さらに、多くの
洗口剤は、使用に際して溶解し、含嗽するための
コツプのような含嗽用の容器を別途必要とするの
で、どこでも簡単に洗口に使用できるというもの
でもない。 このような事情にかんがみ、本発明者らは、携
帯に便利で製造が簡単で、かつ、どこでも簡単に
洗口が行える洗口剤を得るべく検討を重ねた。そ
の結果、オウレオバシジウム・プルランス
（Aureobasidium pullulans）が菌体外に産生す
る中性単純糖からなる多糖類として知られる水溶
性高分子物質であるプルランと、ある種の界面活
性剤および多価アルコールを配合した組成物が紙
コツプのような容器の内壁に、剥離しにくい、か
つ、容易に水に溶解する良好な被膜を簡単に形成
することを知り、これを利用することにより所望
の洗口剤が得られることを見出し、本発明を完成
するにいたつた。 発明の開示 本発明は、含嗽用容器の内壁に、プルラン100
重量部当たり、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリス
チル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン（２〜
４）C₈〜C₁₈アルキルエーテル硫酸ナトリウム、
Ｎ−ラウロイルタウリン酸ナトリウム、モノラウ
リルリン酸ナトリウム、トリポリオキシエチレン
(5)セチルエーテルリン酸ナトリウム、ラウロイル
サルコシンナトリウム、ソルビタンモノステアリ
ン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステ
ル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、
ポリオキシエチレン（60）ソルビツトテトラオレ
イン酸エステル、ポリオキシエチレン(10)モノオレ
イン酸エステル、ポリオキシエチレン(15)セチルエ
ーテル、ポリオキシエチレン（7.5）ノニルフエ
ニルエーテルおよびポリオキシエチレン(10)オクチ
ルフエニルエーテルからなる群から選ばれる１種
または２種以上の界面活性剤0.1〜30重量部、お
よびエチレングリコール、グリセリン、プロピレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビ
ツトおよびシヨ糖からなる群から選ばれる１種ま
たは２種以上の多価アルコール５〜30重量部を配
合してなる組成物の被膜を形成させたことを特徴
とする洗口剤を提供するものである。本発明の洗
口剤においては、含嗽用容器の内壁に該組成物
の、剥離しにくい、かつ、容易に水に溶解する被
膜が形成されており、使用に際し、単に、容器に
水を注ぐだけで容器内で洗口液が調製でき、その
まま洗口を行うことができる。しかも、該被膜は
簡単に形成でき、したがつて、含嗽用容器を軽量
の携帯に便利な形態の容器にすれば、携帯に便利
で製造が簡単で、かつ、どこでも簡単に洗口が行
える洗口剤となる。 かくして、用いる含嗽用容器は、含嗽に適し、
かつ、携帯に適したものであればいずれのもので
もよく、一般的には紙コツプが好ましいが、これ
に限らず、水のもらない、該組成物の付着できる
ラミネート材の袋状物などを用いることができ
る。 該容器内壁に被膜を形成するために用いる組成
物はプルランと、プルラン100重量部に対して前
記界面活性剤0.1〜30重量部および前記多価アル
コール５〜30重量部を配合してなる。該界面活性
剤および多価アルコールは、それぞれ、単独でも
２種以上併用してもよく、特に、界面活性剤とし
てはラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナ
トリウム、ラウロイルサルコシンナトリウムが好
ましく、また、多価アルコールとしてはグリセリ
ンが好ましい。界面活性剤の量は多すぎると、使
用時に泡立ちが生じ、使いにくくなり、また、少
なすぎると被膜が剥離しやすく、洗口効果も不充
分になるので、プルラン100重量部当たり、前記
のような量で用いる。また、多価アルコールの量
が多くなりすぎると、被膜が吸湿性を帯びて粘着
性を生じやすくなり、少なすぎると剥離しやすく
なるので、プルラン100重量部当たり、前記のよ
うな量で用いる。 さらに、該組成物には、必要に応じて適当な他
の成分、例えば、サツカリン、アスパルテール、
ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカル
コン、グリチルリチン、ペリラルチン、ｐ−メト
キシシンナミツクアルデヒド、ソーマチン等の甘
味剤、防腐剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、
塩化ソゾチーム、トラネキサム酸、イプシロンア
ミノカプロン酸、アラントイン、ソルビン酸、ア
レキシジン、ヒノキチオール、セチルピリジニウ
ムクロライド、アルキルグリシン、アルキルジア
ミノエチルグリシン塩、アズレン、ビタミンＥ、
モノフルオロリン酸ナトリウム、タンニン、フツ
化ナトリウム、塩化ナトリウム等の有効成分、オ
レンジ油、レモン油、クローブ油、カシア油、ハ
ツカ油、フエンネル油、カルダモン油、シナモン
油、ユーカリ油、コリアンダー油、キヤラウエイ
油、セージ油、タイム油、スペアミント油、ペパ
ーミント油、カルボン、アネトール等の香料を皮
膜形成能、皮膜付着性および使用感を損なわない
範囲で添加してもよい。 該組成物は配合成分を精製水に溶解した溶液の
状態で被膜の形成に供され、通常、プルランの濃
度が３〜35重量％となるような水溶液の形態で使
用される。 本発明の洗口剤は、該水溶液で、常法により含
嗽容器の内壁を被覆し、乾燥して内壁に該組成物
の被覆を形成させることにより簡単に製造でき
る。例えば、該水溶液を紙コツプ内壁に塗布した
り、噴霧し、ついで乾燥して被膜を形成されるこ
とができ、また、予め、容器素材表面に被膜を形
成させておくこともできる。被膜の厚さは特に限
定するものではないが、溶解性、洗口効果等の観
点から、通常、10〜300μｍ程度が好ましい。 得られた本発明の洗口剤は、単に水を注ぐだけ
で、容器内で被覆が溶解して洗口液が調製でき、
そのまま、洗口を行うことができ、しかも、製造
が簡単で、携帯に便利であるという利点を有す
る。 つぎに実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。 実施例 １ 成 分 重量部 プルラン 100.0 ラウリル硫酸ナトリウム 20.0 グリセリン 10.0 グルコン酸クロルヘキシジン 8.0 サツカリン 1.0 精製水 500.0 各成分を精製水に溶解し、紙コツプに塗布した
後乾燥させてうがい薬を製造した。 得られたうがい薬（被膜198mg、膜厚13μｍ）
に水50c.c.を加えて洗口したところ、所望するうが
い薬の効果が得られた。 実施例 ２ 成 分 重量部 プルラン 100.0 ラウリル硫酸ナトリウム 20.0 グリセリン 10.0 ｌ−メントール 30.0 サツカリン 1.0 精製水 500.0 前記実施例１と同様にして洗口剤を得た。 得られた洗口剤に水50c.c.を加えて洗口したとこ
ろ、すぐれた爽快感が得られた。 実施例 ３ 成 分 重量部 プルラン 100.0 ラウリル硫酸ナトリウム 20.0 グリセリン 10.0 ｌ−メントール 30.0 グルコン酸クロルヘキシジン 8.0 サツカリン 1.0 精製水 500.0 前記実施例１と同様にして洗口剤を得た。 得られた洗口剤に水50c.c.を加えて洗口したとこ
ろ、すぐれた爽快感が得られた。 実施例 ４ 成 分 重量部 プルラン 100.0 ラウリル硫酸ナトリウム 20.0 グリセリン 10.0 塩化亜鉛 30.0 ｌ−メントール 20.0 サツカリン 1.0 精製水 500.0 前記実施例１と同様にして洗口剤を得た。 得られた洗口剤に水50c.c.を加えて洗口したとこ
ろ、すぐれた爽快感が得られた。 つぎに、プルランと各種の界面活性剤および各
種の多価アルコールを用いて調製した組成物の含
嗽容器（紙コツプ）内壁に対する被膜形成、付着
性の評価および得られた洗口剤の使用感および総
合評価を検討した結果を示す。 試料として用いた洗口剤はつぎの処方に従つて
前記のごとくして製造した。 成 分 重量部 プルラン 20 界面活性剤 第１、２および３表に表示 多価アルコール 第１、２および３表に表示 精製水 80 洗口剤の皮膜形成能はつぎの基準に従つて目視
により評価した。 〇…洗口剤皮膜が容器内壁に均一に形成できる。 ×…洗口剤皮膜が容器内壁に均一に形成できな
い。 洗口剤皮膜の容器内壁への付着性はつぎの基準
に従つて目視により評価した。 〇…乾燥後、洗口剤皮膜が容器内壁から剥離しな
い。 ×…乾燥後、洗口剤皮膜が容器内壁から剥離す
る。 洗口剤水溶液の使用感はつぎの基準に従つて評
価した。 〇…苦みおよび泡立ちがない。 ×…苦みまたは泡立ちがある。 総合明評価は以上の各評価を総合し、洗口剤と
しての性能をつぎの基準に従つて評価した。 〇…良好 ×…不良 結果は、第１表、第２表および第３表に示すと
おりである。

【表】 第１表に示すごとく、プルラン100重量部当た
りラウリル硫酸ナトリウムを0.1〜30.0重量部、
グリセリンを5.0〜30.0重量部配合した場合、洗
口剤皮膜が容器内壁に均一に形成され、乾燥後剥
離することもなく、良好な使用感が得られた。一
方、ラウリル硫酸ナトリウムを40.0重量部配合し
た場合は口中で泡立ち過ぎ、グリセリンを40.0重
量部配合した場合は容器内のプルラン膜同士が付
着した。

【表】 第２表に示すごとく、エチレングリコール等の
多価アルコールをラウリル硫酸ナトリウムと併用
した場合も、洗口剤皮膜が容器内壁に均一に形成
され、乾燥後剥離することもなく、良好な使用感
が得られたが、付着性においてグリセリンが最も
すぐれていた。

【表】 第３表に示すごとく、界面活性剤としてモノラ
ウリルリン酸ナトリウムまたはPOE(10)オクチル
フエニルエーテルを用いた場合、洗口剤皮膜が容
器内壁に均一に形成され、乾燥後剥離することも
なく、良好な使用感が得られたが、Ｎ−ラウロイ
ルアラニン酸ナトリウム、ソルビタンモノイソス
テアリンさんエステルまたはPOE（40）モノステ
アリン酸エステルを用いた場合、洗口剤皮膜が容
器内壁に均一に形成されなかつた。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 含嗽用容器の内壁に、プルラン100重量部当
   たり、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸
   ナトリウム、ポリオキシエチレン（２〜４）C₈
   〜C₁₈アルキルエーテル硫酸ナトリウム、Ｎ−ラ
   ウロイルタウリン酸ナトリウム、モノラウリルリ
   ン酸ナトリウム、トリポリオキシエチレン(5)セチ
   ルエーテルリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコ
   シンナトリウム、ソルビタンモノステアリン酸エ
   ステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、デ
   カグリセリンモノミリスチン酸エステル、ポリオ
   キシエチレン（60）ソルビツトテトラオレイン酸
   エステル、ポリオキシエチレン(10)モノオレイン酸
   エステル、ポリオキシエチレン(15)セチルエーテ
   ル、ポリオキシエチレン（7.5）ノニルフエニル
   エーテルおよびポリオキシエチレン(10)オクチルフ
   エニルエーテルからなる群から選ばれる１種また
   は２種以上の界面活性剤0.1〜30重量部、および
   エチレングリコール、グリセリン、プロピレング
   リコール、ポリエチレングリコール、ソルビツト
   およびシヨ糖からなる群から選ばれる１種または
   ２種以上の多価アルコール５〜30重量部を配合し
   てなる組成物の被膜を形成させたことを特徴とす
   る洗口剤。