JPH0567A - カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法 - Google Patents
カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法Info
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Abstract
重量部及びマルチトール0.2〜20重量部を含有す
る、カルシウム及び食物繊維含有飲食物。 【効果】 不足しがちな食物繊維を摂取して、その有用
な生理効果を得ると共に、そのマイナス効果であるカル
シウムの吸収阻害効果を抑えて、充分な量のカルシウム
を高い効率で摂取できる。
Description
食物とその製造方法に関する。
んど利用されないことから、食品中の無駄な成分と考え
られてきた。
繊維の多くの生理機能、例えば、腸内の有用菌叢の改善
効果、便量の増加とそれに伴う便の消化管内通過時間の
短縮、つまり、便秘の改善や、その結果として得られ
る、吹き出物等の改善効果、大腸癌や直腸癌の間接的な
予防効果等が明らかになってきた。
好ましい摂取量が30g/一日であるのに対して、平均
的な摂取量が不足がちであることが指摘されたこともあ
って、食物繊維の持つ生理機能に着目した飲食物が、各
種健康食品や健康飲料等として、セルロースやヘミセル
ロース等の各種食物繊維質、アラビノガラクタン等の各
種ガム類やグルコマンナン等を含有した形で、数多く製
造販売されている。
ウムの不足が骨粗しょう症を招くことや、それに伴い腰
痛や骨折等をもたらすことがあること、また、血液中の
カルシウム不足がてんかん等の症状を呈することがある
こと、更に、アルツハイマー型痴呆症の発症にも腎臓機
能の低下による活性型ビタミンDの生成機能低下からの
カルシウム不足が関与していること等が、一層明らかに
なりつつある。
の重要さから、多くの栄養学者等からカルシウムの積極
的な摂取が推奨されているが、日本国民のカルシウムの
標準所要量が600mg/一日とされているのに対し
て、平均摂取量が約500mgと不足がちであることも
指摘されている。
含有飲食物と同様に、カルシウム含有飲食物も、伝統的
な飲食物である牛乳や小魚、野菜等として、また、各種
錠剤や、飲料、カルシウム強化食品等として、数多く製
造販売されている。
有することや、化学的に安定なこと等から、主に甘味料
として、広く食品に利用されている。
や食物繊維含有飲食物は、多くの課題を残していた。
食物の素材を天然の食品に求めようとした場合には、牛
乳、小魚、野菜等があるが、牛乳の場合には、日本人に
は牛乳を飲む習慣が高齢者に定着しているとは云い難
く、更に、乳糖の消化酵素の少ない人や欠落した人が多
いので、下痢や腹部膨満感や腹痛等を引き起こす例が多
く、牛乳からのカルシウムは消化吸収効率が比較的高い
ことが判っていても、摂取の機会を得にくいと云う欠点
があった。
習慣は普及しているものの、消化吸収率が比較的に低く
(それぞれ約37%、約17%)、しかも、高齢者等の
歯や消化器の弱くなった人にとっては、摂取、消化吸収
しにくいので、本来最も必要とされる年齢層が一層カル
シウムが不足しがちになるという問題点があった。
品等についても、吸収効率が低いと云う欠点があったの
である。
に製造販売されているが、それらの多くは、その中に燐
酸塩含有食品を多く含有しており、これら加工食品等の
消費による燐酸の過剰摂取によっても、カルシウムの不
足が一層助長されることが懸念されている。
・販売されているが、食物繊維を摂取した場合には、食
物繊維のもつ各種の長所は発揮されるものの、その他
に、カルシウムをも含むミネラルの吸収が阻害され、且
つ、ミネラルの排出が助長されることが、最近の栄養学
的研究で明らかにされている。
ナスの側面であるミネラル、特にカルシウムの吸収阻害
や各種カルシウム含有飲食物中のカルシウム吸収効率の
低さが改善された、カルシウム及び食物繊維含有飲食物
が強く望まれていた。
意研究を重ねた結果、所定量のマルチトールをカルシウ
ムと共に配合することによってカルシウムの吸収率が改
善されることを確認し、所定量のマルチトールを食物繊
維及びカルシウムと共に配合して食品を調製することに
より、食物繊維によるカルシウム吸収阻害を防ぐことが
できることを見出し、また、カルシウム・マルチトール
付加物を使用することによって同様の効果を得られるこ
とを見出し、従来の食品よりも著しくカルシウムの体内
への吸収性が改善され、且つ食物繊維を摂取できる飲食
物を調製することに成功して本発明を完成するに至っ
た。
部、カルシウム0.01〜1重量部及びマルチトール
0.2〜20重量部を含有する、カルシウム及び食物繊
維含有飲食物である。
マルチトール付加物0.1〜10重量部を含有する、カ
ルシウム及び食物繊維含有飲食物である。
01〜1重量部及びマルチトール0.2〜20重量部を
配合して調製する、カルシウム及び食物繊維含有飲食物
の製造方法である。
マルチトール付加物0.1〜10重量部を配合して調製
する、カルシウム及び食物繊維含有飲食物の製造方法で
ある。
物の種類や形態等には特に制約は無く、その中に食物繊
維及びカルシウム及びマルチトールを所定の割合で含有
していれば、発明の意図する効果を得ることができる
が、従来からある処方の加工食品に各々の不足成分を補
うことによっても、従来食品を本発明の効果が得られる
よう改善することが可能である。
天然、人工の別無く、食用に供することの可能な種類、
品質、形態を有していれば採用可能であり、例え、野菜
等の天然の食品であって純粋な食物繊維でなくとも、そ
の中に食物繊維を含有していれば良い。
セルロース、ビール粕、リンゴ粕、おから、ココナッツ
窄油残渣、各種海藻及びその多糖類、コーンファイバ
ー、各種ガム類、こんにゃくマンナン、各種ペクチン、
ヘミセルロース、リグニン、ポリデキストロース、豆等
の穀物類、野菜類等がある。
は、食用に供することの可能な天然物または、食品添加
物に指定されている種類、形態、品質を備えていればよ
いが、具体的に例を挙げれば、炭酸カルシウム、塩化カ
ルシウム、L−グルタミン酸カルシウム、クエン酸カル
シウム、燐酸一水素カルシウム、燐酸二水素カルシウ
ム、燐酸三カルシウム、カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、ピロ燐酸二水素カルシウム、エチレンジアミ
ン四酢酸カルシウム二ナトリウム、グルコン酸カルシウ
ム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳
酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、プロピオン酸
カルシウム、5’−リボヌクレオチドカルシウム、ステ
アロイル乳酸カルシウム、硫酸カルシウム等がある。
としては、マルチトールを主成分として含有するもので
あって、一般に食品として製造販売されている品質及び
形態のものが使用可能であり、その例として、アマルテ
ィシロップ[登録商標;東和化成工業(株)製]、アマル
ティ[登録商標;東和化成工業(株)製]等が挙げられ
る。
マルチトール付加物とは、カーボハイドレート・リサー
チ,24(1972)180−183及び同24,(1
972)175−に記載の方法、や特公平1−2477
2号公報に準じた方法、例えば、加温した80%エタノ
ール水溶液又は50%アセトン−水溶液に等モルのカル
シウム及びマルチトールを溶解し、放置、冷却後沈殿物
を濾過、乾燥すること等の方法により製造することがで
きるが、水酸化カルシウム1分子に対して約1分子のマ
ルチトールが付加した物質であり、その水溶液はpH1
1.2程度を示す。また、その形態としては、粉末状、
液体状があるが、共に本発明に使用可能である。
割合は、人の一日あたりの好ましい摂取量とされる30
gの摂取不足分を補う程度にする必要があるが、他の成
分の配合割合とも密接な関係を有し、マルチトール及び
カルシウムがそれぞれ0.2〜20及び0.01〜1重
量部であるときに、1重量部にすることが、本発明の本
来の狙いである食物繊維の摂取及びその効果の発現と、
カルシウムの吸収阻害を起こさないように配合する意味
から好ましい。
ムの配合量は、日本人の所要量とされる1日あたり60
0mgの摂取不足分を補える程度にする必要があるが、
これも食物繊維やマルチトール等の他の成分の配合量と
の間に密接な関係があり、カルシウムの配合割合として
0.01〜1重量部とすることが好ましい。
満の場合には、飲食物に対するカルシウムの強化効果が
得られない場合が多く、また、1重量部を超えて配合さ
れた場合には、所要量を上回る配合量になる場合があっ
たり、マルチトールの配合量との関係から、カルシウム
の吸収阻害防止効果が得られない場合もあるので好まし
くない。
ールの配合量は、前記カルシウムの吸収促進効果、又は、
食物繊維の摂取によるカルシウムの吸収阻害を防止する
効果を発揮する程度の配合割合にすることが必要であ
り、マルチトールとして0.2〜20重量部にすること
が好ましい。
満の場合には、本発明の狙いであるカルシウムの吸収阻
害を防ぐ効果が不十分な場合があるので好ましくなく、
20重量部を超えて配合された場合には、本発明の効果
はマルチトールの配合量が増加しても効果が増大しなく
なるので、配合の意味を甘味付け等の他の目的に求める
ことになる。
ルチトール付加物の配合割合は、前記カルシウム及びマ
ルチトールの配合率の決定と同様の理由で、食物繊維が
1重量部配合される場合に、0.1〜10重量部とする
ことが好ましい。
合が0.1重量部未満の場合には、食物繊維のカルシウ
ム吸収阻害を抑える効果を発揮できない場合があるので
好ましくなく、10重量部を超えて配合された場合に
は、得られる食品にカルシウムに由来するエグ味がでる
ことがある等の理由で好ましくない。
具体的に説明するが、本発明の内容はこれらの実施例に
限定されるものではない。
化成工業(株)製、アマルティ(登録商標)]150gを
容器に入れ、小麦粉450g、コーンファイバー10
g、卵殻粉7g、バニラエッセンス1滴を混合し、種生
地を作った。予め天板に手粉を軽く振り、温度180℃
で焼きながら、上面が柔らかなうちにマルチトール[東
和化成工業(株)製、アマルティ(登録商標)]15gを
振り掛け、10分間で狐色になるまで焼き上げ、本発明
のクッキーを得た。このクッキーは、良好な香りと風味
を有し、食物繊維とカルシウムを同時に摂取できるもの
であり、しかもカルシウムの吸収が阻害されない食品で
ある。
水クエン酸6.5g、リンゴ酸1g、アスコルビン酸1
g、クエン酸カルシウム3.5g、粉末オレンジ香料6
g、セルロースパウダー2gを混合攪拌し、流動造粒機
に入れ、排風温度35℃、風量毎分100m3 とし、こ
れに濃度10%のマルチトール液50mlをバインダー
として毎分100mlの割合でスプレーし、更に30分
間造粒することにより本発明の粉末ジュースを製造し
た。本品は、風味の良好な果汁約30%を含む、良好な
味の粉末ジュースであり、カルシウム及び食物繊維を同
時に摂取しながらカルシウムの吸収阻害が抑えられた性
質を有するものである。
形分で870g、マルチトール粉末[東和化成工業(株)
製、アマルティMR(登録商標)]50g及びポリデキ
ストロース50gを2リットルのステンレス製容器に取
り、混合しながら160℃まで加熱して熔融した後、約
120℃まで放冷し、クエン酸カルシウム10g、リン
ゴ酸10g、チェリー香料2.5g、赤色着色料4gを
混合して更に90℃まで冷却し、次いで、1ケ約1gの
大きさのステンレス製キャビティーに流し込んで、成
形、固化させた。流し込んでから5〜10分後、キャビ
ティーを逆さにし、その外縁を捻じって固化物を型枠か
ら外し、本発明のキャンデーを得た。得られたキャンデ
ーの水分は約0.7%であり、心地良い甘味と酸味を有
し、歯脆さの感じられる良好な品質であった。
ム付加物4g、ポリデキストロース5gを加えて火にか
け、それぞれが溶けたら、予め10gのゼラチンに50
ccの水を加えて予め膨潤させておいたものを取り出し
て入れ、火からおろして混合しながらゼラチンを溶かし
た。次いで、放冷して50℃以下になってから、予め皮
を剥いて芯を除きパルプ状に摺りおろしたリンゴ汁を加
えて混合し、型にいれて冷蔵庫の中で冷やし固めて本発
明のゼリーを得た。得られたリンゴゼリーは、良好な風
味を有する品質であった。
スターチ 120g、ポテトスターチ40gのそれぞれ
α化したものと、コーンファイバー20g、マルチトー
ル80g、グルタミン酸ナトリウム50g、食塩80
g、脱脂粉乳70g、ガーリックパウダー2g、オニオ
ンパウダー3gをよく磨砕しながら混合したものに、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル5g、植物性硬化油90
g、乳糖100gを混合して、流動造粒乾燥機に入れ、
排風温度40℃、風量毎分100m3とし、少量の水を
噴霧して造粒することにより、本発明のインスタントス
ープを製造した。得られたスープは、熱湯で溶いたとき
の分散性に優れ、滑らかな舌ざわりを有し、良好な味の
品質であった。
物繊維含有飲食物のもたらす効果を確認するために、以
下のようにカルシウム吸収の比較試験をおこなった。6
週齢のウィスター( Wistar )系雄ラットを1群各々6
匹に表1の組成を有する餌を自由摂取させて2週間飼育
した後、ラットを5日間代謝ケージにて飼育し、尿及び
糞を採集して、この5日間のカルシウムの出納を測定し
た。なお、表1中、対照区の成分は、食物繊維5%、カ
ルシウム0.44%を含有し、本発明区の成分は、それ
らの他に更にマルチトール10%を含有している。
定食による2週間飼育後のラットのカルシウムバランス
を表2に示す。なお、表2中の数値は1区分6匹の平均
値±標準誤差であり、また、対照区と本発明区の尿中の
カルシウム排出量の数値は、危険率5%以下で、有意に
異なると結論できる。
率及び保持率を、表3に示す。
に示された動物試験の結果から、本発明を実施して得ら
れた配合割合の食餌が、食物繊維を摂取しながら高いカ
ルシウム吸収率を実現していることが明らかにされてい
る。このような結果が得られる理由は明らかになってい
ないが、カルシウムの吸収メカニズムは十二指腸と空腸
上部では能動輸送、空腸下部及び回腸では拡散によると
考えられていることから、カルシウムに対する食物繊維
とマルチトールのアフィニティーの差が何らかの影響を
及ぼしていたことも考えられる。また、過去の多くの文
献から、この動物試験で得られたような効果は、人体で
も同様に得られることが明らかになっている。
飲食物によれば、不足しがちな食物繊維を摂取して、そ
の有用な生理効果を得ると共に、そのマイナス効果であ
るカルシウムの吸収阻害効果を抑えて、充分な量のカル
シウムを高い効率で摂取できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 食物繊維1重量部、カルシウム0.01
〜1重量部及びマルチトール0.2〜20重量部を含有
することを特徴とする、カルシウム及び食物繊維含有飲
食物。 - 【請求項2】 食物繊維1重量部、カルシウム−マルチ
トール付加物0.1〜10重量部を含有することを特徴
とする、カルシウム及び食物繊維含有飲食物。 - 【請求項3】 食物繊維1重量部、カルシウム0.01
〜1重量部及びマルチトール0.2〜20重量部を配合
して調製することを特徴とする、カルシウム及び食物繊
維含有飲食物の製造方法。 - 【請求項4】 食物繊維1重量部、カルシウム−マルチ
トール付加物0.1〜10重量部を配合して調製するこ
とを特徴とする、カルシウム及び食物繊維含有飲食物の
製造方法。
Priority Applications (1)
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JP3174712A JP2920434B2 (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | カルシウム及び食物繊維含有飲食物とその製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2920434B2 JP2920434B2 (ja) | 1999-07-19 |
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- 1991-06-20 JP JP3174712A patent/JP2920434B2/ja not_active Expired - Fee Related
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