JPH0567727B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、用水或いは排水路等の水路に設けら
れた除塵用のスクリーンで捕捉したがみや粗大固
形物などを掻き上げ除去するためのごみ類掻取除
去装置としての自動除塵機に関するものである。

〔従来技術〕

この種の除塵装置においては、垂直に近く急な
傾斜で水路中に設けた主スクリーンの表面にて捕
捉したごみなどを、チエーン駆動により掻上片を
上昇せしめて掻き上げて除去するようになつてい
て、主スクリーンの下端と水底との間の隙間から
ごみなどが主スクリーン下流へ流出するのを防ぐ
ために補助スクリーンが主スクリーン又は水路底
に設けられる。

〔従来技術における問題点〕

この補助スクリーンが主スクリーンに取付けら
れている場合では、主スクリーンを不使用時に水
路から引上げる構成となつているものでは主スク
リーンの引上・浸漬時に補助スクリーンの重量負
荷がかかり、エネルギの損失があつた。

また補助スクリーンを水路底に取付けたもので
は主スクリーンの引上・引下の障害となつてい
た。主スクリーンの引上・引下に応じて補助スク
リーンの姿勢を変位させることも考えられるが、
手動では面倒であるし、補助スクリーンに特別に
変位機構を付設したものではその製作・管理が容
易でなく問題がある。

本発明は、従来の上述の問題点を解決し、補助
スクリーンを主スクリーンの引上・引下浸漬移動
により変位させるように、極めて簡単な構成でし
かもごみなどの流出防止機能も最大限に発揮しう
る補助スクリーンを備えた自動除塵機を提供する
ことを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、水路中に備えた主スクリーンと、主
スクリーンと水底との間の間隙に起状しうるよう
に支えられた補助スクリーンと、該スクリーンに
沿つて無端状のチエーンを介して昇降可能に配備
したごみ類の掻上片とから成り、この主スクリー
ンを回動自在に支承されて引上装置によつて引上
げることのできる自動除塵機において、前記主ス
クリーン１の前方先端部に当接杆１８を突設し、
前記補助スクリーン１９を前記水底と前記主スク
リーン１との間に支軸２６で回動自在に配備する
とともに、前記補助スクリーン１９の背面側に鋭
角θをもつてアーム２３を突設し、その先端にウ
エイト２４を固着して、前記主スクリーン１の引
上、引下操作によつて前記補助スクリーン１を前
記主スクリーン１と水底との間で起状自在とした
ことを特徴とする水路等用自動除塵機である。

〔実施例〕

本発明の一実施例を図面に用いて説明する。

バースクリーンからなる主スクリーン１を取付
けたフレーム２，２は、水路の両側のベース上に
設けた基台３，３に回動自在に軸支されていると
共に、ベース上に備えた引上装置（図示せず）に
連絡された例えば巻上ロープ４の掛装ローラ５を
上流側下方（水路中に回動配備された状態におけ
る上流側を上流側とし下流側を下流側とする。ま
た水路中に回動配備された状態における水路底側
を下方、大気側を上方とする。）に備え、主スク
リーン１を水路中から大気中へ、反対に大気中か
ら水路中に、変位可能としてある。

また、前記主スクリーン１に沿つてごみ類の掻
上片としての鋼板製のレーキ６が無端状のチエー
ン７を介して昇降可能に配備されるが、その駆動
装置として駆動軸８、駆動スプロケツトホイール
９，９がフレーム２，２の上方端部の常時大気中
にある位置に設けられており、チエーン案内用の
スプロケツトホイール１０，１１、ガイドレール
１２，１３，１４が両フレーム２，２にそれぞれ
設けられている。そしてチエーン７は、チエーン
７に取付られたレーキ６が主スクリーン１の上流
側（前面）を往路（上昇動）として主スクリーン
１の下流側（後方）を復路（下降動）とするよう
に、掛装され、上部ではスプロケツトホイール１
０によりほぼ水路に走向せしめられている。即
ち、ガイドレール１２，１３は、上端が上部スプ
ロケツトホイール１０に、下端がチエーン７の反
転用の下部スプロケツトホイール１１に臨み、且
つ主スクリーン１より上流側に、チエーン７を挟
持するように両側に設けられ、ガイドレール１４
は駆動スプロケツトホイール８からスプロケツト
ホイール１１までのチエーン７の走行路にチエー
ン７を支承するように片側に設けられている。

レーキ６はガイドレール１２，１３，１４に案
内されるローラ１５を有するチエーン７のリンク
に固定され、チエーン７と共に循環するが、その
形状は、往路時に於いて、下流側は主スクリーン
１のバー間に挿入される櫛状部１６に形成され、
上流側はスリツト１７を多数穿設さた折曲平板材
で形成されている。

さらに、フレーム２，２の下端には次に述べる
補助スクリーン１９の当接杆１８，１８が穿設さ
れている。

水路中に回動配置された状態における主スクリ
ーン１の上流側底部には、補助スクリーン１９が
基台２０に回動可能に軸支されている。この補助
スクリーン１９はスリツト２１が多数穿設された
鋼板からなり、起立時（作動時）において水路底
と主スクリーン１の下部との間の隙間を開閉し得
る高さと巾を有しており、上端は正面側に屈曲し
て背面が湾曲部２２に形成されている（ここで、
補助スクリーン１９の起立時における上流側を正
画といい、下流側を背面という）。さらにこの補
助スクリーン１９の基部には補助スクリーン１９
の背面側に鋭角θの角度をあけてアーム２３が突
設され、アーム２３の先端にはウエイト部２４が
固着されている。

なお、前記当接杆１８は第１図に実線で示す作
動状態において、補助スクリーン１９をその背面
が主スクリーン１の前面に当接させる位置からレ
ーキ６の軌跡外縁に接する位置までの回動を許し
且つ作動状態から第１図に二点鎖線で示す休止状
態への主スクリーン１の引上回動時において、補
助スクリーン１９を押して倒伏せしめ、浸漬回動
時においてアーム２３を押して起立せしめ得る、
取付装置と形状を有している。即ち、補助スクリ
ーン１９は、主スクリーン１の引上時にはウエイ
ト部２４により正面側へのモーメントが生じる位
置まで当接杆１８で回動せしめられ、主スクリー
ン１の浸漬時にはウエイト部２４により背面側へ
のモーメントが生じる位置に拘束される構成とし
てある。

図中、２５，２６は軸支部、２７は駆動軸８の
軸移動調節部、２６は軸カバー、２９は水路側壁
に突設したストツパーでフレーム２に当接可能に
設けられる。３０は横桟、３１は水路底部に設け
た凹部である。

なお、レーキ６からのごみの落下部位には排出
機構が設けられるが図は省略してある。

しかして、第１図の作動状態においては、レー
キ６がスプロケツトホイール１１により反転し上
昇を始めるとレーキ６はその前端縁でウエイト部
２４による復元力に抗して補助スクリーン１９を
背面から押して回動せしめ、レーキ６が通過する
隙間を形成せしめる。レーキ２が通過したあと
は、補助スクリーン１９はウエイト部２４により
再び閉じる。この場合、湾曲部２２により補助ス
クリーン１９の復帰においてシヨツクが少ない
し、チエーン７が逆転した場合でも湾曲部はレー
キ６の下方部材も滑動形状とすることでレーキ６
の下降通過を許すものである。

また、当接杆１８はウエイト部２４の回動範囲
を規制するストツパとしても機能するので補助ス
クリーン１９は常に閉じる方向の復元力を有し、
レーキ６が通過した後もその通過間隙が開放され
たままである虞れは全くない。

次に主スクリーン１の引上・浸漬時について動
作を説明すると、主スクリーン１を引上装置によ
り引上げると、当接杆１８は支承軸２５を中心に
して回動し、補助スクリーン１９を押倒しながら
上昇する。押倒された補助スクリーン１９は既に
正面方向へのモーメントを有する状態まで回動さ
れており、倒伏状態を維持する。主スクリーン１
を水路中に浸漬せしめる時は当接杆１８は上流側
へ傾斜状態で突出しているアーム２３を補助スク
リーン１９のモーメントが逆になるまで押しなが
ら回動する。その後補助スクリーン１９はウエイ
ト部２４により回動起立し、主スクリーン１に補
助スクリーン１９の背面上端部が当接して停止、
配備は完了する。

〔発明の効果〕

本発明により、主スクリーンの引上・引下によ
て、補助スクリーンを倒伏・起立せしめる自動除
塵機を極めて簡単な構成で提供することができ、
実用上大なる効果を奏すことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は第１図−線断面図、第３図は第
１図Ａ矢視図である。 １……主スクリーン、２……フレーム、３……
基台、４……ロープ、５……ローラ、６……レー
キ、７……チエーン、８……駆動軸、９，１０，
１１……スプロケツトホイール、１５……ロー
ラ、１６……櫛状部、１７……スリツト、１８…
…当接杆、１９……補助スクリーン、２０……基
台、２１……スリツト、２２……湾曲部、２３…
…アーム、２４……ウエイト部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水路中に備えた主スクリーン１と、主スクリ
   ーンと水底との間の間〓に起状しうるように支え
   られた補助スクリーン１９と、該補助スクリーン
   １９に沿つて無端状のチエーン７を介して昇降可
   能に配備したごみ類の掻上片６とからなり、この
   主スクリーン１を回動自在に支承されて引上装置
   によつて引上げることのできる自動除塵機におい
   て、 前記主スクリーン１の前方先端部に当接杆１８
   を突設し、前記補助スクリーン１９を前記水底と
   前記主スクリーン１との間に支軸２６で回動自在
   に配備するとともに、前記補助スクリーン１９の
   背面側に鋭角θをもつてアーム２３を突設し、そ
   の先端にウエイト２４を固着して、前記主スクリ
   ーン１の引上、引下操作によつて前記補助スクリ
   ーン１を前記主スクリーン１と水底との間で起状
   自在としたことを特徴とする水路等用自動除塵
   機。 ２ 前記補助スクリーン１９が、レーキ通過時に
   はスクリーン板背面にレーキ前縁が滑動するよう
   に設けられているものである特許請求の範囲第１
   項記載の自動除塵機。 ３ 前記掻上片６が、主スクリーン１側のみが櫛
   目状になつており、水路上流側はスリツトを多数
   設けた鋼板構造である特許請求の範囲第１又は２
   項記載の自動除塵機。