JPH0567673A - 静電チヤツク - Google Patents

静電チヤツク

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JPH0567673A
JPH0567673A JP29469691A JP29469691A JPH0567673A JP H0567673 A JPH0567673 A JP H0567673A JP 29469691 A JP29469691 A JP 29469691A JP 29469691 A JP29469691 A JP 29469691A JP H0567673 A JPH0567673 A JP H0567673A
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insulating layer
electrode
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heating
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Yasushi Sakakibara
康史 榊原
Makoto Koguchi
信 虎口
Kenji Kondo
健治 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】プラズマCVD法等による成膜時に、ウエハを
成膜初期から成膜後期とほぼ同一温度に保って膜質を一
定にするために、成膜開始に先立ってウエハを加熱, 昇
温させる際の昇温時間と、成膜開始後のプラズマ入射に
よりウエハ温度が所定値を超えようとするときの温度引
下げ時間とを従来と比べて大幅に短くすることのできる
静電チャックの構成を提供する。 【構成】吸引電極が埋め込まれる絶縁物中に抵抗加熱材
からなる平坦な板状もしくは箔状の発熱体を絶縁層と平
行に埋め込む構成として、発熱体の熱容量を小さくする
とともに、発熱体とウエハとの距離を可能最小限まで小
さくする。また、発熱体が吸着面近傍に埋め込まれるこ
とによる静電チャック両面間の温度差に基づく熱応力を
小さくするため、上記構成の静電チャックは、静電チャ
ック内発熱体とは別の加熱手段により静電チャックとの
接触面が加熱される取付けベースに密着状態に固定する
ものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体製造工程等
で、プラズマCVDやプラズマエッチング等を利用して
ウエハ表面に薄膜の形成あるいは食刻加工を行う場合に
ウエハ保持を行う静電チャックに関するものであって、
特に膜質の均一な薄膜の形成を効率よく行うことのでき
る静電チャックの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程等で従来から用いられて
いる静電チャックの構成原理を図7に示す。静電チャッ
ク本体は、絶縁体ベース13上に、平坦な板状もしくは箔
状の電極11と絶縁層14とを順に積層して全体を一体化す
ることにより形成される。電極11は絶縁体ベース13を貫
通して外部へ引き出され、直流電源3の一方の端子に接
続される。絶縁層14の表面に載置されたウエハ5は接地
導体を介して直流電源3の接地側端子に接続され、電極
11とウエハ5との間に直流電圧が印加される。このとき
のウエハ5と電極11との間の静電吸引力 (単位面積当
り) は、次式により表わされる。 F=1/2 ・ε・ (V/d) 2 (1) ここで、εは絶縁層14の誘電率, Vは直流電源3の端子
電圧, dは絶縁層14の厚みである。
【0003】静電チャックは、ウエハを全面で吸着保持
するため、機械的なチャッキング方式のものと比べ冷却
性能がすぐれており、また、加工中におけるウエハ表面
の汚損防止のために真空中でウエハをフェイスダウン保
持する場合は、静電チャック以外に適当な保持手段がな
いことから、従来から、この構成原理による静電チャッ
クが半導体製造装置におけるウエハ保持手段として用い
られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、ウエハ表面への
薄膜形成時には、ウエハの温度が室温からスタートする
ため、薄膜形成の初期とそれ以降とではウエハの温度が
異なり、このため、形成される薄膜の膜質に差異が生じ
る。このため、図8に示すように、静電チャック1と、
この静電チャック1が取り付けられる取付けベース2と
の間にヒータ6を介装し、ウエハ5が薄膜形成の初期か
ら、後期と同等の温度となるように静電チャック1を加
熱した後に成膜工程に入る薄膜製造方法がとられてい
る。しかし、静電チャック1と取付けベース2との間に
介装されるヒータ6は、抵抗線をステンレス等の金属パ
イプに挿入してなるシースヒータを適宜の形状に成形し
た後アルミの鋳塊中に埋め込んだものが用いられ、熱容
量が大きく、また、静電チャック1も熱容量が大きいた
め、絶縁層表面がウエハの所望の初期温度に到達するま
でに時間がかかる。さらに、静電チャックは、絶縁物が
セラミックス等で形成されるため、熱伝導率が小さく、
ウエハの昇温にさらに時間がかかる要因を有する。半導
体製造装置では、スループットガ小さいことは致命的で
あり、ウエハの昇温時間はできるだけ小さいことが望ま
しい。
【0005】また、一方、一旦成膜が始まると、ウエハ
へのプラズマの入射によりウエハが加熱され、ウエハの
温度が所定値を超えようとすると鋳込みヒータへの加熱
入力を下げる操作が行われるが、鋳込みヒータの熱容量
が大きいために鋳込みヒータ自身の温度降下速度が速
く、かつ絶縁物の熱伝導率が小さいことから、ウエハ温
度が所定値を超えてしまうという問題があった。
【0006】この発明の目的は、吸着されたウエハの昇
降温時間が従来と比べて格段に短くなる静電チャックの
構成を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明においては、平坦な板状もしくは箔状の電
極を、該電極の一方の面に平坦な絶縁層が形成されるよ
うに絶縁物中に埋め込んでなり、該絶縁層の表面に被吸
着物を該被吸着物と電極との間に働く静電吸引力により
吸着保持する静電チャックを、前記絶縁物中に、絶縁層
表面に吸着保持された被吸着物を加熱するための抵抗加
熱材からなる平坦な板状もしくは箔状の発熱体が絶縁層
と平行に埋め込まれた静電チャックとするものとする。
【0008】この場合、静電チャックは、被吸着物を吸
引する電極を、直流電源のそれぞれ正極と負極とに接続
される2個もしくは2組の電極で構成したものとする
か、あるいは、電極と発熱体とを埋め込む絶縁物が、絶
縁層表面に吸着された被吸着物と接触する導体を備える
とともに、被吸着物を吸引する電極が、抵抗加熱材を構
成材として2個の引出し端子を有する1個もしくは1組
の電極として形成され、該2個の引出し端子が加熱用電
源に接続されるとともに該2個の引出し端子の一方と前
記被吸着物と接触する導体とがそれぞれ直流電源の各極
に接続され、被吸着物を吸引する電極が発熱体を兼ねて
いる静電チャックとするものとする。
【0009】そして、被吸着物を吸引する電極が発熱体
を兼ねる静電チャックの場合には、絶縁層表面に吸着さ
れた被吸着物と接触する導体を、絶縁物を貫通して絶縁
層表面から突き出し、ばね力により突出し位置を保持す
るピンとして形成するか、絶縁層表面の周縁に沿うリン
グ状金属面として形成するものとする。そして、このよ
うに構成される静電チャックは、被吸着物が吸着される
絶縁層表面と反対側の面を取付け固定面として、絶縁物
中の発熱体とは別の加熱手段により前記取付け固定面と
の接触面が加熱される取付けベースの該接触面に密着状
態に固定して使用するとよい。
【0010】この場合、取付けベースの静電チャック取
付け固定面との接触面を加熱する加熱手段は、取付けベ
ース内を貫流する熱流体とするか、加熱抵抗線を鋳塊中
に鋳込んで形成され取付けベースと一体化される鋳込み
ヒータとする。また、静電チャック取付け固定面の取付
けベース接触面への密着状態の固定は、静電チャック取
付け固定面と取付けベース接触面とを低融点金属で接着
することにより行うようにする。この場合、低融点金属
はインジウム系合金とすれば好適である。
【0011】
【作用】このように、被吸着物を加熱するための抵抗加
熱材からなる平坦な板状もしくは箔状の発熱体を絶縁層
と平行に絶縁物中に埋め込む構造とすれば、発熱体を絶
縁層表面の極く近傍に存在させることができ、発熱体と
絶縁層表面との距離が従来と比べて極端に小さくなり、
発熱体から絶縁層表面に到る熱抵抗が激減するとともに
発熱体自身の熱容量も激減するために絶縁層表面を瞬時
に所望の温度とすることができる。一方、ウエハの昇温
時間は、発熱体からウエハまでの熱抵抗とウエハの熱容
量とで決まるが、ウエハは厚さが極めて薄いために熱容
量が小さく、かつ絶縁層表面に全面密着状態に吸着され
るから伝熱面積が大きく、ウエハは極めて短時間に昇温
する。同様にして、発熱体への加熱入力を減らせば、そ
の時点からウエハは極めて短時間に降温する。
【0012】そこで、ウエハを吸引する電極 (以下吸引
電極と記す) を、直流電源のそれぞれ正極と負極とに接
続される2個もしくは2組の電極で構成すれば、吸引電
極の平面形状を、発熱体と関係なく、吸引力が最大とな
るように決めることができ、一方、発熱体は、吸引電極
の平面形状と関係なく、所望の電路パターンで形成する
ことができ、静電チャックの構成が容易となる。
【0013】一方、吸引電極が発熱体を兼ねる構造の静
電チャックとした場合には、発熱体とウエハとの距離が
さらに小さくなり、ウエハの昇降温をより短時間に行う
ことができる。そして、この場合に必要となる,吸着さ
れたウエハを直流電源の一方の端子に接続するための導
体を、絶縁物を貫通して絶縁層表面から突き出し、ばね
力により突出し位置を保持するピンとして形成すれば、
ウエハの絶縁層表面への吸着が全面密着状態に行われる
から、ウエハの保持が確実に行われるとともに、発熱体
とウエハとの間の熱伝達が効率よく行われる。
【0014】一方、前記導体を、絶縁層表面の周縁に沿
うリング状金属面として形成すれば、リング状金属面を
金属の蒸着により形成することにより、厚さを数μm〜
10μm程度とすることができ、絶縁層の厚さ数百μm
と比べて十分小さくできるから、ウエハ保持の確実性が
損なわれることなくウエハを吸着保持することができ、
かつ絶縁層とウエハとの間の熱伝達は、リング状金属面
の厚さが薄く、ウエハが絶縁層表面にほぼ全面接触状態
に吸着され、かつリング状金属面からも熱が伝達される
から、ウエハの昇降温を、温度の面分布均一に、かつ短
時間に行うことができる。しかも、ウエハと接触する導
体をピンとする場合と比べて静電チャックの構造が簡単
になるメリットが生じる。
【0015】しかし、静電チャックをこのように構成し
た場合、ウエハの昇降温時間は従来と比べて大幅に短縮
される一方、発熱体が静電チャックの吸着面近傍にある
ため、静電チャックの内部では、取付けベースに接する
面 (以下、取付け固定面という) と吸着面との間に温度
差が生じ、この温度差により静電チャック内に熱応力が
生じ、この結果、静電チャック本体が破損し易くなのと
いう問題が生じる。加熱のための昇温時間を長くすれば
応力は軽減されるが、ウエハを速やかに加熱できる本発
明の構成が生かされない。そこで、このように構成され
る静電チャックは、これを、被吸着物が吸着される絶縁
層表面と反対側の面を取付け固定面として、絶縁物中の
発熱体とは別の加熱手段により前記取付け固定面との接
触面が加熱される取付けベースの該接触面に密着状態に
固定して使用するようにすれば、成膜開始前に静電チャ
ックを取付けベース側から接触面を介して予熱すること
により、吸着面と取付け固定面との間の温度差を小さく
することができ、温度差による熱応力を低減することが
できる。この場合には、予熱時間の分、半導体製造装置
の稼働率が下がることになるが、この予熱による静電チ
ャックの温度は、従来の鋳込みヒータによる成膜開始時
点の温度以下とするので、従来と比べると依然稼働率が
向上するとともに、成膜開始後におけるプラズマ入射に
より所定値を超えようとするウエハ温度の引下げをレス
ポンスよく行うことができる。
【0016】この場合、取付けベースの静電チャック取
付け固定面との接触面を加熱する加熱手段を、取付けベ
ース内を貫流する熱流体とするか、抵抗線をAl等の鋳塊
中に鋳込んだ鋳込みヒータとすれば、取付けベースの構
造を複雑化することなく接触面を介した静電チャックの
昇温が可能になる。また、静電チャック取付け固定面の
取付けベース接触面への固定の仕方として、両面を低融
点金属で接着する方法をとれば、両面間の熱伝達が速く
なるばかりでなく、真空中における両面間の熱抵抗は面
内の部位によらず一定となる。これにより、面内の温度
分布が均一となり、静電チャック内の熱応力がさらに軽
減される。
【0017】ここで、低融点金属として、インジウムを
主体としたインジウム・すず合金,インジウム・鉛合金
等のインジウム系合金を用い、この合金からなる板また
は粒を接触面に載せてAr, N2 等のガス雰囲気中で溶か
し、この上に静電チャックを載せると、取付けベース接
触面と静電チャック取付け固定面とが密着状態に固定さ
れる。インジウム系合金の融点は、例えばインジウム・
すず合金の場合130℃であり、温度が低いので作業が
容易で、かつまた静電チャックを予熱するときの予熱温
度よりも高く、インジウム系合金は、密着固定のための
材料として好適な特性を有する。
【0018】
【実施例】図1に本発明による静電チャック構成の第1
の実施例を示す。平坦な吸引電極11の背面側に絶縁層14
の厚み (およそ300〜400μm) と同等の絶縁間隔
をおいて抵抗加熱材からなる平坦な板状もしくは箔状の
発熱体を絶縁層と平行に埋め込んだ構成とするために、
絶縁層14と同等の厚みをもつセラミックス板の一方の面
に印刷により、ここではタングステンの層を10〜25
μmの厚みに形成する。このセラミックス板と、同様に
して吸引電極11が印刷されたセラミックス板とを絶縁体
ベース13上に順に積層して加熱, 一体化することにより
静電チャック1が形成される。発熱体12は印刷により形
成されるため、その電路の幅や形状を任意に構成するこ
とができ、所望のワット数を容易に得ることができる。
【0019】一方、吸引電極11は、この実施例では、一
平面内に形成された2個の電極からなり、各電極をそれ
ぞれ直流電源3の正極と負極とに接続することにより、
各電極とウエハ5との間に静電吸引力が発生する。各電
極は印刷により、かつ発熱体12とは独立に形成されるの
で、任意のパターンで形成することができ、例えば互い
に入り組んだ形状としてウエハの吸引力が最大となる吸
引電極11を形成することができる。
【0020】図2に本発明による静電チャック構成の第
2の実施例を示す。この実施例では、吸引電極11は2個
の引出し端子を有する1個の電極としてセラミックス板
への抵抗加熱材 (この実施例ではタングステン) の印刷
により単葉に形成され、絶縁体ベース13に載せて一体に
形成される。この吸引電極11とウエハ5との間に吸引力
を生じさせるためには、ウエハ5を直流電源3の接地側
端子に接続する必要があり、このために、吸引電極11を
埋め込んだ絶縁物には孔15が形成され、この孔15に金属
製のピン16が挿入され、ウエハ5が吸着されない状態で
は、ピン16の先端が絶縁層14の表面から突き出てばね17
により突出し位置が保持され、ウエハ5が吸着された状
態ではピン16とウエハ5とが接触して、ウエハ5が直流
電源3の接地側端子に接続される。
【0021】このように、吸引電極に発熱体を兼ねさせ
る構成とすることにより、発熱体とウエハとの距離がさ
らに小さくなり、ウエハをより短時間に昇降温させるこ
とができる。図3に吸引電極に発熱体を兼ねさせる別の
実施例を示す。ウエハ5を直流電源3の接地側端子に接
続するために、この実施例では、吸引電極11を埋め込ん
だ絶縁物の周縁に沿い、リング状の金属面20が形成され
ている。この金属面20は金属の蒸着により厚さが数μm
〜10μmとなるように形成され、静電チャック1を取
付けベース2に取り付けたときに板ばね21を介して取付
けベース2に接続され、ウエハ5が吸着されたときに、
金属面20, 板ばね21, 取付けベース2を介してウエハ5
が直流電源3の接地側端子に接続される。
【0022】金属面20の厚みは数μm〜10μmと極め
て薄いため、ウエハ5は絶縁層14の表面にほぼ全面密着
状態に吸着され、また、発熱体を兼ねる吸引電極11から
の熱は金属面20を介しても伝達されるため、ウエハ5の
昇降温時間は図2による構成の場合と同様に短い。しか
も静電チャック1の構造が図2と比べより簡単になるメ
リットを有する。
【0023】図1に示す第1の実施例によるウエハの昇
温特性を図4に示す。図にみられるように、この構成で
は、ウエハ温度を10〜20秒で250℃程度 (ECR
型プラズマCVD装置における成膜後期のウエハ温度)
に昇温させることができる。従来のように、アルミ鋳込
みヒータ等を用いた構成では250℃まで昇温するのに
数分を必要とした。もちろん、ヒータの発熱量を大きく
することにより昇温時間の短縮は可能であるが、実用上
限界があり、また、ヒータ寿命が低下する等の障害が生
じる。
【0024】図5に本発明の構成による静電チャックを
取り付ける取付けベース構造の一実施例を示す。取付け
ベース10内には流路10a が形成され、この流路10a の外
壁面が、静電チャック1の取付け固定面が密着状態に固
定される接触面10b を形成する。接触面10b を加熱する
熱流体はポンプ8からヒータ9を経て流路10a に送り込
まれ、接触面10b を介して静電チャック1に熱を伝達し
つつ再びポンプ8へ戻って行く。流路10a の形状は、こ
こには特に図示しないが、接触面10b上の温度分布が均
一になるように形成される。接触面の温度はウエハの温
度よりも常に低く保たれるから、ウエハ温度が成膜開始
後のプラズマ入射により所定値を超過しようとするとき
の温度引下げも極めてレスポンスよく行われる。
【0025】接触面10b の加熱手段として鋳込みヒータ
を用いるときは、ここには図示しないが、図5におい
て、流路10a を鋳込みヒータに置き換えるとともに、ポ
ンプ8を加熱電源で、ヒータ9を可変抵抗で、ヒータ9
から流路10a に到る管路と流路10a からポンプ8に到る
管路とを電路すなわち導体で置き換える。図6に、静電
チャック取付け固定面を取付けベース接触面に密着状態
に固定するための固定構造の一実施例を示す。図はすで
に密着固定され半導体製造装置内に組み込まれた状態で
示しているが、静電チャック取付け固定面の取付けベー
ス接触面10b への密着固定時には、接触面10b が上面と
なるように取付けベース10を支持して接触面10b 上に低
融点金属, 例えばインジウム・すず合金からなる板また
は粒を載せ、酸化防止のためにArまたはN2 ガス雰囲気
中で溶かし、この上に静電チャック1を載せる。インジ
ウム系合金は金属面に対する濡れ性がよく、溶けて金属
面を隈なく濡らし、静電チャック取付け面は全面密着状
態に接触面10b に固定される。
【0026】
【発明の効果】このように、本発明においては、静電チ
ャックを、吸引電極が埋め込まれる絶縁物中に、吸着さ
れた被吸着物を加熱するための抵抗加熱材からなる平坦
な板状もしくは箔状の発熱体を絶縁層と平行に埋め込む
構成としたので、吸引電極を2個もしくは2組の電極で
構成する場合、あるいは1個もしくは1組の電極で構成
する場合のいずれの場合にも、発熱体と被吸着物との距
離をそれぞれ可能最小限まで小さくすることができる。
これにより、ウエハへの成膜開始時にウエハを成膜後期
の温度まで極めて短時間に昇温させることができる。ま
た、成膜開始後のプラズマ入射により、ウエハ温度が所
定値を超過しようとするときの温度の引下げも極めて短
時間に完了する。従って、本発明の構成による静電チャ
ックの使用により、膜質が成膜初期から一定した薄膜を
より短時間に形成することのできる, スループットのよ
り高い半導体製造装置が可能になる。
【0027】しかも、本発明の構成による静電チャック
は、静電チャック内部の発熱体とは別の加熱手段により
静電チャック取付け固定面との接触面が加熱される取付
けベースに取り付けられるから、使用時の内部熱応力が
小さく、破損を生じにくいので、その構成によって得ら
れた半導体製造装置の高スループットの維持を妨げるこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による静電チャック構成の第1の実施例
を示す縦断面図
【図2】本発明による静電チャック構成の第2の実施例
を示す縦断面図
【図3】図2に示す第2の実施例と基本構成を同じくす
る静電チャックの別の実施例を示す縦断面図
【図4】第1の実施例によるウエハの昇温特性を示す線
【図5】本発明による静電チャックを取り付ける取付け
ベース構造の一実施例を示す縦断面図
【図6】本発明による静電チャックの取付け固定面と取
付けベース接触面との密着固定構造の一実施例を示す要
部断面図
【図7】従来の静電チャックの構成原理を示す説明図
【図8】静電チャックに吸着された被吸着物を加熱, 昇
温させるための従来方法を示す説明図
【符号の説明】
1 静電チャック 3 直流電源 4 加熱用電源 5 ウエハ(被吸着物) 7 低融点金属 10 取付けベース 10a 流路 10b 接触面 11 電極 12 発熱体 13 絶縁体ベース 14 絶縁層 16 ピン 17 ばね 20 金属面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平坦な板状もしくは箔状の電極を、該電極
    の一方の面に平坦な絶縁層が形成されるように絶縁物中
    に埋め込んでなり、該絶縁層の表面に被吸着物を該被吸
    着物と電極との間に働く静電吸引力により吸着保持する
    静電チャックにおいて、前記絶縁物中に、絶縁層表面に
    吸着保持された被吸着物を加熱するための抵抗加熱材か
    らなる平坦な板状もしくは箔状の発熱体が絶縁層と平行
    に埋め込まれていることを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の静電チャックにおいて、
    被吸着物を吸引する電極は、直流電源のそれぞれ正極と
    負極とに接続される2個もしくは2組の電極からなるこ
    とを特徴とする静電チャック。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の静電チャックにおいて、
    電極と発熱体とを埋め込む絶縁物が、絶縁層表面に吸着
    された被吸着物と接触する導体を備えるとともに、被吸
    着物を吸引する電極が、抵抗加熱材を構成材として2個
    の引出し端子を有する1個もしくは1組の電極として形
    成され、該2個の引出し端子が加熱用電源に接続される
    とともに該2個の引出し端子の一方と前記被吸着物と接
    触する導体とがそれぞれ直流電源の各極に接続され、被
    吸着物を吸引する電極が発熱体を兼ねていることを特徴
    とする静電チャック。
  4. 【請求項4】請求項第3項に記載の静電チャックにおい
    て、絶縁層表面に吸着された被吸着物と接触する導体
    は、絶縁物を貫通して絶縁層表面から突き出し、ばね力
    により突出し位置を保持するピンとして形成されている
    ことを特徴とする静電チャック。
  5. 【請求項5】請求項第3項に記載の静電チャックにおい
    て、絶縁層表面に吸着された被吸着物と接触する導体
    は、絶縁層表面の周縁に沿うリング状金属面として形成
    されていることを特徴とする静電チャック。
  6. 【請求項6】請求項第1項,第2項,第3項,第4項ま
    たは第5項に記載の静電チャックにおいて、被吸着物が
    吸着される絶縁層表面と反対側の面を取付け固定面とし
    て、絶縁物中の発熱体とは別の加熱手段により前記取付
    け固定面との接触面が加熱される取付けベースの該接触
    面に密着状態に固定されることを特徴とする静電チャッ
    ク。
  7. 【請求項7】請求項第6項に記載の静電チャックにおい
    て、取付けベースの静電チャック取付け固定面との接触
    面を加熱する加熱手段は、取付けベース内を貫流する熱
    流体であることを特徴とする静電チャック。
  8. 【請求項8】請求項第6項に記載の静電チャックにおい
    て、取付けベースの静電チャック取付け固定面との接触
    面を加熱する加熱手段は、加熱抵抗線を鋳塊中に鋳込ん
    で形成され取付けベースと一体化される鋳込みヒータで
    あることを特徴とする静電チャック。
  9. 【請求項9】請求項第6項に記載の静電チャックにおい
    て、静電チャック取付け固定面の取付けベース接触面へ
    の密着状態の固定は、静電チャック取付け固定面と取付
    けベース接触面とを低融点金属で接着することにより行
    われることを特徴とする静電チャック。
  10. 【請求項10】請求項第9項に記載の静電チャックにお
    いて、低融点金属はインジウム系合金であることを特徴
    とする静電チャック。
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