JP4637316B2 - 筒状体を有するセラミックヒーター及びこれを用いた加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック製の筒状体を有するセラミックヒーターと、これを用いた加熱装置に関するものであり、特にプラズマCVD、減圧CVD、光CVD、スバッタリング等の成膜工程やプラズマエッチング、光エッチング等のエッチング工程において、半導体ウエハ等の被加熱物を保持した状態で各種処理温度に加熱する加熱装置として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程において、プラズマCVD、減圧CVD、光CVD、スパッタリングなどの成膜工程や、プラズマエッチング、光エッチングなどのエッチング工程では、半導体ウエハ(以下、ウエハと称す。)を保持しつつ、各種処理温度に加熱するために筒状体を有するセラミックヒーターが使用されている。
【0003】
図3は従来の筒状体を有するセラミックヒーターを真空処理室内に設置した加熱装置を示す断面図で、真空処理室20は成膜ガスやエッチングガスあるいはクリーニングガス等のプロセスガスを供給するためのガス供給孔21と、真空引きするための排気孔22を備えており、真空処理室20内にはセラミック製の筒状体52を支持台としたセラミックヒーター41が設置されている。
【0004】
このセラミックヒーター41は、円板状をなし、上下面が平滑かつ平坦に形成された板状セラミック体42からなり、板状セラミック体42中には抵抗発熱体44を埋設するとともに、一方の主面(上面)をウエハWの載置面43とし、他方の主面(下面)には上記抵抗発熱体44と電気的に接続される給電端子46が接合されている。また、板状セラミック体2の内部中央には、熱電対等の温度検出手段48が内蔵されており、載置面43上に載せたウエハWの温度を間接的に検出するようになっていた。
【0005】
さらに、板状セラミック体42の下面には、給電端子46を包囲するようにセラミック筒状体52が、ガラス接合、拡散接合、ロウ付け接合等の接合手段によって気密に接合してあり、セラミック筒状体52内を通って給電端子46に接続されたリード線47及び温度検出手段48のリード線49を真空処理室20外へ取り出すようになっていた(特開平4−78138号公報参照)。
【0006】
そして、この筒状体を有するセラミックヒーター41を備えた加熱装置によりウエハWに成膜やエッチング等の処理を施すには、まず、真空処理室20内を真空状態とするとともに、セラミックヒーター41の載置面43にウエハWを載せ、給電端子46に通電して抵抗発熱体44を発熱させることにより、載置面43に載せたウエハWを400℃以上の各種処理温度まで加熱し、この状態でガス供給孔21よりデポジッション用ガスやエッチング用ガスなどのプロセスガスを真空処理室20内へ導くことで、ウエハWに成膜処理やエッチング処理を施すようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、成膜やエッチング等の処理速度を高めるためには、セラミックヒーター1の昇温時や降温時における速度を速めることが必要であり、近年では20℃/minを超える速度で昇温や降温させることが望まれている。
【0008】
しかしながら、図3に示すセラミックヒーター41は、20℃/minを超える速度で昇温や降温を繰り返すと、セラミックヒーター41を構成する板状セラミック体42とセラミック筒状体52との接合部50における気密性が損なわれ、真空処理室20内の真空度が低下する結果、成膜精度やエッチング精度に悪影響を与えるといった課題があった。
【0009】
即ち、図3に示すような板状セラミック体42とセラミック筒状体52とからなるセラミックヒーター41は、一体焼結にて製作することが極めて難しく、焼結された板状セラミック体42とセラミック筒状体52とを個別に製作したあと、前述したようにガラス接合、拡散接合、ロウ付け接合等の接合手段にて接合して製作されるのであるが、昇温や降温を繰り返すと、板状セラミック体42とセラミック筒状体52との接合部50に温度勾配ができて熱応力が集中し易く、室温から400℃を超える処理温度範囲において、20℃/minを超える速度で昇温や降温を繰り返すと、接合部50には大きな熱応力が作用し、前述したどの接合手段を用いたとても接合部50に亀裂が発生し、短期間のうちに気密性が保てなくなっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、抵抗発熱体を埋設した板状セラミック体の一方の主面を被加熱物の載置面とし、他方の主面に前記抵抗発熱体と電気的に接続される給電端子を備えるとともに、前記給電端子を包囲するように前記板状セラミック体に気密に接合されたセラミック筒状体を有するセラミックヒーターにおいて、前記セラミック筒状体内に、前記板状セラミック体の他方の主面および前記セラミック筒状体の内壁面に接合した、前記セラミック筒状体と前記板状セラミック体との接合部を加熱する加熱機構を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は前記セラミックヒーターの筒状体を支持台として前記セラミックヒーターを真空処理室内に設置して加熱装置を構成したものである。
【0012】
なお、前記加熱機構としては、セラミック体中に抵抗発熱体を埋設した副セラミックヒーター、特に前記セラミック体の熱伝導率が50W/m・K以上である副セラミックヒーターを用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は本発明の筒状体を有するセラミックヒーターを真空処理室内に設置した加熱装置を示す断面図、図2は図1のX−X線断面図である。
【0015】
図1の加熱装置において、20はプロセスガスを供給するためのガス供給孔21と、真空引きするための排気孔22を備えた真空処理室で、この真空処理室20内にはセラミック筒状体12を支持台としたセラミックヒーター1を設置してある。
【0016】
このセラミックヒーター1は、円板状をなし、ウエハWと同程度の大きさ、例えば外径150〜350mm、厚み8〜25mm程度の上下面が平坦かつ平滑な板状セラミック体2と、両端部にフランジ部11,13を有する略円筒状をしたセラミック筒状体12とからなり、セラミック筒状体12の一方のフランジ部11を板状セラミック体2の下面5と気密に接合してある。
【0017】
板状セラミック体2中には、タングステン、モリブデン、白金等の金属やタングステンカーバイト等からなる抵抗発熱体4を埋設するとともに、板状セラミック体2の上面をウエハWを載せる載置面3とし、セラミック筒状体12によって包囲される板状セラミック体2の下面には抵抗発熱体4と電気的に接続される給電端子6を接合してある。
【0018】
また、板状セラミック体2の内部中央には、熱電対等の温度検出手段8を内蔵してあり、載置面3上に載せたウエハWの温度を間接的に検出するようになっている。そして、給電端子6及び温度検出手段8に接続されたリード線7,9は、セラミック筒状体12内を通して真空処理室20外へ取り出すようになっている。
【0019】
なお、図1では、板状セラミック体2内に抵抗発熱体4のみを埋設した例を示したが、セラミックヒーター1の載置面3上に載せるウエハWの均熱化を更に図るため、板状セラミック体2中の載置面3側に静電吸着用の電極を埋設し、ウエハWと載置面3との間に作用する静電吸着力によってウエハWを載置面3上に強制的に吸着固定したり、あるいは板状セラミック体2の載置面3に開口する吸引孔を設けたりして、真空吸引によりウエハWを載置面3上に強制的に吸着固定するようにしても良い。
【0020】
セラミックヒーター1を構成する板状セラミック体2及びセラミック筒状体12としては、緻密で耐熱性、耐食性、さらには耐プラズマ性に優れたセラミックスにより形成することが好ましく、このようなセラミックスとしては、窒化珪素、サイアロン、窒化アルミニウムを主成分とする窒化物系セラミックスを用いることができる。これらの中でも特に窒化アルミニウムを成分とするセラミックスは、他のセラミックスと比較して高い熱伝導率を有すことから、他のセラミックスと比較して急速昇温が可能であるとともに、ハロゲン系ガスやプラズマに対して優れていることから好適である。
【0021】
また、板状セラミック体2とセラミック筒状体12は、その接合部における熱応力をできるだけ少なくする観点から同種(主成分が同じ)のセラミックスにより形成することが好ましく、好適には同一組成のセラミックスにより形成することが良い。
【0022】
板状セラミック体2とセラミック筒状体12を気密に接合一体化する手段としては、焼結による接合、ガラス接合、ロウ付け接合、拡散接合等のいずれの方法を用いても良いが、好ましくは焼結により接合一体化することが良い。ここで、焼結により接合するとは、接合材として板状セラミック体2やセラミック筒状体12と同種あるいは同一組成のセラミックペーストを板状セラミック体2とセラミック筒状体12との間に介在させた状態で加圧しながら焼結させるホットプレス法により接合するか、あるいは加圧した状態で超音波振動を加えて焼結させる超音波振動法により接合することを言う。
【0023】
このように、板状セラミック体2とセラミック筒状体12とを焼結によって接合一体化すれば、板状セラミック体2とセラミック筒状体12との間の熱膨張差を小さくし、接合部10に発生する温度勾配を極めて小さくすることができるため、接合部10に集中する熱応力を大幅に低減することができる。しかも、接合部10もセラミックスからなるため、耐食性や耐プラズマ性にも優れることから腐食摩耗が少なく、摩耗粉の発生が少ないことからウエハWに悪影響を与えることが少ない。
【0024】
さらに、セラミック筒状体12内には、加熱機構としてセラミック筒状体12の内径とほぼ同径の円柱状をなし、板状セラミック体2の下面5に接合された給電端子6やそのリード線7、あるいは温度検出手段8のリード線9を導出するための貫通孔33,34を備えたセラミック体32中に、図2に示すようなパターン形状を有するタングステン、モリブデン、白金等の金属やタングステンカーバイト等からなる抵抗発熱体35を埋設するとともに、セラミック体32の下面に上記抵抗発熱体35と電気的に接続された給電端子36を備えた副セラミックヒーター31を内蔵し、板状セラミック体2の下面5及びセラミック筒状体12の内壁面14と接合してあり、板状セラミック体2とセラミック筒状体12との接合部10を加熱するようにしてある。
【0025】
なお、37はセラミック体32に設けた熱電対等の温度検出手段で、副セラミックヒーター31の温度を検出するようになっており、38は給電端子36に接続されたリード線、39は温度検出手段37に接続されたリード線で、それぞれセラミック筒状体12内を通って真空処理室20外へ取り出すようになっている。
【0026】
そして、この筒状体を有するセラミックヒーター1を備えた加熱装置によりウエハWに成膜やエッチング等の処理を施すには、まず、真空処理室20内を真空状態とするとともに、セラミックヒーター1の載置面3にウエハWを載せ、例えばフィードバック制御にてセラミックヒーター1に備える温度検出手段8と副セラミックヒーター31の温度検出手段37の温度が同一又は近似するようにそれぞれ抵抗発熱体4,35に通電してセラミックヒーター1及び副セラミックヒーター31を発熱させることにより、載置面3に載せたウエハWを400℃以上の各種処理温度まで加熱し、この状態でガス供給孔21よりデポジッション用ガスやエッチング用ガスなどのプロセスガスを真空処理室20内へ導くことで、ウエハWに成膜処理やエッチング処理を施すことができる。
【0027】
そして、本発明のセラミックヒーター1によれば、副セラミックヒーター31により板状セラミック体2とセラミック筒状体12との接合部10を加熱機構によって加熱するようにしたことから、接合部10に作用する温度勾配を極めて小さくすることができ、室温域から400℃以上の各種処理温度範囲において、セラミックヒーター1を20℃/min以上の速度で昇温や降温を繰り返したとしても、熱応力の集中を緩和して接合部10やその周辺部にクラックが発生することを防ぐことができる。
【0028】
即ち、板状セラミック体2とセラミック筒状体12とを接合しても、板状セラミック体2とセラミック筒状体12との間には接合界面が存在し、この接合界面の存在により板状セラミック体2とセラミック筒状体12を同種あるいは同一組成のセラミックスにより形成して熱膨張差を小さくしたとしても接合界面における熱伝達が悪いため、接合部10には温度勾配ができ、熱応力が集中するのであるが、本発明は、セラミック筒状体12内に加熱機構を内蔵し、板状セラミック体2とセラミック筒状体12との接合部10を強制的に加熱するようにしたことから、接合部10に集中する熱応力を緩和し、接合部10にクラックが発生することを防止することができる。
【0029】
その為、本発明のセラミックヒーター1を用いて加熱装置を構成すれば、昇温速度及び降温速度を高め、一つのウエハWを処理するのに要する時間を大幅に短縮することができるとともに、セラミックヒーター1の破損がないため、加熱装置の寿命を向上させることができ、以てウエハWの生産性を高めることができる。
【0030】
しかも、セラミックヒーター1が単一のパターン形状を有する抵抗発熱体4を備えたものである場合、所定の処理温度において、セラミック筒状体12からの熱引けによって載置面3を均熱化することが難しいのであるが、本発明のセラミックヒーター1によれば、加熱機構の発熱量を調整することにより、セラミック筒状体12への熱引け量を制御し、載置面3の均熱化を図ることもできる。
【0031】
なお、図1では副セラミックヒーター31を板状セラミック体2の下面5及びセラミック筒状体12の内壁面14に接合して内蔵したが、板状セラミック体2の下面5のみ接合したものや、セラミック筒状体12の内壁面14とのみ接合しても構わない。ただし、セラミック筒状体12の内壁面14とのみ接合する場合、副セラミックヒーター31を接合部10からあまり離れた位置に接合すると、副セラミックヒーター31を発熱させても接合部10を加熱することができず、接合部10に集中する熱応力を緩和することができない。その為、セラミック筒状体12の内壁面14とのみ接合する場合には、接合部10から副セラミックヒーター31の上面までの距離を30mm以内とすることが良い。
【0032】
副セラミックヒーター31を接合する手段としては、焼結による接合、ガラス接合、ロウ付け接合、拡散接合等のいずれの方法を用いても良いが、好ましくは前述したように焼結により接合一体化することが良い。
【0033】
また、抵抗発熱体4を埋設した板状セラミック体2及び抵抗発熱体35を埋設したセラミック体32をそれぞれ製造するには、これまで周知の技術を用いれば良く、例えば、セラミック原料中に抵抗発熱体4,35となる金属線、金属箔、金属板を埋設しておき、ホットプレスによりセラミック原料を焼結して製作するか、あるいは予め複数枚のセラミックグリーンシートを形成しておき、その1枚に抵抗発熱体4,32となる導体層を印刷し、導体層を覆うように他のセラミックグリーンシートを積み重ねて積層したあと焼結して製作すれば良い。
【0034】
ところで、このような成果を得るためには、副セラミックヒーター31を構成するセラミック体32の熱伝導率を50W/m・K以上とすることが好ましい。
【0035】
これは、熱伝導率が50W/m・K未満であると、抵抗発熱体34を発熱させてもセラミック体32内での熱伝達ロスが大きく、副セラミックヒーター31の発熱量が小さいため、接合部10に集中する熱応力を緩和する効果が小さいからである。
【0036】
熱伝導率50W/m・K以上を有するセラミック体32としては、炭化珪素、窒化アルミニウムを主成分とするセラミックスを用いることができ、例えば、AlNの含有量が99.8重量%以上の高純度窒化アルミニウム質セラミックスを用いれば25℃における熱伝導率を50〜80W/m・K程度とすることができ、また酸化イットリウム(Y 2 O 3 )や酸化エルビウム(Er 2 O 3 )を1〜9重量%の範囲で含有する窒化アルミニウム質セラミックスを用いれば、25℃における熱伝導率を100〜140W/m・K程度とすることができ、硼素(B)と炭素(C)を含有する炭化珪素質セラミックスを用いれば、25℃における熱伝導率を70〜75W/m・K程度とすることができ、また、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )と酸化イットリウム(Y 2 O 3 )を含有する炭化珪素質セラミックスを用いれば、25℃における熱伝導率を60〜65W/m・K程度とすることができる。ただし、板状セラミック体2との接合部15あるいはセラミック筒状体12との接合部16に作用する熱応力を緩和する観点から、板状セラミック体2やセラミック筒状体12に近似した熱膨張係数を有するものを適宜選択して用いることが良い。
【0037】
以上、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態だけに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で改良や変更できることは言うまでもない。
【0038】
【実施例】
(実施例1)ここで、図1に示す本発明のセラミックヒーター1と図3に示す従来のセラミックヒーター41を試作し、各セラミックヒーター1,41を発熱させた時の板状セラミック体2,42とセラミック筒状体12,52との接合部10,50に作用する熱応力について調べる実験を行った。
【0039】
本実験にあたり、各セラミックヒーター1,41はいずれも板状セラミック体2,42の寸法を外径300mm、厚み15mmとするとともに、セラミック筒状体12,52の寸法を外径90mm、内径75mm、高さ25cm、フランジ部11,13の外径90mm、内径75mm、厚み25mmとし、板状セラミック体2,42及びセラミック筒状体12,52を25℃における熱伝導率が64W/m・K、800℃における熱伝導率が32W/m・Kである高純度窒化アルミニウム質セラミックスにより形成した。そして、板状セラミック体2,42とセラミック筒状体12,52とを焼結にて接合一体化した。なお、板状セラミック体2,42中に埋設する抵抗発熱体4,44はタングステンにより形成し、同一パターン形状とした。
【0040】
また、本発明のセラミックヒーター1において、セラミック筒状体12内に内蔵する副セラミックヒーター31は、セラミック体32の寸法を外径75mm、高さ30mmとし、25℃における熱伝導率が50W/m・Kである高純度窒化アルミニウム質セラミックスにより形成した。そして、この副セラミックヒーター31を板状セラミック体2の下面5及びセラミック筒状体12の内壁面14と焼結にて接合一体化した。なお、セラミック体32中に埋設する抵抗発熱体35はタングステンにより形成した。
【0041】
そして、各セラミックヒーター1,41を真空処理室20内に設置して加熱装置を構成し、温度検出手段8,48の温度が800℃となるように各セラミックヒーター1,41を発熱させるとともに、本発明のセラミックヒーター1にあっては副セラミックヒーター31も800℃となるように発熱させ、この時の載置面3,43における任意の10点の温度を赤外線放射温度計にて測定し、得られた温度データを基に有限要素法を用いたシミュレーション解析により、800℃に加熱した時のセラミックヒーター1,41を構成する板状セラミック体2,42とセラミック筒状体12,52との接合部10,50に作用する熱応力を算出した。
【0042】
この結果、従来のセラミックヒーター41においては接合部50に作用する熱応力が254.8MPaであったのに対し、本発明のセラミックヒーター1は、接合部10に作用する熱応力が196MPaとかなり低かった。
【0043】
また、本発明のセラミックヒーター1において、副セラミックヒーター31を構成するセラミック体32として25℃における熱伝導率が90W/m・K、30W/m・Kであるものも用意して同様に測定し、シミュレーション解析により熱応力を算出したところ表1の通りであった。
【0044】
【表1】
【0045】
この結果、副セラミックヒーター31を構成するセラミック体32の熱伝導率が高くなるほど熱応力が小さくなる傾向にあり、熱伝導率はできるだけ高い方が良いことが判る。(実施例2)次に、実施例1での効果を確認するため、実験例1で用意した加熱装置を用い、各セラミックヒーター1,41を常温域(25℃)から800℃の温度範囲で、昇温速度を20℃/時、降温速度を20℃/時として加熱、冷却を繰り返す熱サイクル試験を行ったあと、Heリークディテクターによって接合部10,50の気密性について確認する実験を行った。
【0046】
なお、本発明のセラミックヒーター1には、副セラミックヒーター31を構成するセラミック体32の25℃における熱伝導率が50W/m・Kであるものを用いた。
【0047】
この結果、副セラミックヒーターを持たない従来の加熱装置では、10回程度の熱サイクル試験でセラミックヒーター41を構成する板状セラミック体42とセラミック筒状体52との接合部50にクラックが発生してHeがリークし、気密性が低下したのに対し、副セラミックヒーター31を備える本発明の加熱装置は、600回の熱サイクル試験においてもセラミックヒーター1を構成する板状セラミック体2とセラミック筒状体12との接合部10にクラックは見られず、Heリーク量が133×10 −9 Paと充分な気密性を維持していた。
【0048】
以上のように、本発明によれば、抵抗発熱体を埋設した板状セラミック体の一方の主面を被加熱物の載置面とし、他方の主面に抵抗発熱体と電気的に接続された給電端子を備えるとともに、給電端子を包囲するように板状セラミック体に気密に接合されたセラミック筒状体を有するセラミックヒーターにおいて、セラミック筒状体内に、板状セラミック体の他方の主面およびセラミック筒状体の内壁面に接合した、セラミック体中に抵抗発熱体を埋設した副セラミックヒーター等からなる加熱機構を内蔵し、この加熱機構によってセラミック筒状体と板状セラミック体との接合部を加熱するようにしたことから、セラミックヒーターを20℃/minを超える速度で昇温したり降温したりしてもセラミックヒーターを構成する板状セラミック体とセラミック筒状体との接合部に作用する熱応力を大幅に低減してクラックが発生することを防止することができ、所定の温度に加熱、冷却するまでの時間を短縮することができる。
【0049】
その為、本発明の筒状体を有するセラミックヒーターを成膜用やエッチング用の加熱装置に用いれば、昇温速度及び降温速度を高めることができるため、各種処理時間を短縮することができるとともに、セラミックヒーターが長寿命であるため、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状体を有するセラミックヒーターを真空処理室内に設置した加熱装置を示す断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】従来の筒状体を有するセラミックヒーターを真空処理室内に設置した加熱装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1,41:セラミックヒーター 2,42:板状セラミック体
3,43:載置面 4,44:抵抗発熱体 5:板状セラミック体の下面
6,36:給電端子 7,38,47:給電端子のリード線
8,37,48,:温度検出手段 9,39,49:温度検出手段のリード線
10,50:板状セラミック体とセラミック筒状体との接合部
11,13:フランジ部 12,52:セラミック筒状体
14:セラミック筒状体の内壁面
15:板状セラミック体とセラミック体との接合部
16:セラミック筒状体とセラミック体との接合部
20:真空チャンバー 21:ガス供給孔 22:排気孔
31:副セラミックヒーター 32:セラミック体 33,34:貫通孔
35:抵抗発熱体 36:給電端子 W:半導体ウエハ
Claims (4)
- 抵抗発熱体を埋設した板状セラミック体の一方の主面を被加熱物の載置面とし、他方の主面に前記抵抗発熱体と電気的に接続される給電端子を備えるとともに、前記給電端子を包囲するように前記板状セラミック体に気密に接合されたセラミック筒状体を有するセラミックヒーターにおいて、前記セラミック筒状体内に、前記板状セラミック体の他方の主面および前記セラミック筒状体の内壁面に接合した、前記セラミック筒状体と前記板状セラミック体との接合部を加熱する加熱機構を設けたことを特徴とする筒状体を有するセラミックヒーター。
- 前記加熱機構は、セラミック体中に抵抗発熱体を埋設した副セラミックヒーターであることを特徴とする請求項1に記載の筒状体を有するセラミックヒーター。
- 前記副セラミックヒーターを構成するセラミック体の熱伝導率が50W/m・K以上であることを特徴とする請求項2に記載の筒状体を有するセラミックヒーター。
- 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセラミックヒーターにおけるセラミック筒状体を支持台として前記セラミックヒーターを真空処理室内に設置したことを特徴とする加熱装置。
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