JPH0567139B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0567139B2 JPH0567139B2 JP4110886A JP4110886A JPH0567139B2 JP H0567139 B2 JPH0567139 B2 JP H0567139B2 JP 4110886 A JP4110886 A JP 4110886A JP 4110886 A JP4110886 A JP 4110886A JP H0567139 B2 JPH0567139 B2 JP H0567139B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfonic acid
- acid esters
- present
- formula
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は不斉な単純一価アルコールのスルホン
酸エステルの光学分割方法に関するものであり、
光学活性化合物を合成するための方法を提供する
ものである。 〔従来の技術及び問題点〕 不斉な化合物の光学異性体はその生理作用を異
にすることが普通であり、従つて医農薬の分野に
おいては、一方のエナンチオマーのみを用いるこ
とが副作用の除去、あるいは投与量当たりの薬効
の増大につながる場合がある。また最近では液晶
などの光学材料に不斉な化合物を用いることも検
討されている。こうして事情から、最近こうして
用途を持ち、もしくは持ちうる化合物それ自体
の、あるいは合成的にそれらの原料となり得る化
合物の光学活性体が工業原料として、また研究用
の試薬として大きい需要を持つている。 本発明の光学分割方法が対象とする一群の化合
物は不斉な単純一価アルコールのスルホン酸エス
テルであり、いずれも極めて広い用途範囲を持
つ。従つてそれらの光学活性体を得、また光学異
性体組成を分析するための方法の確立は大きい意
義を有するものである。 従来、光学活性体を得る方法は、不斉合成、ジ
アステレオマーに誘導してからの光学分割、酵素
や微生物による生物化学的手法等があつた。これ
らの中、不斉合成法は目的とする化合物の光学純
度の高い化合物が得られないという問題があり、
ジアステレオマーに誘導して得る方法では容易に
ジアステレオマー誘導体化できなかつたり、ジア
ステレオマー法では等モルの別種光学活性化合物
が必要であるという問題があつた。また生物化学
的手法では、適当な酵素の微生物が見つけにくい
という欠点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは前項で述べたような従来の不斉合
成法、光学分割法の欠点に鑑み、簡便で多目的の
応用ができ、しかも工業化が容易であるといつた
多くの利点を持つた光学活性体の入手方法を検討
した結果、多糖の誘導体を有効成分とする分離剤
による吸着あるいは拡散を利用した分離方法が不
斉な一価アルコールのスルホン酸エステルの光学
分割に効果的に応用できることを見出し、本発明
を完成するに到つたものである。 即ち、本発明は一般式
酸エステルの光学分割方法に関するものであり、
光学活性化合物を合成するための方法を提供する
ものである。 〔従来の技術及び問題点〕 不斉な化合物の光学異性体はその生理作用を異
にすることが普通であり、従つて医農薬の分野に
おいては、一方のエナンチオマーのみを用いるこ
とが副作用の除去、あるいは投与量当たりの薬効
の増大につながる場合がある。また最近では液晶
などの光学材料に不斉な化合物を用いることも検
討されている。こうして事情から、最近こうして
用途を持ち、もしくは持ちうる化合物それ自体
の、あるいは合成的にそれらの原料となり得る化
合物の光学活性体が工業原料として、また研究用
の試薬として大きい需要を持つている。 本発明の光学分割方法が対象とする一群の化合
物は不斉な単純一価アルコールのスルホン酸エス
テルであり、いずれも極めて広い用途範囲を持
つ。従つてそれらの光学活性体を得、また光学異
性体組成を分析するための方法の確立は大きい意
義を有するものである。 従来、光学活性体を得る方法は、不斉合成、ジ
アステレオマーに誘導してからの光学分割、酵素
や微生物による生物化学的手法等があつた。これ
らの中、不斉合成法は目的とする化合物の光学純
度の高い化合物が得られないという問題があり、
ジアステレオマーに誘導して得る方法では容易に
ジアステレオマー誘導体化できなかつたり、ジア
ステレオマー法では等モルの別種光学活性化合物
が必要であるという問題があつた。また生物化学
的手法では、適当な酵素の微生物が見つけにくい
という欠点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは前項で述べたような従来の不斉合
成法、光学分割法の欠点に鑑み、簡便で多目的の
応用ができ、しかも工業化が容易であるといつた
多くの利点を持つた光学活性体の入手方法を検討
した結果、多糖の誘導体を有効成分とする分離剤
による吸着あるいは拡散を利用した分離方法が不
斉な一価アルコールのスルホン酸エステルの光学
分割に効果的に応用できることを見出し、本発明
を完成するに到つたものである。 即ち、本発明は一般式
【式】
(式中、R、R′は各々炭素数7以下のアルキル
基であり、不飽和結合、置換ハロゲン原子を含ん
でもよく、また分岐、環状構造などをとつても良
い。但しRとR′は同一ではない。R″は炭素数15
以下のいかなる原子団であつても良いが、メチル
基、フエニル基、p−メチルフエニル基、α−或
いはβ−ナフチル基などが好ましい。)で表され
るスルホン酸エステルのエナンチオマー混合物
を、多糖誘導体を有効成分とする分離剤によつて
光学分割することを特徴とするスルホン酸エステ
ルの光学分割方法を提供するものである。 本発明が光学分割の対象とする化合物は上記一
般式で表されるスルホン酸エステルであるが、こ
の物質は対応するアルコールとスルホニル化試薬
(例えば、p−トルエンスルホニルクロリド、メ
タンスルホニルクロリド等)との反応により得ら
れる。この際用いられる溶媒としてはピリジン、
トリエチルアミン等の三級アミンが挙げられる。 本発明の方法によつて光学分割されたスルホン
酸エステルは、各種の求核試薬との反応によつて
絶対配置の反転を伴いながら各々有用な光学活性
化合物に変換される。例えば、アセテート陰イオ
ン、スーパーオキシド陰イオンとの反応物は光学
活性アルコールに、シアナイド陰イオンとの反応
物は光学活性カルボンやケトンに変換される。 本発明に用いられる分離剤は多糖及びその誘導
体を有効成分とするものである。ここでいう多糖
とは合成多糖、天然多糖、天然物変成多糖のいず
れかを問わず、光学活性であればいかなるもので
も良いが、好ましくは規則性の高いホモグリカン
であり、しかも結合様式も一定であるものであ
る。更に好ましくは高純度の多糖を容易に得るこ
とのできるセルロース、アミロース、β−1,4
−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、β
−1,4−キシラン、イヌリン、α−1,3−グ
ルカン、β−1,3−グルカン等である。多糖の
誘導体とは、上記多糖の有する水酸基上の水素原
子の一部あるいは全部、好ましくは85%以上を他
の原子団で置換したものである。ここでいう原子
団としては、
基であり、不飽和結合、置換ハロゲン原子を含ん
でもよく、また分岐、環状構造などをとつても良
い。但しRとR′は同一ではない。R″は炭素数15
以下のいかなる原子団であつても良いが、メチル
基、フエニル基、p−メチルフエニル基、α−或
いはβ−ナフチル基などが好ましい。)で表され
るスルホン酸エステルのエナンチオマー混合物
を、多糖誘導体を有効成分とする分離剤によつて
光学分割することを特徴とするスルホン酸エステ
ルの光学分割方法を提供するものである。 本発明が光学分割の対象とする化合物は上記一
般式で表されるスルホン酸エステルであるが、こ
の物質は対応するアルコールとスルホニル化試薬
(例えば、p−トルエンスルホニルクロリド、メ
タンスルホニルクロリド等)との反応により得ら
れる。この際用いられる溶媒としてはピリジン、
トリエチルアミン等の三級アミンが挙げられる。 本発明の方法によつて光学分割されたスルホン
酸エステルは、各種の求核試薬との反応によつて
絶対配置の反転を伴いながら各々有用な光学活性
化合物に変換される。例えば、アセテート陰イオ
ン、スーパーオキシド陰イオンとの反応物は光学
活性アルコールに、シアナイド陰イオンとの反応
物は光学活性カルボンやケトンに変換される。 本発明に用いられる分離剤は多糖及びその誘導
体を有効成分とするものである。ここでいう多糖
とは合成多糖、天然多糖、天然物変成多糖のいず
れかを問わず、光学活性であればいかなるもので
も良いが、好ましくは規則性の高いホモグリカン
であり、しかも結合様式も一定であるものであ
る。更に好ましくは高純度の多糖を容易に得るこ
とのできるセルロース、アミロース、β−1,4
−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、β
−1,4−キシラン、イヌリン、α−1,3−グ
ルカン、β−1,3−グルカン等である。多糖の
誘導体とは、上記多糖の有する水酸基上の水素原
子の一部あるいは全部、好ましくは85%以上を他
の原子団で置換したものである。ここでいう原子
団としては、
本発明で用いる多糖系分離剤が不斉な単純一価
アルコールのスルホン酸エステルの光学分割に有
効である理由は明らかではない。他に官能基を有
するアルコールの場合には、アルコール自体もし
くはそのカルボン酸エステルとして該分離剤によ
り分割される例が知られているが、このような単
純一価アルコールもしくはそのカルボン酸エステ
ルは該分離剤には殆ど吸着されず、分割もわずか
にしか認められない。 それに比較し、スルホン酸誘導体では著しい吸
着が認められ、はるかに高い分割効率が認められ
た。多糖系分離剤を用いる光学分割においては、
該分離剤と基質との間の極性基相互作用が重要な
役割を果たしていることが推定されており、この
場合にもスルホン酸基におけるイオウ−酸素間配
位結合の有する強い極性が不斉吸着を促す役割も
果たしているものと考えられる。 〔発明の効果〕 本発明の方法に用いる分離剤はその原料を安価
に多量に入手することができ、また化学的にも安
定であるなど、工業的な利用にとつて有利な特質
を有している。また本発明の方法は現在まで光学
分割もしくは光学異性体構成比の分析が困難であ
つた一価の単純アルコールについて、それらの容
易な方法を提供することができる。 〔実施例〕 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるもの
でないことは言うまでもない。 実施例1〜4及び比較例1〜3 表1に示す各種のアルコール類のスルホン酸エ
ステルをセルローストリベンゾエートを吸着剤と
して液体クロマトグラフイーにより光学分割し
た。その時の分割係数(α)を表1に示す。 また比較のために2−ブタノールのいくつかの
カルボン酸エステルも同様に光学分割し、その分
割係数(α)も表1に併設した。 尚、液体クロマトグラフイー用カラムとして
は、セルローストリベンゾエートをジフエニルシ
ラン処理を施した多孔質シリカゲル上に約22%重
量担持した充填剤を長さ25cm、内径0.46cmのステ
ンレスカラムに充填したものを用いた。 液体クロマトグラフイー条件は、溶離液として
ヘキサン−2−プロパノール(9:1)を毎分
0.5ml送液し、カラム温度は20℃±2℃に保つた。
検出には紫外検出器(島津製作所SPD−ある
いは日立635M)及び/あるいは示差屈折計(エ
ルマ光学ERC7510)を用いた。 又、分割係数(α)は、次の式 α=強く保持される光学異性体の保持容量−カラムの死
容積/弱く保持される光学異性体の保持容量−カラムの
死容積 で定義され、分割の良さの指標となるものであ
る。
アルコールのスルホン酸エステルの光学分割に有
効である理由は明らかではない。他に官能基を有
するアルコールの場合には、アルコール自体もし
くはそのカルボン酸エステルとして該分離剤によ
り分割される例が知られているが、このような単
純一価アルコールもしくはそのカルボン酸エステ
ルは該分離剤には殆ど吸着されず、分割もわずか
にしか認められない。 それに比較し、スルホン酸誘導体では著しい吸
着が認められ、はるかに高い分割効率が認められ
た。多糖系分離剤を用いる光学分割においては、
該分離剤と基質との間の極性基相互作用が重要な
役割を果たしていることが推定されており、この
場合にもスルホン酸基におけるイオウ−酸素間配
位結合の有する強い極性が不斉吸着を促す役割も
果たしているものと考えられる。 〔発明の効果〕 本発明の方法に用いる分離剤はその原料を安価
に多量に入手することができ、また化学的にも安
定であるなど、工業的な利用にとつて有利な特質
を有している。また本発明の方法は現在まで光学
分割もしくは光学異性体構成比の分析が困難であ
つた一価の単純アルコールについて、それらの容
易な方法を提供することができる。 〔実施例〕 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例に限定されるもの
でないことは言うまでもない。 実施例1〜4及び比較例1〜3 表1に示す各種のアルコール類のスルホン酸エ
ステルをセルローストリベンゾエートを吸着剤と
して液体クロマトグラフイーにより光学分割し
た。その時の分割係数(α)を表1に示す。 また比較のために2−ブタノールのいくつかの
カルボン酸エステルも同様に光学分割し、その分
割係数(α)も表1に併設した。 尚、液体クロマトグラフイー用カラムとして
は、セルローストリベンゾエートをジフエニルシ
ラン処理を施した多孔質シリカゲル上に約22%重
量担持した充填剤を長さ25cm、内径0.46cmのステ
ンレスカラムに充填したものを用いた。 液体クロマトグラフイー条件は、溶離液として
ヘキサン−2−プロパノール(9:1)を毎分
0.5ml送液し、カラム温度は20℃±2℃に保つた。
検出には紫外検出器(島津製作所SPD−ある
いは日立635M)及び/あるいは示差屈折計(エ
ルマ光学ERC7510)を用いた。 又、分割係数(α)は、次の式 α=強く保持される光学異性体の保持容量−カラムの死
容積/弱く保持される光学異性体の保持容量−カラムの
死容積 で定義され、分割の良さの指標となるものであ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 一般式【式】 (式中、R、R′は各々炭素数7以下のアルキル
基であり、不飽和結合、置換ハロゲン原子を含ん
でもよく、また分岐、環状構造などをとつても良
い。但しRとR′は同一ではない。R″は炭素数15
以下のいかなる原子団であつても良い。) で表されるスルホン酸エステルのエナンチオマー
混合物を、多糖誘導体を有効成分とする分離剤に
よつて光学分割することを特徴とするスルホン酸
エステルの光学分割方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110886A JPS62198656A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | スルホン酸エステルの光学分割方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4110886A JPS62198656A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | スルホン酸エステルの光学分割方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62198656A JPS62198656A (ja) | 1987-09-02 |
JPH0567139B2 true JPH0567139B2 (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12599278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4110886A Granted JPS62198656A (ja) | 1986-02-26 | 1986-02-26 | スルホン酸エステルの光学分割方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62198656A (ja) |
-
1986
- 1986-02-26 JP JP4110886A patent/JPS62198656A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62198656A (ja) | 1987-09-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |