JPH056646Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、筒状コアを使用した誘導雑音防止装
置に関する。

電子機器の装置間を接続する往復信号線に筒状
コアを貫通させることにより、静電気の放電など
により信号線に誘導される雑音を防止している。
筒状コアを固定するためには、コアが非分割型の
場合には、接着剤を用いて信号線に固着するか、
取付台を介して所要の壁面に固定するかしてお
り、分割型筒状コアについては、締め付け金具を
用いコアを筒状に保持して前述したように処置す
るか、取付板のついたコアケースを用いコアを覆
い、所定の壁面に固着するなどしていた。

上述した従来の雑音防止装置は、何れの方面も
筒状コアの装置は面倒であり、多くの工数を要し
高価であるという問題があつた。

本考案は、合成樹脂製の繊維で作られた片面が
雄型面フアスナーで、他方の面が雌型面フアスナ
ーである両面フアスナーを筒状コアを緊縛する布
の両端に取り付け、信号線に貫通させた筒状コア
の外周に布を巻き回して筒状コアを緊縛してなる
ことを特徴とする。

第１図は、本考案の一実施例の外観図である。

第１図は、半円形の中央溝をもつ台板状の分割
コア２を夫々突合せ１個の筒状コアとし、台板状
コア２個を信号線３の両側から突合せて中央孔に
信号線３を貫通し、この筒状コア１の外周にコア
１の軸方向長さ寸法Ｌより若干小さい幅寸法と、
コア１の外周全長より若干大きい長さ寸法をもつ
前記両面フアスナー４を巻き回し、両面フアスナ
ー４の端部を重ねて面フアスナーを掛止めしてコ
ア１を緊縛保持し、誘導雑音防止装置とするもの
である。

面フアスナー４は、第２図の端面拡大図で示す
ように、合成樹脂製繊維の芯布の片面に多数の細
かい合成樹脂製の鈎を設けた雄型面フアスナー５
と、芯布の片面に合成樹脂製の繊維の輪を多数設
けた雌型面フアスナー６とを、例えば層状をなす
接着剤７で芯布同士を接着して一体にしたもの
で、本合成樹脂製フアスナーは、(株)クラレ製の商
品名が、ベラクロ、或はマジツクテープと呼ばれ
ている物である。第１図に示す様に、本考案に使
用しているフアスナーを信号線３が配線されてい
る壁面に、両面フアスナー４の外側の面フアスナ
ー（例えば雄型５）と異なる面フアスナー（例え
ば雌型６）を層状接着剤７を用いて配設すること
により、壁面に取り付けたフアスナーと反対性質
のフアスナーを筒状コアに取り付けておくことに
より、雑音防止装置を容易に壁面に固定すること
ができる。この第１の雑音防止装置の両面フアス
ナー４に掛止しうる面フアスナー（例えば雌型
６）を外側にした、第２の雑音防止装置（図示せ
ず）を隣の信号線に設ければ、第１の雑音防止装
置と一体に固定出来る。

第３図ないし第５図は、本考案の他の実施例を
示し、信号線３に固定する構造である。

両面フアスナー８は、分割コア２からなる筒状
コア１の軸方向寸法Ｌより十分に大きい幅寸法Ｗ
（第５図参照Ｗ＝Ｌ＋2α）と、第１図で説明した
と同様の長さ寸法をもつもので、長さ方向に幅寸
法Ｌのほぼ中心線対称の２個所に切れ目が入れら
れており、一方の切れ目は長さ方向両端を除く中
間部の切れ目で、かつ切れ目の外側を中間で切断
して、長さ方向両端からの２個の舌片９，１０
（幅寸法はαである）を形成しており、他方の切
れ目は中間部を残した長さ方向両端からの切れ目
であり、中間部からの幅寸法αの２個の舌片１
１，１２を形成している。

コア１の外周に両面フアスナー８の幅寸法Ｌの
部分を巻き回し重ねてコア１を緊縛し、舌片９，
１０の根元部を重ねて面フアスナーを掛止する。
次いで第３図に示すように、長い方の舌片９の先
端部を、コア１の中央孔から突出した信号線３に
密着させて蔓巻き状に巻き重ね、更に舌片１０を
舌片９と反対側から舌片９の上に巻き重ね、面フ
アスナーを掛止して信号線３を舌片９，１０で抱
持する。コア１の中央孔の他方から突出した信号
線３に、第４図に示すように舌片１１，１２を舌
片９，１０と同様に巻き重ね掛止して、舌片１
１，１２により信号線３を抱持する。このように
して信号線３に固定した誘導雑音防止装置を構成
出来る 第３図及び第４図に図示したように、舌片９及
び１１が蔓巻き状に巻き重ねられるとともに、信
号線３をコア１の中央孔の反対側の周縁（図では
舌片９側で上部周縁、舌片１１側で下部周縁）に
当接させるように抱持しておれば、舌片１０及び
１２を省いてもよい。

第３図に示した雑音防止装置は、第１図に示し
たと同様にして壁面に固定してもよく、隣の信号
線に第１図に示した雑音防止装置を設けて互いに
掛合させることもできることは明かである。

以上に説明したように本考案による誘導雑音防
止装置は単純な構成であり、容易に迅速に作るこ
とができるので安価であり、集結や分離が容易で
あるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による一実施例を示す外観
図。第２図は、本考案に使用する両面フアスナー
の一例を示す端面図。第３図は、本考案の他の実
施例を示す外観図。第４図は、同じく第３図と反
対側からの外観図。第５図は、同じく正面図であ
る。 １……筒状コア、２……分割コア、３……信号
線、４，８……両面フアスナー、５……雄型面フ
アスナー、６……雌型面フアスナー、７……層状
接着剤、９，１０，１１，１２……舌片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 信号線に貫通させた分割した筒状コアの外周
   に、片面が雄型面フアスナー、他方の面が雌型
   面フアスナーである両面フアスナーを巻回し、
   前記両面フアスナーは前記筒状コアと該筒状コ
   アの両端面から突出する信号線の一部を一体に
   抱持し緊縛して分割した筒状コアを信号線に固
   定してなる誘導雑音防止装置。 ２ 前記両面フアスナーを所要個所に配設した面
   フアスナーに分割した筒状コアを掛止し固定し
   てなる第１項記載範囲の誘導雑音防止装置。