JPS6348100Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、トランスのリード線接続装置に関す
るものである。

（従来の技術） この出願の出願人は、先に、実願昭55−155289
号の明細書および図面（実公昭62−34419号公報）
に示されるように、鉄心に巻着したコイルの外面
から鉄心の突出部にわたつて、外部のリード線を
係着する係着板を備え、この係着板は、上記コイ
ルに当着される当接部と、この当接部の端部に折
曲連設された係着部と、この係着部に折曲連設さ
れ上記鉄心に係合される係合部と、上記係着部に
設けられたリード線係着手段とを備えたトランス
のリード線接続装置を提案した。

（考案が解決しようとする問題点） この先の考案は、係着部に３列の小さなリード
線孔が穿設され、この小さな３個の孔に１本のリ
ード線およびその芯線を挿し通すようにしている
が、その作業は容易でない。

また、上記のように小さなリード線孔のみでは
コイルの引出し線を係着部の外側に引出すことが
できないので、係着部を開き、この係着部の内側
で外部のリード線とコイルの引出し線とを接続す
るしかないが、内側でのリード線接続作業は容易
でないし、内側であるから、鉄心およびコイルに
対してリード線接続部分の絶縁性を確保するため
に区画体等の隔壁部材が必要となる。

本考案は、外部のリード線とコイルの引出し線
とを係着板の外側で接続できるようにして作業性
の向上を図るとともに、区画体等の隔壁部材を不
要にすることを目的とするものである。

〔考案の構成〕 （問題点を解決するための手段） 本考案は、鉄心１に巻着したコイル１７の外面
から鉄心１の突出部にわたつて、外部のリード線
２６を係着する係着板２１を備え、この係着板２
１は、上記コイル１７に当着される当接部２２
と、この当接部２２の端部に折曲連設された係着
部２３と、この係着部２３に折曲連設され上記鉄
心１に係合される係合部２４と、上記係着部２３
に設けられたリード線係着手段とを備えたトラン
スのリード線接続装置において、上記係着板２１
は、上記当接部２２の中央で２分割され、上記リ
ード線係着手段は、上記外部のリード線２６を係
着部２３の内側に引込む引込み孔２７と、上記当
接部２２の分割端３１から係着部２３にわたつて
切込み形成され上記内側に引込まれた外部のリー
ド線２６およびコイル１７の引出し線１８を係着
部２３の外面に引出す引出し溝２９と、上記引込
み孔２７と引出し溝２９との間に設けられ上記引
出し溝２９を経て外部に引出されたリード線を係
止する係止部３０とより成るものである。

（作用） 本考案は、引込み孔２７より外部のリード線２
６を係着部２３の内側に挿入し、さらに、このリ
ード線２６の芯線２８を引出し溝２９から外部に
引出し、係着部２３に設けられた係止部３０に係
止させてリード線に働く引張力に対処する。コイ
ル１７の引出し線１８は上記引出し溝２９から外
部に引出し、係着部２３の外側で前記リード線２
６の芯線にからめるなどして接続する。

（実施例） 以下、本考案を第１図ないし第３図に示される
実施例を参照して詳細に説明する。

１はUI型の鉄心で、この鉄心１に締付金具２
が取付けられている。この締付金具２は、金具本
体３と締付板４とからなつている。この金具本体
３は、端板５と、この端板５の両端から折曲形成
された両側の側板６と、この両側の側板６の先端
に突設された係合片７と、上記端板５の上端に内
方に折曲げて連設された上縁片８と、上記端板５
の中間に切起し形成された受片９と、上記端板５
の下端から折曲形成された取付片１０とからなつ
ている。また、上記締付板４は、端板１１と、こ
の端板１１の両端から折曲形成された両側の側片
１２と、この両側の側片１２の基端折曲部に穿設
された係合孔１３と、上記端板１１の上端から折
曲形成された上縁片１４と、上記端板１１の中間
に切起し形成された受片１５と、上記端板１１の
下端から折曲形成された取付片１６とからなつて
いる。そして、鉄心１の一端から両側にかけて金
具本体３の端板５と両側の側板６とを当接し、鉄
心１の一端を受片９で支持するとともに上縁片８
にて押え、また、鉄心１の他端に締付板４を嵌合
して鉄心１の他端を受片１５で支持するととも
に、上縁片１４にて押え、係合片７を係合孔１３
に挿入して端板１１上に折曲し、鉄心１に締付金
具２を固定している。さらに、上記鉄心１の両脚
部にコイル１７を巻着し、このコイル１７の両端
面から複数本の引出し線１８を引出している。

２１は合成樹脂、絶縁紙などからなる係着板
で、この係着板２１は、上記コイル１７上に当着
される当接部２２の一端部に係着部２３が折曲連
設され、この係着部２３に上記鉄心１上に係合さ
れる係合部２４が折曲連設され、上記係着部２３
にリード線係着手段が設けられている。上記係着
板２１は、上記当接部２２の中央で２分割されて
いる。

このリード線係着手段は、外部のリード線２６
を係着部２３の内側に引込む引込み孔２７と、こ
の内側に引込まれたリード線２６のうち芯線２８
のみを係着部２３の外面において上記コイル１７
の引出し線１８と接続するよう外部に引出す引出
し溝２９と、上記引込み孔２７と引出し溝２９と
の間に設けられ上記芯線２８を引出し溝２９との
間で巻着して係止するための係止部としての孔３
０とによつてなるものである。また引出し溝２９
は、当接部２２の分割端３１から係着部２３の上
端部にわたつて切込み形成し、この引出し溝２９
の内端部は円弧状に縁を形成する。なおこのリー
ド線係着手段を構成する孔２７，３０および引出
し溝２９は係着板２１の一側から他側にわたつて
複数列に設ける。

そして、外部のリード線２６を係着板２１の係
着部２３の引込み孔２７から内方に引込み、つい
で、このリード線２６の芯線２８を引出し溝２９
から外部にいつたん引出し、この芯線２８を孔３
０から内部に挿入して引出し溝２９および孔３０
間に１回巻回し、この芯線２８の先端部を再び引
出し溝２９から外部に引出しておく。

ついで、コイル１７の引出し線１８を係着板２
１の引出し溝２９を通して外部に引出すようにし
ながら、２枚の係着板２１の当接部２２を間隙３
３を介して対向させてコイル１７の両側部の上面
に当接し、この当接部２２からコイル１７の周囲
に外装絶縁紙３４を巻回して固定する。ついで、
係着部２３を図示するように下方に向けて傾斜状
に折曲げ、係合部２４を上記金具本体３および締
付板４の上縁片８，１４と鉄心１の上面との間に
係着する。

ついで、引出し溝２９から引出されているリー
ド線２６の芯線２８の端部とコイル１７の引出し
線１８とをからげて結線し、その結線部３５を係
着部２３上に折曲げてはんだ付けし、さらに係着
部２３上において孔３０から引出し溝２９にわた
つて外部に露出した上記結線部３５および芯線２
８に加熱溶融した絶縁性樹脂接着剤３６を塗布被
着して瞬間的に固着させてホツトメルト処理を施
し、このホツトメルトによつて結線部３５および
芯線２８を係着部２３の上面に固定する。

最後に必要があれば、係着部２３の上面にカバ
ー（図示せず）を被覆する。このカバーは、係着
部２３の両側部に穿設した角長孔３７に止め部を
挿入して固定する。

次に本考案の他の実施例を第４図ないし第６図
に基づいて説明する。なお第１図ないし第３図の
実施例と同様の部材には同一の符号を付してその
説明を省略する。

係着板２１の係着部２３に設けたリード線係着
手段は、外部のリード線２６を係着部２３の内側
に引込む引込み孔２７と、この内側に引込まれた
リード線２６の芯線２８を係着部２３の外面にお
いて上記コイル１７の引出し線１８と接続するよ
う外部に引出す引出し溝２９と、上記引込み孔２
７と引出し溝２９との間において係着部２３の外
面に設けられリード線２６の芯線２８およびコイ
ル１７の引出し線１８をからげて係止する係止部
としての中継端子４１または中継端子４２とによ
つてなるものである。

そして、外部のリード線２６を引込み孔２７か
ら内方に引込み、ついで、このリード線２６の芯
線２８を引出し溝２９から外部に引出し、この芯
線２８の先端部を、引出し溝２９を経て係着部２
３の外部に引出したコイル１７の引出し線１８と
ともに中継端子４１，４２にからげてはんだ付け
し、さらにこの中継端子４１，４２にホツトメル
ト処理を施し、確実に固定する。

なお、当接部２２の分割端３１から係着部２３
の上端部にわたつて引出し溝２９を切込み形成し
たので、リード線２６の芯線２８およびコイル１
７の引出し線１８を係着板２１の内側から容易に
外側に引出すことができ、作業性においてすぐれ
ている。

〔考案の効果〕

本考案によれば、係着板が当接部の中央で２分
割され、さらに、この当接部の分割端から係着部
にわたつて引出し溝が切込み形成されたから、外
部リード線およびコイル引出し線を係着板の内側
から外側に引出すことが上記引出し溝を経て容易
にでき、作業性が良い。また、外部への引出が容
易であるから、目で確認しやすい係着部の外面上
において、外部リード線とコイル引出し線とのか
らげ、はんだ付けおよびホツトメルト処理などの
リード線接続作業が容易にでき、この点でも作業
性が優れている。さらに、このように係着部の外
側で上記接続作業がなされるから、従来のように
区画体等の隔壁部材が必要でない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の装置の一実施例を示す分解斜
視図、第２図はその組立状態の縦断面図、第３図
はその係着板の一部の斜視図、第４図は本考案の
他の実施例を示す縦断面図、第５図はその係着板
の一部の斜視図、第６図はその中継端子の異なる
係着板の一部の斜視図である。 １……鉄心、１７……コイル、１８……引出し
線、２１……係着板、２２……当接部、２３……
係着部、２４……係合部、２６……リード線、２
７……引込み孔、２９……引出し溝、３０……係
止部としての孔、３１……分割端、４１，４２…
…係止部としての中継端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄心に巻着したコイルの外面から鉄心の突出部
   にわたつて、外部のリード線を係着する係着板を
   備え、この係着板は、上記コイルに当着される当
   接部と、この当接部の端部に折曲連設された係着
   部と、この係着部に折曲連設され上記鉄心に係合
   される係合部と、上記係着部に設けられたリード
   線係着手段とを備えたトランスのリード線接続装
   置において、上記係着板は、上記当接部の中央で
   ２分割され、上記リード線係着手段は、上記外部
   のリード線を係着部の内側に引込む引込み孔と、
   上記当接部の分割端から係着部にわたつて切込み
   形成され上記内側に引込まれた外部のリード線お
   よびコイルの引出し線を係着部の外面に引出す引
   出し溝と、上記引込み孔と引出し溝との間に設け
   られ上記引出し溝を経て外部に引出されたリード
   線を係止する係止部とより成ることを特徴とする
   トランスのリード線接続装置。