JPH0566411A - 透明導電性フイルムおよび透明導電性フイルムの製造方法 - Google Patents

透明導電性フイルムおよび透明導電性フイルムの製造方法

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JPH0566411A
JPH0566411A JP22770491A JP22770491A JPH0566411A JP H0566411 A JPH0566411 A JP H0566411A JP 22770491 A JP22770491 A JP 22770491A JP 22770491 A JP22770491 A JP 22770491A JP H0566411 A JPH0566411 A JP H0566411A
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film
transparent conductive
conductive film
transparent electrode
transparent
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JP22770491A
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Satoshi Taguchi
聡志 田口
Masato Tani
真佐人 谷
Takashi Tsutsui
隆司 筒井
Masaki Tanaka
雅樹 田中
Takashi Kaneko
高 金子
Tomomi Suetake
智美 末竹
Sho Naruse
省 成瀬
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、透明導電性フィルムおよび透明導電
性フィルムの製造方法に関し、熱処理時にカールが発生
するのを防止して、製造作業の作業性を向上することが
できる透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルムの
製造方法を提供することを目的としている。 【構成】ポリマーフィルム1の両面にコート層としてS
iO膜2、3を形成し、ポリマーフィルム1の他方の面
に形成されたSiO膜3の膜厚を電極側の面に形成され
たSiO膜2の膜よりも厚く形成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示素子等の表示
素子を構成する透明導電性フィルムおよびその製造方法
に関し、詳しくは、製造工程中において熱処理を行なう
際にカールが発生するのを防止することができる透明導
電性フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、液晶表示装素子等の表示素子には
導電性フィルムが用いられており、この導電性フィルム
は、電極基板材料としての可撓性ポリマーフィルムと該
ポリマーフィルムの一方の面に形成されたインジウムス
ズ酸化物(以下、単にITOという)膜、酸化インジウ
ムあるいは酸化スズ等の透明電極から構成されている。
そして、この表示素子はディスプレイの高解像化やディ
スプレイ表示容量の増加の要求が高まるのに伴って、透
明電極の低抵抗化が要求されている。
【0003】従来、この種の要求に応えるために単に比
抵抗を低減するには限界があるため、透明電極の膜厚を
増大させてシート抵抗の低減するようにしている。この
ため、例えばスパッタ法や真空蒸着法によってポリマー
フィルム上に約2000Å以上のITO膜を成形してシート
抵抗50Ω/□以下になるようにしている。また、従来の
透明導電性フィルムにあっては、ポリマーフィルムと透
明電極材料の間にアンダーコート層を設けることによっ
て、透明導電性フィルムの耐摩耗性を向上させるように
している(例えば、特開平1−12666号公報や特公
昭55−135817号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の透明導電性フィルムにあっては、透明電極の
シート抵抗を低くするために該電極の膜を厚くしていた
ため、膜形成後にアニール(通常は150℃で2時間程度
行なわれる)等の熱処理を行なったときにポリマーフィ
ルムとITO等の透明電極材料との熱膨張係数や熱収縮
率の違いが原因でスパッタリング時あるいはスパッタリ
ングによる成膜後のアニール時に透明導電性フィルムに
カールが発生してしまうという問題があった。
【0005】このカールが発生することによる不具合と
して、例えば、平面上に10cm角の透明導電性フィルムを
載置したときに該フィルムが底面から10mm以上カールす
ると、透明導電性フィルムのセル化工程、具体的にはレ
ジスト塗付時にスピナーヘッドまたはロールコータ基台
に吸着できなかったり、あるいは透明電極パターン露光
時に基台に吸着することができなくなったり、さらに、
洗浄時や乾燥時に基板ホルダーやキャリヤーに容易に収
納できない等の種々の不具合が発生して、透明導電性フ
ィルムの製造が非常に面倒なものになってしまった。
【0006】また、上記従来公報のものにあっては、ポ
リマーフィルムと透明電極材料の間にアンダーコート層
を設けることによって、透明導電性フィルムの耐摩耗性
を向上させるようにしているため、透明導電性フィルム
の剛性が向上するが、このアンダーコートはカールの発
生を防止するために特別な工夫が何等なされておらず、
熱処理時に発生するカールを抑制することができなかっ
た。
【0007】そこで本発明は、熱処理時にカールが発生
するのを防止して、製造作業の作業性を向上することが
できる透明導電性フィルムおよび透明導電性フィルムの
製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を達成するために、表示素子用の電極基板材料
に用いられ、一方の面に透明電極が形成された可撓性ポ
リマーフィルムから成る透明導電性フィルムにおいて、
前記ポリマーフィルムの両面に該フィルムよりも熱収縮
率の小さい材料から成るコート層を形成し、前記一方の
面に形成されるコート層の膜厚に対して他方の面に形成
されるコート層の膜を厚くしたことを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、上記課題を達成す
るために、表示素子用の電極基板材料に用いられる可撓
性ポリマーフィルムの一方の面に透明電極材料を成形す
る工程と、該ポリマーフィルムを熱処理する工程と、熱
処理後に透明電極材料を加工して透明電極パターンを成
形する工程と、を含んだ透明導電性フィルムの製造方法
において、前記可撓性ポリマーフィルムの一方の面に透
明電極材料を成形した後、他方の面に有機膜を成形し、
透明電極材料を加工して透明電極パターンを成形した後
に該有機膜を除去するようにしたことを特徴としてい
る。
【0010】請求項3記載の発明は、上記課題を達成す
るために、表示素子用の電極基板材料に用いられ、可撓
性ポリマーフィルムを有する透明導電性フィルムの製造
方法において、前記可撓性ポリマーフィルム基板の電極
面側に膜厚1000Å以上、かつシート抵抗50Ω/□以下の
インジウムスズ酸化膜あるいはインジウム酸化膜を成形
するとともに、非電極側の面に膜厚500Å以上、かつシ
ート抵抗100Ω/□以下のインジウムスズ酸化膜あるい
はインジウム酸化膜を成形した後、可撓性ポリマーフィ
ルムを熱処理し、次いで、電極面側のインジウムスズ酸
化膜あるいはインジウム酸化膜を加工して透明電極パタ
ーンを成形した後、非電極面側のインジウムスズ酸化膜
あるいはインジウム酸化膜を除去するようにしたことを
特徴としている。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明では、可撓性ポリマーフィ
ルムの透明電極が形成される一方の面にポリマーフィル
ムよりも熱収縮率の小さい材料のコート層が形成される
とともに、他方の面に該コート層よりも膜の厚いコート
層が形成される。このように構成されたのは、透明導電
性フィルムに発生するカールが、ポリマーフィルムと透
明電極材料との熱収縮率の違いによって加熱処理によっ
て増大され、透明電極をパターニングした後に解消され
ることによるものだからである。したがって、ポリマー
フィルムの他方の面にコート層が形成されることによ
り、電極側のコート層とともに応力のバランスが均一化
され、熱処理時に発生するカールが大幅に抑制されて透
明導電性フィルムの製造作業の作業性が向上する。
【0012】請求項2記載の発明では、透明導電性フィ
ルムが製造される際、可撓性ポリマーフィルムの一方の
面に透明電極材料が成形された後、他方の面に有機膜が
成形され、透明電極パターンが成形された後に該有機膜
が除去される。したがって、熱処理時に有機膜によって
透明導電性フィルムに発生するカールが大幅に抑制され
る。また、フォトリソグラフィーにより透明電極パター
ンが加工される際に透明導電性フィルムに逆カール、す
なわち、熱処理時に発生されるカールと反対方向にカー
ルが生じるが、有機膜が除去されることによりこの逆カ
ールが除去される。この結果、透明導電性フィルムの製
造作業の作業性が向上する。
【0013】請求項3記載の発明では、透明導電性フィ
ルムが熱処理される際にポリマーフィルムの両面に成形
されたインジウムスズ酸化膜あるいはインジウム酸化膜
からなる透明電極材料の膜内応力によりポリマーフィル
ムの両面の応力が相殺され、透明導電性フィルムに発生
するカールが大幅に抑制される。また、インジウムスズ
酸化膜あるいはインジウム酸化膜が加工されることによ
り透明電極パターンが成形された後、非電極面側のイン
ジウムスズ酸化物膜あるいはインジウム酸化膜が除去さ
れ、ポリマーフィルムの電極面および非電極面に作用す
る膜内応力が取り除かれて透明導電性フィルムにカール
が発生しない。この結果、透明導電性フィルムの製造作
業の作業性が向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1〜4は請求項1記載の発明に係る透明導電性フィル
ムの一実施例を示す図である。まず、構成を説明する。
図1において、1は表示素子用の電極基板材料を構成
し、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から成る
可撓性ポリマーフィルム、2、3はポリマーフィルム1
の両面に形成され、ポリマーフィルム1よりも熱収縮率
の小さいコート層としてのSiO膜、4は透明電極材料
を構成するITO膜、5は透明電極パターンを構成する
透明電極であり、これらポリマーフィルム1、SiO膜
2、3および透明電極5は透明導電性フィルム6を構成
している。
【0015】このような透明導電性フィルム6を製造す
るには、まず、図1(a)おいて、100μm程度の板厚を
有するポリマーフィルム1の上面(一方の面)、すなわ
ち、電極面側に真空蒸着法によってSiO膜2を約300
Å成形するとともに、下方(他方の面)にSiO膜3を
約600Å成形する。次いで、図1(b)に示すようにス
パッタ法によってITO膜4を約2000Å成形した後、フ
ォトリソグラフィーによる透明電極パターン成形工程や
セル化工程での加熱時に寸法変化を抑制するために150
℃、約2時間の加熱処理を行なう。
【0016】本実施例では、ポリマーフィルム1の両面
にSiO膜2、3を形成し、ポリマーフィルム1の他方
の面に形成されたSiO膜3の膜厚を電極側の面に形成
されたSiO膜2の膜よりも厚く形成しているため、熱
処理時にポリマーフィルム1と透明電極5との熱収縮率
の違いによって透明導電性フィルム6にカールが発生す
るようなことがあっても、ポリマーフィルム1よりも熱
収縮率の小さいSiO膜2、3によって応力のバランス
を均一化することができ、従来のように他方の面にSi
O膜が形成されていないものに比べて透明導電性フィル
ム6に発生するカールを大幅に抑制して透明電極5のパ
ターニングに支障を来すことを防止することができた。
【0017】次いで、図2、3に示すようにフォトリソ
グラフィーによって透明電極5をパターニングする。な
お、このとき、同様のパターニングを2回行なうことに
よって透明電極5のパターンのショート不良を防止して
いる。以下、図2、3に基づいてパターニングについて
説明する。図2(a)に示すようにポリマーフィルム1
の洗浄が完全でなかったり、あるいは空気中の浮遊物に
よりITO膜4上に異物6が付着した状態で、図2
(b)に示すようにITO膜4上にレジスト膜7を塗付
すると、異物6がレジスト膜7によって取り囲まれた状
態になる。次いで、図2(c)示すようにレジスト膜7
上をフォトマスク8で覆うことによりレジスト膜7に露
光光9を照射する。
【0018】このとき、空気中に浮遊する異物10がレジ
スト膜7上に付着すると、該異物10と異物6とが障害に
なって本来露光光9が照射されるべき箇所のレジスト膜
7に照射されず、該箇所のレジストが感光しない。この
ため、図2(d)に示す現像工程、具体的にはアルカリ
処理、水洗、水切りの一例の処理を経てもその部分のレ
ジストが溶解されずに残ってしまう。
【0019】次いで、図2(e)に示すエッチング工
程、具体的には酸処理、水洗、水切りの一連の処理を経
てもその部分のITO膜4が除去されず、この後、図2
(f)に示すレジスト剥離工程、具体的にはアルカリ処
理、水洗、水切りの一例の処理を経て成形された透明電
極5のパターンは図4に示すように本来除去されるべき
箇所5a、5bが残ってしまいショート不良が発生して
しまう。
【0020】このため、この工程をもう一度繰り返すこ
とによって上記ショート不良の発生を防止する。すなわ
ち、図2(f)に示す剥離工程後に図3(a)に示すよ
うに透明電極5上に新たにレジスト膜11を塗付する。こ
のとき、上記1回目のパターニンクプロセスを経て出来
上がった透明導電性フィルム6の表面は現像、エッチン
グ、レジスト剥離の各工程を経ているため非常に清浄で
表面の異物が取り除かれた状態にあり、レジスト膜11内
に1回目のプロセスで発生したような異物が付着するこ
とがない。
【0021】そして、レジスト膜11を塗付した後、当然
のことながら空気中に浮遊する異物12がレジスト膜11a
上に付着するが、この異物は1回目のプロセスでレジス
ト膜7上に付着した異物6と全く同じ場所に付着するこ
とはないため、図3(b)〜(e)に示す露光、現像、
エッチング、レジスト剥離の各工程を経てパターニング
された透明電極5は1回目のパターニングで取残された
透明電極部分5a、5bが除去された清浄なパターンと
なる。この結果、例えばショート部位にレーザ光を照射
する公知のレーザリペア方法等を用いることなしに低コ
ストで確実にショート不良が発生するのを防止すること
ができる。
【0022】なお、この方法で300×300mmサイズのポリ
マーフィルムで640×400ドットマトリクスパターンを2
個取り出し、ラインピッチ300μmでかつ、ライン間隔25
μm(ライン幅275μm)のパターニングを行なったとこ
ろ、1回のプロセスのみの場合にショート不良はフイル
ム1枚当り約1.3個発生してパターンの歩留りは48%で
あったのに対し、上記のように2回のプロセスを行なっ
たものは、ショート不良がフィルム1枚当り0.1個以下
に減少し、その歩留りは96%であった。
【0023】一方、パターニング後に図1(c)示すよ
うに透明導電性フィルム6にわずかに逆カールが発生し
たが、このカールはその後の液晶セル化工程において不
具合が生じるものではなかった。また、ポリマーフィル
ム1の両面にSiO膜2、3を形成したため、パターニ
ング時等のガスバリヤ性や耐溶融性等を向上することも
できる。なお、本実施例では、コート層にSiOを用い
ているが、これに限らず、透明でポリマーフィルム1よ
りも熱収縮率の小さい材料であれば何でも良い。このよ
うな材料として例えばSiO2がある。
【0024】図5は請求項2記載の発明に係る透明導電
性フィルムの製造方法の一実施例を示す図である。ま
ず、構成を説明する。図5において、21は表示素子用の
電極基板材料に用いられるPET等の可撓性ポリマーフ
ィルム、22はポリマーフィルム21の上面に成形され、透
明電極材料を構成するITO膜、23はポリマーフィルム
21の下面に成形された有機膜としてのポリイミド膜、24
は透明電極パターンを構成する透明電極、25はレジスト
膜であり、これらポリマーフィルム21、透明電極24は透
明導電性フィルム26を構成している。
【0025】このような透明導電性フィルム26を製造す
るには、まず、図5(a)おいて、100μm程度の板厚を
有するポリマーフィルム21の上面(一方の面)にスパッ
タ法によって2000ÅのITO膜22を成形した後、図5
(b)に示すように、ポリマーフィルム21の下面(他方
の面)に4000Åのポリイミド膜23を成形する。次いで、
このフィルム21等を約120℃で約1時間の条件下で加熱
処理する。次いで、ITO膜22上にレジスト膜25を塗付
してフォトリフグラフィーによってITO膜22を加工し
て図5(c)に示すように透明電極24を成形する。次い
で、図5(d)に示すようにメチルアルソンサンニナト
リウムあるいはN−メチルピロリドン等によってポリイ
ミド膜23を除去して透明電極24のパターンを成形する。
【0026】本実施例では、ポリマーフィルム21の下面
にポリイミド膜23を成形しているため、熱処理時に透明
導電性フィルム26に発生するカールを大幅に抑制するこ
とができる。また、フォトリソグラフィーにより透明電
極24を加工する際に透明導電性フィルム26に図5(c)
に示すように逆カールが生じるが、メチルアルソンサン
ニナトリウム等によってポリイミド膜23を除去すること
によりこの逆カールを除去することもできる。このた
め、透明導電性フィルム26の製造作業の作業性を向上す
ることができる。
【0027】図6は請求項3記載の発明に係る透明導電
性フィルムの製造方法の一実施例を示す図である。ま
ず、構成を説明する。図6において、31は表示素子用の
電極基板材料に用いられるPET等の可撓性ポリマーフ
ィルム、32はポリマーフィルム31の上面(電極面側)に
成形され、透明電極材料を構成するITO膜、33はポリ
マーフィルム31の下面(非電極面側)に成形され、透明
電極材料を構成するITO膜、34は透明電極材料を構成
する透明電極、35はレジスト膜であり、これらポリマー
フィルム31、ITO膜32および透明電極34は透明導電性
フィルム36を構成している。
【0028】このような透明導電性フィルム36を製造す
るには、まず、160mm、板厚の100μm程度のポリマーフ
ィルム31の環境変化に対する寸法の安定化を強化するた
め、約150℃、2時間程度のアニールを行ない、次い
で、ポリマーフィルム31をトリエタン、IPA、純水等
によって充分に洗浄した後、乾燥を行なう。次いで、図
6(a)に示すように図示しないDCスパッタ装置(ベ
ルジャー内径約400mmφの実験機)を用いてスパッタ法
によってポリマーフィルム31の上面にITOターゲッ
ト、真空度5×10-4torrの条件下で膜厚約2000Å、シー
ト抵抗20Ω/□のITO膜33を成形した後、ポリマーフ
ィルム31の下面に上記条件で膜厚約2000Å、シート抵抗
20Ω/□のITO膜32を成形する。
【0029】次いで、このポリマーフィルム31を約80
℃、10分の条件下で加熱処理する。このとき、ポリマー
フィルム31に機械的および熱的許容範囲以上の外力を加
えない状態では、透明導電性フィルム36には5mm以下の
カールしか発生しなかった。次いで、ITO膜32上にレ
ジスト膜35を塗付し、フォトリフグラフィーによって例
えば、100mm長×270μm幅×ラインピッチ30μmの範囲以
外のITO膜32を除去して図6(b)に示すように透明
電極24を成形する。また、このときに図6(c)に示す
ようにポリマーフィルム31の下面に成形されたITO膜
33を全て除去する。
【0030】本実施例では、透明導電性フィルム36を加
熱処理する際にポリマーフィルム31の両面に成形された
ITO膜32、33の膜内応力によりポリマーフィルム31の
両面の応力を相殺することができ、透明性導電性フィル
ム31に発生するカールを大幅に抑制することができる。
このため、フォトリソグラフィーにおいてレジスト塗付
時にスピナーヘッドに容易に真空吸着することができ
る。
【0031】また、ITO膜32をフォトリフグラフィー
によって加工することにより透明電極34を成形した後、
下面側のITO膜33を除去しているため、ポリマーフィ
ルム31の上面側および下面側に作用する膜内応力を取り
除くことができ、透明導電性フィルム36にカールが発生
するのを防止することができた。そして、以後の工程に
おいてもカールが発生せず、透明導電性フィルムの製造
作業の作業性を向上することができた。
【0032】一方、ポリマーフィルム31の下面にITO
膜33を成形せずに透明導電性フィルムを製造した場合
に、スパッタ法によりポリマーフィルム31の上面にIT
O膜を成形した時点で約10mmのカールが発生し、上述し
た80℃、10分の条件下で加熱処理した後には20mmのカー
ルが発生してしまった。このため、フォトリソグラフィ
ーによって透明電極を成形するとき量産を行なうことが
事実上不可能になり、この透明導電性フィルムから液晶
表示素子用電極基板を製造する得ることができなかっ
た。
【0033】なお、本実施例では、ポリマーフィルム31
としてPETを用いているが、これに限らずPES(ポ
リエーテルスルホン)を用いても良い。また、ポリマー
フィルム31の両面にITO膜32、33を成形しているが、
IO膜(インジウム酸化膜)を成形しても良い。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、可撓性ポ
リマーフィルムの透明電極が形成される一方の面にポリ
マーフィルムよりも熱収縮率の小さい材料のコート層を
形成するとともに、他方の面に該コート層よりも膜の厚
いコート層を形成しているので、電極側のコート層と非
電極側のコート層によって応力のバランスを均一化する
ことができ、熱処理時に発生するカールを大幅に抑制し
て透明導電性フィルムの製造作業の作業性を向上させる
ことができる。
【0035】請求項2記載の発明によれば、透明導電性
フィルムを製造する際、可撓性ポリマーフィルムの一方
の面に透明電極材料を成形した後、他方の面に有機膜を
成形し、透明電極パターンを成形した後に該有機膜を除
去しているので、熱処理時に有機膜によって透明導電性
フィルムに発生するカールを大幅に抑制することができ
る。また、フォトリソグラフィーにより透明電極パター
ンを加工する際に透明導電性フィルムに逆カールが発生
するが、有機膜を除去すれることによりこの逆カールを
除去することができる。この結果、透明導電性フィルム
の製造作業の作業性を向上することができる。
【0036】請求項3記載の発明によれば、透明導電性
フィルムを熱処理する際にポリマーフィルムの両面に成
形されたインジウムスズ酸化膜あるいはインジウム酸化
膜からなる透明電極材料の膜内応力によりポリマーフィ
ルムの両面の応力を相殺することができ、透明導電性フ
ィルムに発生するカールを大幅に抑制することができ
る。また、インジウムスズ酸化膜あるいはインジウム酸
化膜を加工することにより透明電極パターンを成形した
後、非電極面側のインジウムスズ酸化膜あるいはインジ
ウム酸化膜を除去しているので、ポリマーフィルムの電
極面および非電極面に作用する膜内応力を取り除いて透
明導電性フィルムにカールが発生するのを防止すること
ができる。この結果、透明導電性フィルムの製造作業の
作業性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明に係る透明導電性フィルム
の一実施例の製造工程を示す図である。
【図2】請求項1記載の発明に係る透明導電性フィルム
の透明電極の1回目のパターニングをする工程を示す図
である。
【図3】請求項1記載の発明に係る透明導電性フィルム
の透明電極の2回目のパターニングをする工程を示す図
である。
【図4】ショート不良が発生する透明電極パターンを示
す図である。
【図5】請求項2記載の発明に係る透明導電性フィルム
の一実施例の製造工程を示す図である。
【図6】請求項3記載の発明に係る透明導電性フィルム
の一実施例の製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1、21、31 可撓性ポリマーフィルム 2、3 SiO膜(コート層) 4、22、32、33 ITO膜(透明電極材料) 5、24、34 透明電極 6、26、36 透明導電性フィルム 23 ポリイミド膜(有機膜)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 雅樹 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 金子 高 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 末竹 智美 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 成瀬 省 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示素子用の電極基板材料に用いられ、一
    方の面に透明電極が形成された可撓性ポリマーフィルム
    から成る透明導電性フィルムにおいて、前記ポリマーフ
    ィルムの両面に該フィルムよりも熱収縮率の小さい材料
    から成るコート層を形成し、前記一方の面に形成される
    コート層の膜厚に対して他方の面に形成されるコート層
    の膜を厚くしたことを特徴とする透明導電性フィルム。
  2. 【請求項2】表示素子用の電極基板材料に用いられる可
    撓性ポリマーフィルムの一方の面に透明電極材料を成形
    する工程と、該ポリマーフィルムを熱処理する工程と、
    熱処理後に透明電極材料を加工して透明電極パターンを
    成形する工程と、を含んだ透明導電性フィルムの製造方
    法において、前記可撓性ポリマーフィルムの一方の面に
    透明電極材料を成形した後、他方の面に有機膜を成形
    し、透明電極材料を加工して透明電極パターンを成形し
    た後に該有機膜を除去するようにしたことを特徴とする
    透明導電性フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】表示素子用の電極基板材料に用いられ、可
    撓性ポリマーフィルムを有する透明導電性フィルムの製
    造方法において、前記可撓性ポリマーフィルム基板の電
    極面側に膜厚1000Å以上、かつシート抵抗50Ω/□以下
    のインジウムスズ酸化膜あるいはインジウム酸化膜を成
    形するとともに、非電極側の面に膜厚500Å以上、かつ
    シート抵抗100Ω/□以下のインジウムスズ酸化膜ある
    いはインジウム酸化膜を成形した後、可撓性ポリマーフ
    ィルムを熱処理し、次いで、電極面側のインジウムスズ
    酸化膜あるいはインジウム酸化膜を加工して透明電極パ
    ターンを成形した後、非電極面側のインジウムスズ酸化
    膜あるいはインジウム酸化膜を除去するようにしたこと
    を特徴とする透明導電性フィルムの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002107705A (ja) * 2000-09-27 2002-04-10 Matsushita Electric Ind Co Ltd 液晶表示素子
JP2007072443A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Samsung Electronics Co Ltd 液晶表示装置用の基板
JP2011065937A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 Toppan Printing Co Ltd 透明導電性薄膜及びその製造方法

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