JP4467163B2 - 転写体およびそれを用いた透明導電層の形成方法 - Google Patents

転写体およびそれを用いた透明導電層の形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【従来の技術】
従来から、プラスチックからなる透明基板の上に、仮の支持体の上に剥離可能に積層された透明導電層を接着剤を介して転写し、透明基板と透明導電層とを含んでなる積層体を製造する方法が知られている。このような透明導電層は、通常ITO(インジウム−チン−オキサイド)膜からなる。
【0002】
たとえば、特開昭60−231396号公報には、仮の支持体上に剥離可能な状態で、ITO層が設けられている転写型の積層体が開示されている。この公報には、ポリテトラフルオロエチレンフィルムからなる支持体の上にITO層を蒸着し、その後300℃のオーブン中で熱処理を施し、ITO層の抵抗を低下させて形成した転写型の積層体を接着剤を介して、ITO層をポリメチルメタクリレート基板上に転写する方法が記載されている。また、支持体として芳香族ポリイミドも使用できることが記載されている。さらに、特開昭59−204542号公報には、剥離処理を施した耐熱性基板上にITO層を蒸着した後、低温硬化性のエポキシ樹脂接着剤を介して、フィルムにITO層を転写する方法が開示されている。
【0003】
特開昭58−177345号公報には、シリコーン離型処理面を有するポリエステルフィルムの離型処理面の上にITO層をスパッタリングし、ITO層とポリビニルブチラールシートとを熱圧着して、ポリビニルブチラールシート表面にITO層を転写する方法が開示されている。
また、特開昭59−151705号公報には、ポリテトラフルオロエチレンフィルムやポリイミドフィルム等の仮の担持体の上にITO蒸着膜の層を形成し、そのITO層を、熱硬化性または光硬化性の接着剤を介して、プラスチック透明基体の表面に転写する方法が開示されている。
さらに、特開平7−80980号公報には、表面エネルギーが低いフィルムからなる基材上に、ITO層及び接着層を順次積層してなる透明導電性転写シートが開示され、表面エネルギーが低いフィルムの具体例として、延伸ポリプロピレ
ンが開示されている。
【0004】
一方、特開平2−174011号公報には、仮の支持体(離型性シート)の上に、樹脂被膜を積層し、樹脂被膜の上にITO層を積層し、ITO層の上に熱接着可能な接着剤層を積層し、転写シートを形成し、転写シートをガラス基板に加熱しつつ圧着し、接着剤層を介して、ITO層と樹脂被膜とからなる積層体を転写する方法が開示されている。この出願公開公報には、支持体としてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルムが使用できること、およびその支持体上に必要に応じて離型処理を施すことが開示されている。このとき、剥離層は、ITO層の保護膜として機能するもので、その材料としては、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂およびナイロン系樹脂からなる群から選ぶのが好適であり、剥離層の膜厚は1.5μm以下、好ましくは、1μm以下であることが開示されている。
【0005】
また、特開平11−24081号公報には、仮の担持体の上にポリイミド樹脂層、蒸着、スパッタリング、ペースト塗布等で積層・形成されたITO層とからなる積層体を接着剤層を介して透明基材にポリイミド樹脂層より剥離して転写する方法が開示され、支持体としては、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の耐熱性のあるフィルムを用いることが開示されている。このとき、仮担持体から透明基材にはポリイミド樹脂層も転写され、このポリイミド樹脂層は配向膜として使用されるのに適した、100nmの厚みとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の方法では、耐熱性のあるプラスチックフィルム上にITO層を形成し、それを再度、接着剤を介してプラスチックフィルムやガラス基板上に転写形成していることから、プラスチックフィルム上でITO層を形成する際に起こる該フィルムの寸法の変化(伸縮)について考慮されていない。
また、ITO層のパターン精度が微細になるに従い、この影響が大きくなるにも係わらずそれが考慮されていない。
たとえば、上記前者の一連の転写積層体および転写方法では、仮の支持体上に直接ITO層を積層しており、支持体とITO層との間には、ITO層とともに転写される樹脂層は設けられていない。この様な構成では、支持体に形成したITO層をエッチングしてパターン化することが出来ない。なぜならば、ITO層と下地層の密着性が良くないため、ITO層のエッチング時にエッチング液がこの界面にしみ込み、パターン化されたITO層が剥がれてしまうからである。
また、後者の方法は支持体としてITO層をプラスチックフィルム上に形成しているため、この状態でITO層のパターン形成を行うと、該パターン形成時の熱膨張や湿度によりプラスチックフィルムが伸縮するので、寸法精度の良いITO層を形成することができない。
【0007】
さらに、仮の支持体にプラスチックフィルムを用いているため、そのフィルムの歪みによって長寸法精度がでないという問題もある。特に、ITO層の上にカーフィルタを形成する場合には、ITO層とカラーフィルタを構成する色画素、あるいは色画素どうしの位置合わせを行う必要があるが、ITO層のパターン精度(位置精度)が悪いとITO層上に正確に色画素を設けることができないという致命的な欠点になる。
たとえば、代表的な耐熱性高分子のポリイミドの熱膨張係数は、4X10−5/℃程度である。これは、1℃温度が変化すると30cmの長さに対し12μm伸びることを意味している。
しかし、実際の製造において、1℃のレンジ内で温度コントロールを行うことは困難である。また、通常、液晶用のITOのライン間のスペース幅は、10〜20μmであることを考慮すると、フィルム上にカラーフィルタやITOを製造した場合、製造時の熱処理温度のばらつきにより、カラーフィルタ層の色画素が違う色画素に重なってしまったり、ITOが異なる色画素間に跨がってしまうといった現象が起こりうる。
また、湿度による変化の例として、ポリエーテルスルホン樹脂製のフイルムを用いた場合を例にあげると、このフィルムを洗浄のため水に浸すだけで30cmの長さが150μm伸びてしまった。このフィルムを乾燥のために100℃で処理し、常温に戻したところ、洗浄の前に比べ逆に300μm収縮してしまった。このフィルムを温度、湿度を一定にして保管したが、寸法が安定するまで3日を必要とした。この様な、寸法変化をすると、ITOやカラーフィルタ層の製造時の位置合わせだけではなく、ITOとドライバー回路との位置合わせも困難となる。
【0008】
本発明は、これらの問題を解決することができる転写体、その転写体の再生方法及び転写体を用いた透明導電層の形成方法などの各方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第一の発明は、耐熱性に優れた剛性のある支持体上に少なくとも剥離層、透明導電層、接着層を順次積層した転写体であって、前記剥離層の引っ張り強度を100g/cm以上としたことを特徴とする。ここで、支持体の耐熱性は、支持体上の各層の熱処理に耐えるだけは必要であり、また、剛性は、支持体上の各層を転写する相手側に比べてより大きな剛性である。
第二の発明は、転写体上に形成されたカラーフィルタ層を再生するに際し、酸素を主としたプラズマエッチング法もしくはRIE(反応性イオンエッチング)法により該カラーフィルタ層をエッチング除去し、その後、少なくともカーフィルタ層、接着層を順次形成することを特徴とする。
第三の発明は、耐熱性に優れた剛性のある支持体上に少なくとも剥離層、透明導電層、接着層を順次形成し、該透明導電層を前記接着層を介してプラスチック材料からなるフィルムの一面に貼合接着し、ついで前記支持体と前記剥離層の界面から剥離し、前記プラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写形成する透明導電層の形成方法であって、前記剥離層の引っ張り強度を100g/cm以上とすることを特徴とする。
第四の発明は、耐熱性に優れた剛性のある支持体上に少なくとも剥離層、透明導電層、接着層を順次形成し、該透明導電層を接着層を介してプラスチック材料からなるフィルムの一面に貼合接着し、ついで前記支持体と前記剥離層の界面から剥離し、前記プラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写形成する透明導電層の形成方法を用いたカラーフィルタの製造方法であって、前記プラスチックからなるフィルムを直径50mm以上、好ましくは100mm以上ロールに該プラスチック材料からなるフィルムの端部を仮固定し、その後ロールを実質的に回転移動させることにより前記転写体の前記支持体と前記剥離層の界面より剥離することでプラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写することを特徴とする。
【0010】
本発明に用いる転写体の支持体としては、耐熱性があって熱膨張係数が1.510−5/℃以下で湿度による寸法変化がない剛性のあるものを使用する。このような支持体として最適なものは、青板ガラス(熱膨張係数9〜1010−6/℃)が上げられる。また、透明導電層及び色画素のパターンがファインピッチ化し、透明導電層とY、M、CやR、G、B等の色画素からなるカラーフィルタとの位置合わせ精度が厳しくなる場合などは、低膨張ガラス(4〜510−6/℃)を用いることが望ましい。
【0011】
本発明に用いる剥離層としては、ポリイミド樹脂等の耐熱性の高い樹脂材料を使用する。この剥離層は、剥離層と支持体との間で90剥離で数g/cm〜100g/cm程度の密着性を必要とする。
この時、転写体をフイルムの転写し引き剥がすことを考慮すると、密着性は小さい方が良いが、透明導電層のパターン形成工程に伴う洗浄やエッチングなどの製造工程に耐えるために、一定以上の密着性が必要となる。また、剥離層の強度は、引っ張り強度で100g/cm(幅1cmあたり)以上、望ましくは150g/cm以上の強度が必要である(理由は後述する)
剥離層の引っ張り強度を高くするためには、その剥離層の膜厚を厚くすることにより行うことが可能である。剥離層に求められる機能としては、透明導電層の成膜時の温度や透明導電層をパターニング形成する際に使用する薬品への耐性も同時に必要となる。しかも、剥離層は透明導電層との密着性が良好でなければならないことは言うまでもない。
前述したように剥離層に適する材料としてはポリイミドが最適である。これを支持体上に1.3μm以上、望ましくは、2μm以上の膜とすると必要な引っ張り強度が得られる。
【0012】
本発明に用いる透明導電層は、ITO(インジウム−チン−オキサイド)、インジウムオキサイド、酸化錫等を用いることができるが、ITOが現在最も良い物理特性を示している。
ITOは、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の成膜手段で150℃以上の温度条件で成膜すると低抵抗の膜が得られる。また、低抵抗化は難しいがゾル・ゲル法によりITOを形成する事も可能である。この様にして作成した透明導電層をパターン化し透明電極を形成する。パターン化は周知のフォトリソのプロセスで行うことが出来る。このとき剥離層と支持体の密着性が90剥離試験で、数g/cm以下の場合は、透明導電層のパターン化工程で剥離層ごと剥がれてしまう。また、このとき支持体に膨張係数が小さいものを用いていることから、寸法精度に優れたパターン化が可能である。
【0013】
また、剥離層と透明導電層の間にSiOx、SiN、Al、TiO等の無機化合物からなるバリアー層を設けることで、転写体をフィルムに転写した後に透明導電層の保護とガスバリアー性を持たせることができる。
この無機材料からなるバリアー層は、0.1μm以下の厚みにスパッタリング法やイオンプレーティング法等の真空成膜手段を用いて成膜することができる。さらに、この後、必要に応じて中間層、カラーフィルタ層を形成する。
中間層としては、アクリル系あるいはアルキッド系の樹脂、またはSiOx等の無機材料を用いることができる。なお、バリアー層であるSiOx等の無機材料の層を中間層として兼ねることもできる。このような中間層は、剥離層と相俟って転写すべき透明導電膜をサンドイッチ状に挟み込み、転写の際の応力、特に接着剤の硬化収縮に伴う応力を緩和し、透明導電膜にクラックが発生することを未然に防止する。また、中間層は、カラーフィルタ層があるときには、剥離層の剥離に対し、そのカラーフィルタ層を保護する役目をもつ。
【0014】
カラーフィルタ層としては、フォトリソを使用した一般的な方法で形成する事が可能である。その際、上記の様な支持体で形成しているので、位置合わせに問題を生じない。また、カラーフィルタ層の形成工程もITOの形成工程と同様にウエットプロセスを含んでいるため、湿度や水分により寸法変化のない支持体を用いることが望ましい。
この様に支持体上に形成した透明導電層、カラーフィルタ層をプラスチック材料からなるフィルム上へ転写する。プラスチック材料としては、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等で50μm〜300μm、好ましくは100μm〜200μmの厚みがよい。
ITO等の透明導電層を形成した支持体とプラスチック材料からなるフィルム間に接着層を介して貼合し、接着層を硬化させる。接着層としては、常温で硬化する接着層が寸法精度を保持する上で好ましく、特に光硬化性の接着層が好ましい。
【0015】
本発明に用いる接着層は、支持体に形成されたカラーフィルタ層等の最上の層と強固な接着性が得られるものでなければならない。
また、次にプラスチック材料からなるフィルムと支持体を剥離層の界面から引き剥がす時に幾つかの問題が存在する。その問題とは、まず、剛性のある支持体から可撓性の高いプラスチック材料からなるフィルム上へ少なくとも剥離層、透明導電層及び接着層を転写ということである。
すなわち、剛性のある支持体からプラスチック材料からなるフィルムを引き剥がす際、該フィルムを曲げる様に剥がさなければならず、この時、透明導電層は、ある程度の曲げに追従できるものの、本質的には無機物であることから硬く脆いため、曲げ方向に加わる力によってはクラックが発生してしまう。そのため、プラスチック材料からなるフィルムと支持体を剥離層の界面から引き剥がす際に曲げ方向に加わる力を制御する必要がある。
【0016】
この問題を解決するためには、引き剥がしにロールを用い、このロールの円周に添って引き剥がすことで解決することができる。このときロールの直径を50mm以上好ましくは100mm以上とすることで、透明導電層に無理な曲げの力が加わるのを防ぎ該透明導電層に発生するクラックを防止する事が可能となる。
しかし、直径が100mmのロールを用いて引き剥がしても剥離層の材質や厚みによっては、剛性のある支持体から可撓性のプラスチック材料からなるフィルム上へ転写し引き剥がす際、剥離層や透明導電層が部分的に転写されず支持体上に残ってしまうという現象が発生することがある。このとき、支持体と剥離層の密着性よりはるかに大きい接着性を持っている透明導電層と中間層あるいは中間層と接着層の界面から剥がれているのが観察された。
また、中間層としてSiOx等の無機物の硬い材質の材料を透明導電層の前後に形成した場合、この現象が顕著になることが実験によって確認された。
この現象は透明導電層のパターンが大きい(面積が広い)程残りやすく、また、該フィルムに透明導電層が転写されてもその後の熱処理、あるいは高温高湿試験などのストレスをかけると、剥離方向に対して垂直な方向に皺が発生する。この原因は、引き剥がし時にプラスチック材料からなるフィルムに比べて硬い透明導電層が、引き剥がし時の曲げに対する力に抵抗してしまうことに起因するものであると考えられる。したがって、透明導電層が細長いストライプパターンのような場合、互いに平行な各パターンに対し、ロールを平行に配置し、各パターンを幅方向に横切るようにロールを回転移動させる方が好ましい。
【0017】
本発明において、剛性のある支持体から透明導電層を含む転写体をプラスチック材料からなるフィルム側に転写し引き剥がす際に、支持体と剥離層の界面から剥離でき、しかも透明導電層に発生するクラックを防止する方法について種々検討した結果、剥離層の膜強度を強くすればよいことが実験によりわかった。
本来、剛性のある支持体から可撓性の高いプラスチック材料からなるフィルム上へ少なくとも剥離層、透明導電層及び接着層を転写するため、剛性のある支持体の側から転写体を引き剥がし、プラスチック材料からなるフィルム側に転写する際に、剥離層からプラスック材料からなるフィルムまでは一体化した構造になっていることから、支持体と剥離層の界面から容易に剥離するように思えるが、前述したように、剥離層の材質や厚みを制御し、剥離層の強度を前述した程度に強くすることにより、少なくとも剥離層、透明導電層及び接着層の各層間の接着力(密着力)だけでなく、剥離層に乗せて透明導電層を持ち上げるように剥離することができる。この様に、一定の引っ張り強度を持った剥離層を用いることにより、透明導電層のパターン形状や中間層の材料に関係することなく透明導電層等が転写でき、しかも透明導電層に無理なストレスが加わらないで転写することができるため、転写後、熱処理、あるいは高温高湿試験などのストレスをかけても透明導電層に皺が発生しなくなり転写された透明導電層の耐熱性、耐高温高湿性を向上させることができる。このとき、剥離層に必要とされる強度は、支持体と剥離層の密着性と透明導電層の硬さ、および透明導電層のパターンの面積(形状)に影響するが、前述したように支持体と剥離層の密着性は、その後に形成する各層のプロセスを考慮すると、ある一定の幅に抑えなければならず、透明導電層の硬さも成膜手法等により差はあるが、一定の範囲の硬さとなる。特に、LCD用のストライプ電極用に使用する場合には、線幅として100μm程度の透明導電層が転写できることが重要である。このときの剥離層に必要とされる強度が100g/cmであり、さらに太い線幅や面積の広いパターンが含まれる製品の場合には150g/cmの強度が必要とされる。
また、特開平11−24081号公報に開示されているように、剥離層を100nmといった薄い膜としたのでは、剛性のある支持体上に形成されたITO等の膜をプラスチック等の可撓性のフィルムへ転写することはできない。そのような薄い剥離層の場合、支持体上のITOの転写については、各層間の接着性(密着性)の強弱のみにより剥離界面が決定される。その点、支持体とITOの剛性がフィルムや接着剤の剛性に比べて強いので、転写時に力を受ける面積が他の界面より大きくなり、結果的にITOが支持体上に残ってしまうからである。
【0018】
プラスチック材料からなるフィルムに透明導電層等を転写した際に最上層には、樹脂材料からなる剥離層が残っている。このとき、特にLCD用等の電極として透明導電層を使用する場合には、液晶の駆動をよくするため剥離層を除去する必要がある。この時、ポリイミドからなる剥離層を除去する方法としては、ヒドラジン−エチレンジアミンの混合液、アルカリ水溶液等の特定の溶液で除去可能である。また、例えば、透明導電層、接着層、フィルムの各層の端部から該溶液がしみ込み、層間の接着(密着)に悪影響を与える可能性があることから、たとえば、酸素を主としたプラズマエッチング等や反応性イオンエッチング等の手法を用いて剥離層を除去することが望ましい。しかし、剥離層の膜厚が厚くなると、それをコートした時の表面平滑性が低下するとともに、剥離層を除去することがきわめて難しくなる。たとえば、剥離層を除去する際、そのエッチングムラの影響が大きくなり、過度にエッチング液やエッチングガスに当たる部分ができ、下地層にダメージを与えやすくなる。技術的には下地層にダメージなく、20μm程度までの剥離層を除去可能であるが、生産タクト考慮すると、剥離層の膜厚としては10μm以下が望ましい。
剥離層を酸素を主としたプラズマエッチング法を用いて除去する場合、剥離層と透明導電層の間に0.1μm以下のSiOxからなるバリアー層を設けるか、または、中間層をプラズマガスに対して耐性のある材料を用いて形成し、中間層をバリアー層として兼ねるようにすればよい。
さらには、エッチングによって剥離層を除去する際の終点(つまり、エッチングを終える時期)を明確に把握するために、剥離層を無色の樹脂により形成する代わりに、剥離層自体を着色した樹脂により形成するようにするのが好ましい。着色した樹脂としては、分子構造の点からもともと黄色く着色している芳香族ポリイミド、あるいは、透明な樹脂に染料や顔料を入れることにより着色させたものなどを用いることができる。後者の具体例をあげれば、たとえば、樹脂として、アクリル、エポキシ、特定構造のポリイミド(ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから合成されるポリイミドにシランカップリング剤を添加したもの)、染料として、C.I.Solvent Yellow 63、C.I.Solvent Blue 25やアシッドローダミン、また顔料として、C.I.Pigment BlueやC.I.Pigment Yellow 139などがある。それらの着色濃度は、好ましくは、2〜4μmの膜厚で最小透過率が5〜60%程度である。
【0019】
また、転写体を形成する際、支持体上に、上記したプラズマガスに対して耐性のある層を形成すると、カラーフィルタ層迄を形成した段階で、カラーフィルタ層の色相や該フィルタ層に修正しきれない欠陥が発生した場合、カラーフィルタ層のみを、例えば、酸素を主とするプラズマエッチング等の手法により除去し、転写体の再生を行うことが可能となる。このとき、酸素にCF4等のガスを少量添加することにより、酸素単体に比して早くエッチングすることができるが、このCF4は、SiOxやITO自体を侵してしまうので、エッチングの初期段階では、酸素にCF4を添加しエッチングし、終わりに近づくにつれて純酸素系にすることにより、効率的で下地へのダメージの少ないエッチングが可能である。
このように、酸素を主としたプラズマエッチング法等のドライプロセスにより剥離層の除去や転写体の再生を行うので、前述した溶液を用いた除去に比して廃液処理を行う必要がなく、環境汚染等の問題を起こすことがなく望ましい。 このとき、SiOxからなるバリアー層は、パネル化後の対向する透明導電層の絶縁膜や透明導電膜自体の保護膜として機能し、また、ガスバリアー性を向上させたり、透明導電層とカラーフィルタ層の密着性を向上させる働きも兼ね備えている。
【0020】
【実施例】
以下に剥離層の引っ張り強度と剥離性、及び剥離層の除去について説明する。
実施例1
ピロメリット酸無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを反応させ生成したポリイミド前駆体ワニス(ジメチルアセトアミド溶液、固形分比10%)にシランカップリング剤KBM−573(信越シリコーン社製)を0.05wt%(固形分比)を添加し、支持体10としてシリカコートした青板ガラス基板を準備し、その基板10上にスピンコーターを用いて900rpmで12秒の条件で塗膜を形成し、乾燥後、ホットプレートを用い高温キープ260℃、10分の条件で加熱、脱水閉環し2μmの厚みのポリイミド被膜からなる剥離層20を形成した(図1)。
この剥離層20と支持体10の界面の密着強度は、加熱処理2日後で4g/cmであった。また、この剥離層の引っ張り強度は、JIS K 7127を準用して測定した試験で150g/cmであった。
【0021】
次に、この剥離層10の上にスパッタ法により180℃の基板温度で、1500A(オングストローム)の透明導電層30をITOで成膜し、その表面抵抗は、15Ω/□であった(図2)。ついで透明導電層30上に市販のポジ型レジストを塗布し、乾燥後、所定のパターンを持ったマスクを介して露光、現像、エッチング、レジストを剥離して透明導電層30のパターン化を行った(図3)。この上にシリカ系のコーテイング剤ZRS−5PH−3(触媒化成社製)を用い、0.7μmの中間層40を形成した(図4)。
次に、この中間層40上に着色ポリイミドを用いて、フォトリソ法でカラーフィルタ層50を形成し(図5)、ついで、カラーフィルタ層50上に接着層60として、紫外線硬化型接着剤KR−400(旭電化社製)を、約8μmとなるように塗布形成することによって接着層60を形成し、第1の転写体100を形成した(図6)。
【0022】
次に、この転写体100を接着層60を介して150μmの厚みのプラスチック材料(ポリエーテルスルホン樹脂(住友ベークライト社製))からなるフィルム70と貼り合わせ、紫外線を照射し接着層60を硬化させた(図7)。
次に、転写体100と貼り合わせたフィルム70側の一端を、直径200mmのロール80に固定し、このロール80を回転させながら転写体100からフィルム70を引き剥がした(図8)。この時、転写体100の支持体10と剥離層20との界面から剥がれ、透明導電層30、カラーフィルタ層50等はフィルム70側に転写され、熱処理、あるいは高温高湿試験等のストレスをかけても透明導電層30に皺が発生することはなかった。なお、前にも述べたように、透明導電層30がストライプパターンの場合、図10に示すようにロール80の軸と透明導電層30のパターンとを平行に配置した形態で引き剥がしを行う方が良い。
次に、該フィルム70から剥離層20をV1000多段式試験機(モリエンジニアリング製)を用い、ガス流量400sccm、真空度86Pa、RF出力500W、雰囲気(温度)25℃の条件で酸素プラズマエッチングを行い、約15分で剥離層20を除去した(図9)。剥離層20に隣接するITOに問題は発生しなかった。
【0023】
実施例2
実施例1と同じ材質で膜厚4μmの剥離層を支持体(シリカコートした青板ガラス)上に形成した。この剥離層の引っ張り強度は、300g/cmであった。
その後、コーティング剤EXP−1474(藤倉化成社製)を用い厚み1.5μmの中間層を形成した以外は実施例1と同条件で各層の形成を行い第2の転写体を形成した。
この第2の転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同様の条件でロールから引き剥がしたが、転写体の支持体と剥離層との界面から剥がれ、透明導電層、カラーフィルタ層等はフィルム側に転写され、熱処理、あるいは高温高湿試験等のストレスをかけても透明導電層に皺が発生することはなかった。
その後、ヒドラジンとエチレンジアミンの1:1混合液で11分間浸漬処理し剥離層を除去し水洗し、このフィルムを100℃で熱処理し乾燥したが特に問題は起こらなかった。
【0024】
実施例3
中間層としてコーティング剤オプトマーSS−6917(JSR社製)を2μm形成した以外は、実施例1と同条件で各層の形成を行い第3の転写体を形成した。 この転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同様の条件でロールから引き剥がしたが、転写体の支持体と剥離層との界面から剥がれ、透明導電層、カラーフィルタ層等はフィルム側に転写され、熱処理、あるいは高温高湿試験等のストレスをかけても透明導電層に皺が発生することはなかった。
次に、このフィルムを加温した5%NaOH水溶液に浸し、剥離層を膨潤させ除去し、その後、水洗し、該フィルムを140℃に加熱し乾燥したが全く問題なかった。また、このフィルムを40℃90%の状態で長時間保存しても全く問題が発生しなかった。
【0025】
実施例4
透明導電層となるITOを基板温度300℃で真空蒸着法により膜厚1500A(表面抵抗 20Ω/□)となるよう形成し、それ以外の各層は、実施例1と同じ条件で処理し、第4の転写体を得た。この転写体を実施例1と同じ条件転写及び剥離層の除去を行ったが問題は発生しなかった。
【0026】
比較例1
実施例1と同じ材質で膜厚1μmの剥離層を支持体(シリカコートした青板ガラス)上に形成した。この剥離層の引っ張り強度は、75g/cmであった。
この後、実施例1と同じ条件で各層の形成を行い転写体eを形成した。この転写体eを実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同様の条件でロールから引き剥がしたが、透明導電層のある部分は殆ど支持体側に残り、中間層とカラーフィルタ層の界面若しくはカラーフィルタ層と接着層の界面から剥離していた。
なお、中間層とカラーフィルタ層の界面若しくはカラーフィルタ層と接着層の界面は単独でガラス上等に被膜を形成して密着性を評価すると、碁盤目セロテープ試験(JIS K 5400−8−5−1(1990)、ISO 2409(1992)に)で剥がれなかった。
【0027】
比較例2
比較例1と同じ条件で剥離層を形成した以外は実施例2と同じ条件で各層を形成し転写体fを得た。この転写体fを実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、透明導電層は、線幅が100μmの部分は転写出来たが、線幅1mm以上の部分は支持体側に残った。また、転写されたフィルムを100℃で熱処理したところ。剥離方向に垂直(剥離時のロールに平行の方向)な透明導電層に皺が発生した。さらに、40℃90%の条件下で長時間放置した場合には、皺がひどくクラックが発生した。
【0028】
比較例3
比較例1と同じ条件で剥離層を形成した以外は実施例3と同じ条件で各層を形成し転写体gを得た。この転写体gを実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、透明導電層の線幅が100μmの部分は転写出来たが、1mmの部分は支持体に残った。
【0029】
比較例4
比較例1と同じ条件で剥離層を形成した以外は実施例4と同じ条件で各層を形成し転写体hを得た。この転写体hを実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、透明導電層はフィルム側に殆ど転写できずに支持体側に残った。
【0030】
数値の臨界的な意義を確認するための実験例1
実施例1と同じ材質で膜厚1.5μmの剥離層を支持体(シリカコートした青板ガラス)上に形成した。この剥離層の引っ張り強度は110g/cmであった。この後、実施例1と同じ条件で各層を形成し、転写体を得た。この転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がした。異なる線幅の部分を含む透明導電層の転写状態を観察したところ、100μmの線幅の部分は転写できたが、線幅が1mm以上の部分は支持体側に残っていた。
【0031】
数値の臨界的な意義を確認するための実験例2
剥離層については実験例1と同じ条件で形成し、それ以外の層は実施例2と同じ条件で形成し、転写体を得た。この転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、線幅が異なる部分をもつ透明導電層ではあったが、有効に転写することができた。
【0032】
数値の臨界的な意義を確認するための実験例3
剥離層については実験例1と同じ条件で形成し、それ以外の層は実施例3と同じ条件で形成し、転写体を得た。この転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、線幅が異なる部分をもつ透明導電層ではあったが、有効に転写することができた。
【0033】
数値の臨界的な意義を確認するための実験例4
剥離層については実験例1と同じ条件で形成し、それ以外の層は実施例4と同じ条件で形成し、転写体を得た。この転写体を実施例1と同じ条件でフィルムに転写し、実施例1と同じ条件でロールから引き剥がしたところ、透明導電層の中で線幅が100μmの部分は転写できたが、線幅1mm以上の部分は有効に転写することができずに支持体側に残った。
【0034】
以下の実施例では被支持体を再生する方法について説明する。
実施例5
実施例1と同じ条件で着色ポリイミドを用いて、フォトリソ法で約0.7μmの厚みとなるようにY、M及びCの各色画素を形成し、カラーフィルタ層50迄を形成した(図1〜図4)が、一部色画素に斑模様等の不具合が生じたため、カラーフィルタ層50をV1000多段式試験機(モリエンジニアリング製)を用い、ガス流量400sccm、真空度86Pa、RF出力500W、雰囲気(温度)25℃の条件で酸素プラズマエッチングを行い、約5分でカラーフィルタ層50を除去した。カラーフィルタ層50は完全に除去され、シリカ系の中間層40に問題は発生しなかった。
次に、中間層40上に着色ポリイミドを用いて、フォトリソ法で約0.7μmの厚みとなるようにY、M及びCの各色画素を再度形成し、カラーフィルタ層50を再生した(図5)。
ついで、カラーフィルタ層50上に接着層60として、紫外線硬化型接着剤KR−400(旭電化社製)を、約8μmとなるように塗布形成し、転写体100を形成した(図6)。
【0035】
実施例6
実施例1と同条件で支持体10上に剥離層20を形成し(図11)、ついで剥離層20上にスパッタ法により180℃の基板温度で、100A(オングストローム)のバリアー層90をSiO2で成膜した(図12)。
次に、バリアー層90上に同スパッタ法を用い180℃の基板温度で、1500A(オングストローム)の透明導電層30をITOで成膜し、その表面抵抗は、15Ω/□であった。ついで透明導電層30上に市販のポジ型レジストを塗布し、乾燥後、所定のパターンを持ったマスクを介して露光、現像、エッチング、レジストを剥離して透明導電層30のパターン化を行った(図13)。
次に、アルキッド系樹脂のコーティング剤EXP−1474(藤倉化成社製)を用い、厚み1.5μmの中間層40を形成した(図14)。
次に、この中間層上に着色ポリイミドを用いて、フォトリソ法で約0.7μmの厚みとなるようにY、M及びCの各色画素を形成し、カラーフィルタ層50を形成した(図15)が、一部色画素に不具合が生じたため、カラーフィルタ層50をV1000多段式試験機(モリエンジニアリング製)を用い、ガス流量400sccm、真空度86Pa、RF出力500W、雰囲気(温度)25℃の条件で酸素プラズマエッチングを行い、約10分で中間層40およびカラーフィルタ層50を除去した。中間層40およびカラーフィルタ層50は完全に除去され、バリアー層90に問題は発生しなかった。
次に、このバリアー層90上に前述したように中間層40およびカラーフィルタ層50を再生した(図15)。
ついで、カラーフィルタ層50上に接着層60として、紫外線硬化型接着剤KR−400(旭電化社製)を、約8μmとなるように塗布形成し、転写体100を形成した(図16)。
【0036】
【発明の効果】
上記したように、剛性のある支持体に透明導電層、カラーフィルタ層を形成するので、透明導電層とカラーフィルタ層の位置合わせが容易で、しかもフォトリソ法を用いることから高精細なカラーフィルタを提供することができるとともに、従来の耐熱性のあるプラスチックシート上に透明導電層やカラーフィルタ層を形成し、それを再度、接着剤を介してプラスチックシート上に転写形成する際に問題となる該シートの収縮について考慮する必要がなく、また、SiOx、SiN、Al、TiO等の無機材料からなる中間層を設けることで、転写体の再生が行えるとともに、剥離層を除去する際に透明導電層に悪影響を与えることがない。
本発明は、これらの問題を解決することができる転写体、その転写体の再生方法及び転写体を用いた透明導電層の形成方法、並びにそれらを用いたカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 剥離層を形成した段階を示す図である。
【図2】 透明導電層を形成した段階を示す図である。
【図3】 透明導電層をパターン化した段階を示す図である。
【図4】 中間層を形成した段階を示す図である。
【図5】 カラーフィルタ層を形成した段階を示す図である。
【図6】 接着層を形成した段階を示す図である。
【図7】 転写段階を示す図である。
【図8】 転写段階を示す別の図である。
【図9】 転写後の状態を示す図である。
【図10】 転写段階を示す上面図である。
【図11】 剥離層を形成した段階を示す図である。
【図12】 バリアー層を形成した段階を示す図である。
【図13】 透明導電層をパターン化した段階を示す図である。
【図14】 中間層を形成した段階を示す図である。
【図15】 カラーフィルタ層を形成した段階を示す図である。
【図16】 接着層を形成した段階を示す図である。
【符号の説明】
10 支持体
20 剥離層
30 透明導電層
40 中間層
50 カラーフィルタ層
60 接着層
70 フィルム
80 ロール
90 バリアー層
100,100’ 転写体

Claims (15)

  1. 支持体上に少なくとも剥離層、透明導電層、接着層を順次積層した転写体であって、前記支持体が支持する前記各層の熱処理に耐えるだけの耐熱性、およびそれら各層を転写する相手側に比べてより大きな剛性をそれぞれもち、前記剥離層の引っ張り強度が100g/cm以上であることを特徴とする転写体。
  2. 前記透明導電層は、パターン状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の転写体。
  3. 前記透明導電層と前記接着層の間に中間層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の転写体。
  4. 前記透明導電層と前記中間層又は前記中間層と前記接着層のいずれかの層の間にカラーフィルタ層が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の転写体。
  5. 前記剥離層はポリイミド樹脂であり、その層厚が1.3μm以上好ましくは2μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の転写体。
  6. 前記剥離層と前記透明導電層もしくは前記透明導電層と前記カラーフィルタ層のいずれかの層の間、又は双方の層の間に無機化合物からなるバリアー層が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の転写体。
  7. 支持体上に少なくとも剥離層、透明導電層、接着層を順次形成した積層形態であり、前記支持体が支持する各層の熱処理に耐えるだけの耐熱性、およびそれら各層を転写する相手側に比べてより大きな剛性をそれぞれもつ転写体を用い、前記透明導電層を前記接着層を介してプラスチック材料からなるフィルムの一面に貼合接着し、ついで前記支持体を前記剥離層の界面から剥離し、前記プラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写形成する透明導電層の形成方法であって、前記剥離層の引っ張り強度を100g/cm以上とすることを特徴とする転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  8. 前記剥離層上には、パターン状に形成された前記透明導電層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  9. 前記透明導電層と前記接着層の間に中間層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  10. 前記透明導電層と前記中間層又は前記中間層と前記接着層のいずれかの層の間にカラーフィルタ層が形成されていることを特徴とする請求項に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  11. 前記プラスチック材料からなるフィルムを直径50mm以上、好ましくは100mm以上のロールに該プラスチック材料からなるフィルムの端部を仮固定し、その後ロールを実質的に回転移動させることにより前記転写体の前記支持体と前記剥離層の界面より剥離することでプラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写することを特徴とする請求項乃至請求項10に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  12. 前記剥離層と前記透明導電層もしくは前記透明導電層と前記カラーフィルタ層のいずれかの層の間、又は双方の層の間に無機化合物からなるバリアー層が設けられていることを特徴とする請求項乃至請求項10に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  13. 前記プラスチック材料からなるフィルムに前記透明導電層を転写した後、剥離層を酸素を主とするプラズマエッチング法もしくはRIE(反応性イオンエッチング)法により除去することを特徴とする請求項12に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
  14. 前記剥離層はポリイミド樹脂であり、その層厚が1.3μm以上好ましくは2μm以上であることを特徴とする請求項8に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法
  15. 前記剥離層は、着色した樹脂からなり、それによって、その剥離層を除去する際の終点を知るようにした請求項に記載の転写体を用いた透明導電層の形成方法。
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