JPH0565736U - 単軌条運搬装置の軌条取付支柱部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 単軌条運搬装置の軌条構成を強固なものと
し、駆動車，台車の揺れを無くし、乗車員に安心感を与
え、さらに駆動車のスピードアップを図る。 【構成】 主柱1 と補助支柱5 に外嵌する支持金具11，
補助支柱支持金具51を設け、該支持金具11，補助支柱支
持金具51中央横部に位置固定ボルト14，52を設け、主柱
1 と補助支柱5 上部に内嵌材8 を嵌挿し、該内嵌材8 を
支持金具11と補助支柱支持金具51の位置固定ボルト14，
52により主柱1 ，補助支柱5 上より締着固定する。 【効果】 内嵌材8 を挿入することにより、重量物や駆
動車の急停止の際のショック等が繰り返されても主レー
ルは強固に取付けられているので、ずり落ちたり、ずり
上がったりすることはなく、駆動車，台車が上下動や左
右の揺れもせず、乗車員に安心感を与える。又軌条構成
が強固になるために、駆動車のスピードアップが図られ
通勤時間を短縮できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は果樹園等の急傾斜地に設置して、果実，肥料等の運搬に使用されて いた農業用単軌条運搬機より発展した人員輸送用の運搬装置に関するものであり 、特にその軌条の構成に関するものである。

【０００２】

【従来の技術および課題】

従来より果実の運搬用等に用いられている単軌条運搬機は図４に示すよう、一 本の角パイプレールを、定間隔に配した支柱により地上高約３０cmに敷設し、レ ールに溶接したラックと駆動車のピニオンを噛合させ、ピニオンが回転すること により前後進を行うものであった。ラックとピニオンの噛合は、緩速度での急傾 斜の昇降に適しており、長期間に亘る使用実績があるが、果樹園等での使用にお ける最大積載荷重は２００kg〜３００kg程度であった。

【０００３】 これは果実等の運搬目的には適した能力であったが、４〜５名の人員の輸送を 考慮する際には問題を残すものであった。

【０００４】 最近の送電線の建設は、用地取得の問題、環境問題等より急峻な山岳地を選択 せざるを得ず、鉄塔の建設現場へは平坦地に設営した宿舎より、１時間、又はそ れ以上、山道を登る必要が生じて来ている。送電線の建設は調査の段階より完成 迄、３〜４年を要するが、その間、毎日往復２時間以上の通勤時間を費やすのは 、時間の浪費だけではなく、身体の疲労も積み重なり、到着後更に鉄塔上での高 所作業を行う場合には特に好ましい状況ではなかった。

【０００５】 よって急峻な山岳地輸送に適した単軌条運搬装置による人員輸送が企画された が、その重量的能力は先記したよう、２００kg〜３００kg程度であり、駆動車， 人員用台車を含めると１t を越すこの企画は、現行品の改良無しには行えないも のであった。

【０００６】 駆動車の能力はエンジンを大型化することによりある程度解決できるものであ るが、軌条の方は、従来の角パイプレール１本では不安が残るものであった。又 レールは地上高３０cm程度の位置に敷設されるものであり、地表層の状況によっ て、軌条の設置固定度は異なり、又、設置後の自然条件の変化を考慮すると、レ ール敷設当初と、時間経過後では、急傾斜地ゆえ支柱の地表層への侵入固定度も 変化しており、１m 程度の間隔で配された支柱のみでレールを支持するのは、安 全性の面より人員の輸送には適したものではないと考えられる。又、人員輸送を 企画する上での課題となる点は、単軌条そのものの持つ不安定性にもあり、設置 工事が簡単である有利性と、単軌条の持つ不安定性を考慮し、その妥協点を見出 すことが必要と考えられていた。

【０００７】 そこで、実願平３−９８４９６号で開示した様な軌条構成を考案した。 この軌条構成は、角パイプよりなる主レールの他に、長尺板材よりなる補助レー ルを、主レールの主柱と連結した補助支柱によって平行に敷設し、主レールに乗 架する駆動車，台車等に設けた補助輪で補助レールを囲抱して走行させ、直進時 の姿勢安定を計ると共に、カーブ地点での脱輪転覆を防止するものである。又、 補助レールを支える補助支柱を主柱と剛体的に連結することによって、主レール の敷設を安定させ、地盤の経年的変化にも対応するものであり、初期の目的を達 成したものであるが、新たに重量物や駆動車の急停止の際のショックにより、支 持金具が主柱をずり落ちたり、ずり上がったりすることがあった。（図３）

【０００８】

【課題を解決するための手段】

よって本願では単軌条運搬装置を人員の輸送に適した、安全性を備えたものと する為、その軌条の構成をより強固なものに改良し、課題の解決を図るものであ る。

【０００９】 具体的な構成としては、図１に示すように、主柱1 と補助支柱5 上端部内に内 嵌材8 を挿入し、位置固定ボルト14，52によって主柱1 ，支柱5 上部より締付け ることにより内嵌材8 の蓋板81が主柱上面と当接し、支持金具11の遊動を防止し たものである。

【００１０】

【実施例】

本案の実施例は図示する様に、内嵌材8 は、上部に円形の蓋板81を設け、該蓋 板81の下部に外径の異なるスペーサー82，83，84を複数設け、該蓋板81とスペー サー82，83，84をボルト・ナット85により連結した構造を有している。

【００１１】 内嵌材8 を取付けるには、主柱1 ，補助支柱5 の上端部内に挿入し、スペーサ ー83，83間のスペーサー84の所を、位置固定ボルト14，52で主柱1 ，補助支柱5 を締付ければ、主柱1 ，補助支柱5 の鋼管の鉄板部がヘコミ、スペーサー83の角 に当接し、荷重が加わっても、支持金具11，51は遊動しない。 さらに、高荷重が加わっても蓋板81が主柱1 ，補助支柱5 の鋼管上面と当接し、 支持金具11，51は遊動することはない。

【００１２】 以上各スペーサー82，83，84を組み合せた内嵌材8 を使用したものであるが、 丸棒からの削り出したもの、又は段造物あるいは鋳物製品でも同効果がある。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように、人員輸送を目的とする単軌条運搬機の軌条構成において、主柱 1 ，補助支柱5 の上端部内に内嵌材8 を挿入することにより、重量物や、駆動車 の急停止の際のショック等が繰り返されても主レール4 は強固に取付けられ、ず り落ちたり、ずり上がったりすることなく、駆動車、台車が上下動や左右の揺れ もせず、乗車員に不安感を与えることはない。 又軌条構成が強固になるために、駆動車のスピードアップが図られ通勤時間を短 縮することができる。 又蓋板81で主柱1 ，補助支柱5 上部を覆うので雨水が入らず主柱1 ，補助支柱5 の腐食を防止し、長期の敷設に耐える等の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案の軌条取付支柱部の断面図。

【図２】本案の使用状態斜視図。

【図３】内嵌材の無い軌条取付支柱部の一部断面図。

【図４】従来品の軌条構成斜視図。

【符号の説明】

1 主 柱 2 角パイプ 3 ラック 4 主レール 5 補助支柱 6 支柱体 7 補助レール 8 内嵌材 11 支持金具 13 ボルト受部 14 位置固定ボルト 51 補助支柱支持金具 52 位置固定ボルト 81 蓋 板 82 スペーサー 83 スペーサー 84 スペーサー 85 ボルト・ナット

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 土中に打込んだ太径の主柱1 上端部側に
   は、角パイプ2 下面にラック3 部を固定してなる主レー
   ル4 を固定し、主レール4 と同側又は反対側の位置には
   所定距離をおいて補助支柱5 を打込み、主柱1 と連結し
   て一体となる支柱体6 を設け、更に長尺板材よりなる補
   助レール7 を支柱体6 に連結固定して添設した単軌条運
   搬装置の軌条構成において、主柱1 と補助支柱5 に外嵌
   する支持金具11，補助支柱支持金具51を設け、該支持金
   具11，補助支柱支持金具51中央横部に位置固定ボルト1
   4，52を設け、主柱1 と補助支柱5 上部に内嵌材8 を嵌
   挿し、該内嵌材8 を支持金具11と補助支柱支持金具51の
   位置固定ボルト14，52により主柱1 ，補助支柱5 上より
   締着固定したことを特徴とする単軌条運搬装置の軌条取
   付支柱部。
2. 【請求項２】 内嵌材8 は、上部に円形の蓋板81を設
   け、該蓋板81の下部に外径の異なるスペーサー82，83，
   84を複数設け、該蓋板81とスペーサー82，83，84をボル
   ト・ナット85により連結したことを特徴とする請求項１
   に記載の単軌条運搬装置の軌条取付支柱部。
3. 【請求項３】 内嵌材8 は、一体成形したことを特徴と
   する請求項１に記載の単軌条運搬装置の軌条取付支柱
   部。