JPH0565594A - 軟窒化用鋼 - Google Patents

軟窒化用鋼

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JPH0565594A
JPH0565594A JP25849591A JP25849591A JPH0565594A JP H0565594 A JPH0565594 A JP H0565594A JP 25849591 A JP25849591 A JP 25849591A JP 25849591 A JP25849591 A JP 25849591A JP H0565594 A JPH0565594 A JP H0565594A
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JP
Japan
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steel
hardness
soft
hardening depth
treatment
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JP25849591A
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English (en)
Inventor
Kenichi Hosoda
田 賢 一 細
Kazuhiro Kobayashi
林 一 博 小
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Sanyo Special Steel Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Special Steel Co Ltd
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Publication date
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 前熱処理の焼ならし状態で十分な心部強度が
得られ、又処理後には十分な硬化深さ及び心部硬さ、優
れた耐ピッチング性、耐スポーリング性及び疲労強度が
得られる軟窒化用鋼を提供することを目的とする。 【構成】 重量比で、C:0.25を超え〜0.4%、
Si:0.05〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、
Cr:0.2〜0.6%、Mo:0.05〜0.5%、
Al:0.02〜0.05%未満、V:0.05〜0.
5%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よりな
る、圧延あるいは鍛造のままないし焼ならし、あるいは
焼なまし状態で軟窒化処理を施すことにより、心部硬さ
HV250以上、表面硬さHV650以上を有し、且つ
深い硬化深さが得られることを特徴とする。また、上記
成分に加え、S,Pb,Te,Seの1種以上をそれぞ
れ0.3%以下を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は圧延あるいは鍛造のま
まないし焼ならし、あるいは焼なまし状態で軟窒化処理
を施すことにより、心部硬さがHV250以上と強度特
性に優れ、表面硬さがHV650以上と浸炭材並の硬さ
を有し、且つ深い硬化深さが得られるようにした軟窒化
用鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】表面硬化処理方法としては、浸炭処理と
窒化処理とが代表的なものである。浸炭処理は、高温の
γ域において、Cを浸入、拡散させるため、深い硬化深
さが得られるが、浸炭後に焼入焼もどしの熱処理が必要
なために、熱処理歪が問題となり、厳しい寸法精度の要
求される歯車などの機械構造用部品に対しては、種々の
問題があり、耐焼付性や耐かじり性にも難点があった。
【0003】一方、窒化処理は、A1 変態点以下、50
0〜550°C前後の温度域において、Nを浸入、拡散
させて、高い表面硬さの硬化層を得て、耐磨耗性、耐焼
付性を向上させる処理であって、必ずしも焼入れを必要
としないため、熱処理歪の問題はないが、通常、処理時
間が50〜100hrと著しく長く、処理後も表面の脆
い化合物層を除去する必要があるなど、製造上に問題が
あった。
【0004】これに対して、軟窒化処理は、一般に50
0〜600°Cの温度域で、NとCを同時に浸入、拡散
させて、表面硬化をはかる処理であり、窒化処理に比べ
て、処理時間が約半分ですみ、且つ熱処理歪の少ない処
理として、機械構造用部品や金型などに急速に普及しつ
つある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来、軟窒化
処理して用いられている構造用炭素鋼や低合金鋼では、
十分な硬化深さと心部硬さが得られず、耐ピッチング性
や耐スポーリング性、疲労強度が大きな問題となってい
た。また、最近では、省エネルギー化の動きの中で、経
済面からも浸炭処理に代わり軟窒化処理への転換がはか
られつつある。この場合、軟窒化処理前の前熱処理とし
ては、加工性やコストなどの理由により、従来の焼入焼
もどしに代えて焼ならしなどが用いられることが多くな
っており、焼ならし状態でも十分な心部強度を有する鋼
が求められていた。
【0006】
【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決す
るための本発明の要旨は以下の通りである。即ち、本発
明における第1の発明鋼は、重量比で、C:0.25を
超え〜0.4%、Si:0.05〜0.5%、Mn:
0.4〜2.0%、Cr:0.2〜0.6%、Mo:
0.05〜0.5%、Al:0.02〜0.05%未
満、V:0.05〜0.5%を含有し、残部がFeおよ
び不可避の不純物よりなる、圧延あるいは鍛造のままな
いし焼ならし、あるいは焼なまし状態で軟窒化処理を施
すことにより、心部硬さHV250以上、表面硬さHV
650以上を有し、且つ深い硬化深さが得られることを
特徴とする軟窒化用鋼である。
【0007】また、本発明における第2の発明鋼は、重
量比で、C:0.25を超え〜0.4%、Si:0.0
5〜0.5%、Mn:0.4〜2.0%、Cr:0.2
〜0.6%、Mo:0.05〜0.5%、Al:0.0
2〜0.05%未満、V:0.05〜0.5%および
S,Pb,Te,Seの1種以上をそれぞれ0.3%以
下含有し、残部がFeおよび不可避の不純物よりなる、
圧延あるいは鍛造のままないし焼ならし、あるいは焼な
まし状態で軟窒化処理を施すことにより、心部硬さHV
250以上、表面硬さHV650以上を有し、且つ深い
硬化深さが得られることを特徴とする軟窒化用鋼であ
る。
【0008】
【作用】本発明鋼の成分限定理由は以下の通りである。
C:Cは、心部強度を確保する上で最も重要な元素であ
り、心部強度確保のためには、0.25%を超えて含有
させる必要がある。しかし、多すぎる場合には、靱性や
加工性を阻害するとともに、軟窒化後の硬化深さを著し
く減少する。0.4%以下であれば、強度、靱性、加工
性、軟窒化性の点から、満足すべき水準となる。したが
って、本発明鋼におけるC量は、上限を0.4%とし、
下限を0.25%超えとする。Si:Siは、溶製時の
脱酸剤として用いられ、また心部強度あるいは焼もどし
軟化抵抗を上げるが、多すぎる場合には、靱性、加工性
を低下させ、特に軟窒化後の硬化深さを減少させるの
で、上限を0.5%とする。また、心部強度確保のため
に下限を0.05%とする。Mn:Mnは、Siと同様
に、溶製時の脱酸剤として用いられ、心部強度を確保す
る上で有効な元素であり、心部硬さ確保のためには、他
の合金元素との関連において0.4%以上必要である。
また、軟窒化性に対しては、表面軟窒化層の硬さを向上
させ、また硬化深さへの影響もほとんどないが、2.0
%を超えると、冷間加工性を害するので、上限を2.0
%とする。Cr:Crは、心部強度を向上させるほか、
軟窒化性に対しては、多いほど軟窒化層の表面硬さを上
昇させる。しかし、硬化深さは、Cr量が多くなりすぎ
た場合、表面に強固な軟窒化層を形成するために、逆に
硬化深さは減少する。本発明においては、他の合金成分
との関連において0.2%未満では、必要とする表面硬
さが得られないために、下限を0.2%とする。一方、
0.6%を越えると、硬化深さが浅くなるために、上限
を0.6%とする。Al:Alは、溶製時に強力な脱酸
剤として用いられ、軟窒化性に対しては、Crと同様
に、多いほど軟窒化後の表面硬さは大きく上昇するが、
多くなりすぎた場合、硬化深さが著しく減少するように
なり、また熱間加工性や清浄度なども悪化するので、上
限を0.05%未満とし、下限を0.02%とする。
V:Vは、軟窒化性に対して、特に有効な元素であり、
軟窒化層の表面硬さを上昇させ、硬化深さを著しく増大
させる。これは、Vが、圧延、鍛造、焼ならしあるいは
焼なまし状態の時、そのほぼ全量あるいは一部が、フェ
ライト中に固溶し、軟窒化処理によって侵入してきたC
やNと結合して、微細な炭窒化物を析出させるためと考
えられる。このVの効果は、0.05%未満では不十分
であり、0.5%以上では、飽和してしまい、コスト的
にも不利になる。したがって、本発明鋼では、Vの上限
を0.5%とし、下限を0.05%とする。
【0009】本発明の第2の発明鋼において用いるS,
Pb,Te,Seはいずれも鋼の被削性を向上させるた
めの元素として0.3%程度添加すれば十分であり、多
すぎる場合には、材力特性や熱間加工性などを阻害する
ので、0.3%以下とする。
【0010】以上に述べた通り、本発明鋼は、従来の鋼
に対して、心部強度確保のためにMnを0.4〜2.0
%と高くして、軟窒化後の硬化深さに対して悪影響を及
ぼすCrを0.2〜0.6%に、Alを0.02〜0.
05%未満に抑え、且つ硬化深さを増大させるためにV
を0.05〜0.5%添加したものである。
【0011】
【実施例】表1に本発明鋼、従来鋼および比較鋼の化学
成分を、表2にこれら各鋼における焼ならし後、570
°C×9hrのガス軟窒化処理を施した場合の、軟窒化
特性を示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】本発明鋼は、従来鋼および比較鋼に比べ、
硬化深さが深く、HV600で0.20〜0.26m
m、HV420で0.40〜0.47mmであり、心部
硬さおよび表面硬さはそれぞれHV250以上およびH
V650以上と高いことがわかる。それに対して、比較
鋼の低Cr鋼(H,J)およびV無添加鋼(N)は、表
面硬さがHV580〜632と低く、硬化深さは0〜
0.09mm(HV600)、0.23〜0.33mm
(HV420)と浅くなっている。また、高Si鋼
(I)および高Al鋼(M)は、表面硬さはHV705
〜950と高いが、硬化深さは0.31〜0.32mm
(HV420)と浅くなっている。
【0015】また、表3に焼ならし材の引張試験結果を
示す。発明鋼A、B、C、D、Eのいずれもが引張強さ
85kgf/mm2 以上を示し、調質鋼に近いレベルに
なっている。
【0016】
【表3】
【0017】表4には第1発明鋼および第2発明鋼の焼
ならし材でのドリル穿孔性試験比較結果を示す。第1発
明鋼にPbを0.1%添加した第2発明鋼は、第1発明
鋼に比べドリル穿孔性が2割程度良好となっている。
【0018】
【表4】
【0019】
【発明の効果】本発明鋼は上記した通りこれを機械部品
に加工するに際し、焼入焼戻の熱処理を行わなくてよい
為、熱処理歪の心配がなく、加工コストが安い軟窒化処
理用鋼材として、従来の軟窒化処理用鋼材にない優れた
表面硬さと硬化深さと、芯部硬さのバランスを実現した
もので、例えば、高い精度を要する歯車、あるいは精密
軸などに用いられ、これら部品の性能を高く保持しつつ
コストを下げるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量比で、 C:0.25を超え〜0.4%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.4〜2.0%、 Cr:0.2〜0.6%、 Mo:0.05〜0.5%、 Al:0.02〜0.05%未満、 V:0.05〜0.5%を含有し、 残部がFeおよび不可避の不純物よりなる、圧延あるい
    は鍛造のままないし焼ならし、あるいは焼なまし状態で
    軟窒化処理を施すことにより、心部硬さHV250以
    上、表面硬さHV650以上を有し、且つ深い硬化深さ
    が得られることを特徴とする軟窒化用鋼。
  2. 【請求項2】 重量比で、 C:0.25を超え〜0.4%、 Si:0.05〜0.5%、 Mn:0.4〜2.0%、 Cr:0.2〜0.6%、 Mo:0.05〜0.5%、 Al:0.02〜0.05%未満、 V:0.05〜0.5%、および S,Pb,Te,Seの1種以上をそれぞれ0.3%以
    下含有し、 残部がFeおよび不可避の不純物よりなる、圧延あるい
    は鍛造のままないし焼ならし、あるいは焼なまし状態で
    軟窒化処理を施すことにより、心部硬さHV250以
    上、表面硬さHV650以上を有し、且つ深い硬化深さ
    が得られることを特徴とする軟窒化用鋼。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55161055A (en) * 1979-06-02 1980-12-15 Daido Steel Co Ltd Low alloy soft-nitriding steel with superior machinability and its product
JPS5916949A (ja) * 1982-07-16 1984-01-28 Sumitomo Metal Ind Ltd 軟窒化用鋼
JPS63216950A (ja) * 1987-03-06 1988-09-09 Mitsubishi Steel Mfg Co Ltd 軟窒化用低合金鋼

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