JPH0564616B2 - - Google Patents

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JPH0564616B2
JPH0564616B2 JP60060400A JP6040085A JPH0564616B2 JP H0564616 B2 JPH0564616 B2 JP H0564616B2 JP 60060400 A JP60060400 A JP 60060400A JP 6040085 A JP6040085 A JP 6040085A JP H0564616 B2 JPH0564616 B2 JP H0564616B2
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JP
Japan
Prior art keywords
spectrum
panaxacol
compound
nax
present
Prior art date
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Application number
JP60060400A
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English (en)
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JPS61218524A (ja
Inventor
Yasuo Fujimoto
Keiichi Ushama
Yoshitsuru Sato
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
Nitto Denko Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp, RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical Nitto Denko Corp
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Publication of JPS61218524A publication Critical patent/JPS61218524A/ja
Publication of JPH0564616B2 publication Critical patent/JPH0564616B2/ja
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  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は、オタネニンジン(Panax,ginseng
C.A.Meyer)の根又はそのカルスより抽出され
る新規な化合物、及び該化合物を有効成分として
含有することを特徴とする制癌剤に関するもので
ある。 (発明の背景) 従来、癌化学療法剤として、アルキル化剤(ナ
イトロジエンマスタード類、エチレンイミン類、
スルホン酸エステル類)、代謝拮抗物質(葉酸拮
抗剤、プリン拮抗剤、ピリミジン拮抗剤)、植物
性核分裂毒(コルセミド、ビンブラスチン等)、
抗生物質(ザルコマイシン、カルチノフイリン、
マイトマイシン等)、ホルモン類(副腎ステロイ
ド、男性ホルモン、女性ホルモン)及びポルフイ
リン錯塩(マーフイリン、COPP)等が用いられ
ている。しかしながら、その殆んどは、細胞毒型
の物質であり、重大な副作用を呈するため、低毒
性で優れた制癌活性を有する制癌剤の開発が強く
望まれている。 本発明者らは、上記趣旨に鑑み、低毒性に制癌
性を有する物質を動・植物、微生物界の広い生物
範囲から探索を行つた結果、オタネニンジンの根
またはそのカルスより抽出された新規化合物が、
優れた制癌活性を有することを見出し、本発明を
完成したものである。 (発明の目的) 本発明の目的は、オタネニンジンの根またはそ
のカルスより、制癌活性を有する新規な化合物を
抽出・単離することにある。又本発明の目的は、
該新規化合物を有効成分として含有する制癌剤を
提供することにある。 (発明の構成) 本発明の新規化合物は、後述の物理的性質を有
し、オタネニンジンの根またはそのカルスより抽
出・単離される。以下、その抽出・単離方法の一
例を示す。オタネニンジンの根またはそのカルス
をミキサーにて粉砕後、超音波処理しながら酢酸
エチル等の溶媒で抽出する。抽出液を濾過後、濃
縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフイーに
付す。 ヘキサンと酢酸エチル混合溶媒の混合比を変え
て順次溶出する。各溶出分画のうち、後述の吉田
肉腫培養細胞に対する生育阻害活性が認められた
ヘキサン:酢酸エチル=2:1の分画を、高速液
体クロマトグラフイーに付して、分取し、目的と
する化合物の純品を得る。 かくして得られる化合物は、下記の物理的性質
を有する。 〈化合物の物理的性質〉 (1) 物質の形態;無色粒状晶 (2) マス・スペクトル(FD−MS):m/z279
(M+1) (3) IRスペクトル:νCHCl3 nax 3600〜3200,2950,
2850,2250,2150,1738(br),1665cm-1 (4) UVスペクトル:λMeOH nax 205,245(sh),255

270,286nm (5) H1−NMRスペクトル:(400MHz,δ,
CDCl3) 0.89(3H:br.t,J=7.3Hz)、1.15(3H,t,
J=7.3Hz)、1.2〜1.4(8H)、1.4〜1.6(4H)、
1.90(1H,d,J=5.6Hz,OH)、2.35(1H,
d,J=6.1Hz,OH)、2.60(2H,q,J=
7.4Hz)、2.66(2H,dd,J=1.7,2.2Hz)、
3.60(1H:m)、3.70(1H,m) (6) 毒性:マウスに対し、100mg/Kg連続投与し
ても何ら毒性を認めない。 上記の物理的性質を有する化合物を本発明者ら
は、「パナキサコール(Panaxacol)」と命名し
た。以下、この化合物をパナキサコールと呼ぶ。 次に、本発明のパナキサコールを有効成分とす
る制癌剤について説明する。 本発明の制癌剤の有効成分は、生薬として用い
られているオタネニンジンの根またはそのカルス
のような植物中に本来存在するものより単離され
た物質であることから合成化学物質とは異なり、
毒性の心配が極めて少ない。 本発明の制癌剤は、経口及び非経口投与のいず
れも使用可能であり、経口投与する場合は、軟・
硬カプセル剤又は錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤と
して投与され、非経口投与する場合は、水溶性懸
濁液、油性製剤などの皮下或いは静脈注射剤、点
滴剤及び固体状又は懸濁粘稠液状として持続的な
粘膜吸収が維持できるように坐薬のような剤型で
投与され得る。 本発明の有効成分の製剤化は、界面活性剤、賦
形剤、滑沢剤、佐剤、及び必要に応じて腸溶性製
剤とするために医薬的に許容し得る被膜形成物
質、コーテイング助剤等を用いて適宜行うことが
でき、その具体例を挙げれば、次のとおりであ
る。 本発明の組成物の崩壊、溶出を良好ならしめる
ために、界面活性剤、例えばアルコール、エステ
ル類、ポリエチレングリコール誘導体、ソルビタ
ンの脂肪酸エステル類、硫酸化脂肪アルコール類
等の1種又は2種以上を添加することができる。 また、賦形剤として、例えば蔗糖、乳糖、デン
プン、結晶セルロース、マンニツト、軟質無水珪
酸、アルミン酸マグネシウム、メタ珪酸アルミン
酸マグネシウム、合成珪酸アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カル
シウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム
等の1種又は2種以上を組合せて添加することが
できる。 滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシ
ウム、タルク、硬化油等を1種又は2種以上添加
することができ、また矯味剤及び矯臭剤として、
食塩、サツカリン、糖、マンニツト、オレンジ油
カンゾウエキス、クエン酸、ブドウ糖、メントー
ル、ユーカリ油、リンゴ酸等の甘味剤、香料、着
色料、保存料等を含有させてもよい。 懸濁剤、潤滑剤の如き佐剤としては、例えばコ
コナツト油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、乳
酸カルシウム、ベニバナ油、大豆リン脂質等を含
有させることができる。 また被膜形成物質としては、セルロース、糖類
等の炭水化物誘導体として酢酸フタル酸セルロー
ス(CAP)、またアクリル酸系共重合体、二塩基
酸モノエステル類等のポリビニル誘導体としてア
クリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体、メタ
アリル酸メチル・メタアクリル酸共重合体が挙げ
られる。 また、上記被膜形成物質をコーテイングするに
際し、通常使用されるコーテイング助剤、例えば
可塑剤の他、コーテイング操作時の薬剤相互の付
着防止のための各種添加剤を添加することによつ
て被膜形成剤の性質を改良したり、コーテイング
操作をより容易ならしめることができる。なお、
有効成分を被膜形成物質を用いてマイクロカプセ
ル化してから賦形剤等と混合した剤型としても良
い。 特に代表的な剤型における配合比は下記の通り
である。
【表】 物質
特に好ましい賦形剤は、乳糖、結晶セルロー
ズ、カルボキシメチルセルロースカルシウムであ
る。 また、投与量は、対象腫瘍を有効に治療するに
十分な量であり、腫瘍の症状、投与経路、剤型な
どによつて左右されるが、一般に、経口投与の場
合、大人では1日当り、約0.01〜100mg/Kg体重
(小人では0.01〜60mg/Kg体重)範囲で、その上
限は好ましくは約50mg/Kgの体重、更に好ましく
は約10mg/Kg体重程度であり、非経口投与の場
合、その上限は約10mg/Kg体重程度であり、好ま
しくは5mg/Kg体重、更に好ましくは2mg/Kg体
重が適当である。 次に、本発明化合物の制癌活性を確認した制癌
性試験法について述べる。 15%の子牛血清を含有するMEM培地(ニツス
イ製)に、ラツトの腹水から取り出した吉田肉腫
細胞(Yoshida sarcoma cells)を接種して培養
し、細胞数が約10×105cells/mlになつた時点で
上記培地で5倍に希釈(20×104cells/ml)し、
1mlづつバイアルビンに分注する。次いで、各濃
度のパナキサコールサンプルのメタノール又はア
セトン溶液を加え、ゴム栓をして37℃で培養し約
3日後にトリパンブルーにて染色後、生細胞数を
計測する。供試細胞増殖の抑制率は、次式により
求めた。 抑制率(%)=(1−パナキサコール投与バイアル中の
生細胞数/無投与バイアル中の生細胞数)×100 以下に本発明を実施例、製剤例及び試験例によ
つて具体的に説明する。 実施例(パナキサコールの抽出及び分離精製) オタネニンジンカルスの乾燥物をミキサーにて
粉砕後、超音波をかけながら酢酸エチルにて3回
抽出する。次いで、抽出液を濾過後濃縮し、残留
物をシリカゲルクロマトグラフイー(カラム:
30φ×40cm、Wakogel P−300)に付した。溶出
溶媒としては、ヘキサン:酢酸エチル=10:1,
5:1,2:1,1:1,の各混合比を用い、順
次溶出した。 各溶出分画を濃縮後、各々の吉田肉腫培養細胞
に対する生育阻害活性を調べたところ、ヘキサン
酢酸エチル=2:1の分画にのみ活性が認められ
た。そこで、この画分を集め、高速液体クロマト
グラフイー(カラム:ODS−2,8φ×30cm、溶
媒:MeOH:H2O=4:1又は、カラム:
Nucleosil 50−5,8φ×30cm、溶媒:ヘキサ
ン:酢酸エチル=2:1)にて分取し、窒素雰囲
気中で濃縮及び結晶化を行つて、パナキサコール
の純品を得た。1Kgの乾燥オタネニンジンカルス
よりの収量は、約15mgである。 製材例1 (注射・点滴剤) パナキサコール10mgを含有するように粉末ぶど
う糖5gを加えてバイアルに無菌的に分配し、密
封した上、窒素、ヘリウム等の不活性ガスを封入
して冷暗所に保存する。使用前にエタノールに溶
解し、0.85%生理的食塩水100mlを添加して静脈
内注射剤とし、1日、10〜100mlを症状に応じて
静脈内注射又は点滴で投与する。 製剤剤2 (注射・点滴剤) パナキサコール2mgを用いて、製剤例1と同様
の方法により軽症用静脈内注射剤とし、1日、10
〜100mlを症状に応じて静脈内注射又は点滴で投
与する。 製剤剤3(腸溶性カプセル剤) パナキサコール5g、乳糖2.46g及びヒドロキ
シプロピルセルロース0.04gを各々とり、よく混
合した後、常法に従つて粒状に成形し、これをよ
く乾燥して篩別してビン、ヒートシール包装など
に適した顆粒剤を製造する。次に、酢酸フタル酸
セルロース0.5g及びヒドロキシプロピルセルロ
ースフタレート0.5gを溶解して被覆基材となし、
前記顆粒を浮遊流動させつつこの基材を被覆して
腸容性の顆粒剤とする。この組成物をカプセルに
充填して腸溶性カプセル製剤100個を製造する。 試験例 (制癌活性試験) パナキサコールを用い、前記試験法により吉田肉
腫細胞の増殖抑制率(%)とを算出したところ、
第1表に示す結果が得られた。
【表】 (本発明の効果) 上記実施例からも明らかな如く、本発明のパナ
キサコールは、極めて低濃度において、癌細胞の
増殖抑制にすぐれた効果を発揮する。又、極めて
毒性が低く、すぐれた制癌剤である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のパナキサコールの赤外線吸
収スペクトルを示す図面であり、第2図は、パナ
キサコールの紫外線吸収スペクトルを示す図面で
あり、第3図は、パナキサコールのH1−NMRス
ペクトルを示す図面である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の物理的性質を有する化合物。 1 物質の形態;無色粒状晶 2 質量分析(FD−MS);m/z279(M+1) 3 IRスペクトル:νCHCl nax 3600〜3200,2950,
    2850,2250,2150,1738,1665cm-1 4 UVスペクトル:λMeOH nax 205,245(sh),255,
    270,286nm 5 H1−NMRスペクトル:(400MHz,δ,
    CDCl3) 0.89(3H:br.t,J=7.3Hz)、1.15(3H,t,
    J=7.3Hz)、1.2〜1.4(8H)、1.4〜1.6(4H)、
    1.90(1H,d,J=5.6Hz,OH)、2.35(1H,
    d,J=6.1Hz,OH)、2.60(2H,q,J=
    7.4Hz)、2.66(2H,dd,J=1.7,2.2Hz)、
    3.60(1H:m)、3.70(1H,m) 2 下記の物理的性質を有する化合物を有効成分
    として含有することを特徴とする制癌剤。 1 物質の形態;無色粒状晶 2 質量分析(FD−MS);m/z279(M+1) 3 IRスペクトル:νCHCl nax 3600〜3200,2950,
    2850,2250,2150,1738,1665cm-1 4 UVスペクトル:λMeOH nax 205,245(sh),255,
    270,286nm 5 H1−NMRスペクトル:(400MHz,δ,
    CDCl3) 0.89(3H:br.t,J=7.3Hz)、1.15(3H,t,
    J=7.3Hz)、1.2〜1.4(8H)、1.4〜1.6(4H)、
    1.90(1H,d,J=5.6Hz,OH)、2.35(1H,
    d,J=6.1Hz,OH)、2.60(2H,q,J=
    7.4Hz)、2.66(2H,dd,J=1.7,2.2Hz)、
    3.60(1H:m)、3.70(1H,m) 3 非経口投与形態による特許請求の範囲第2項
    記載の制癌剤。 4 経口投与形態による特許請求の範囲第2項記
    載の制癌剤。
JP60060400A 1985-03-25 1985-03-25 パナキサコ−ル及び制癌剤 Granted JPS61218524A (ja)

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