JPH0564117B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はインクを熱または圧力により被印字
媒体に印字する印字装置に用いるインクリボンカ
セツトに関するものである。

〔従来の技術〕

一般の印字装置を第４図に示す。本図におい
て、１はプラテン、２はプラテン１に対向して設
けた印字ヘツドである。印字ヘツド２はプラテン
１に押えローラ３により支持された記録紙４の送
り方向（縦方向）に対して直交方向（横方向）に
移動するキヤリツジ５に搭載されている。６はキ
ヤリツジ５に装着したインクリボンカセツトで、
該カセツト６内にはインクリボンカセツト７がそ
の両端部を元巻コア８と巻取コア９とに掛け渡さ
れ、カセツト６の一側面に設けた印字ヘツド２を
嵌入させるための凹部６ａの両脇に設けた外出口
６ｂ及び再入口６ｃを通して外部に露出してい
る。カセツト６の凹部６ａに嵌入した印字ヘツド
２は通常ではインクリボン７より離反するように
位置するが、印字信号を受領するとプラテン１側
に向けて傾動し、インクリボン７を記録紙４に圧
着し、キヤリツジ５の作動で横方向（矢印Ａ方
向）に走行しつつ圧着面に形成した発熱素子が発
熱して印字を行うようになつている。この印字作
動時、インクリボン７は印字ヘツド２の走行に従
つてその未使用部分が元巻コア８より順次繰出さ
れ、その繰出相当量が巻取コア９に巻取られる。
この印字ヘツド２に繰出されるインクリボン７は
通常では外出口６ｂと再入口６ｃの間で第４図二
点鎖線の如く進行するが、記録紙との摩擦を受け
て同図実線に示すように、走行方向後方に向けて
ループ状に弛むことがしばしばあつた。これはイ
ンクリボンが再入口６ｃの外縁のエツジに引掛か
ることが原因であつた。従つて、従来は前記再入
口６ｃを大きく開口させることも考えられていた
が、インクリボンあばれ、走行が不安定となる結
果、巻取コアにきれいに巻取れず、巻取トルクを
重くするという問題が生じた。

〔発明の目的〕 この発明は上記の問題を解消するためのもの
で、インクリボンが外出口より外出し、再入口か
らカセツト内に入るまでの間に弛みが発生したと
しても、その弛みが大きくならない前にカセツト
内に取込めるようにするとともに、インクリボン
の走行安定性ときれいな巻取りができるようにし
たインクリボンカセツトを提供することを目的と
している。

〔発明の構成〕

上記目的を達成するため、この発明はカセツト
本体内に設けた元巻コアと巻取コアに巻設された
インクリボの外出口及び再入口を印字ヘツドが嵌
合する凹部の両脇に設けたイクリボンカセツトに
おいて、前記インクリボンの再入口の外縁にリボ
ン滑り手段を設け、再入口外縁にインクリボが引
つ掛からないように構成したものである。

〔実施例〕

次に、この発明を第１図乃至第３図に示す実施
例に基づいて説明する。

図において、１０はインクリボンで、該インク
リボン１０はカセツト本体１１内の左右対称位置
に回転自在に軸支された元巻コア１２及び巻取コ
ア１３に両端を巻設され、中間部は印字ヘツド３
０が嵌合する凹部１４の両脇に設けた外出口１５
及び再入口１６を通して外部に露出している。即
ち、元巻コア１２より繰出されたインクリボン１
０は外出口１５より外出し、凹部１４を跨いで再
入口１６を通つてカセツト本体１１内の巻取コア
１３に巻取られるように走行する。従つて、イン
クリボン１０は前記走行中、外出口１５の内縁１
５ａ及び再入口１６の内縁１６ａに摺接するか
ら、これらのエツジ部を面取り加工している。

１７は前記インクリボン１０の再入口１６の外
縁に設けたリボン滑り手段で、該リボン滑り手段
１７は第１図二点鎖線の如くインクリボン１０に
弛みが発生した場合において、その弛みが大きく
なる前、即ち弛みが小さいうちにその部分をカセ
ツト内に滑り込ませ得るように構成している。こ
の第１図に示したリボン滑り手段１７は最も代表
な例で、前記再入口１６の外縁を２mm半径以上の
曲率をもつ曲面１８を設けた場合である。ここに
曲面１８の曲率を２mm半径以上としたのは２mm半
径未満の場合はインクリボン１０に弛みが生じた
場合、その弛み部分をカセツト内へ滑り込ませる
だけの滑り性が得られないからである。また、２
mm半径以上といつてもカセツト本体１１の大きさ
との関係で自ずと上限は決定される。

第２図はリボン滑り手段１７の他の例で、前記
再入口１６の外縁を外方に向けて拡開する傾斜面
１９とした場合である。この場合は再入口１６の
内縁１６ａとの最大寸法と最小寸法ａはｂ≧２
mm、ａ≧１mm程度に決定することが好ましい。

第３図はリボン滑り手段１７の第三の例で、前
記再入口１６の外縁に回転ローラ２０を軸支した
場合である。この場合はインクリボン１０の弛み
が回転ローラ２０の回転でカセツト内に滑り込め
る利点がある。

○実験例 いま、インクリボンの再入口の外縁に３mm半径
の曲面を設けた本発明カセツトと、再入口に巾１
mmのスリツトのみを設けた従来カセツトを用い、
１スクロール（230ｍ＝A4の記録紙17枚分）の印
字を行つたところ、本発明カセツトと在来カセツ
トでは印字品質に差は生じなかつたが、在来カセ
ツトではインクリボンがループ状に引き出されて
しまう現象が６度発生したのに対し、本発明カセ
ツトでは１度も発生しなかつた。

〔発明の効果〕

以上の如く、この発明はカセツト本体内に設け
た元巻コアと巻取コアに巻設されたインクリボン
の外出口及び再入口を印字ヘツドが嵌合する凹部
の両脇に設けたインクリボンカセツトにおいて、
前記インクリボンの再入口の外縁にリボン滑り手
段を設けたことを特徴としているから、印字作動
時にインクリボンが外出口を出て再入口からカセ
ツト内に入る際にインクリボンは再入口外縁のリ
ボン滑り手段により引つ掛かることがないし、再
入口外縁側にインクリボンの弛みが発生したとし
ても、その弛みが大きくなる前にカセツト内に確
実に滑り込ませることができ、従来の如く再入口
を大きくす必要がないので、インクリボンの走行
が不安定し、巻取コアにきれいに巻取られ、巻取
トルクを重くするようなことがないなど各種の優
れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの発明の実施例を示すも
ので、第１図はカセツト本体の平面断面図、第２
図はリボン滑り手段の第二の例を示す要部拡大断
面図、第３図はリボン滑り手段の第三の例を示す
要部拡大断面図、第４図は一般的な印字装置の斜
視図、第５図は従来例を示す平面断面図である。 １０……インクリボン、１１……カセツト本
体、１２……元巻コア、１３……巻取コア、１４
……凹部、１５……外出口、１６……再入口、１
７……リボン滑り手段、１８……曲面、１９……
傾斜面、２０……回転ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カセツト本体内に設けた元巻コアと巻取コア
   に巻設されたインクリボンの外出口及び再入口を
   印字ヘツドが嵌合する凹部の両脇に設けたインク
   リボンカセツトにおいて、前記インクリボンの再
   入口の外縁にリボン滑り手段を設けたことを特徴
   とするインクリボンカセツト。 ２ 前記リボン滑り手段が、２mm半径以上の曲面
   で構成されている特許請求の範囲第１項記載のイ
   ンクリボンカセツト。 ３ 前記リボン滑り手段が、外方に向けて拡開す
   る傾斜面で構成されている特許請求の範囲第１項
   記載のインクリボンカセツト。 ４ 前記リボン滑り手段が、回転ローラで構成さ
   れている特許請求の範囲第１項記載のインクリボ
   ンカセツト。