JPH056292B2 - - Google Patents
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- JPH056292B2 JPH056292B2 JP24417783A JP24417783A JPH056292B2 JP H056292 B2 JPH056292 B2 JP H056292B2 JP 24417783 A JP24417783 A JP 24417783A JP 24417783 A JP24417783 A JP 24417783A JP H056292 B2 JPH056292 B2 JP H056292B2
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Landscapes
- Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
- High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
- Manufacture Of Switches (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は、真空バルブの製造方法に係り、特に
その接点の製造方法の改良に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 周知のように、大容量特に高電圧用の真空バル
ブの接点は、銅(Cu)−クロム(Cr)を主成分と
した接点材料から形成されている。この種の接点
の特徴は、銅(Cu)に固溶度が殆んど零で熱電
子放出が少なく、銅(Cu)に比較して耐溶着性
に優れたクロム(Cu)と導電性に優れた銅(Cu)
を配合することにより、優れた耐溶着性、耐電圧
性及びしや断性を発揮することである。 ところで、真空しや断器は、小形軽量、メンテ
ナンスフリー、環境調和等の他の形式のしや断器
に比較して優れた特徴を有するため、適用範囲が
急速に拡大されてきた。従来一般的に使用されて
いた20KA以下の回路からさらに大電流(例えば
40〜60KA)の回路に、又、36KV以下の回路か
らさらに高電圧(例えば72KV以上)の回路に適
用範囲が拡大されている。 このような真空しや断器の大電流化や高電圧化
に伴なつて、接点特性の向上も要求されてきた。
優れた耐溶着性、耐電圧性は、接点の小形化を通
じて真空バルブの小形化、さらには真空しや断器
全体の小形化に貢献するので、上記した適用範囲
の拡大には必要不可欠の特性といえる。しかし
て、接点の耐電圧性は、採点材料の合金の融点、
硬度、蒸気圧、溶着防止成分の量及びその分布形
態が大きく関与する。 一方、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点は、周
知のタングステン(W)(融点3380℃、沸点6000℃)
−銅(Cu)系合金に比較して、タングステン(W)
よりかなり融点の低いクロム(Cr)(融点1875
℃、沸点2430℃)を主成分としているために、ア
ーク熱により高温になつた高融点金属から放出さ
れる熱電子が、タングステン(W)−銅(Cu)系
接点に比較して低く、熱電子の放出により発生す
る電流消滅後の絶縁耐力の回復阻害は軽減される
特徴を有している。 しかしながら、クロム(Cr)は、きわめて酸
化しやすい金属である。又、形成された酸化物
は、水素又は真空中できわめて解離しにくいた
め、接点製作後最終的に真空封着する真空バルブ
の製作過程において、接点表面が大気中の水分や
酸素その他のガス等により汚染されやすい。しか
して、接点表面が汚染された場合には、真空バル
ブのしや断性や耐電圧性に悪影響を及ぼすので、
真空封着前の接点の取扱いにはきわめて厳重な管
理が必要となり、これが真空バルブ製作上の大き
な問題となつていた。 又、銅(Cu)−クロム(Cr)系接点の耐溶着性
を向上させる手段として、接点の表面を高エネル
ギー密度熱源で部分的に溶融冷却するもの(特開
昭57−502144号公報)が提案されている。しか
し、この場合でも、溶融冷却するタイミングを適
正に選ばないと、溶融冷却後の接点表面が封着前
に既に汚染されてしまい、真空バルブのしや断性
や耐溶着性を低下させてしまう。 したがつて、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点
を備えた真空バルブを製作する場合には、この接
点の製作から最終の封着に至るまでの間に、接点
の特性を低下させない製造方法が必要となる。 〔発明の目的〕 本発明は、上記した事情に鑑みなされたもの
で、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点を備えた真
空バルブの製造方法において、接点表面の汚染が
なく、しや断性や耐溶着性の向上を計つた真空バ
ルブの製造方法を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、接点を固着した通電軸を端板に取着
し、しかる後この端板を絶縁容器に封着する真空
バルブの製造方法において、接点を銅(Cu)と
クロム(Cr)の焼結体の表面に、100μm以下の
銅(Cu)もしくはクロム(Cr)の単体層又は合
金層を最終表面層が銅(Cu)となるように一層
以上付着させ、この後高エネルギー密度を有する
熱源で加熱して合金化させることにより、接点表
面の汚染が少なく、しや断性や耐溶着性を低下さ
せることのない真空バルブの製造方法である。 〔発明の実施例〕 以下本発明の一実施例を図面について説明す
る。 まず、本発明に関連する真空バルブの全体構成
を第1図を参照して説明する。真空容器1は、ア
ルミナ磁器材から形成された絶縁容器2、この絶
縁容器2の両端を熱膨張係数が絶縁容器2に近似
する鉄(Fe)−ニツケル(Ni)−コバルト(Co)
系又は鉄(Fe)−ニツケル(Ni)系合金から形成
された端板3a及び3bとから構成され、内部圧
力が10-4Torr以上の真空としたものである。こ
の真空容器1の内部には、一対の接離自在としか
つ接点を備えた電極4a,4bが設けられてい
る。この電極の一方の4aには例えば無酸素銅か
らなる固定通電軸5aが取付けられ、端板3aを
気密に貫通して外部に導出されており、他方の4
bには同様に無酸素銅からなる可動通電軸5bが
取付けられ、例えばステンレス材から形成された
ベローズ6を介して端板3bに取付けられ、真空
保持状態で電極4a及び4bの接離自在を可能と
している。電極4a及び4bの周囲を取巻くよう
にアークシールド7が設けられ、電流開閉器に電
極4a及び4bから発生する金属蒸気が絶縁容器
2の内壁に付着するのを防止している。 次に、上記構成をなす真空バルブの製造方法に
ついて説明する。最初に、本発明に使用する接点
を第2図について説明する。同図において、10
はクロム(Cr)11と銅(Cu)12の焼結体で、
この焼結体10の一方の表面に、銅(Cu)13
とクロム(Cr)14の薄膜を真空蒸着により付
着させて接点を形成する。この薄膜の厚さは、後
で行なう表面溶融の条件や接点に要求される特性
により選択されるが、100μm以下とするのが適
当である。もし、薄膜が厚いと、後に行なう表面
溶融に大きなエネルギーを必要とし、溶融処理時
間が長くなる等実用上不利となる。又、クロム
(Cr)14と銅(Cu)13の各付着厚さも成分比
が適正な値になるように選択する。次に、上記し
た接点に通電軸5aをろう付けする。なお、電流
をしや断するときアークを駆動するコイルを設け
る場合もあるが、本実施例では省略する。第3図
において、銅(Cu)13とクロム(Cr)14の
薄膜が付着された焼結体10と通電軸5aを、水
素又は10-4Torr以上の真空中でろう付けし、ろ
う付部15aを得る。このろう付部15aの信頼
性を向上させるために、ろう付け側にも銅(Cu)
層を付着させておいてもよい。なお、通電軸5b
についても、同様にして焼結体10をろう付けす
る。又、このろう付け後通電軸5aは端板3a
に、通電軸5bはベローズ6を介して端板3bに
それぞれろう付けする。次に、上記した通電軸5
aにろう付けした焼結体10の銅(Cu)13と
クロム(Cr)14の薄膜表面に電子ビーム又は
レーザのような高エネルギー密度を有する熱源で
加熱して溶融させる。第4図において、電子銃1
6から放射される電子ビーム17を、銅(Cu)
とクロム(Cr)の薄膜に照射し溶融させる。な
お、同図に示す符号18は電子銃16に高電圧を
付加するケーブル、19は電子ビーム17の照射
により銅(Cu)とクロム(Cr)の薄膜が溶融凝
固した部分を示す。この溶融凝固した部分の金属
組織は、高エネルギー密度の電子ビーム17によ
り、急速に溶融され凝固したものであるから、ク
ロム(Cr)と銅(Cu)がきわめて微細に混合し
た状態になつている。さらに、電子ビーム17を
10-4Torr以上の高真空中で照射するため、溶融
凝固された部分は、その表面を含めてきわめて清
浄な状態になつている。 この清浄であることは、後述する接点の信頼性
の向上に寄与している。なお、通電軸5bの場合
も同様にして、焼結体10の銅(Cu)とクロム
(Cr)の薄膜に電子ビーム17を照射して溶融凝
固する。次に、この通電軸5aやアークシールド
7等が取着されて部分組立をされた端板3aと絶
縁容器2を、10-4Torr以上の高真空中でろう付
けし封着する。なお、端板3bの場合は、ベロー
ズ6を介して通電軸5bが取着され部分組立をさ
れるが、同様にして絶縁容器2にろう付けされ封
着される。 このようにして製作するので、接点表面に銅
(Cu)とクロム(Cr)がきわめて微細に混合され
た層が形成され、しかもその表面の汚染がきわめ
て少ない接点を備えた真空バルブを得ることがで
きる。 なお、上述の説明では、接点表面の付着層を、
銅(Cu)が2層とクロム(Cr)が1層としたが、
銅(Cu)を1層としてもよく、銅(Cu)とクロ
ム(Cr)の合金層を付着させるようにしてもよ
い。又、付着する方法は真空蒸着以外に、メツ
キ、溶射、圧着等の何れでもよい。 次に、本発明に関連した実験例を比較のために
行なつた参考例と併せて説明する。 粒径が約100μmのクロム(Cr)を用い、30Wt
%のクロム(Cr)を含有する銅(Cu)−クロム
(Cr)スケルトンを水素中1150℃で仮焼結後、水
素中1150℃で銅(Cu)を溶浸し、最後的に40%
のクロム(Cr)を含有する銅(Cu)−クロム
(Cr)合金を2組製作した。このうち、1組は、
脱脂洗浄し直に従来の方法により通電軸に取着し
た後、真空封着して真空バルブを製作した(参考
例1)。他の1組は、脱脂洗浄し導電軸に取着し
た後、上述の順序により40%銅(Cu)−クロム
(Cr)ベース合金の表面に、銅(Cu)とクロム
(Cr)の薄膜を各30μm付着させ、しかる後、電
子ビームによつて薄膜を溶融し合金化させると共
に、上記40%クロム(Cr)−銅(Cu)ベース合金
と一体化し、この後真空封着をして真空バルブを
製作した(実験例1)。なお、電子ビームは、加
速電圧30KV、ビーム電流50mAで照射した。 これらの耐溶着性を第1表に示す。
その接点の製造方法の改良に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 周知のように、大容量特に高電圧用の真空バル
ブの接点は、銅(Cu)−クロム(Cr)を主成分と
した接点材料から形成されている。この種の接点
の特徴は、銅(Cu)に固溶度が殆んど零で熱電
子放出が少なく、銅(Cu)に比較して耐溶着性
に優れたクロム(Cu)と導電性に優れた銅(Cu)
を配合することにより、優れた耐溶着性、耐電圧
性及びしや断性を発揮することである。 ところで、真空しや断器は、小形軽量、メンテ
ナンスフリー、環境調和等の他の形式のしや断器
に比較して優れた特徴を有するため、適用範囲が
急速に拡大されてきた。従来一般的に使用されて
いた20KA以下の回路からさらに大電流(例えば
40〜60KA)の回路に、又、36KV以下の回路か
らさらに高電圧(例えば72KV以上)の回路に適
用範囲が拡大されている。 このような真空しや断器の大電流化や高電圧化
に伴なつて、接点特性の向上も要求されてきた。
優れた耐溶着性、耐電圧性は、接点の小形化を通
じて真空バルブの小形化、さらには真空しや断器
全体の小形化に貢献するので、上記した適用範囲
の拡大には必要不可欠の特性といえる。しかし
て、接点の耐電圧性は、採点材料の合金の融点、
硬度、蒸気圧、溶着防止成分の量及びその分布形
態が大きく関与する。 一方、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点は、周
知のタングステン(W)(融点3380℃、沸点6000℃)
−銅(Cu)系合金に比較して、タングステン(W)
よりかなり融点の低いクロム(Cr)(融点1875
℃、沸点2430℃)を主成分としているために、ア
ーク熱により高温になつた高融点金属から放出さ
れる熱電子が、タングステン(W)−銅(Cu)系
接点に比較して低く、熱電子の放出により発生す
る電流消滅後の絶縁耐力の回復阻害は軽減される
特徴を有している。 しかしながら、クロム(Cr)は、きわめて酸
化しやすい金属である。又、形成された酸化物
は、水素又は真空中できわめて解離しにくいた
め、接点製作後最終的に真空封着する真空バルブ
の製作過程において、接点表面が大気中の水分や
酸素その他のガス等により汚染されやすい。しか
して、接点表面が汚染された場合には、真空バル
ブのしや断性や耐電圧性に悪影響を及ぼすので、
真空封着前の接点の取扱いにはきわめて厳重な管
理が必要となり、これが真空バルブ製作上の大き
な問題となつていた。 又、銅(Cu)−クロム(Cr)系接点の耐溶着性
を向上させる手段として、接点の表面を高エネル
ギー密度熱源で部分的に溶融冷却するもの(特開
昭57−502144号公報)が提案されている。しか
し、この場合でも、溶融冷却するタイミングを適
正に選ばないと、溶融冷却後の接点表面が封着前
に既に汚染されてしまい、真空バルブのしや断性
や耐溶着性を低下させてしまう。 したがつて、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点
を備えた真空バルブを製作する場合には、この接
点の製作から最終の封着に至るまでの間に、接点
の特性を低下させない製造方法が必要となる。 〔発明の目的〕 本発明は、上記した事情に鑑みなされたもの
で、銅(Cu)−クロム(Cr)系の接点を備えた真
空バルブの製造方法において、接点表面の汚染が
なく、しや断性や耐溶着性の向上を計つた真空バ
ルブの製造方法を提供することを目的とする。 〔発明の概要〕 本発明は、接点を固着した通電軸を端板に取着
し、しかる後この端板を絶縁容器に封着する真空
バルブの製造方法において、接点を銅(Cu)と
クロム(Cr)の焼結体の表面に、100μm以下の
銅(Cu)もしくはクロム(Cr)の単体層又は合
金層を最終表面層が銅(Cu)となるように一層
以上付着させ、この後高エネルギー密度を有する
熱源で加熱して合金化させることにより、接点表
面の汚染が少なく、しや断性や耐溶着性を低下さ
せることのない真空バルブの製造方法である。 〔発明の実施例〕 以下本発明の一実施例を図面について説明す
る。 まず、本発明に関連する真空バルブの全体構成
を第1図を参照して説明する。真空容器1は、ア
ルミナ磁器材から形成された絶縁容器2、この絶
縁容器2の両端を熱膨張係数が絶縁容器2に近似
する鉄(Fe)−ニツケル(Ni)−コバルト(Co)
系又は鉄(Fe)−ニツケル(Ni)系合金から形成
された端板3a及び3bとから構成され、内部圧
力が10-4Torr以上の真空としたものである。こ
の真空容器1の内部には、一対の接離自在としか
つ接点を備えた電極4a,4bが設けられてい
る。この電極の一方の4aには例えば無酸素銅か
らなる固定通電軸5aが取付けられ、端板3aを
気密に貫通して外部に導出されており、他方の4
bには同様に無酸素銅からなる可動通電軸5bが
取付けられ、例えばステンレス材から形成された
ベローズ6を介して端板3bに取付けられ、真空
保持状態で電極4a及び4bの接離自在を可能と
している。電極4a及び4bの周囲を取巻くよう
にアークシールド7が設けられ、電流開閉器に電
極4a及び4bから発生する金属蒸気が絶縁容器
2の内壁に付着するのを防止している。 次に、上記構成をなす真空バルブの製造方法に
ついて説明する。最初に、本発明に使用する接点
を第2図について説明する。同図において、10
はクロム(Cr)11と銅(Cu)12の焼結体で、
この焼結体10の一方の表面に、銅(Cu)13
とクロム(Cr)14の薄膜を真空蒸着により付
着させて接点を形成する。この薄膜の厚さは、後
で行なう表面溶融の条件や接点に要求される特性
により選択されるが、100μm以下とするのが適
当である。もし、薄膜が厚いと、後に行なう表面
溶融に大きなエネルギーを必要とし、溶融処理時
間が長くなる等実用上不利となる。又、クロム
(Cr)14と銅(Cu)13の各付着厚さも成分比
が適正な値になるように選択する。次に、上記し
た接点に通電軸5aをろう付けする。なお、電流
をしや断するときアークを駆動するコイルを設け
る場合もあるが、本実施例では省略する。第3図
において、銅(Cu)13とクロム(Cr)14の
薄膜が付着された焼結体10と通電軸5aを、水
素又は10-4Torr以上の真空中でろう付けし、ろ
う付部15aを得る。このろう付部15aの信頼
性を向上させるために、ろう付け側にも銅(Cu)
層を付着させておいてもよい。なお、通電軸5b
についても、同様にして焼結体10をろう付けす
る。又、このろう付け後通電軸5aは端板3a
に、通電軸5bはベローズ6を介して端板3bに
それぞれろう付けする。次に、上記した通電軸5
aにろう付けした焼結体10の銅(Cu)13と
クロム(Cr)14の薄膜表面に電子ビーム又は
レーザのような高エネルギー密度を有する熱源で
加熱して溶融させる。第4図において、電子銃1
6から放射される電子ビーム17を、銅(Cu)
とクロム(Cr)の薄膜に照射し溶融させる。な
お、同図に示す符号18は電子銃16に高電圧を
付加するケーブル、19は電子ビーム17の照射
により銅(Cu)とクロム(Cr)の薄膜が溶融凝
固した部分を示す。この溶融凝固した部分の金属
組織は、高エネルギー密度の電子ビーム17によ
り、急速に溶融され凝固したものであるから、ク
ロム(Cr)と銅(Cu)がきわめて微細に混合し
た状態になつている。さらに、電子ビーム17を
10-4Torr以上の高真空中で照射するため、溶融
凝固された部分は、その表面を含めてきわめて清
浄な状態になつている。 この清浄であることは、後述する接点の信頼性
の向上に寄与している。なお、通電軸5bの場合
も同様にして、焼結体10の銅(Cu)とクロム
(Cr)の薄膜に電子ビーム17を照射して溶融凝
固する。次に、この通電軸5aやアークシールド
7等が取着されて部分組立をされた端板3aと絶
縁容器2を、10-4Torr以上の高真空中でろう付
けし封着する。なお、端板3bの場合は、ベロー
ズ6を介して通電軸5bが取着され部分組立をさ
れるが、同様にして絶縁容器2にろう付けされ封
着される。 このようにして製作するので、接点表面に銅
(Cu)とクロム(Cr)がきわめて微細に混合され
た層が形成され、しかもその表面の汚染がきわめ
て少ない接点を備えた真空バルブを得ることがで
きる。 なお、上述の説明では、接点表面の付着層を、
銅(Cu)が2層とクロム(Cr)が1層としたが、
銅(Cu)を1層としてもよく、銅(Cu)とクロ
ム(Cr)の合金層を付着させるようにしてもよ
い。又、付着する方法は真空蒸着以外に、メツ
キ、溶射、圧着等の何れでもよい。 次に、本発明に関連した実験例を比較のために
行なつた参考例と併せて説明する。 粒径が約100μmのクロム(Cr)を用い、30Wt
%のクロム(Cr)を含有する銅(Cu)−クロム
(Cr)スケルトンを水素中1150℃で仮焼結後、水
素中1150℃で銅(Cu)を溶浸し、最後的に40%
のクロム(Cr)を含有する銅(Cu)−クロム
(Cr)合金を2組製作した。このうち、1組は、
脱脂洗浄し直に従来の方法により通電軸に取着し
た後、真空封着して真空バルブを製作した(参考
例1)。他の1組は、脱脂洗浄し導電軸に取着し
た後、上述の順序により40%銅(Cu)−クロム
(Cr)ベース合金の表面に、銅(Cu)とクロム
(Cr)の薄膜を各30μm付着させ、しかる後、電
子ビームによつて薄膜を溶融し合金化させると共
に、上記40%クロム(Cr)−銅(Cu)ベース合金
と一体化し、この後真空封着をして真空バルブを
製作した(実験例1)。なお、電子ビームは、加
速電圧30KV、ビーム電流50mAで照射した。 これらの耐溶着性を第1表に示す。
【表】
この第1表から明らかなように、電子ビームに
より表面処理した実施例1では、耐溶着性の大幅
な向上が得られた。これは、クロム(Cr)が0.1μ
m又はそれ以下に微細化され、溶着の主な原因と
なる銅(Cu)同志の接触の確率が著しく少なく
なつた効果によるものと考えられる。 次に、実験例1と参考例1の真空封着直前の接
点の表面汚洗状態を接触抵抗法によつて比較し
た。ここで、参考例2は、参考例1と同じ接点に
実施例1と同じ条件の電子ビームを照射したもの
である。 これらの接触抵抗を第2表に示す。
より表面処理した実施例1では、耐溶着性の大幅
な向上が得られた。これは、クロム(Cr)が0.1μ
m又はそれ以下に微細化され、溶着の主な原因と
なる銅(Cu)同志の接触の確率が著しく少なく
なつた効果によるものと考えられる。 次に、実験例1と参考例1の真空封着直前の接
点の表面汚洗状態を接触抵抗法によつて比較し
た。ここで、参考例2は、参考例1と同じ接点に
実施例1と同じ条件の電子ビームを照射したもの
である。 これらの接触抵抗を第2表に示す。
本発明は、以上のように構成されているから、
(1) 接点表面に、クロム(Cr)の酸化物が形成
されることがなく汚洗されないので、接触抵抗
が増大しない。 (2) 接点表面が、銅(Cu)とクロム(Cr)が極
めて微細に分散した金属組織になるので、耐溶
着性が優れている。 等の多くの利点を備えた真空バルブを製作するこ
とができる。
されることがなく汚洗されないので、接触抵抗
が増大しない。 (2) 接点表面が、銅(Cu)とクロム(Cr)が極
めて微細に分散した金属組織になるので、耐溶
着性が優れている。 等の多くの利点を備えた真空バルブを製作するこ
とができる。
第1図は本発明に関連する真空バルブの構成を
示す断面図、第2図は本発明の一実施例の接点の
断面図、第3図は本発明の一実施例の接点に通電
軸を固着した状態を示す断面図、第4図は本発明
の一実施例の接点表面の薄膜を溶融凝固させる方
法を示す説明図である。 1……真空容器、3a,3b……端板、4a,
4b……電極、5a,5b……通電軸、10……
焼結体、11……クロム粒、12……銅、13…
…銅の薄膜、14……クロムの薄膜、17……電
子ビーム。
示す断面図、第2図は本発明の一実施例の接点の
断面図、第3図は本発明の一実施例の接点に通電
軸を固着した状態を示す断面図、第4図は本発明
の一実施例の接点表面の薄膜を溶融凝固させる方
法を示す説明図である。 1……真空容器、3a,3b……端板、4a,
4b……電極、5a,5b……通電軸、10……
焼結体、11……クロム粒、12……銅、13…
…銅の薄膜、14……クロムの薄膜、17……電
子ビーム。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 接点を固着した通電軸を端板に取着し、しか
る後この端板を絶縁容器に封着する真空バルブの
製造方法において、前記接点を銅(Cu)とクロ
ム(Cr)の焼結体の表面に、100μm以下の銅
(Cu)もしくはクロム(Cr)の単体層又は合金層
を最終表面層が銅(Cu)となるように一層以上
付着させ、この後高エネルギー密度を有する熱源
で加熱して合金化させることを特徴とする真空バ
ルブの製造方法。 2 銅(Cu)もしくはクロム(Cr)の単体層又
は合金層を、蒸着、メツキ、溶射又は圧着により
焼結体の表面に付着することを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の真空バルブの製造方法。 3 接点の通電軸と固着する面に銅(Cu)層を
付着させておくことを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の真空バルブの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24417783A JPS60136118A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 真空バルプの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24417783A JPS60136118A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 真空バルプの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60136118A JPS60136118A (ja) | 1985-07-19 |
JPH056292B2 true JPH056292B2 (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=17114906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24417783A Granted JPS60136118A (ja) | 1983-12-26 | 1983-12-26 | 真空バルプの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60136118A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63141226A (ja) * | 1986-12-01 | 1988-06-13 | 株式会社東芝 | 真空バルブ |
JP2004273342A (ja) * | 2003-03-11 | 2004-09-30 | Toshiba Corp | 真空バルブ用接点材料及び真空バルブ |
JP2012004076A (ja) * | 2010-06-21 | 2012-01-05 | Toshiba Corp | 真空バルブ用接点およびその製造方法 |
-
1983
- 1983-12-26 JP JP24417783A patent/JPS60136118A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60136118A (ja) | 1985-07-19 |
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