JPH0562355U - 自動車用ドアトリム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 部品点数が少なくて生産性および取付作業性
がよく、しかも、アームレスト部やオーナメント部がそ
れぞれの目的に応じたクッション性を発揮することがで
きる自動車用ドアトリムを提供すること。 【構成】 アームレストベース部２が形成されている成
形トリムボード１と、軟質の発泡合成樹脂よりなるオー
ナメントパッド部６の下端にこれより硬い発泡合成樹脂
よりなるアームレストパッド部５が前向きに連設された
パッド芯の表裏に表皮材７と裏生地８とが一体成形され
ている成形表装部材４とよりなり、成形トリムボード１
に対して成形表装部材４を前記裏生地８をもって接着し
てあるもの。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、製作が容易なうえにクッション効果に優れており、しかも、見栄え のよい自動車用ドアトリムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

アームレストベース部が形成されている成形トリムボードに目的に応じた硬さ のパッド材と表皮材を表装した自動車用ドアトリムは実開昭５８─５４３１９号 公報、実開昭６２─１３７１２０号公報、実開昭６２─１７６０４０号公報など をみるまでもなく従来から広く知られている。

【０００３】 ところが、従来のこの種自動車用ドアトリムにおける表装部材は、アームレス ト部材とオーナメント部材とをそれぞれの目的に応じて異種材質により別に作成 したものであって、成形トリムボードに装着した際にアームレスト部とオーナメ ント部との間に隙間ができたり装着不良を生じたりして見栄えが悪くなるという 問題点があるとともに、部品点数が多いために生産性および取付作業性が劣ると いう問題点があった。そこで、アームレスト部とオーナメント部よりなるパッド 材に表皮を一体成形した成形表装部材を使用する試みもなされているが、この場 合にはパッド材が全て同一材質によるものとなるため、各部のクッション性がそ れぞれの目的に応じたものとすることができず機能性に劣るという問題点があり 、更には、凹凸等の形状変化をつけにくくデザイン上の制約を受けて意匠的な変 化に乏しくなるという問題点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記のような従来の問題点を解決して、部品点数が少なくて生産性お よび取付作業性がよく、しかも、アームレスト部やオーナメント部がそれぞれの 目的に応じたクッション性を発揮することができるとともに、デザイン上の制約 もなく意匠的変化に富んだものとすることができる自動車用ドアトリムを提供す ることを目的として完成されたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するためになされた本考案の自動車用ドアトリムは、軟質の 発泡合成樹脂よりなるオーナメントパッド部の下端にこれより硬い発泡合成樹脂 よりなるアームレストパッド部が前向きに連設されたパッド芯の表裏に表皮材と 裏生地とが一体成形されている成形表装部材を、アームレストベース部が形成さ れている成形トリムボードに前記裏生地をもって接着してあることを特徴とする ものである。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案を図示の実施例について詳細に説明する。 図中１は周知の成形トリムボードであって、そのほぼ中央部にはアームレスト ベース部２がオーナメント貼付部３の下端から前向きに形成されている。４は成 形トリムボード１の前記アームレストベース部２とオーナメント貼付部３に対応 する形状に成形されている成形表装部材であって、該成形表装部材４は軟質のポ リウレタンフォームなどの発泡合成樹脂よりなるオーナメントパッド部６の下端 にこれより硬い同じくポリウレタンフォームなどの発泡合成樹脂よりなるアーム レストパッド部５が前向きに連設されたパッド芯をその表裏が起毛地などの表皮 材７と成形不織布などの裏生地８により包蔵された状態として一体成形してなる ものである。そして、この成形表装部材４は前記アームレストベース部２をアー ムレストパッド部５が覆いオーナメント貼付部３をオーナメントパッド部６が覆 うように成形トリムボード１の表面に対して前記裏生地８をもって接着してある 。なお、図中９は前記成形トリムボード１のうち成形表装部材４のない部分の表 面から裏面周縁にわたり被装される塩化ビニルレザー等の一般表皮材である。

【０００７】 なお、前記したような成形表装部材４の成形は、例えば図３に示されるように 、所定形状のキャビティを形成するよう構成された下型２０と上型２１との間に それぞれ表皮材７と成形不織布８とを真空吸引により馴染ませたうえ、アームレ ストパッド部２に対応する部分に先ず樹脂注入機２２より例えばやや硬質のポリ ウレタン原料を注入し、次いで、オーナメントパッド部３に対応する部分に別の 樹脂注入機２３より軟質のポリウレタン原料を注入し、その後、図４に示される ように、直ちに上型２１を閉じてポリウレタン原料を発泡させて軟質のポリウレ タンフォームなどの発泡合成樹脂よりなるオーナメントパッド部６の下端にこれ より硬い同じくポリウレタンフォームなどの発泡合成樹脂よりなるアームレスト パッド部５が前向きに連設されたパッド芯を成形すると同時にその表裏に表皮材 ７と成形裏生地８とを一体化させて該パッド芯を表皮材７と成形裏生地８とで包 蔵させ、次いで、上型２１を開いて成形品を取り出したうえ不要な部分を除去す ることにより行われる。そして、得られた成形表装部材４は裏生地８をもって成 形トリムボード１の表面に対して接着剤で接合すればよい。

【０００８】 なお、実施例においては成形表装部材４がアームレストパッド部５とオーナメ ントパッド部６との間に深溝部を有するものとしたが、その他、任意の形状にデ ザインすることができることは勿論であり、また、表面を覆う表皮材７も一枚物 の他、アームレストパッド部２を覆う部分とオーナメントパッド部３を覆う部分 とをそれぞれ目的に応じるような別材として両者を縫い合わされたものを用いる こともできる。

【０００９】

【作用】

このように構成されたものにおいては、成形表装部材４のアームレストパッド 部５とオーナメントパッド部６とが硬さを異にする材料により表皮材７および裏 生地８とともに成形トリムボード１のアームレストベース部２とオーナメント貼 付部３の形状に対応するように所要の形状に一体発泡成形されたものであって、 この成形表装部材４は成形トリムボード１に対して裏生地８をもって接着するだ けでよいから、部品点数が少なくて優れた生産性および取付作業性等を発揮する とともに、一体成形品でありながらアームレストパッド部５とオーナメントパッ ド部６とがそれぞれの目的に応じた硬度等を有しており使用時における感触性に 優れかつ優れた機能性を発揮することとなる。なお、成形表装部材４の裏面を覆 う裏生地８を実施例のように成形不織布としておけば発泡成形工程中にポリウレ タン原料が含浸するので強度が大きくなりより形状保持性に優れているうえ取扱 いも容易なものとなる。

【００１０】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように、本考案は部品点数が少なくて生産性および 取付作業性がよく、しかも、アームレスト部やオーナメント部がそれぞれの目的 に応じたクッション性を発揮することができるものであり、また、デザイン上の 制約もなく意匠的変化に富んだものとすることができる利点もある。 よって本考案は従来の問題点を一掃した自動車用ドアトリムとして、その実用 的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す縦断側面図である。

【図２】本考案の実施例を示す全体斜視図である。

【図３】成形表装部材の成形工程を示す断面図である。

【図４】図３とは態様を異にして示す成形表装部材の成
形工程の断面図である。

【図５】成形表装部材の縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 成形トリムボード ２ アームレストベース部 ４ 成形表装部材 ５ アームレストパッド部 ６ オーナメントパッド部 ７ 表皮材 ８ 裏生地

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軟質の発泡合成樹脂よりなるオーナメン
   トパッド部(6) の下端にこれより硬い発泡合成樹脂より
   なるアームレストパッド部(5) が前向きに連設されたパ
   ッド芯の表裏に表皮材(7) と裏生地(8) とが一体成形さ
   れている成形表装部材(4) を、アームレストベース部
   (2) が形成されている成形トリムボード(1) に前記裏生
   地(8) をもって接着してあることを特徴とする自動車用
   ドアトリム。