JP3980080B2 - クッション体入り物品及びその成形装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、椅子の背もたれ部や座体等の家具におけるクッション部、自動車等の乗り物におけるクッション部等のクッション体入り物品及びその成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、椅子における背もたれ部や座体は、発泡ウレタン樹脂や、スポンジ体等のクッション体の広幅表面及び周縁部表面を合成皮革、織物パネル(織物の裏面側に合成樹脂製シートを密着させたもの、以下同じ)等のカバーにて一体的に覆ってクッション部を構成しているのが一般的である。このクッション部を製造する方法として、特公昭57−1271号公報では、一方の金型の型面(キャビティ表面)に前記織物パネルを、その合成樹脂製シートがキャビティ内に位置するように真空吸着させた状態にて、他方の金型と合わせ、両金型のキャビティ内に発泡樹脂を充填させ、この発泡樹脂を固化させたのち、両金型を離して一体成形することを開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のクッション部を椅子のシェル(硬質の合成樹脂製の殻状の支持部材、以下同じ)の内面に固定するには、クッション体の周縁から外に延びるカバーの縁片(自由縁片)を前記シェルとの間に巻き込むように差し込んでから固定するというように、組立作業に手間が掛かるという問題があった。
【0004】
この問題を解決する手段として、本出願人は、先に実開平4−133800号公報において、クッション体の周縁角部にカバーの皺部を嵌め入れるための溝部を設けることを提案したが、この手段を採用したとしても、クッション体をシェル(支持部材)に固定する作業が残るから、椅子等の組立作業に手間がかかるという問題は解決しないのであった。
【0005】
本発明は、これらの従来の問題点を一挙に解決すべくなされたものであって、カバー付きのクッション体とシェル等の支持部材とからなる物品を一体的に製作することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明のクッション体入り物品は、硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置し、該クッション体の広幅表面とその周縁部の表面を覆うカバーの全周縁部における自由端片のみを、前記シェルにおける前記クッション体との対面側のうち外周近傍に凹み形成された溝内において、前記シェルの合成樹脂材の射出成形により一体的に固定されているものである。
【0007】
また、請求項2に記載の発明のクッション体入り物品の成形装置は、硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置してなる物品の輪郭形状を有するキャビティを備えた一対の成形金型のうちの一方の成形金型のキャビティ内に、クッション体とその広幅表面及び周縁部表面を覆うためのカバーとを配置し、前記クッション体の裏面側のキャビティ内に合成樹脂材を充填してクッション体入り物品を射出成形する装置であって、一方の成形金型には、そのキャビティ内に突出して、前記カバーの一部周縁または全周縁における自由端片の外側を支持し、且つ前記シェルに固定するべき溝を形成するためのリブを備えているものである。
【0008】
【実施例】
次に、本発明を具体化した実施例について説明すると、図1は、完成体としての椅子における背もたれ部1であって、硬質の合成樹脂製のシェル2の表面側には、軟質発泡ウレタン樹脂や、スポンジ体等のクッション体3の広幅表面及び周縁部表面を合成皮革、織物パネル(織物の裏面側に合成樹脂製シートを密着させたもの、以下同じ)等の可撓性を有する表装体としてのカバー4(以下同じ)にて一体的に覆ってクッション部を構成している。そして、クッション体3の周縁部を覆うカバー4の周縁部のうち、自由端片4aは、後述するナイロン樹脂等の熱可塑性の合成樹脂材15の射出成形時にはリブ12の内周面に沿うように拘束され、そのリブ12にて形成される溝5に沿ってシェル2内の合成樹脂で固定されるものである。
【0009】
第1実施例では、前記背もたれ部1を一体的に成形するための装置として、シェル2及びクッション部を有する物品の輪郭形状のキャビティを有する一対の成形金型10,11を備える。一方の成形金型10におけるキャビティは、前記クッション部の前面の輪郭形状及びシェル2の前面輪郭形状通りのキャビティ面10aを有する(図2及び図3参照)。前記キャビティ面10aには、前記カバー4の一部周縁または全周縁を支持するための規制体としてのリブ12が突出している。また、他方の成形金型11におけるキャビティ面11aは前記シェル2の背面側の輪郭形状を有する。リブ12の厚さは0.5mm 〜2mm である。
【0010】
成形作業にあたり、まず、図2に示すように、一方の成形金型10のキャビティ面10aのうち、前記リブ12より内周側にカバー4を配置し、該カバー4の周縁をリブ12の内周面に沿うように立ち上がらせ、次いで、そのカバー4の裏面側に前記クッション体3を挿入する。この場合、クッション体3の裏面よりもカバー4の自由端片が若干キャビティ面11a方向に突出していることが望ましい(図5参照)。
【0011】
次いで、図4に示すように、前記一方の成形金型10のキャビティ面10aを覆うように、キャビティ面11aを下にして他方の成形金型11にて密閉し、スプール14から溶融状のナイロン樹脂等の合成樹脂材15を注入し、クッション体及びカバー4の広幅面と周縁部とを除く空間(キャビティ)を前記合成樹脂材15にて充填する。
【0012】
この場合、前記カバー4の一部周縁または全周縁は前記リブ12にて外径側に倒れないように拘束され、換言すると、カバー4のほぼ全周縁にわたってその自由端片4aがクッション体3の裏面に近寄るように倒れ可能であるから、当該カバー4のほぼ全周縁にわたってその自由端片4aは、キャビティ内の合成樹脂材15内に埋没されるかもしくは接着されることになり、この合成樹脂材15が固化し、両成形金型10,11を外して背もたれ部1を一体的に成形した後には、自由端片4aは外れず、且つシェル2の肉厚部または溝5の内面側に埋設された状態となるので、カバー4の周縁の自由端片がほつれる等の不都合がなくなり、カバー4の周縁の後始末をする必要がなくなるのである。
【0013】
なお、前記キャビティ内への合成樹脂材15の注入圧力により、スポンジ状のクッション体3の厚さが縮むと、前記カバー4のほぼ全周縁にわたってその自由端片4aがクッション体3の裏面に近寄り勝手となり、自由端片4aが固化した合成樹脂材15のシェル2の肉厚内に埋設されて、一層外れ難くなるという効果を奏する。また、リブ12が一方の成形金型10のキャビティ内にてクッション体3の四周を囲むように、少なくとも4か所に設ければ、前記キャビティ内でカバー4及びクッション体3の位置ずれが発生しないから、成形作業が至極容易になるという効果も奏する。
【0014】
図6は、硬質合成樹脂製のシェル2の上面側にスポンジ状のクッション体3と織物パネル製の可撓性を有するカバー4にて一体的に覆ってクッション部を構成してなる座体6を成形するための成形装置であり、この場合も、一方の成形金型10のキャビティ面10aは、前記クッション部の前面の輪郭形状及びシェル2の前面輪郭形状とを有する(図2及び図3参照)。前記キャビティ面10aには、前記カバー4の一部周縁または全周縁を支持するための規制体としてのリブ12が突出している。また、他方の成形金型11におけるキャビティ面11aは前記シェル2の背面側の輪郭形状を有する。
【0015】
本発明は、椅子のクッション体入り座体、背もたれ部の他、自動車等の座席やその他の物品にも適用できることはいうまでもない。
【0016】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明のクッション体入り物品は、硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置し、該クッション体の広幅表面とその周縁部の表面を覆うカバーの全周縁部における自由端片を、前記シェルにおける前記クッション体との対面側のうち外周近傍に凹み形成された溝内において、前記シェルの合成樹脂材と、その固化により一体的に固定されているものである。
【0017】
従って、表装体であるカバーのほぼ全周縁部にわたってその自由端片はシェルの合成樹脂材に埋没されるかもしくは接着されることになり、この合成樹脂材が固化し成形した後には、自由端片は外れず、しかもシェルの肉厚部または溝の内面側に埋設された状態となるので、カバーの自由端片は簡単に外れず、且つカバーの周縁の自由端片がほつれる等の不都合がなくなり、カバーの周縁の後始末をする必要がなくなると言う効果を奏するのである。
【0018】
また、請求項2に記載の発明のクッション体入り物品の成形装置は、硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置してなる物品の輪郭形状を有するキャビティを備えた一対の成形金型のうちの一方の成形金型のキャビティ内に、クッション体とその広幅表面及び周縁部表面を覆うためのカバーとを配置し、前記クッション体の裏面側のキャビティ内に合成樹脂材を充填してクッション体入り物品を射出成形する装置であって、一方の成形金型には、そのキャビティ内に突出して、前記カバーの一部周縁または全周縁における自由端片の外側を支持し、且つ前記シェルに固定するべき溝を形成するためのリブを備えているものである。
【0019】
前記一方の成形金型のキャビティ内に突出させたリブは、カバー及びクッション体の位置決めができると共に、カバーの一部周縁または全周縁の外側を支持するだけであるから、クッション体の裏面側のキャビティ内に合成樹脂材を充填すれば、直ちにカバーの自由端片が注入された合成樹脂に巻き込まれて固化し、カバーと支持部材としての合成樹脂材とカバーとの間にクッション体が入った物品を一体的に製造することができる。そして、リブの箇所は成形後にはクッション体を支持する合成樹脂部分の溝となり、その溝の内面側で合成樹脂材に固定されるから、カバーの自由端片は簡単に外れず、且つカバーの周縁の自由端片がほつれる等の不都合がなくなり、しかも、物品の外観が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 成形した物品(背もたれ部)の断面図である。
【図2】 一方の成形金型へのカバー及びクッション体の配置順序を示す断面図である。
【図3】 一方の成形金型の平面図である。
【図4】 一対の成形金型を密閉した状態の断面図である。
【図5】 一方の成形金型のリブの箇所の変形例である。
【図6】 物品としての座体を成形する場合の一対の成形金型を密閉した状態の断面図である。
【符号の説明】
2 シェル
3 クッション体
4 カバー
4a 自由端片
5 溝
10,11 成形金型
10a,11a キャビティ
12 リブ
14 スプール
15 合成樹脂材
Claims (2)
- 硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置し、該クッション体の広幅表面とその周縁部の表面を覆うカバーの全周縁部における自由端片のみを、前記シェルにおける前記クッション体との対面側のうち外周近傍に凹み形成された溝内において、前記シェルの合成樹脂材の射出成形により一体的に固定されていることを特徴とするクッション体入り物品。
- 硬質の合成樹脂材からなるシェルの表面側にクッション体を配置してなる物品の輪郭形状を有するキャビティを備えた一対の成形金型のうちの一方の成形金型のキャビティ内に、クッション体とその広幅表面及び周縁部表面を覆うためのカバーとを配置し、前記クッション体の裏面側のキャビティ内に合成樹脂材を充填してクッション体入り物品を射出成形する装置であって、
一方の成形金型には、そのキャビティ内に突出して、前記カバーの一部周縁または全周縁における自由端片の外側を支持し、且つ前記シェルに固定するべき溝を形成するためのリブを備えていることを特徴とするクッション体入り物品の成形装置。
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JP07140295A JP3980080B2 (ja) | 1995-03-29 | 1995-03-29 | クッション体入り物品及びその成形装置 |
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JPH08267474A JPH08267474A (ja) | 1996-10-15 |
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1995
- 1995-03-29 JP JP07140295A patent/JP3980080B2/ja not_active Expired - Fee Related
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