JPH0561899B2 - - Google Patents
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- JPH0561899B2 JPH0561899B2 JP61237998A JP23799886A JPH0561899B2 JP H0561899 B2 JPH0561899 B2 JP H0561899B2 JP 61237998 A JP61237998 A JP 61237998A JP 23799886 A JP23799886 A JP 23799886A JP H0561899 B2 JPH0561899 B2 JP H0561899B2
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- cooking
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- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Cereal-Derived Products (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、温食丼弁当の製造方法に関し、特に
長時間保温状態に置いても良好な喫食感が得られ
る温食丼弁当の製造方法に係るものである。 〔従来の技術及び問題点〕 従来では、衛生上の見地から、米飯及び惣菜の
双方を共に常温状態で組合せることにより丼弁当
を製造しており、この常温丼弁当は、そのまま常
温状態で喫食するのが普通である。 ところで、最近、調理直後のような温かい状態
で喫食できる温食状態の丼弁当に対する要望が高
くなり、顧客の要求に応じて、電子レンジ等によ
りマイクロ波照射で常温丼弁当を加熱することに
より、温食状態で喫食する方法が実験的に採用さ
れている。しかし、電子レンジで温食状態に加熱
した常温丼弁当は、喫食感が良好ではない欠点が
ある。これは、照射されたマイクロ波の熱線によ
り、米飯粒の表層を覆う粘性質の糊化が進展する
と共に、米飯粒に含まれた水分が蒸発して、米飯
粒が脱水乾化するためである。更に、米飯が団塊
化するため、マイクロ波照射時に均一に加熱され
ず、十分に加熱された高温部分と、加熱の不十分
な低温部分とが米飯に生じ、喫食時に顧客に違和
感を与える。 このため、炊飯又は蒸煮する際に通常よりも水
の分量を少なくして炊飯又は蒸煮した後、強冷媒
(例えば、液体窒素)を噴射し又は強冷媒中に浸
漬することにより、−18℃以下まで急速に冷凍し
てバラ状冷凍米飯とする方法が提案されている。
また、通常の水の分量で炊飯又は蒸煮した米飯を
圧縮型冷凍機により−18℃以下まで緩慢に冷凍し
てバラ状冷凍米飯とし、得られたバラ状冷凍米飯
と、別に調製して冷凍した惣菜等とを組合せるこ
とにより、冷凍丼弁当を製造し、この冷凍丼弁当
を喫食の際に5〜10分間マイクロ波照射して解凍
する方法も考えられている。しかし、これらの方
法は、何れも満足できる良好な喫食感のある丼弁
当を得ることができない。即ち、それぞれ固有の
凍結点を有する食品材料を冷却するとき、上記凍
結点までは殆ど組織変化のないマルチ状態で食品
材料を冷却できるが、上記凍結点を越えて更に冷
却すると、食品材料の組織に破壊が始まつてその
構成分子の移動が起こり、組織の固化又は脆化が
生ずる。凍結点以下に米飯を冷却する場合にもそ
の構成分子の移動により米飯の組織が変質して米
飯粒が多孔質となり、このため米飯の旨味成分が
水分と共に米飯粒外へ押し出され氷結する。この
場合、マイクロ波照射すると、氷結した水分及び
旨味成分は、昇華した後丼弁当の容器内壁に結露
し、また多孔質化した米飯粒内に残留する微量の
水分もマイクロ波照射により米飯粒外へ押し出さ
れるため、米飯は乾燥する。従つて、このような
冷凍丼弁当は、解凍した後温食状態に保温して
も、満足できるような良好な喫食感が得られな
い。また、冷凍米飯と組合せた惣菜等もマイクロ
波照射時間が長いため、その種類によつては二重
調理となり、材料本来の味が無くなり変質する。
このように、惣菜を組合せた冷凍丼弁当は、良好
な喫食感が得られず、僅か、冷凍ピラフ、冷凍ド
ライカレー等に利用されるに過ぎない。しかし、
製造した冷凍ピラフは、−18℃以下で保管しなけ
ればならず、流通過程で保冷庫や保冷庫を必要と
する欠点がある。 〔発明の目的〕 従つて、本発明は、長時間温食状態に置いても
良好な喫食感が得られかつ流通過程で特別の保冷
設備等を必要としない温食丼弁当の製造方法を提
供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明によれば、上記目的は、米1に対して
1.35〜1.60の容量の水を加えて、米飯を炊飯又は
蒸煮する加熱工程と、この加熱工程で炊飯又は蒸
煮した米飯を、−0.1〜+5℃の温度に冷却する冷
却工程と、この冷却工程で冷却した米飯を、−4
〜−2℃で凍結前冷凍した後、0.1〜10.0℃の温
度で低温熟成させ機械的方法でバラ状にして低温
熟成米飯を作る熟成工程と、上記熟成工程で作ら
れた低温熟成米飯に別に調理した惣菜等を丼容器
内で組合せて丼弁当を調製する調製工程と、を含
む温食丼弁当の製造方法により達成される。上記
調製工程で作られた丼弁当は、喫食の際に又は喫
食に先立ち、マイクロ波照射して加熱される。 この発明によれば、米飯が一度冷蔵温度まで冷
却した後、凍結前冷凍され、更に低温熟成される
ので、米飯粒の組織が破壊されない。米飯粒の構
成分子に含まれる旨味成分や水分は、通常より多
い水を加えて米飯又は蒸煮するので、米飯粒外へ
押し出されることがなく、また喫食時にマイクロ
波照射により加熱しても、上記旨味成分や水分
は、米飯粒内に保持され、昇華して丼弁当の容器
内壁に結露しない。更に、マイクロ波照射時間も
短いので、惣菜等の本来の味覚を損なわず、長時
間の保温状態で良好な喫食感が得られる。他面、
本発明の方法で製造した丼弁当は、その保管又は
運搬の際に冷凍保存する必要がないので、流通過
程における冷凍設備が不要になる。 本発明による温食丼弁当の製造方法の冷却工程
は、好ましくは、調製工程で組合せられる惣菜等
の調理残液を米飯に加えて均一に混合する味付け
工程を含む。上記調理残液は、氷点以下でゾル状
となり且つ常温では真正溶液となる。 この味付け工程では、米飯を惣菜等と組合せる
前に、惣菜等の調理残液により米飯粒の表面が覆
われるので、喫食の際にマイクロ波照射により丼
弁当を加熱したときに、米飯と惣菜等との違和感
がなくなり、一層良好な喫食感が得られる。 〔実施例〕 以下、本発明の温食丼弁当の製造方法の一実施
例を各工程順に詳細に説明する。 A 加熱加工 先づ、水洗した精白米に、その容量の1.34〜
1.60倍の容量の水を加えて、米飯を炊飯又は蒸煮
する。 B 第一の冷却工程 この米飯を清浄な冷風により25〜30℃まで冷却
する。このとき、この米飯は通常より水分過多の
状態である。 C 味付け工程 ここで、この米飯に組合せるべき惣菜等の調理
の際に残つた調理残液を、上記米飯に加えて、ほ
ぼ均一な色調になるように混合する。この調理残
液は、30℃以上の温度では真正溶液状を呈してお
り、従つて上記米飯の過多である水分を媒体とし
て米飯全体にほぼ均一に拡散し、米飯粒に収着さ
れる。 D 第二の冷却工程 次に、調理残液を収着させた米飯を冷凍用トレ
ーに薄く広げて、−0.1〜+5℃で約90分間冷蔵す
ると、米飯粒に収着された調理残液は、低温のた
めにゾル状に変化して米飯粒に粘着する。 E 冷凍工程 更に、米飯を冷凍機内に入れ、この米飯に強冷
媒(例えば、液体窒素)を噴射して、3分以内に
−4〜−2℃まで冷却し、2〜3分間凍結前冷凍
の状態に保持する。ここで、機械的に叩解してバ
ラ状の冷凍米飯とし、米飯粒の組織を均一化させ
る。米飯粒に粘着した調理残液は、若干の遊離水
分を含みながら凍結し、米飯粒に固着する。 F 熟成工程 上記凍結冷凍させた米飯を、0.1〜3.0℃で緩慢
に冷蔵解凍して約2時間低温熟成させる。これに
より、米飯粒に固着した調理残液に含まれる遊離
水分は、融解して、冷凍により脱水傾向にある米
飯粒に浸透吸収される。また、調理残液自体は、
この冷蔵解凍により再びゾル状に戻り、その一部
は水分と共に米飯粒に吸収されるが、大部分は米
飯粒にそのまま付着している。この熟成によつ
て、後の温食状態での喫食の際に、良好な喫食感
が得られる。 G 調製工程 発泡プラスチツク等の断熱材で形成した丼容器
に低温熟成差せた米飯を入れ 予め別に調理され
冷蔵貯蔵した惣菜等を米飯の上に載せて、直径2
〜3mmの複数の穴を互いに離して設けたフタを被
せ、丼弁当を調製する。調製した丼弁当の全体を
ラツプで包装し、更に丼弁当のフタに設けられた
穴の位置にラツプの上から粘着シールを貼付す
る。かくて得られた温食丼弁当は、常温で約2週
間程度保管され運搬可能な状態に保持される。 H 喫食時 先づ、上記粘着シールをラツプ貼付部と共に除
去し、電子レンジによりマイクロ波照射して、丼
弁当を加熱する。ことのき、丼弁当容器内の空気
と、惣菜等の加熱により発生する低揮発性の臭気
とが、フタに設けられた穴を通つて外部に排出さ
れる。得られた温食丼弁当は、米飯及び惣菜等の
双方が27〜33℃の温度を5〜7時間の間保持する
ことが可能であり、その後喫食した場合にも、香
気に富んだ非常に良好な喫食感が得られる。 〔具体例〕 以下に、本発明に従つて温食丼弁当を製造した
具体例について説明する。 具体例1 (うなぎ弁当) A 加熱工程 先づ水洗した精白米に、その容量の1.57倍の容
量の水を加えて、米飯を炊飯又は蒸煮して、米の
量の2.52倍の米飯が得られた。 B 第一の冷却工程 この米飯を清浄な冷風により28〜29℃まで冷却
した。 C 味付け工程 この米飯に組合せるべき惣菜、即ちかばやきう
なぎの調理の際に残つた調理残液を上記米飯に、
米飯1Kgあたり60mlの割合で加えて、ほぼ均一の
色調になるまで混合した。 D 第二の冷却工程 次に、底面が金網である冷凍用トレーに2〜3
mmの厚さに調理残液を収着させた米飯を薄く広げ
て、4±0.5℃の冷蔵庫内で冷却し、上記調理残
液を米飯粒に粘着させた。 E 冷凍工程 更に、米飯を冷凍機内に入れ、この米飯に液体
窒素を噴射して、3分以内に凍結点より高い−
2.6℃まで急速に冷凍し、2〜3分間凍結前冷凍
の状態に保持した。 F 熟成工程 上記の凍結前冷凍させた米飯を、2±0.5℃の
冷蔵庫内で約120分間冷蔵解凍して、低温熟成さ
せた。その後、この低温熟成した米飯を機械的に
叩解してバラ状の米飯とした。バラ状の低温熟成
米飯の収率は、炊飯米飯に対して96%であつた。 G 調製工程 発泡断熱材により形成した丼容器に低温熟成し
た米飯を入れ、予め別に調理しかつ冷蔵貯蔵した
かばやきうなぎを米飯の上に載せて、直径3mmの
穴を1個設けたフタを被せ、うなぎ丼弁当を調製
した。得られた丼弁当の全体をラツプで包装し、
更に丼弁当のフタに設けられた穴の位置にラツプ
の上から粘着シールを貼付した。 H 喫食時 先づ、上記粘着シールをラツプ貼付部と共に除
去して、丼容器のフタに設けた穴を開放した後、
電子レンジにより約120秒間マイクロ波照射して、
丼弁当を加熱した。得られた温食うなぎ丼弁当
は、マイクロ波照射後、室温で約6時間保持し
た。この温食うなぎ丼弁当を試食したが、温食状
態で香気に富んだ良好な喫食感が得られ、下記の
表に示すように、従来の丼弁当に比較して、非常
に優れた食感を有することが判明した。
長時間保温状態に置いても良好な喫食感が得られ
る温食丼弁当の製造方法に係るものである。 〔従来の技術及び問題点〕 従来では、衛生上の見地から、米飯及び惣菜の
双方を共に常温状態で組合せることにより丼弁当
を製造しており、この常温丼弁当は、そのまま常
温状態で喫食するのが普通である。 ところで、最近、調理直後のような温かい状態
で喫食できる温食状態の丼弁当に対する要望が高
くなり、顧客の要求に応じて、電子レンジ等によ
りマイクロ波照射で常温丼弁当を加熱することに
より、温食状態で喫食する方法が実験的に採用さ
れている。しかし、電子レンジで温食状態に加熱
した常温丼弁当は、喫食感が良好ではない欠点が
ある。これは、照射されたマイクロ波の熱線によ
り、米飯粒の表層を覆う粘性質の糊化が進展する
と共に、米飯粒に含まれた水分が蒸発して、米飯
粒が脱水乾化するためである。更に、米飯が団塊
化するため、マイクロ波照射時に均一に加熱され
ず、十分に加熱された高温部分と、加熱の不十分
な低温部分とが米飯に生じ、喫食時に顧客に違和
感を与える。 このため、炊飯又は蒸煮する際に通常よりも水
の分量を少なくして炊飯又は蒸煮した後、強冷媒
(例えば、液体窒素)を噴射し又は強冷媒中に浸
漬することにより、−18℃以下まで急速に冷凍し
てバラ状冷凍米飯とする方法が提案されている。
また、通常の水の分量で炊飯又は蒸煮した米飯を
圧縮型冷凍機により−18℃以下まで緩慢に冷凍し
てバラ状冷凍米飯とし、得られたバラ状冷凍米飯
と、別に調製して冷凍した惣菜等とを組合せるこ
とにより、冷凍丼弁当を製造し、この冷凍丼弁当
を喫食の際に5〜10分間マイクロ波照射して解凍
する方法も考えられている。しかし、これらの方
法は、何れも満足できる良好な喫食感のある丼弁
当を得ることができない。即ち、それぞれ固有の
凍結点を有する食品材料を冷却するとき、上記凍
結点までは殆ど組織変化のないマルチ状態で食品
材料を冷却できるが、上記凍結点を越えて更に冷
却すると、食品材料の組織に破壊が始まつてその
構成分子の移動が起こり、組織の固化又は脆化が
生ずる。凍結点以下に米飯を冷却する場合にもそ
の構成分子の移動により米飯の組織が変質して米
飯粒が多孔質となり、このため米飯の旨味成分が
水分と共に米飯粒外へ押し出され氷結する。この
場合、マイクロ波照射すると、氷結した水分及び
旨味成分は、昇華した後丼弁当の容器内壁に結露
し、また多孔質化した米飯粒内に残留する微量の
水分もマイクロ波照射により米飯粒外へ押し出さ
れるため、米飯は乾燥する。従つて、このような
冷凍丼弁当は、解凍した後温食状態に保温して
も、満足できるような良好な喫食感が得られな
い。また、冷凍米飯と組合せた惣菜等もマイクロ
波照射時間が長いため、その種類によつては二重
調理となり、材料本来の味が無くなり変質する。
このように、惣菜を組合せた冷凍丼弁当は、良好
な喫食感が得られず、僅か、冷凍ピラフ、冷凍ド
ライカレー等に利用されるに過ぎない。しかし、
製造した冷凍ピラフは、−18℃以下で保管しなけ
ればならず、流通過程で保冷庫や保冷庫を必要と
する欠点がある。 〔発明の目的〕 従つて、本発明は、長時間温食状態に置いても
良好な喫食感が得られかつ流通過程で特別の保冷
設備等を必要としない温食丼弁当の製造方法を提
供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段及び作用〕 本発明によれば、上記目的は、米1に対して
1.35〜1.60の容量の水を加えて、米飯を炊飯又は
蒸煮する加熱工程と、この加熱工程で炊飯又は蒸
煮した米飯を、−0.1〜+5℃の温度に冷却する冷
却工程と、この冷却工程で冷却した米飯を、−4
〜−2℃で凍結前冷凍した後、0.1〜10.0℃の温
度で低温熟成させ機械的方法でバラ状にして低温
熟成米飯を作る熟成工程と、上記熟成工程で作ら
れた低温熟成米飯に別に調理した惣菜等を丼容器
内で組合せて丼弁当を調製する調製工程と、を含
む温食丼弁当の製造方法により達成される。上記
調製工程で作られた丼弁当は、喫食の際に又は喫
食に先立ち、マイクロ波照射して加熱される。 この発明によれば、米飯が一度冷蔵温度まで冷
却した後、凍結前冷凍され、更に低温熟成される
ので、米飯粒の組織が破壊されない。米飯粒の構
成分子に含まれる旨味成分や水分は、通常より多
い水を加えて米飯又は蒸煮するので、米飯粒外へ
押し出されることがなく、また喫食時にマイクロ
波照射により加熱しても、上記旨味成分や水分
は、米飯粒内に保持され、昇華して丼弁当の容器
内壁に結露しない。更に、マイクロ波照射時間も
短いので、惣菜等の本来の味覚を損なわず、長時
間の保温状態で良好な喫食感が得られる。他面、
本発明の方法で製造した丼弁当は、その保管又は
運搬の際に冷凍保存する必要がないので、流通過
程における冷凍設備が不要になる。 本発明による温食丼弁当の製造方法の冷却工程
は、好ましくは、調製工程で組合せられる惣菜等
の調理残液を米飯に加えて均一に混合する味付け
工程を含む。上記調理残液は、氷点以下でゾル状
となり且つ常温では真正溶液となる。 この味付け工程では、米飯を惣菜等と組合せる
前に、惣菜等の調理残液により米飯粒の表面が覆
われるので、喫食の際にマイクロ波照射により丼
弁当を加熱したときに、米飯と惣菜等との違和感
がなくなり、一層良好な喫食感が得られる。 〔実施例〕 以下、本発明の温食丼弁当の製造方法の一実施
例を各工程順に詳細に説明する。 A 加熱加工 先づ、水洗した精白米に、その容量の1.34〜
1.60倍の容量の水を加えて、米飯を炊飯又は蒸煮
する。 B 第一の冷却工程 この米飯を清浄な冷風により25〜30℃まで冷却
する。このとき、この米飯は通常より水分過多の
状態である。 C 味付け工程 ここで、この米飯に組合せるべき惣菜等の調理
の際に残つた調理残液を、上記米飯に加えて、ほ
ぼ均一な色調になるように混合する。この調理残
液は、30℃以上の温度では真正溶液状を呈してお
り、従つて上記米飯の過多である水分を媒体とし
て米飯全体にほぼ均一に拡散し、米飯粒に収着さ
れる。 D 第二の冷却工程 次に、調理残液を収着させた米飯を冷凍用トレ
ーに薄く広げて、−0.1〜+5℃で約90分間冷蔵す
ると、米飯粒に収着された調理残液は、低温のた
めにゾル状に変化して米飯粒に粘着する。 E 冷凍工程 更に、米飯を冷凍機内に入れ、この米飯に強冷
媒(例えば、液体窒素)を噴射して、3分以内に
−4〜−2℃まで冷却し、2〜3分間凍結前冷凍
の状態に保持する。ここで、機械的に叩解してバ
ラ状の冷凍米飯とし、米飯粒の組織を均一化させ
る。米飯粒に粘着した調理残液は、若干の遊離水
分を含みながら凍結し、米飯粒に固着する。 F 熟成工程 上記凍結冷凍させた米飯を、0.1〜3.0℃で緩慢
に冷蔵解凍して約2時間低温熟成させる。これに
より、米飯粒に固着した調理残液に含まれる遊離
水分は、融解して、冷凍により脱水傾向にある米
飯粒に浸透吸収される。また、調理残液自体は、
この冷蔵解凍により再びゾル状に戻り、その一部
は水分と共に米飯粒に吸収されるが、大部分は米
飯粒にそのまま付着している。この熟成によつ
て、後の温食状態での喫食の際に、良好な喫食感
が得られる。 G 調製工程 発泡プラスチツク等の断熱材で形成した丼容器
に低温熟成差せた米飯を入れ 予め別に調理され
冷蔵貯蔵した惣菜等を米飯の上に載せて、直径2
〜3mmの複数の穴を互いに離して設けたフタを被
せ、丼弁当を調製する。調製した丼弁当の全体を
ラツプで包装し、更に丼弁当のフタに設けられた
穴の位置にラツプの上から粘着シールを貼付す
る。かくて得られた温食丼弁当は、常温で約2週
間程度保管され運搬可能な状態に保持される。 H 喫食時 先づ、上記粘着シールをラツプ貼付部と共に除
去し、電子レンジによりマイクロ波照射して、丼
弁当を加熱する。ことのき、丼弁当容器内の空気
と、惣菜等の加熱により発生する低揮発性の臭気
とが、フタに設けられた穴を通つて外部に排出さ
れる。得られた温食丼弁当は、米飯及び惣菜等の
双方が27〜33℃の温度を5〜7時間の間保持する
ことが可能であり、その後喫食した場合にも、香
気に富んだ非常に良好な喫食感が得られる。 〔具体例〕 以下に、本発明に従つて温食丼弁当を製造した
具体例について説明する。 具体例1 (うなぎ弁当) A 加熱工程 先づ水洗した精白米に、その容量の1.57倍の容
量の水を加えて、米飯を炊飯又は蒸煮して、米の
量の2.52倍の米飯が得られた。 B 第一の冷却工程 この米飯を清浄な冷風により28〜29℃まで冷却
した。 C 味付け工程 この米飯に組合せるべき惣菜、即ちかばやきう
なぎの調理の際に残つた調理残液を上記米飯に、
米飯1Kgあたり60mlの割合で加えて、ほぼ均一の
色調になるまで混合した。 D 第二の冷却工程 次に、底面が金網である冷凍用トレーに2〜3
mmの厚さに調理残液を収着させた米飯を薄く広げ
て、4±0.5℃の冷蔵庫内で冷却し、上記調理残
液を米飯粒に粘着させた。 E 冷凍工程 更に、米飯を冷凍機内に入れ、この米飯に液体
窒素を噴射して、3分以内に凍結点より高い−
2.6℃まで急速に冷凍し、2〜3分間凍結前冷凍
の状態に保持した。 F 熟成工程 上記の凍結前冷凍させた米飯を、2±0.5℃の
冷蔵庫内で約120分間冷蔵解凍して、低温熟成さ
せた。その後、この低温熟成した米飯を機械的に
叩解してバラ状の米飯とした。バラ状の低温熟成
米飯の収率は、炊飯米飯に対して96%であつた。 G 調製工程 発泡断熱材により形成した丼容器に低温熟成し
た米飯を入れ、予め別に調理しかつ冷蔵貯蔵した
かばやきうなぎを米飯の上に載せて、直径3mmの
穴を1個設けたフタを被せ、うなぎ丼弁当を調製
した。得られた丼弁当の全体をラツプで包装し、
更に丼弁当のフタに設けられた穴の位置にラツプ
の上から粘着シールを貼付した。 H 喫食時 先づ、上記粘着シールをラツプ貼付部と共に除
去して、丼容器のフタに設けた穴を開放した後、
電子レンジにより約120秒間マイクロ波照射して、
丼弁当を加熱した。得られた温食うなぎ丼弁当
は、マイクロ波照射後、室温で約6時間保持し
た。この温食うなぎ丼弁当を試食したが、温食状
態で香気に富んだ良好な喫食感が得られ、下記の
表に示すように、従来の丼弁当に比較して、非常
に優れた食感を有することが判明した。
以上述べたように本発明によれば、米飯が一度
冷蔵温度まで冷却した後、凍結前冷凍され、更に
低温熟成され通常より多い水を加えて炊飯又は蒸
煮されるので、米飯粒の組織が破壊せず、その構
成分子に含まれる旨味成分や水分が、米飯粒外へ
押し出されることがなく、また喫食時にマイクロ
波照射により加熱しても、上記旨味成分や水分
は、米飯粒内に保持され、昇華して丼弁当の容器
内壁に結露しない。また、マイクロ波照射時間も
短いので、惣菜等の本来の味覚を損なわず、長時
間の保温状態で良好な喫食感が得られる。更に、
製造した丼弁当は、その保管又は運搬の際に冷凍
して保存する必要がないので、流通過程における
冷凍設備が不要になる。 更に、本発明による音食丼弁当の製造方法にお
いて、米飯に調理残液を加えて均一に混合する味
付け工程を設ければ、調理残液により米飯粒の表
面が覆われているので、喫食の際にマイクロ波照
射により丼弁当を加熱しても、米飯と惣菜等との
違和感がなく、一層良好な喫食感が得られる。 従つて、本発明によれば、家庭内での調理が減
少傾向にある現代社会において、極めて簡便な方
法により、喫食感の良好な温食状態の丼弁当が得
られ、また流通過程における冷凍車や冷凍倉庫等
の冷凍設備のような特別の設備を必要としない丼
弁当の製造方法が得られる。
冷蔵温度まで冷却した後、凍結前冷凍され、更に
低温熟成され通常より多い水を加えて炊飯又は蒸
煮されるので、米飯粒の組織が破壊せず、その構
成分子に含まれる旨味成分や水分が、米飯粒外へ
押し出されることがなく、また喫食時にマイクロ
波照射により加熱しても、上記旨味成分や水分
は、米飯粒内に保持され、昇華して丼弁当の容器
内壁に結露しない。また、マイクロ波照射時間も
短いので、惣菜等の本来の味覚を損なわず、長時
間の保温状態で良好な喫食感が得られる。更に、
製造した丼弁当は、その保管又は運搬の際に冷凍
して保存する必要がないので、流通過程における
冷凍設備が不要になる。 更に、本発明による音食丼弁当の製造方法にお
いて、米飯に調理残液を加えて均一に混合する味
付け工程を設ければ、調理残液により米飯粒の表
面が覆われているので、喫食の際にマイクロ波照
射により丼弁当を加熱しても、米飯と惣菜等との
違和感がなく、一層良好な喫食感が得られる。 従つて、本発明によれば、家庭内での調理が減
少傾向にある現代社会において、極めて簡便な方
法により、喫食感の良好な温食状態の丼弁当が得
られ、また流通過程における冷凍車や冷凍倉庫等
の冷凍設備のような特別の設備を必要としない丼
弁当の製造方法が得られる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 米1に対し1.35〜1.60の容量の水を加えて、
米飯を炊飯又は蒸煮する加工工程と、 上記加工工程で炊飯又は蒸煮した米飯を、−0.1
〜+5℃の温度に冷却する冷却工程と、 上記冷却工程で冷却した米飯を、−4〜−2℃
で凍結前冷凍した後、0.1〜10.0℃の温度で低温
熟成させ機械的方法でバラ状にして低温熟成米飯
を作る熟成工程と、 上記熟成工程で作られた低温熟成米飯に別に調
理した惣菜等を丼容器内で組合せて丼弁当を調製
する調製工程と、 を含むことを特徴とする温食丼弁当の製造方法。 2 上記調製工程で作られた丼弁当は、喫食前に
マイクロ波照射して加熱される特許請求の範囲第
1項記載の温食丼弁当の製造方法。 3 上記冷却工程は、上記調製工程で組合せるべ
き惣菜等の調理の際に残つた調理残液を上記米飯
に加えて均一に混合する味付け工程を含む特許請
求の範囲第1項記載の温食丼弁当の製造方法。 4 上記調理残液は、氷点以下でゾル状となり且
つ常温で真正溶液となる特許請求の範囲第3項記
載の温食丼弁当の製造方法。 5 上記冷却工程は、25〜30℃まで冷却する第一
の冷却工程と、−0.1〜5℃に冷却する第二の冷却
工程を含む特許請求の範囲第1項記載の温食丼弁
当の製造方法。 6 上記冷却工程は、25〜30℃まで冷却する第一
の冷却工程と、惣菜等の調理残液を上記米飯に加
える味付け工程と、−0.1〜5℃に冷却する第二の
冷却工程を含む特許請求の範囲第1項記の載温食
丼弁当の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61237998A JPS6394945A (ja) | 1986-10-08 | 1986-10-08 | 温食丼弁当の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61237998A JPS6394945A (ja) | 1986-10-08 | 1986-10-08 | 温食丼弁当の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6394945A JPS6394945A (ja) | 1988-04-26 |
JPH0561899B2 true JPH0561899B2 (ja) | 1993-09-07 |
Family
ID=17023606
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61237998A Granted JPS6394945A (ja) | 1986-10-08 | 1986-10-08 | 温食丼弁当の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6394945A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3249528B2 (ja) * | 1993-11-02 | 2002-01-21 | 株式会社前川製作所 | 寿司、炊飯米若しくは炊飯米を主成分とする加工食品の冷凍方法 |
AUPQ997200A0 (en) * | 2000-09-07 | 2000-09-28 | Oriental Merchant Pty Ltd | Method for cooking rice |
JP2021058145A (ja) * | 2019-10-08 | 2021-04-15 | 豐誠冷凍食品有限公司 | フローズン・インスタント・タピオカパールの製造方法 |
-
1986
- 1986-10-08 JP JP61237998A patent/JPS6394945A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6394945A (ja) | 1988-04-26 |
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