JPH0561154B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、トラクター後部に連結される対地
作業機は昇降動させる油圧制御装置の改良に係
り、詳しくは、機体を後進させたときに、この対
地作業機を自動的に上昇させて作業機の破損を防
止しようとするものである。

［従来技術及び発明が解決しようとする問題点］ 従来、この種の装置として、トラクターを後進
させた時に、この後進操作と連動させてトラクタ
ー後部に連結された作業機を上昇させるものが知
られている。

しかしながら、このような従来装置の場合に
は、変速レバーガイドの後進操作域内に後進操作
検出スイツチを設けると共に、そのスイツチの
ON、OFF操作に連動させて油圧コントロールバ
ルブを「作業機上昇」側に切り変えるソレノイド
を油圧シリンダケース内に設けなければならず、
特に、油圧シリンダケース内に機械式リンク機構
が組み込まれた標準型の油圧制御装置にあつて
は、その機構をそのまま利用してソレノイドや配
線類を組み込むには、スペース的に余裕がなく、
またその改造も大掛かりなものとなる。

［問題点を解決するための手段］ この発明は、油圧シリンダケース内に組み込ま
れている機械式リンク機構をそのまま利用して簡
単にコントロールバルブを半電気的に制御できる
ようにしたものである。

このため、この発明は次のような技術的手段を
講じた。

即ち、リフトアーム７を枢支する油圧シリンダ
ケース１４の外側近傍に正逆転可能なモーター１
７を配置し、リフトアーム７の昇降制御用のコン
トロールバルブ１２に連係された手動操作レバー
用回動軸１５を油圧シリンダケース１４から水平
横向きに突設してその端部にプレート３０を固着
し、このプレート３０と前記モーター１７とをリ
ンク等の機械的連係手段２８を介して運動連結
し、後進操作に連動して前記モーター１７をリフ
トアーム７上昇側へ回動させるべく構成したこと
を特徴とするトラクターの油圧昇降制御装置の構
成とする。

［実施例］ 以下、図面に基づいてこの発明の実施例を説明
する。まず、構成から説明すると、１はトラクタ
ー、２はロータリー耕耘装置で、このロータリ耕
耘装置２は、トツプリンク３、ロワーリンク４，
４からなる３点リンク装置５を介してトラクター
１後部に連結され、機体後部に設けられた油圧昇
降装置６にて昇降動自在に構成されている。

油圧昇降装置６は、油圧シリンダケース１４に
回動自由に枢着されたリフトアーム７，７、リフ
トアーム７，７とロワーリンク４，４とを連結す
るリフトロツド８，８等からなり、後述するコン
トロールバルブ１２によりリフトアーム７，７は
昇降回動される。

ロータリ耕耘装置２は、トラクター１側の
PTO軸から回転動力を得て駆動される耕耘部９
と、耕耘部９の上方を覆う主カバー１０、主カバ
ー１０の後端部に回動自在に枢支されたリヤカバ
ー１１等からなる従来周知の構造である。

コントロールバルブ１２は油圧シリンダケース
１４の下部に取り付けられ、そのスプール１３は
前後方向に移動可能な上等でコントロールバルブ
１２の嵌合されている。

スプール１３は、油圧シリンダケース１４の横
側壁に軸支された回動軸１５と同ケース１４内の
リンク群１６を介して連動連結され、このスプー
ル１３が前後方向に摺動すると、リフトアーム
７，７は昇降回動する。

上記回動軸１５には、標準機の場合、手動操作
用のレバーが直接取り付けられるのであるが、こ
の実施例では手動操作用のレバーを取り外してお
り、その端部に１枚のプレート３０を固着してい
る。そして、この回動軸１５の延長上には第３図
に示すように回動軸１５の回動角を検出するため
のポテンシヨメータ１８が取り付けられている。

プレート３０とモータ１７とは、リンク等の機
械的連係手段２８により連動凍結されている。

第４図は制御回路を示すものである。１９はリ
フトアーム７，７の高さを設定するポジシヨン設
定器であつて、このポジシヨン設定器１９は操縦
度近傍に設けられ、この設定器１９を操作するこ
とによつてリフトアーム７，７の高さが変更さ
れ、油圧昇降装置６に連結されたロータリ耕耘装
置２の高さを変更することができる。

２０は設定器１９からの信号と、前記ポテンシ
ヨメータ１８からの信号とを比較する比較制御部
で、電圧に変換された上記２つの信号値が異なる
とき、両者を一致させるべくモーター駆動回路２
１に制御信号が出され、モーター１７が回転駆動
されるものである。

２２は、上記ポジシヨン設定器１９に対して並
列に設けられた別の高さ設定器であつて、この高
さ設定器２２は、機体の後進時におけるロータリ
耕耘装置２の上昇位置を設定するものである。

図示外の変速レバーを後進側に切り換えて機体
を後退させると、スイツチ２３がONとなつてリ
レー２４が動作し、切換スイツチ２５をポジシヨ
ン制御モードから作業機後退上昇モードに切り換
える。図中符号２６は電源である。

次に作用を説明する。機体を前進させながら耕
耘作業を行なう場合には、まず、ポジシヨン設定
器１９でリフトアーム７の高さを設定し、その高
さまでロータリ耕耘装置２を下降させる。

このとき、第４図に示す制御回路は、ポジシヨ
ン優先になつているため、作業機後退上昇モード
の作業機上昇位置を設定する回路は開かれたまま
である。

そして、変速レバーを操作して機体を後進させ
ると、スイツチ２３がONとなつてリレー２４が
作動し、切換スイツチ２５をポジシヨン制御モー
ドから作業機後退上昇モードに切り換える。

モーター１７が回転を始めると、機械的連係手
段２８、プレート３０、回動軸１５、油圧シリン
ダケース１４内のリンク群１６を順次介してスプ
ール１３が「作業機上昇」側に動かされ、ロータ
リ耕耘装置２を高さ設定器２２にて設定した高さ
まで上昇させる。

高さ設定器２２による調節範囲は、任意に取れ
るが、ロータリ耕耘装置２が地面から僅かに浮上
する位置から、リフトアーム７が最大上昇位置に
至るまでの範囲内で接地高さを設定すれば、機体
の後進時にリヤカバー１１を地面に喰い込んだ
り、畦畔に衝突して変形したりすることがない。

また、地面より僅かに高い位置に作業機が上昇
するように設定器２２をセツトしておけば、畦畔
ぎりぎりの所までロータリ耕耘装置２を接近させ
ることができ、枕地の隅まで耕起することができ
て未耕地部分を少なくできる利点がある。

［発明の効果］ この発明は前記の如く、リフトアーム７を枢支
する油圧シリンダケース１４の外側近傍に正逆転
可能なモーター１７を配置し、リフトアーム７の
昇降制御用のコントロールバルブ１２に連係され
た手動操作レバー用回動軸１５を油圧シリンダケ
ース１４から水平横向きに突設してその端部にプ
レート３０を固着し、このプレート３０と前記モ
ーター１７とをリンク等の機械的連係手段２８を
介して運動連結し、後進操作に連動して前記モー
ター１７をリフトアーム７上昇側へ回動させるべ
く構成したので、油圧シリンダケース１４内に機
械式リンク機構を備える標準型の油圧制御装置で
あつても比較的簡単に半電気的にコントロールで
きる仕様に変更できる。

しかも、標準機に備えられている手動操作レバ
ー用回動軸１５にプレート３０を固着し、これに
リンク等の連係手段２８を接続するだけの簡単な
構成であるから改造が容易であり、その際、従来
装置に、モーター１７、機械的連係手段２８等を
後から追加装備させるだけで、後進時に作業機を
上昇させる機構を得ることができ、油圧シリンダ
ケース１４を取り外したりするよおうな大掛かり
な分解作業は必要ないので、仕様変更が容易であ
る。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示す、第１図は全体側
面図、第２図は要部の側面図、第３図は背面図、
第４図は制御回路図である。 符号の説明 、１……トラクター、２……ロータリ耕耘装置、
６……油圧昇降装置、１８……ポテンシヨメー
タ、１９……ポジシヨン設定器、２０……比較制
御部、２２……高さ設定器、２８……連係手段、
３０……プレート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ リフトアーム７を枢支する油圧シリンダケー
   ス１４の外側近傍に正逆転可能なモーター１７を
   配置し、リフトアーム７の昇降制御用のコントロ
   ールバルブ１２に連係された手動操作レバー用回
   動軸１５を油圧シリンダケース１４から水平横向
   きに突設してその端部にプレート３０を固着し、
   このプレート３０と前記モーター１７とをリンク
   等の機械的連係手段２８を介して連動連結し、後
   進操作に連動して前記モーター１７をリフトアー
   ム７上昇側へ回動させるべく構成したことを特徴
   とするトラクターの油圧昇降制御装置。