JPH055996A - パターン形成方法 - Google Patents

パターン形成方法

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JPH055996A
JPH055996A JP3283385A JP28338591A JPH055996A JP H055996 A JPH055996 A JP H055996A JP 3283385 A JP3283385 A JP 3283385A JP 28338591 A JP28338591 A JP 28338591A JP H055996 A JPH055996 A JP H055996A
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修二 早瀬
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圭 高野
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義彦 中野
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  • Formation Of Insulating Films (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリアミド酸とナフトキノンジアジド化合物
を主成分とする感光性組成物からポリイミド膜パタ―ン
を形成する際、露光後に高温での熱処理を行なって、次
いでアルカリ溶液を用いて現像する。 【効果】 ポリアミド酸の構造については特に限定され
ることなく、解像度の高いポリイミド膜パタ―ンの形成
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパタ―ン形成方法に関
し、さらに詳しくは、微細なポリイミド膜パタ―ンを得
ることが可能なパタ―ン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において、デバイスを外部環
境の影響から保護しその信頼性を高める目的で、デバイ
ス表面に保護膜(パッシベ―ション膜)を設ける処理が
なされている。一般的に、前記保護膜の材料としては絶
縁性等の電気特性、及び耐熱性に優れたポリイミド樹脂
が広く用いられている。また、半導体装置の多層配線構
造における層間絶縁膜としても、ポリイミド樹脂が広く
使用されている。
【0003】上記のようなポリイミド樹脂によるパッシ
ベ―ション膜または層間絶縁膜の形成は、例えば以下に
示す手順によって行なわれる。すなわち該ポリイミド樹
脂の前駆体であるポリアミド酸のワニスを、所定の半導
体デバイス表面上に塗布する。これを加熱処理すること
により、前記ポリアミド酸の環化反応に伴なう熱硬化
(イミド化)が生じ、ポリイミド膜が成膜される。次い
でポリイミド膜表面上にフォトレジスト膜を設け、該フ
ォトレジスト膜を耐エッチングマスクとして、下地のポ
リイミド膜の選択エッチングを行なうことにより、所望
のパタ―ンを有するポリイミド樹脂のパッシベ―ション
膜または層間絶縁膜を形成する。而るに、このようなプ
ロセスでは、ポリイミド膜の形成、及びパタ―ン形成の
ためのエッチングを独立した2つの工程で行なうことが
必要となり、工程の複雑化が問題となる。
【0004】さらに近年、フォトレジストとしての感光
性を備えたポリイミドを用いて前述したような工程を簡
略化しようとする試みが、数多く行なわれている。例え
ば特開昭52− 13315号には、ポリアミド酸のアルカリ可
溶性を利用して、これに溶解抑止剤としてのナフトキノ
ンジアジド化合物を添加したアルカリ現像の可能な感光
性のポリイミドが示されている。係る感光性のポリイミ
ドによれば成膜、露光、現像という簡略な工程でパタ―
ンの形成を行なうことができる。しかしながら現像工程
において、露光部と未露光部との間のアルカリ現像液に
対する溶解性の差が充分でなく、微細なパタ―ン形成は
困難であった。また特開昭62 -135824号には、このよう
な感光性のポリイミドを成膜した後、露光前に90℃程度
に加熱して解像度を高めるプロセスが開示されている
が、このようなプロセスを適用しても前述したような感
光性のポリアミドでは未だ解像度が不充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、近年
になり感光性のポリイミドの開発が活発に行なわれてき
だが、これまではアルカリ現像により解像度の高いパタ
―ンを得ることはできなかった。
【0006】本発明はこのような問題を解決して、アル
カリ現像によって解像度の高いポリイミド膜パタ―ンが
実現できるパタ―ン形成方法を提供することを目的とし
ている。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明のパタ―
ン形成方法は、基板上に下記一般式[1]で表される反
復単位を有するポリアミド酸とナフトキノンジアジド化
合物を主成分とする樹脂層を形成する工程と、前記樹脂
層の所望領域を露光する工程と、露光後樹脂層に 130〜
200℃の熱処理を施す工程と、前記熱処理後に樹脂層を
現像する工程と、現像された樹脂層を加熱して樹脂層中
のポリアミド酸をイミド化する工程とを具備するもので
あり、ポリアミド酸とナフトキノンジアジド化合物を主
成分とする樹脂層を露光した後 130〜 200℃の温度に加
熱することを特徴としている。
【0008】
【化2】
【0009】本発明で用いられるポリアミド酸として
は、一般式[1]で表される反復単位を有するものであ
れば特に限定されず、ポリイミド樹脂の製造に用い得る
どのようなポリアミド酸を使用してもよい。また、部分
的にエステル化されたポリアミド酸単位を含むものやポ
リアミド酸とエステル化されたポリアミド酸との共重合
体、ポリアミド酸とエステル化されたポリアミド酸との
混合物等も許容される。ただし、上記エステル化された
ポリアミド酸単位の含有量は、ポリアミド酸中多くとも
70重量%以下程度であることが望ましい。これは、70重
量%を越えると、ポリアミド酸のアルカリ可溶性が低下
するおそれがあるからである。さらに、好ましいポリア
ミド酸と、その合成方法について説明すれば次の通りで
ある。
【0010】本発明における好ましいポリアミド酸は、
下記一般式で表されるモノアミン[2]またはジカルボ
ン酸無水物[3]のいずれか一方と、テトラカルボン酸
二無水物[4]及びジアミン[5]とを、有機溶媒の存
在下で重縮合させることによって合成される。
【0011】
【化3】
【0012】上記において、例えば、前記モノアミン
[2]、テトラカルボン酸二無水物[4]及びジアミン
[5]を使用した場合は、下記一般式[6]のポリアミ
ド酸が合成される。
【0013】
【化4】
【0014】また、前記ジカルボン酸無水物[3]、テ
トラカルボン酸二無水物[4]及びジアミン[5]を使
用した場合は、下記一般式[7]のポリアミド酸がそれ
ぞれ合成される。
【0015】
【化5】
【0016】前記一般式[2]で表されるモノアミンに
は、m−アミノジフェニル、p−アミノジフェニル、m
−アミノジフェニルエ―テル、p−アミノジフェニルエ
―テル、アニリン、o−アニシジン、m−アニシジン、
p−アニシジン、p−アミノベンズアルデヒド、o−ト
ルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンを含む群よ
り選ばれた少なくとも1種のモノアミンが使用され得
る。
【0017】前記一般式[3]で表されるジカルボン酸
無水物には、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル
酸、無水メチルナジック酸、4−メチルヘキサヒドロフ
タル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイ
ン酸を含む群より選ばれた少なくとも1種のジカルボン
酸無水物が使用され得る。
【0018】前記一般式[4]で表されるテトラカルボ
ン酸二無水物には、ピロメリット酸二無水物、3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、2,2−(3′,4′−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−
ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無
水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)テトラメ
チルジシロキサン二無水物、1,4,5,8−ナフタリ
ンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタ
リンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン
酸二無水物を含む群より選ばれた少なくとも1種のテト
ラカルボン酸二無水物が使用され得る。
【0019】前記一般式[5]で示されるジアミンに
は、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、2,4−トリレンジアミン、3,3′−ジアミノジ
フェニルエ―テル、4,4′−ジアミノジフェニルエ―
テル、3,4′−ジアミノジフェニルエ―テル、3,
3′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノジフェニル
ケトン、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、3,
4′−ジアミノジフェニルケトン、2,2′−ビス(p
−アミノフェニル)プロパン、2,2′−ビス(p−ア
ミノフェニル)ヘキサフロロプロパン、1,3−ビス
(p−アミノフェノキシベンゼン)、1,4−ビス(p
−アミノフェノキシベンゼン)、4−メチル−2,4−
ビス(p−アミノフェニル)−1−ペンテン、1,4−
ビス(α,α′−ジメチル−p−アミノベンジル)ベン
ゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−
ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4
−メチル−2,4−ビス(p−アミノフェニルペンタ
ン)、5(または6)−アミノ−1−(p−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−
アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4′−ジア
ミノアゾベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニル尿
素、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、2,2−ビス[p−(p′−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2−ビス[p−(m−アミノフ
ェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4′−ビス
(p−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,
4′−ビス[p−(α,α−ジメチル−p−アミノベン
ジル)フェノキシ]ジフェニルスルホンビス(4−アミ
ノフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−アミノフェニ
ル)テトラメチルジシロキサン、ビス(p−アミノフェ
ニル)テトラメチルジシロキサンを含む群より選ばれた
少なくとも一種の芳香族ジアミンが使用され得る。
【0020】尚、上記芳香族ジアミンにおいて、その芳
香環の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、水素原子、
メチル基、メトキシ基、フェニル基を含む群より選ばれ
た少なくとも一種の原子または基で置換されたものであ
ってもよい。
【0021】また、前記一般式[5]で示されるジアミ
ンには、上記のような芳香族ジアミンの他に、ビス(γ
−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4
−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼ
ン、ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサ
ン、ビス(γ−アミノプロピル)テトラフェニルジシロ
キサン、
【0022】
【化6】 を含む群より選ばれた少なくとも一種のシロキサン化合
物が使用される場合もあり得る。これらシロキサン化合
物は、最終的にポリイミド膜と基板との密着性を向上さ
せるのに効果があり、本発明において好ましいジアミン
である。
【0023】また、上記物質の反応に用いる前記有機溶
媒には、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−
メチル−ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、ス
ルホラン、N,N,N′,N′−テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホアミド等が使用され得る。
【0024】上記物質を使用したポリアミド酸の合成反
応において、使用されるモノアミン[2]およびアミン
[5]の合計量と、ジカルボン酸無水物[3]およびテ
トラカルボン酸二無水物[4]の合計量との比は、アミ
ノ基と酸無水物基との当量比が約 100: 100となる比で
ある。また、この反応条件は反応温度−15℃〜30℃、反
応時間10分〜20時間の範囲である。
【0025】こうして合成されるポリアミド酸の対数粘
度(N−メチル−2−ピロリドン溶媒中において、ポリ
マ―濃度 0.5g/dl、30℃で測定)は、前記ポリアミド酸
の半導体基板上への塗布性を向上させるために、 0.4〜
1.0dl/gであることが望ましく、 0.5〜 0.9dl/gであれ
ば特に好ましい。前記ポリアミド酸の対数粘度を上記範
囲に調整するには、前記各原料の使用比率を以下のよう
に調整する。
【0026】まず、ポリアミド酸[6]を合成する場
合、モノアミン[2]とジアミン[5]との使用比率
は、モル比で 0.01 〜 0.2: 0.9〜 0.995が好ましく、
0.02 〜0.06 : 0.97 〜 0.99 の範囲であれば特に好
ましい。この理由は、モノアミン[2]が多すぎると前
記ポリアミド酸[6]の対数粘度が低下し、硬化膜を形
成したときに平滑な膜面が得られにくくなる。逆に、モ
ノアミン[2]が少なすぎると、ポリアミド酸[6]の
分子末端処理の効果が少なく、作業性に難点が出てくる
からである。
【0027】また、ポリアミド酸[7]を合成する場
合、ジカルボン酸無水物[3]とテトラカルボン酸二無
水物[4]との使用比率は、モル比で 0.01〜 0.2: 0.
9〜 0.995が好ましく、 0.02 〜 0.06 : 0.97 〜 0.99
の範囲であれば特に好ましい。何となれば、ジカルボ
ン酸無水物[3]が多すぎると、ポリアミド酸[7]の
対数粘度が低下し、硬化膜を形成したときに平滑な膜面
が得られにくく、逆にジカルボン酸無水物[3]が少な
すぎると、ポリアミド酸[7]の分子末端処理の効果が
少なく、作業性に難点が出てくるからである。
【0028】ジアミン[5]として、前記シロキサン化
合物が使用される場合は、その使用量は全アミン量に対
して(モノアミンはジアミンに換算)、 0.01 〜20モル
%とすることが好ましい。ここで、シロキサン化合物の
使用量が20モル%を越えると、最終的に得られるポリア
ミド酸の耐熱性が低下するおそれがあり、シロキサン化
合物の使用量が 0.01 モル%未満だと、前述したような
ポリイミド膜と半導体基板との密着性向上の効果が得ら
れなくなる。
【0029】一方、本発明において用いられるナフトキ
ノンジアジド化合物としては特に限定されず、例えば
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、1,
2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸、2,1−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸、2,1−ナフ
トキノンジアジド−5−スルホン酸およびこれらの塩,
エステル,アミド等の誘導体が挙げられる。これらのな
かでも1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
誘導体は好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸エステルは特に好ましい。以下に、本発明
において好適に用いられる1,2−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸エステルを具体的に示す。
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】尚上記したようなナフトキノンジアジド化
合物は、以下に示した構造式で表されるナフトキノンジ
アジドスルホン酸クロライドとアルコ―ル類、フェノ―
ル類、アミン類とを反応させて、脱HCl化することに
より、容易に得ることができる。
【0035】
【化11】
【0036】本発明おいて、前記ナフトキノンジアジド
化合物の配合量はポリアミド酸 100重量部に対して5〜
70重量部が好ましく、25〜45重量部がより好ましい。何
となれば、ナフトキノンジアジド化合物の配合量が多す
ぎると、イミド硬化の工程での加熱時における膜厚の減
少が大きく、パタ―ンを損なう原因となる。逆に、ナフ
トキノンジアジド化合物の配合量が少なすぎると、露光
の工程での樹脂層の感光性が低下し、解像度が低下する
おそれがある。また本発明において、ナフトキノンジア
ジド化合物は、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、
アセテ―トセロソルブ、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホ
アミド等の有機溶媒に溶解させてから配合してもよい。
【0037】本発明のパタ―ン形成方法では、感光剤と
してのナフトキノンジアジド化合物の種類等を選択する
ことにより、ポジ型及びネガ型のいずれのパタ―ン形成
も可能となる。この理由は明らかではないが、例えば感
光剤として1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸エステルを用いた場合を例にとると、露光、及び熱
処理の工程の際に、露光部及び未露光部においてそれぞ
れ次に示すような反応が生じているものと考えられる。
【0038】すなわちまず露光部では、下記(a)式に
示したように、露光時に1,2−ナフトキノンジアジド
−4−スルホン酸エステルがインデンカルボン酸を生成
すると同時に、上記インデンカルボン酸のスルホン酸と
骨格部分に分解する。
【0039】
【化12】 さらに露光部では、続く熱処理の工程の際に、以下の
(b)〜(d)の反応が生じる。 (b)露光時に生じたインデンカルボン酸のスルホン酸
の関与により、ポリアミド酸の一部がイミド化する。 (c)前記インデンカルボン酸が脱カルボキシ化してイ
ンデン誘導体となる。
【0040】(d)感光剤として多官能性の1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルを用いた
場合、露光時に未反応の1,2−ナフトキノンジアジド
−4−スルホン酸エステルが架橋する。一方未露光部で
は、熱処理の工程の際に、以下の(e),(f)の反応
が生じ得る。 (e)1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
エステルが熱により分解して、インデンカルボン酸を生
成する。
【0041】(f)感光剤として多官能性の1,2−ナ
フトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルを用いた
場合、この1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホ
ン酸エステルが架橋する。
【0042】このうち露光部については、上記(a)の
反応によりアルカリ現像液に対する溶解度が高められ、
逆に上記(b)〜(d)の反応によりアルカリ現像液に
対する溶解度が低減される。また未露光部については、
(e)の反応によりアルカリ現像液に対する溶解度が高
められ、(f)の反応によりアルカリ現像液に対する溶
解度が低減される。本発明のパタ―ン形成方法において
は、(a)の反応の寄与が大きい場合にはポジ型のパタ
―ンが形成され、(b)〜(d)の反応の寄与が大きい
場合にはネガ型のパタ―ンが形成されるものと考えられ
る。従って本発明では、感光剤である1,2−ナフトキ
ノンジアジド−4−スルホン酸エステルの種類や、さら
に露光条件、熱処理条件を適宜選択することにより、ポ
ジ型及びネガ型のいずれのパタ―ンも形成され得る。次
に、本発明のパタ―ン形成方法について各工程を詳細に
説明する。
【0043】まず、前記ポリアミド酸およびナフトキノ
ンジアジド化合物を適当な有機溶剤に溶解し、所望によ
り濾過等の方法で微細な不純物を除去してレジスト液を
調製する。次いで、前記レジスト液を例えば回転塗布法
により半導体基板等の基板上に塗布した後、これを乾燥
して本発明に係る樹脂層を形成する。
【0044】次に、所望のパタ―ンを有するフォトマス
クを介して樹脂層に可視光、赤外光、紫外光、EB、X
線等のエネルギ―線を照射し、前記樹脂層の所望領域を
露光する。なおこのとき、密着、投影のいずれの露光方
式も可能である。
【0045】続いて、樹脂層を例えばホットプレ―トを
用いて 130〜200℃の温度で熱処理を施した後、放冷す
る。このとき、熱処理の温度が低すぎると得られるパタ
―ンの解像度が不充分となり、逆に熱処理の温度が高す
ぎると樹脂層のアルカリ溶液に対する溶解性が低下し、
現像が困難となってしまう。さらに好ましい熱処理の温
度は、 140〜 160℃である。また熱処理の時間は、熱処
理温度にもよるが、通常 0.5〜60分程度、より好ましく
は1〜5分程度が望ましい。熱処理の時間が短すぎる
と、得られるパタ―ンの解像度が不充分となり、逆に熱
処理の時間が長すぎると、樹脂層の現像が困難となって
しまう。
【0046】この後、アルカリ溶液を用いて熱処理の行
なわれた樹脂層を現像する。このとき、樹脂層の露光部
または未露光部が溶解除去され、所望のポジ型またはネ
ガ型のパタ―ンが形成される。このアルカリ溶液として
は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液等の
有機アルカリ水溶液、または水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウム等の無機アルカリ水溶液を使用することができ
る。また現像は、浸漬法、スプレ―現像法等によって行
なわれる。
【0047】さらに、上記したような現像により所望の
パタ―ンが形成された樹脂層を、一定温度で加熱する。
これによって樹脂層中のポリアミド酸の閉環(イミド
化)が起こり、前記一般式[1]で示される反復単位を
有するポリイミドが生成する。なお、加熱の際は90℃か
ら 400℃まで徐々に温度を上げて加熱することが好まし
い。これは、前記イミド化の工程の際急激に昇温すると
ポリアミド酸が閉環せず一部残存し、熱安定性が損なわ
れるおそれがあるからである。
【0048】上述したような本発明のパタ―ン形成方法
により得られるポリイミド膜パタ―ンは、優れた電気絶
縁性および耐熱性を示し、半導体装置におけるパッシベ
―ション膜または層間絶縁膜として好適に機能する。ま
た、PEP (Photo EngravingProcess )におけるエッチ
ングマスクとして用いることもできる。
【0049】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1
【0050】撹拌棒、温度計、滴下ロ―トを取り付けた
反応フラスコ中に、五酸化リンによって乾燥した窒素ガ
スを通し、ピロメリット酸二無水物 4.635g ( 0.21 モ
ル)、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物19.993g ( 0.062モル)、無水マレイン
酸 0.333g ( 0.003モル)、およびN−メチル−2−ピ
ロリドン100gを注入した。そして、これらを充分に撹拌
および混合して−5℃まで冷却した。
【0051】次に4,4′−ジアミノジフェニルエ―テ
ル15.996g ( 0.081モル)およびビス(γ−アミノプロ
ピル)テトラメチルジシロキサン 1.199g ( 0.003モ
ル)を、N−メチル−2−ピロリドン69g に溶解させ、
この溶液を前記反応フラスコ中に徐々に滴下した。こう
して得られた混合液を、−5℃〜0℃にて4時間保持し
た後、さらに室温(20℃)で4時間反応させ、ポリアミ
ド酸を合成した。このポリアミド酸/N−メチル−2−
ピロリドン混合液を調整し、30℃において対数粘度を測
定したところ、 0.83dl/g であった。
【0052】次いで、このポリアミド酸溶液と下記一般
式で表されるナフトキノンジアジド化合物を、ポリアミ
ド酸10g およびナフトキノンジアジド化合物 2.5g が配
合されるように秤量して、室温(20℃)において均一に
なるまで撹拌混合した。これを細孔寸法 0.5μmのメン
ブランフィルタ―で濾過することによって、ポリアミド
酸とナフトキノンジアジド化合物を主成分とするレジス
ト液を調製した。
【0053】
【化13】 上記のように調製されたレジスト液について、本発明の
パタ―ン形成方法によりパタ―ンを形成して、各特性の
評価を行なった。 (1)特性試験1−a(解像性評価)
【0054】前記レジスト液を、径3インチのシリコン
ウェハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、これを90℃の
ホットプレ―ト上で10分間加熱して、厚さ 4.2μmの樹
脂層を形成した。次に、コンタクト露光機(キャノン社
製:CA 800)により、前記樹脂層の表面上を解像力テ
スト用石英マスクを介して露光した。このとき、光照射
量は、365nm で65mJ/cm2 であった。露光後、樹脂層に
150℃、2分の加熱処理を施し、続いてシリコンウェハ
―ごとレジスト用現像液(テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、 2.38 wt%水溶液)中に60秒間浸漬し、さ
らに20秒間水洗することにより、ネガ型のパタ―ンが形
成された。
【0055】前記パタ―ンの断面を電子顕微鏡により観
察したところ、30μmのラインおよびスペ―スが解像さ
れていた。さらにこの後、得られたパタ―ンを 320℃ま
で加熱することにより、良好なポリイミド膜パタ―ンが
形された。 (2)特性試験1−b(密着性評価)
【0056】前記レジスト液を、径3インチのシリコン
ウェハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、これを90℃の
ホットプレ―ト上で10分間加熱して、厚さ 5.0μmの樹
脂層を形成した。次に、このウェハ―を恒温乾燥機中に
おいて、 150℃にて1時間、250℃にて1時間、 320℃
にて1時間と順次温度を上げ、前記樹脂層中のポリアミ
ド酸をイミド化させた。さらにこのウェハ―を、2気圧
の飽和水蒸気中において、 120℃で24時間加熱した後、
ゴバン目試験法により密着性を評価した。この結果、樹
脂層は 100/ 100剥離せず、前記樹脂層とウェハ―との
密着性は良好であることが確認された。 (3)特性試験1−c(耐熱性評価)
【0057】前記レジスト液を、径3インチのシリコン
ウェハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、これを90℃の
ホットプレ―ト上で10分間加熱して、厚さ 5.0μmの樹
脂層を形成した。次に、このウェハ―を恒温乾燥機中に
おいて、 150℃にて1時間、250℃にて1時間、 320℃
にて1時間と順次温度を上げ、前記樹脂層中のポリアミ
ド酸をイミド化させた。加熱後、このウェハ―から前記
樹脂層を剃刀で剥がし、熱重量分析法(TGA)で測定
したところ、 400℃まで熱分解による重量の減少が認め
られなかった。 比較例1
【0058】実施例1と同様のレジスト液を、径3イン
チのシリコンウェハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、
これを90℃のホットプレ―ト上で10分間加熱して、厚さ
5.0μmの樹脂層を形成した。次に、コンタクト露光機
(キャノン社製:CA 800)により、前記樹脂層の表面
上を解像力テスト用石英マスクを介して露光した。この
とき、光照射量は、365nm で70mJ/cm2 であった。露光
後、直ちにシリコンウェハ―ごとレジスト用現像液(テ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド、 2.38wt%水溶
液)中に60秒間浸漬したところ、パタ―ンが現像され
た。しかしながら、シリコンウェハ―を現像液から引き
上げさらに20秒間水洗した際に、樹脂層残存部が溶解し
てしまい、良好なパタ―ンを形成することができなかっ
た。 比較例2
【0059】実施例1と同様のレジスト液を、径3イン
チのシリコンウェハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、
これを90℃のホットプレ―ト上で10分間加熱して、厚さ
5.0μmの樹脂層を形成した。
【0060】次に、前記樹脂層に 150℃、2分の熱処理
を施し、続いてコンタクト露光機(キャノン社製:CA
800)により、前記樹脂層の表面上を解像力テスト用石
英マスクを介して露光した。このとき、光照射量は、36
5nm で70mJ/cm2 であった。露光後、直ちにシリコンウ
ェハ―ごとレジスト用現像液(テトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシド、 2.38 wt%水溶液)中に60秒間浸漬し
たがパタ―ンを形成することができなかった。この理由
は、露光前の熱処理の際に、樹脂層中のナフトキノンジ
アジド化合物が分解したためであると考えられる。 実施例2〜9
【0061】表1に示す原料組成で、前記実施例1と同
様の方法により、実施例2〜9に使用するポリアミド酸
を合成した(得られたポリアミド酸溶液の対数粘度を表
1に併記した)。更に、ポリアミド酸溶液およびナフト
キノンジアジド化合物をそれぞれ表1に示した所定量混
合し、実施例2〜9のレジスト液を調製した。尚、表1
中で用いる略号は、それぞれ以下に示す酸無水物、アミ
ンおよびナフトキノンジアジド化合物を表す。 BPDA:3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物 BTDA:3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 PMDA:ピロメリット酸二無水物 DPE :4,4′−ジアミノジフェニルエ―テル DAM :4,4′−ジアミノジフェニルメタン ASi−a:ビス(γ−アミノプロピル)テトラメチル
ジシロキサン ASi−b:
【0062】
【化14】 A :アニリン T :o−トルイジン A−a :無水フタル酸 A−b :無水ヘキサヒドロフタル酸 A−c :無水メチルナジック酸 A−d :4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 A−e :無水マレイン酸
【0063】
【化15】 上記のように調製されたレジスト液について、以下に示
すとおり実施例1と同様にパタ―ンを形成して、各特性
の評価を行なった。 (1)特性試験2−a〜9−a(解像性評価)
【0064】実施例2〜9のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−aと同様の方法で、シリコンウェハ
―上において露光、熱処理、現像を行ないパタ―ンを形
成した。得られた各パタ―ンについて、電子顕微鏡によ
り断面を観察して解像度を測定し、その結果を表2に示
した。 (2)特性試験2−b〜9−b(密着性評価)
【0065】実施例2〜9のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−bと同様の方法で、シリコンウェハ
―との密着性についての評価を行なった。その結果を表
2に併記した。 (3)特性試験2−c〜9−c(耐熱性評価)実施例2
〜9のレジスト液に関して、実施例1の特性試験1−c
と同様の方法で、シリコンウェハ―上での耐熱性につい
ての評価を行なった。その結果を表2に併記した。
【0066】表2に示したごとく、いずれにおいてもネ
ガ型のパタ―ンが形成され、特に実施例3〜7で得られ
たパタ―ンは解像度が高く、また基板とパタ―ンとの密
着性、耐熱性も充分であった。尚、ナフトキノンジアジ
ド化合物の配合量が多い実施例8では、イミド硬化時の
樹脂層の重量減少が大きく、得られるポリイミド膜の基
板に対する密着性も低下している。一方、ナフトキノン
ジアジド化合物の配合量が少ない実施例9では、現像時
に露光部、未露光部ともアルカリ溶解性が比較的大きい
ため、得られるパタ―ンの解像度がやや低下しており、
パタ―ニング特性が他のものより劣っていることが確認
された。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】 * 密着ゴバン目評価(密着性評価):2気圧の飽和水
蒸気中で24時間加熱後のシリコンウェハ―との密着性。 * 10%減量温度(℃)(耐熱性評価): 320℃の熱硬化
後のTGA測定による。 実施例10〜16
【0069】表3に示す原料組成で、前記実施例1と同
様の方法により、実施例10〜16に使用するポリアミド酸
を合成した(得られたポリアミド酸溶液の対数粘度を表
3に併記した)。更に、ポリアミド酸溶液およびナフト
キノンジアジド化合物をそれぞれ表3に示した所定量混
合し、実施例10〜16のレジスト液を調製した。尚、表3
中で新たに用いた略号は、それぞれ以下に示すナフトキ
ノンジアジド化合物を表す。
【0070】
【化16】
【0071】上記のように調製されたレジスト液につい
て、以下に示すとおり本発明のパタ―ン形成方法により
パタ―ンを形成して、実施例1と同様に各特性の評価を
行なった。 (1)特性試験10−a〜16−a(解像性評価)
【0072】実施例10〜16のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−aと同様の方法で、シリコンウェハ
―上において露光、熱処理、現像を行ないパタ―ンを形
成した。ただし、本実施例では光照射量は365nm で 150
mJ/cm2 とし、現像はテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドの 1.19 wt%水溶液を用いて、シリコンウェハ―
を浸漬してさらに水洗したところ、ポジ型又はネガ型の
パタ―ンが形成された。得られた各パタ―ンについて、
電子顕微鏡により断面を観察して解像度を測定し、その
結果を表4に示した。 (2)特性試験10−b〜16−b(密着性評価)
【0073】実施例10〜16のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−bと同様の方法で、シリコンウェハ
―との密着性についての評価を行なった。その結果を表
4に併記した。 (3)特性試験10−c〜16−c(耐熱性評価)
【0074】実施例10〜16のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−cと同様の方法で、シリコンウェハ
―上での耐熱性についての評価を行なった。その結果を
表4に併記した。
【0075】表4に示したごとく、いずれにおいてもポ
ジ型又はネガ型の微細なパタ―ンが形成され、基板とパ
タ―ンとの密着性、耐熱性も充分であった。特に実施例
10〜15では、密着性評価試験において、 120℃で62時間
加熱した後も 100/ 100剥離せず、極めて優れた密着性
を有していた。これに対し実施例16では、 120℃で24時
間加熱後には 100/ 100剥離しなかったが、62時間加熱
後には10/ 100剥離が発生した。この理由は、実施例16
のように感光剤として多官能性のナフトキノンジアジド
スルホン酸エステルを用いた場合、熱処理の際に未反応
のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルが架橋する
ので、樹脂層の柔軟性が低減されるためであるものと考
えられる。逆に、実施例10〜15のように感光剤として1
官能性のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを用
いた場合には、上記したような架橋が生じ得ないため、
特に優れた密着性が達成されている。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】 * 密着ゴバン目評価(密着性評価):2気圧の飽和水
蒸気中で62時間加熱後のシリコンウェハ―との密着性。 * 10%減量温度(℃)(耐熱性評価): 320℃の熱硬化
後のTGA測定による。 比較例3
【0078】実施例10のレジスト液に関して、実施例10
と同様の方法でシリコンウェハ―上に樹脂層を形成し
た。次いで、前記樹脂層を実施例10と同様の条件で露光
した後、直ちにレジスト用現像液(テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドの 1.19 wt%水溶液)に50秒間浸漬
したところ、パタ―ンが現像された。しかしながら、シ
リコンウェハ―を現像液から引き上げさらに30秒間水洗
した際に、樹脂層残存部が溶解してしまい、良好なパタ
―ンを形成することができなかった。 実施例17〜23
【0079】表5に示す原料組成で、前記実施例1と同
様の方法により、実施例17〜23に使用するポリアミド酸
を合成した(得られたポリアミド酸溶液の対数粘度を表
5に併記した)。更に、ポリアミド酸溶液およびナフト
キノンジアジド化合物をそれぞれ表5に示した所定量混
合し、実施例17〜23のレジスト液を調製した。尚、表5
中で新たに用いた略号は、それぞれ以下に示すナフトキ
ノンジアジド化合物を表す。
【0080】
【化17】
【0081】上記のように調製されたレジスト液につい
て、以下に示すとおり本発明のパタ―ン形成方法により
パタ―ンを形成して、実施例1と同様に各特性の評価を
行なった。 (1)特性試験17−a〜23−a(解像性評価)
【0082】実施例17〜23のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−aと同様な方法で、シリコンウエハ
―上において露光、熱処理、現像を行ないパタ―ンを形
成しした。ただし、本実施例では光照射量は365nm で17
0mJ/cm2 とし、現像はテトラメチルアンモニウムヒドロ
キシドの 1.19 wt%水溶液を用いて、シリコンウェハ―
を浸漬してさらに水洗したところ、ネガ型のパタ―ンが
形成された。得られた各パタ―ンについて、電子顕微鏡
により断面を観察して解像度を測定し、その結果を表6
に示した。 (2)特性試験17−b〜23−b(密着性評価)
【0083】実施例17〜23のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−bと同様の方法で、シリコンウエハ
―との密着性についての評価を行なった。その結果を表
6に併記した。 (3)特性試験17−c〜23−c(耐熱性評価)
【0084】実施例17〜23のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−cと同様の方法で、シリコンウエハ
―上での耐熱性についての評価を行なった。その結果を
表6に併記した。表6に示したごとく、いずれにおいて
もネガ型のパタ―ンが形成され、基板とパタ―ンとの密
着性、耐熱性も充分であった。
【0085】また実施例17〜23では、感光剤として多官
能性のナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを用い
たものの、密着性評価試験において 120℃で62時間加熱
した後も 100/ 100剥離せず、極めて優れた密着性が得
られている。これは、実施例17〜23で用いられたナフト
キノンジアジドスルホン酸エステルでは、主鎖中に脂肪
族炭化水素構造、ポリシロキサン構造のようなソフトセ
グメントを有するので、熱処理時に前記ナフトキノンジ
アジドスルホン酸エステルの架橋が生じても、樹脂層の
柔軟性の低減が抑制されるためであると考えられる。す
なわち、主鎖中に脂肪族炭化水素構造、ポリシロキサン
構造、ポリシラン構造のようなソフトセグメントを有す
るナフトキノンジアジドスルホン酸エステルを感光剤と
して用いれば、特に優れた密着性を達成することができ
る。
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】 * 密着ゴバン目評価(密着性評価):2気圧の飽和水
蒸気中で62時間加熱後のシリコンウェハ―との密着性。 * 10%減量温度(℃)(耐熱性評価): 320℃の熱硬化
後のTGA測定による。 比較例4
【0088】実施例17のレジスト液に関して、実施例17
と同様の方法でシリコンウェハ―上に樹脂層を形成し
た。次いで、前記樹脂層を実施例17と同様の条件で露光
した後、直ちにレジスト用現像液(テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシドの 1.19 wt%水溶液)に30秒間浸漬
したところ、パタ―ンが現像された。しかしながら、シ
リコンウェハ―を現像液から引き上げさらに30秒間水洗
した際に、樹脂層残存部が溶解してしまい、良好なパタ
―ンを形成することができなかった。 実施例24〜32
【0089】表7に示す原料組成で、前記実施例1と同
様の方法により、実施例24〜32に使用するポリアミド酸
を合成した(得られたポリアミド酸溶液の対数粘度を表
7に併記した)。更に、ポリアミド酸溶液およびナフト
キノンジアジド化合物をそれぞれ表7に示した所定量混
合し、実施例24〜32のレジスト液を調製した。尚、表7
中で新たに用いた略号は、それぞれ以下に示すナフトキ
ノンジアジド化合物を表す。
【0090】
【化18】 上記のように調製されたレジスト液について、以下に示
すとおり実施例1と同様にパタ―ンを形成して、各特性
の評価を行なった。 (1)特性試験24−a〜32−a(解像性評価)
【0091】実施例24〜32のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−aと同様の方法で、シリコンウェハ
―上において露光、熱処理、現像を行ないパタ―ンを形
成した。得られた各パタ―ンについて、電子顕微鏡によ
り断面を観察して解像度を測定し、その結果を表8に示
した。 (2)特性試験24−b〜32−b(密着性評価)
【0092】実施例24〜32のレジスト液に関して、実施
例1の特性試験1−bと同様の方法で、シリコンウェハ
―との密着性についての評価を行なった。その結果を表
8に併記した。 (3)特性試験24−c〜32−c(耐熱性評価) 実施例24〜32のレジスト液に関して、実施例1の特性試
験1−cと同様の方法で、シリコンウェハ―上での耐熱
性についての評価を行なった。その結果を表8に併記し
た。表8に示したごとく、いずれにおいてもポジ型又は
ネガ型の微細なパタ―ンが形成され、基板とパタ―ンと
の密着性、耐熱性も充分であった。
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】 * 密着ゴバン目評価(密着性評価):2気圧の飽和水
蒸気中で62時間加熱後のシリコンウェハ―との密着性。 * 10%減量温度(℃)(耐熱性評価): 320℃の熱硬化
後のTGA測定による。
【0095】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のパタ―ン
形成方法によれば、アルカリ現像による解像度の高いパ
タ―ン形成が可能となるため、密着性、耐熱性の優れた
微細なポリイミド膜パタ―ンを簡略に実現でき、その工
業的価値は大なるものがある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/312 B 8518−4M (72)発明者 中野 義彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝総合研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に下記一般式[1]で表される反
    復単位を有するポリアミド酸とナフトキノンジアジド化
    合物を主成分とする樹脂層を形成する工程と、前記樹脂
    層の所望領域を露光する工程と、露光後樹脂層に 130〜
    200℃の熱処理を施す工程と、前記熱処理後に樹脂層を
    現像する工程と、現像された樹脂層を加熱して樹脂層中
    のポリアミド酸をイミド化する工程とを具備したことを
    特徴とするパターン形成方法。 【化1】
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