JP5803638B2 - 感光性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、上記感光性樹脂組成物を、基板上に塗布・乾燥して樹脂膜を形成し、該樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜とする。得られたパターン樹脂膜を加熱処理し、得られるパターン硬化膜を、表面保護膜又は層間絶縁膜として用いる。
しかしながら、o−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物では、感光性樹脂組成物の製造時にo−キノンジアジド化合物を溶剤に溶かして用いるが、長期に保存するとo−キノンジアジド化合物が析出する問題があった。
しかし、上記の溶剤を用いた場合であっても、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するための装置内でo−キノンジアジド化合物が析出してしまう等の問題があり、o−キノンジアジド化合物の析出を十分に抑制することはできなかった。また、溶剤を変えることにより、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン硬化膜の良好な機械特性及び感光特性を維持することが困難であった。
本発明の他の目的は、信頼性の高い電子部品を提供することである。
1.(a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、
前記o−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で混合撹拌する工程と、を含む感光性樹脂組成物の製造方法。
2.前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾオキサゾール、及びこれらの共重合体から選択される少なくとも1種である1に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
3.前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(I)又は(I−a)で表される構成単位を有する化合物である1又は2に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
4.前記(b)溶剤が、γ―ブチロラクロン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
5.前記混合撹拌を10〜25℃の温度範囲で実施する1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
6.1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られる感光性樹脂組成物。
7.6に記載の感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
8.6に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含むパターン硬化膜の製造方法。
9.8に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を表面保護膜又は層間絶縁膜として有する電子部品。
本発明によれば、信頼性の高い電子部品が提供できる。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、(a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、得られたo−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で撹拌混合する工程とを含む。
溶剤にo−キノンジアジド化合物が溶解している溶液に、アルカリ可溶性樹脂を添加して撹拌混合すると溶解熱が発生する。本発明の製造方法では、発生する溶解熱によるo−キノンジアジド化合物、溶剤及びアルカリ可溶性樹脂からなる混合液の温度上昇を、混合液の温度が0〜35℃となるように調整することで、感光性樹脂組成物中のo−キノンジアジド化合物の析出を防ぐことができる。
o−キノンジアジド化合物溶液とアルカリ可溶性樹脂からなる混合液の撹拌混合時の温度は、好ましくは5〜30℃であり、より好ましくは7〜28℃であり、より好ましくは10〜25℃であり、より好ましくは15〜25℃であり、さらに好ましくは15〜20℃である。
上記混合液の撹拌混合時の温度を35℃以下に保つことで、o−キノンジアジドの析出を抑制することができる。一方、上記混合液の撹拌混合時の温度を0℃以上とすることで、感光剤がアルカリ可溶性樹脂に溶解しにくくなることを防ぐことができる。
[(a)o−キノンジアジド化合物]
(a)成分であるo−キノンジアジド化合物は、好ましくは光によりカルボン酸に変化する基を有する化合物である。このような化合物としては、例えばo−キノンジアジドスルホニルクロリド類と、ヒドロキシ化合物、アミノ化合物等を、脱塩酸性触媒の存在下で縮合反応させることで得られる化合物が挙げられる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合(モル比)は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃であり、好ましい反応時間は1〜10時間である。
(b)溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、塗布性向上のため、ジエチルケトン、ジエソブチルケトン、メチルアミルケトン、乳酸エチル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテート等をさらに添加して使用してもよい。
(b)溶剤は、(c)アルカリ可溶性樹脂を良好に溶解させる観点から、好ましくはγ−ブチロラクトン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む。
(c)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であり、例えば以下の基準を満たす樹脂が該当する。
(c)成分単独と任意の溶剤を含有する樹脂溶液、又は(c)成分、(a)成分、(b)成分とを含有する樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上に回転塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。この樹脂膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか1つに、20〜25℃において浸漬し、均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(c)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断できる。
(c)アルカリ可溶性樹脂は、より好ましくはアルカリ水溶液に可溶となるようにカルボン酸又はフェノール性水酸基を有する樹脂である。このようなアルカリ水溶液への可溶性の観点から、(c)アルカリ可溶性樹脂は、より好ましくはポリアミド酸エステル及び/又はポリヒドロキシアミドである。
テトラカルボン酸ジエステルジハライドとしては、テトラカルボン酸ジエステルジクロライドが好ましい。当該テトラカルボン酸ジエステルジクロライドは、テトラカルボン酸二無水物とアルコ−ル化合物を反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルとを反応させて得ることができる。
カルボン酸二無水物とアルコール化合物の好ましい割合(モル比)は、カルボン酸二無水物/アルコール化合物で、例えば1/2〜1/20の範囲であり、好ましい割合は1/2.5〜1/10の範囲であり、最も好ましくは1/2である。好ましい反応温度は10〜60℃であり、好ましい反応時間は3〜24時間である。
テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの好ましい割合(モル比)は、テトラカルボン酸ジエステル/塩化チオニルで、1/1.1〜1/2.5の範囲が好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
反応に使用される有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドの割合(モル比)は、ジアミン化合物/テトラカルボン酸ジエステルジクロリドで0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱塩酸触媒とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、脱塩酸触媒/テトラカルボン酸ジエステルジハライド(モル比)が、0.95/1〜1/0.95の範囲とされる。
ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4−へキサフルオロイソプロピリデンジ安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン安息香酸、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組合せて使用することができる。これらの中で、耐熱性の点で芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
ヒドロキシジアミンとしては、上記のポリアミド酸エステルを合成するために用いられるジアミンのうち、ヒドロキシル基を有する化合物を用いることができる。
R1で示される4価の有機基としては、好ましくは4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が4〜40である4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が4〜40の4価の芳香族基である。
上記芳香族基とは、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む基をいう。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在する4価の芳香族基が好ましい。4個の結合部位は、2組の2個の結合部位に分けられ、その2個の結合部位が芳香環のオルト位又はペリ位に位置すると好ましい。前述の2組2個の結合部位は、同一の芳香環上に存在してもよく、各種結合基を介して結合する別々の芳香環に存在してもよい。
R2で示される2価の有機基としては、好ましくは2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が2〜40の2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が2〜40の芳香族基である。
上記芳香族基としては、2個の結合部位が芳香環上に直接存在すると好ましく、2個の結合部位は同一の芳香環に存在しても、異なった芳香環に存在してもよい。また、芳香族基は、好ましくはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を1〜8個有し、これらが芳香環に直接結合しているとより好ましい。カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する芳香族基のうち、フェノール性水酸基を有する芳香族基は感度が高く、さらに好ましい。
R4で示される2価の有機基としては、好ましくは2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が4〜40である2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、さらに好ましくは、炭素原子数が4〜40である2価の脂肪族基である。上記芳香族基とは、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む基をいう。2価の芳香族基である場合は、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在する2価の芳香族基が好ましい。
R5で示される4価の有機基としては、好ましくは4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が2〜40の4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が2〜40の芳香族基である。上記芳香族基としては、4個の結合部位が芳香環上に直接存在すると好ましい。
U及びVは、それぞれ2価の有機基、単結合、−O−、又は−SO2−である。2価の有機基として炭素数1〜10の有機基が例示でき、有機基はハロゲンで置換されているものも含む。)
2価の有機基として炭素数1〜10の有機基が例示でき、当該有機基はハロゲン原子で置換されているものも含む。Wの炭素数4〜40の脂肪族構造を含む基の「炭素数4〜40」は、脂肪族構造の炭素数が4〜40であることを示す。)
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、上述の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を用いることで実施できるが、必要に応じて、さらに架橋剤、接着助剤等の他の成分を用いてもよい。
架橋剤を用いることにより、得られるパターン硬化膜の機械特性を向上させることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法において、架橋剤は、どのタイミングで添加してもよいが、好ましくはo−キノンジアジド化合物溶液に、アルカリ可溶性樹脂と共に添加する。
接着助剤を使用する場合のその使用量は、好ましくは(c)成分100重量部に対して、
0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜8重量部である。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法において、接着助剤は、どのタイミングで添加してもよいが、好ましくはo−キノンジアジド化合物溶液に、アルカリ可溶性樹脂と共に添加する。
本発明の製造方法により得られる感光性樹脂組成物(本発明の感光性樹脂組成物)は、パターン硬化膜の製造に適しており、良好な機械特性及び感光特性を有するパターン硬化膜を得ることができる。
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する工程と、得られた樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、得られたパターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含む。
感光性樹脂組成物の塗布は、例えばスピンナ等で回転塗布することで実施することができる。また、塗布膜の乾燥は、通常はオーブン又はホットプレートを用いて、好ましくは乾燥温度60〜140℃で、乾燥時間30秒間〜10分間で実施する。
乾燥温度を60℃以上とすることで、溶剤が充分に揮発し、得られる樹脂膜の取り扱い性を向上させることができる。また、乾燥温度を140℃以下とすることで、樹脂膜中のo−キノンジアジド化合物が、乾燥中に分解することを防ぐことができる。
上記の乾燥は、感光性樹脂組成物の成分により適宜調整するとよい。
露光装置としては、例えば平行露光機、投影露光機、ステッパー、スキャナー露光機等を用いることができ、活性光線としては、紫外線を用いることが好ましい。
現像液としては、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液である。
上記アルカリ水溶液の塩基濃度は、好ましくは0.1〜10重量%である。
現像液にアルコール類及び/又は界面活性剤を添加する場合、これらの添加量は、それぞれ現像液100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。
加熱処理を実施する装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等が挙げられる。また、加熱処理の際の雰囲気は、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中のいずれを選択することもできるが、窒素下で実施する方が感光性樹脂組成物膜の酸化を防ぐことができるので好ましい。
パターン樹脂膜を加熱処理することで、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミドの置換基が、イミド環、オキサゾール環に閉環され、耐熱性を有するパターン硬化膜が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物から得られるパターン硬化膜(本発明のパターン硬化膜)は、表面保護膜又は層間絶縁膜として好適に用いることができ、半導体装置、多層配線板等の電子部品に使用することができるが、例えばロジック、DRAM、FLASHメモリ、パワーデバイス、LED素子、SAWフィルター部品等が挙げられる。本発明のパターン硬化膜を備える電子部品は、当該パターン硬化膜を表面保護膜又は層間絶縁膜として有する以外は特に制限はされず、さまざまな構造をとることができる。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図1において、回路素子(図示せず)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。当該半導体基板上に、本発明の感光性樹脂組成物を用いてスピンコート法等で成膜できる層間絶縁膜4が形成される(工程(a))。
尚、表面保護膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
合成例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物24.82g(0.08モル)、n−ブチルアルコール11.86g(0.16モル)、ピリジン0.24g(0.0024モル)N−メチルピロリドン135gを仕込み、室温で15時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
次いで、フラスコ中に0℃で塩化チオニル15.23g(0.128モル)を滴下し1時間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン23.44g(0.064モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を20分間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して重量平均分子量30,000のポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(ポリマーc−1)。
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物28.66g(0.08モル)、n−ブチルアルコール11.86g(0.16モル)、ピリジン0.24g(0.0024モル)、N−メチルピロリドン135gを仕込み、室温で15時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
次いで、フラスコ中に0℃で塩化チオニル15.23g(0.128モル)を滴下し1時間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン23.44g(0.064モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して重量平均分子量25,000のポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(ポリマーc−2)。
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を得た。
次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥して、重量平均分子量14,560のポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(ポリマーc−3)。
(b)成分であるγ−ブチロラクトン(BLO)140重量部に、(a)成分である化合物a−1を10重量部添加して溶解した。次いで(c)成分である合成例1で調製したポリマーc−1 100重量部及び(d)成分として架橋剤である化合物d−1 10重量部を加えて、混合液の温度を7℃に保つよう冷却しながら撹拌混合し、感光性樹脂組成物を製造した。
得られた感光性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)o−キノンジアジド化合物の析出の評価
得られた感光性樹脂組成物を1μmPTFEフィルターを用いて濾過し、ろ過後の感光性樹脂組成物(ろ液)5gを、直径1cmのガラス管に所定量採取し、そこにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを60重量%となるように加えて均一混合させた。その後、50℃の恒温槽に24時間静置保管し、感光剤の析出の状態を確認し、以下の基準で評価した。析出の状態がA又はBである場合、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するための装置内でo−キノンジアジド化合物が析出することを、十分に抑制することができると言える。
A:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から0.5cm未満
B:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から0.5cm以上〜1.0cm未満
C:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から1.0cm以上〜1.5cm未満
D:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から1.5cm以上
得られた感光性樹脂組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、120℃で3分間乾燥し、膜厚14〜18μmの樹脂膜を形成した。形成した樹脂膜をイナートガスオーブンを用いて窒素雰囲気下で下記条件で加熱をし、膜厚10μmの硬化膜を得た。
樹脂膜の加熱条件は、以下の通りである:
装置:光洋サーモシステム社製イナートガスオーブン
加熱条件:室温〜200℃(5℃/分)まで昇温
→200℃(20分)でホールド
→200℃〜300℃(5℃/分)まで昇温
→300℃(60分)でホールド
→300℃〜室温(60分)まで冷却
得られた硬化膜を、4.9質量%フッ酸水溶液を用いてシリコンウエハから剥離し、水洗、乾燥した。乾燥した硬化膜について、島津製作所社製オートグラフAGS−100NHを用いた引張試験より、破断伸びを評価した。
4.9質量%フッ酸水溶液を用いて、上記(2)破断伸びの評価と同様の方法で得られた硬化膜をシリコンウエハから剥離し、水洗、乾燥した。乾燥した硬化膜をセイコーインスツル株式会社製TMA/SS6000を用い、昇温速度5℃/分で加熱して、熱膨張係数の変曲点よりTgを測定した。
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上120℃で2分間加熱乾燥を行い、膜厚8.6μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(Canon製)を用い、レティクルを介し、100〜800mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液とし、現像後の残膜率が約80%となるような現像時間で現像し、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。L&Sパターンが開口している最小露光量を感度とした。
(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を、表1に示す成分を表1に示す添加量用い、表1に示す温度で混合液を撹拌混合した他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光性樹脂層
6A 窓
6B 窓
6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
Claims (5)
- (a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、
前記o−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で混合撹拌する工程と、を含む感光性樹脂組成物の製造方法。 - 前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾオキサゾール、及びこれらの共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記(b)溶剤が、γ―ブチロラクロン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
- 前記混合撹拌を10〜25℃の温度範囲で実施する請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
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