JP5803638B2 - 感光性樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感光性樹脂組成物の製造方法、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品に関する。さらに詳しくは、本発明は、感光性樹脂組成物の製造方法、当該感光性樹脂組成物の製造方法により得られる感光性樹脂組成物を用いたパターン硬化膜の製造方法、及び当該パターン硬化膜の製造方法により得られるパターン硬化膜を表面保護膜又は層間絶縁膜として備える電子部品に関する。
ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、アルカリ可溶性ポリベンゾオキサゾール等を含有する感光性樹脂組成物は、耐熱性、機械特性に優れる硬化膜が得られる観点から、半導体素子の表面保護膜又は層間絶縁膜の材料として広く使用されている。
例えば、上記感光性樹脂組成物を、基板上に塗布・乾燥して樹脂膜を形成し、該樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜とする。得られたパターン樹脂膜を加熱処理し、得られるパターン硬化膜を、表面保護膜又は層間絶縁膜として用いる。
近年、環境への優しさという観点から、現像の際に用いる現像液として、従来用いられてきた有機溶剤の代わりにアルカリ水溶液が使用されている。従って、感光性樹脂組成物もアルカリ水溶液に可溶な樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂という)を含むことが求められ、アルカリ可溶性の感光性樹脂組成物として、o−キノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物が提案されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、o−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物では、感光性樹脂組成物の製造時にo−キノンジアジド化合物を溶剤に溶かして用いるが、長期に保存するとo−キノンジアジド化合物が析出する問題があった。
上記のo−キノンジアジド化合物が析出する問題を解決する方法として、ヘキサフルオロイソプロパノール等のo−キノンジアジド化合物をより溶解し易い溶剤を用いる方法が提案されている(例えば特許文献2)。
しかし、上記の溶剤を用いた場合であっても、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するための装置内でo−キノンジアジド化合物が析出してしまう等の問題があり、o−キノンジアジド化合物の析出を十分に抑制することはできなかった。また、溶剤を変えることにより、当該感光性樹脂組成物を用いて形成されるパターン硬化膜の良好な機械特性及び感光特性を維持することが困難であった。
特開平4−168441号公報 特開平7−64284号公報
本発明の目的は、o−キノンジアジド化合物の析出を十分に防ぐことができ、且つ良好な機械特性及び感光特性を有するパターン硬化膜が得られる、o−キノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、信頼性の高い電子部品を提供することである。
本発明によれば、以下の感光性樹脂組成物の製造方法等が提供される。
1.(a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、
前記o−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で混合撹拌する工程と、を含む感光性樹脂組成物の製造方法。
2.前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾオキサゾール、及びこれらの共重合体から選択される少なくとも1種である1に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
3.前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(I)又は(I−a)で表される構成単位を有する化合物である1又は2に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
Figure 0005803638
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基を示し、Rは炭素数1〜10の有機基を示す。)
Figure 0005803638
(式中、Rは2価の有機基を示し、Rは4価の有機基を示す。)
4.前記(b)溶剤が、γ―ブチロラクロン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
5.前記混合撹拌を10〜25℃の温度範囲で実施する1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
6.1〜5のいずれかに記載の製造方法で得られる感光性樹脂組成物。
7.6に記載の感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
8.6に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する工程と、
前記樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含むパターン硬化膜の製造方法。
9.8に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を表面保護膜又は層間絶縁膜として有する電子部品。
本発明によれば、o−キノンジアジド化合物の析出を十分に防ぐことができ、且つ良好な機械特性及び感光特性を有するパターン硬化膜が得られる、o−キノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物の製造方法が提供できる。
本発明によれば、信頼性の高い電子部品が提供できる。
多層配線構造の半導体装置の製造工程を示す図である。
[感光性樹脂組成物の製造方法]
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、(a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、得られたo−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で撹拌混合する工程とを含む。
溶剤にo−キノンジアジド化合物が溶解している溶液に、アルカリ可溶性樹脂を添加して撹拌混合すると溶解熱が発生する。本発明の製造方法では、発生する溶解熱によるo−キノンジアジド化合物、溶剤及びアルカリ可溶性樹脂からなる混合液の温度上昇を、混合液の温度が0〜35℃となるように調整することで、感光性樹脂組成物中のo−キノンジアジド化合物の析出を防ぐことができる。
(a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程では、例えば攪拌棒を有する合成釜、フラスコ等の容器に(b)溶剤を仕込み、その中に(a)o−キノンジアジド化合物を加え溶解させることで、o−キノンジアジド化合物溶液を得ることができる。
得られたo−キノンジアジド化合物溶液に(c)アルカリ可溶性樹脂を添加することで得られる、o−キノンジアジド化合物溶液とアルカリ可溶性樹脂からなる混合液が、0〜35℃となるように調整しながら撹拌混合する。当該混合液の温度調整は、混合溶液を入れた合成釜、フラスコ等の容器を、循環冷却水、氷浴等を用いて冷却することで実施できる。尚、冷却を実施ない場合、混合液の温度は35℃超となり、例えば40〜60℃となる。
o−キノンジアジド化合物溶液とアルカリ可溶性樹脂からなる混合液の撹拌混合時の温度は、好ましくは5〜30℃であり、より好ましくは7〜28℃であり、より好ましくは10〜25℃であり、より好ましくは15〜25℃であり、さらに好ましくは15〜20℃である。
上記混合液の撹拌混合時の温度を35℃以下に保つことで、o−キノンジアジドの析出を抑制することができる。一方、上記混合液の撹拌混合時の温度を0℃以上とすることで、感光剤がアルカリ可溶性樹脂に溶解しにくくなることを防ぐことができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物の製造方法に用いる各成分について説明する。
[(a)o−キノンジアジド化合物]
(a)成分であるo−キノンジアジド化合物は、好ましくは光によりカルボン酸に変化する基を有する化合物である。このような化合物としては、例えばo−キノンジアジドスルホニルクロリド類と、ヒドロキシ化合物、アミノ化合物等を、脱塩酸性触媒の存在下で縮合反応させることで得られる化合物が挙げられる。
上記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えばベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド等が挙げられる。
上記ヒドロキシ化合物としては、例えばヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’,3’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン,2,3,4,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
上記反応の反応溶媒としては、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が挙げられる。
脱塩酸剤としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物及びアミノ化合物との反応は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基及びアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。
脱塩酸剤とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合(モル比)は、0.95/1〜1/0.95の範囲である。好ましい反応温度は0〜40℃であり、好ましい反応時間は1〜10時間である。
感光性樹脂組成物を塗布して得られる樹脂膜を、良好な感度で露光することができる観点から、本発明の感光性樹脂組成物中の(a)o−キノンジアジド化合物の含有量は、(c)アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部であり、より好ましくは10〜40重量部であり、さらに好ましくは10〜30重量部である。
[(b)溶剤]
(b)溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
また、塗布性向上のため、ジエチルケトン、ジエソブチルケトン、メチルアミルケトン、乳酸エチル、プロピレングリコ−ルモノメチルエ−テルアセテート等をさらに添加して使用してもよい。
(b)溶剤は、(c)アルカリ可溶性樹脂を良好に溶解させる観点から、好ましくはγ−ブチロラクトン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む。
(b)溶剤の使用量は特に制限はないが、(a)成分及び(c)を十分に溶解させ、樹脂膜を形成する際に適度な粘度を組成物に与える観点から、本発明の感光性樹脂組成物中の(b)溶剤の含有量は、(c)成分100重量部に対して、好ましくは80〜250重量部であり、より好ましくは100〜250重量部であり、さらに好ましくは110〜180重量部である。
[(c)アルカリ可溶性樹脂]
(c)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ水溶液に可溶な樹脂であり、例えば以下の基準を満たす樹脂が該当する。
(c)成分単独と任意の溶剤を含有する樹脂溶液、又は(c)成分、(a)成分、(b)成分とを含有する樹脂溶液を、シリコンウエハ等の基板上に回転塗布して膜厚5μm程度の樹脂膜を形成する。この樹脂膜をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液、金属水酸化物水溶液、有機アミン水溶液のいずれか1つに、20〜25℃において浸漬し、均一な溶液として溶解し得るとき、用いた(c)成分はアルカリ水溶液に可溶であると判断できる。
(c)アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ性溶液に可溶な樹脂であれば、特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくはポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾオキサゾール、及びこれらの共重合体から選択される1以上である。ここで共重合体とは例えば一部がポリイミドで一部がポリアミド酸である重合体である。
(c)アルカリ可溶性樹脂は、より好ましくはアルカリ水溶液に可溶となるようにカルボン酸又はフェノール性水酸基を有する樹脂である。このようなアルカリ水溶液への可溶性の観点から、(c)アルカリ可溶性樹脂は、より好ましくはポリアミド酸エステル及び/又はポリヒドロキシアミドである。
(c)アルカリ可溶性樹脂であるポリアミド酸エステルは、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジハライド(クロライド、ブロマイド等)と、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミン化合物と、さらに必要に応じてカルボキシル基及びフェノール性水酸基を有しないジアミン化合物とを反応させることにより得ることができる。この場合、反応は酸触媒の存在下で、溶剤中で行うことが好ましい。
テトラカルボン酸ジエステルジハライドとしては、テトラカルボン酸ジエステルジクロライドが好ましい。当該テトラカルボン酸ジエステルジクロライドは、テトラカルボン酸二無水物とアルコ−ル化合物を反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルとを反応させて得ることができる。
テトラカルボン酸ジエステルを合成する方法は公知であり、例えば、後述するテトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物を有機溶剤中、塩基の存在下に混合することで得られる。
カルボン酸二無水物とアルコール化合物の好ましい割合(モル比)は、カルボン酸二無水物/アルコール化合物で、例えば1/2〜1/20の範囲であり、好ましい割合は1/2.5〜1/10の範囲であり、最も好ましくは1/2である。好ましい反応温度は10〜60℃であり、好ましい反応時間は3〜24時間である。
テトラカルボン酸ジエステルジクロリドを合成する方法としては、テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルとを反応させる方法が挙げられる。
テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの好ましい割合(モル比)は、テトラカルボン酸ジエステル/塩化チオニルで、1/1.1〜1/2.5の範囲が好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
(c)アルカリ可溶性樹脂であるポリアミド酸エステルは、例えば、ジアミン化合物とピリジン等の脱塩酸触媒を有機溶剤に溶解し、溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルジクロリドを滴下して反応させた後、水等の貧溶剤に投入し、析出物をろ別、乾燥することによっても得られる。
反応に使用される有機溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。
ジアミン化合物とテトラカルボン酸ジエステルジクロリドの割合(モル比)は、ジアミン化合物/テトラカルボン酸ジエステルジクロリドで0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱塩酸触媒とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、脱塩酸触媒/テトラカルボン酸ジエステルジハライド(モル比)が、0.95/1〜1/0.95の範囲とされる。
上記ポリアミド酸エステルを合成するために用いられる、テトラカルボン酸二無水物としては、例えばピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物等の芳香族系テトラカルボン酸二無水物等が好ましく、これらを単独で、又は2種類以上組合せて使用することができる。
上記ポリアミド酸エステルを合成するために用いられる、ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3−ジヒドロキシビフェニル、等の芳香族ジアミン化合物等が好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ポリアミド酸エステルのエステル部位になる原料としては、例えば、アルコール化合物が用いられる。当該アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール等のアルキルアルコ−ル、フェノール、ベンジルアルコ−ル等が好ましく、これらを単独で又は2種類以上を組合せて使用することができる。
(c)アルカリ可溶性樹脂であるポリヒドロキシアミドは、例えばジカルボン酸とジヒドロキシジアミンとを反応させることで得られる。
ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4−へキサフルオロイソプロピリデンジ安息香酸、4,4’−ビフェニルジカルボン安息香酸、4,4’−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組合せて使用することができる。これらの中で、耐熱性の点で芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
ヒドロキシジアミンとしては、上記のポリアミド酸エステルを合成するために用いられるジアミンのうち、ヒドロキシル基を有する化合物を用いることができる。
得られる硬化膜が良好な機械特性及び耐熱性を有する観点から、(c)アルカリ可溶性樹脂は、さらに好ましくは下記式(I)又は(I−a)で表される構成単位を有する化合物である。
Figure 0005803638
(式中、Rは4価の有機基を示し、Rはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基を示し、Rは炭素数1〜10の有機基を示す。)
Figure 0005803638
(式中、Rは2価の有機基を示し、Rは4価の有機基を示す。Rに置換する2つの水酸基は、フェノール性水酸基である。)
式(I)において、Rで示される4価の有機基は、例えばジアミンと反応して、ポリイミドの構造を形成するテトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物又はこれらの誘導体の残基である。
で示される4価の有機基としては、好ましくは4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が4〜40である4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が4〜40の4価の芳香族基である。
上記芳香族基とは、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む基をいう。4価の芳香族基としては、4個の結合部位がいずれも芳香環上に存在する4価の芳香族基が好ましい。4個の結合部位は、2組の2個の結合部位に分けられ、その2個の結合部位が芳香環のオルト位又はペリ位に位置すると好ましい。前述の2組2個の結合部位は、同一の芳香環上に存在してもよく、各種結合基を介して結合する別々の芳香環に存在してもよい。
式(I)においてRで示されるカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基とは、例えばテトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、又はこれらの誘導体と反応してポリイミドの構造を形成しうるジアミン化合物のアミノ基を除いた残基である。
で示される2価の有機基としては、好ましくは2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が2〜40の2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が2〜40の芳香族基である。
上記芳香族基としては、2個の結合部位が芳香環上に直接存在すると好ましく、2個の結合部位は同一の芳香環に存在しても、異なった芳香環に存在してもよい。また、芳香族基は、好ましくはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を1〜8個有し、これらが芳香環に直接結合しているとより好ましい。カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する芳香族基のうち、フェノール性水酸基を有する芳香族基は感度が高く、さらに好ましい。
式(I)において、Rで示される1価の有機基は、好ましくは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数が1〜20の脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基である。
式(I−a)において、Rで示される2価の有機基としては、例えばジアミンと反応して、ポリヒドロキシアミドの構造を形成するジカルボン酸、又はジカルボン酸の誘導体の残基である。
で示される2価の有機基としては、好ましくは2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が4〜40である2価の芳香族基又は2価の脂肪族基であり、さらに好ましくは、炭素原子数が4〜40である2価の脂肪族基である。上記芳香族基とは、芳香環(ベンゼン環、ナフタレン環等)を含む基をいう。2価の芳香族基である場合は、2個の結合部位がいずれも芳香環上に存在する2価の芳香族基が好ましい。
式(I−a)においてRで示される4価の有機基とは、例えばジカルボン酸、ジカルボン酸の誘導体と反応してポリヒドロキシアミドの構造を形成しうるフェノール性水酸基を有するジアミン化合物のアミノ基及びフェノール性水酸基を除いた残基である。
で示される4価の有機基としては、好ましくは4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、より好ましくは炭素原子数が2〜40の4価の芳香族基又は4価の脂肪族基であり、さらに好ましくは炭素原子数が2〜40の芳香族基である。上記芳香族基としては、4個の結合部位が芳香環上に直接存在すると好ましい。
(c)アルカリ可溶性樹脂である式(I)で表される構成単位を有する化合物は、より好ましくは下記式(I’)又は(I−a’)で表わされる構成単位を有する化合物である。
Figure 0005803638
(式中、Rはそれぞれ炭素数1〜10の有機基であり、R及びRは、それぞれカルボキシル基又はフェノール性水酸基である。
U及びVは、それぞれ2価の有機基、単結合、−O−、又は−SO−である。2価の有機基として炭素数1〜10の有機基が例示でき、有機基はハロゲンで置換されているものも含む。)
Figure 0005803638
(式中、Wは炭素数4〜40の脂肪族構造を含む基であり、Xは2価の有機基、単結合、−O−、又は−SO−である。
2価の有機基として炭素数1〜10の有機基が例示でき、当該有機基はハロゲン原子で置換されているものも含む。Wの炭素数4〜40の脂肪族構造を含む基の「炭素数4〜40」は、脂肪族構造の炭素数が4〜40であることを示す。)
[その他の成分]
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、上述の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を用いることで実施できるが、必要に応じて、さらに架橋剤、接着助剤等の他の成分を用いてもよい。
架橋剤は、好ましくは硬化時に(c)成分と効率よく架橋又は重合し得る化合物であり、このような化合物としては、例えばフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アルコキシ基、アミノ基及びメルカプト基から選択される1以上を含む化合物が挙げられる。架橋剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
架橋剤を用いることにより、得られるパターン硬化膜の機械特性を向上させることができる。
上記架橋剤としては、例えば下記式(1)〜(3)で表わされる化合物のいずれかを用いることができる。
Figure 0005803638
(式中、Rはそれぞれ水素原子又はメチル基である。)
架橋剤を使用する場合のその使用量は、好ましくは(c)成分100重量部に対して1〜100重量部であり、より好ましくは5〜40重量部、さらに好ましくは5〜30重量部、特に好ましくは5〜20重量部である。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法において、架橋剤は、どのタイミングで添加してもよいが、好ましくはo−キノンジアジド化合物溶液に、アルカリ可溶性樹脂と共に添加する。
接着助剤としては、例えば有機シラン化合物、アルミキレート化合物、ケイ素含有ポリアミド酸等が挙げられる。有機シラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
接着助剤を使用する場合のその使用量は、好ましくは(c)成分100重量部に対して、
0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.5〜8重量部である。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法において、接着助剤は、どのタイミングで添加してもよいが、好ましくはo−キノンジアジド化合物溶液に、アルカリ可溶性樹脂と共に添加する。
[パターン硬化膜の製造方法]
本発明の製造方法により得られる感光性樹脂組成物(本発明の感光性樹脂組成物)は、パターン硬化膜の製造に適しており、良好な機械特性及び感光特性を有するパターン硬化膜を得ることができる。
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して樹脂膜を形成する工程と、得られた樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜を形成する工程と、得られたパターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含む。
感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、塗布膜を乾燥して樹脂膜を形成する工程において、感光性樹脂組成物を塗布する基板としては、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO、SiO等)、窒化ケイ素からなる基板等を用いることができる。
感光性樹脂組成物の塗布は、例えばスピンナ等で回転塗布することで実施することができる。また、塗布膜の乾燥は、通常はオーブン又はホットプレートを用いて、好ましくは乾燥温度60〜140℃で、乾燥時間30秒間〜10分間で実施する。
乾燥温度を60℃以上とすることで、溶剤が充分に揮発し、得られる樹脂膜の取り扱い性を向上させることができる。また、乾燥温度を140℃以下とすることで、樹脂膜中のo−キノンジアジド化合物が、乾燥中に分解することを防ぐことができる。
上記の乾燥は、感光性樹脂組成物の成分により適宜調整するとよい。
樹脂膜を露光及び現像してパターン樹脂膜を形成する工程において、露光は、基板上の樹脂膜に、フォトマスクを介して紫外線、可視光線、放射線等の活性光線を照射することで実施できる。
露光装置としては、例えば平行露光機、投影露光機、ステッパー、スキャナー露光機等を用いることができ、活性光線としては、紫外線を用いることが好ましい。
現像は、例えば樹脂膜の露光部を現像液で除去することにより実施でき、これによりパターン樹脂膜が得られる。
現像液としては、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ水溶液である。
上記アルカリ水溶液の塩基濃度は、好ましくは0.1〜10重量%である。
現像液は、さらにアルコール類や界面活性剤を添加してもよい。
現像液にアルコール類及び/又は界面活性剤を添加する場合、これらの添加量は、それぞれ現像液100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがより好ましい。
パターン樹脂膜を加熱処理する工程において、加熱処理は、加熱温度が例えば150〜450℃で実施できる。
加熱処理を実施する装置としては、石英チューブ炉、ホットプレート、ラピッドサーマルアニール、縦型拡散炉、赤外線硬化炉、電子線硬化炉、及びマイクロ波硬化炉等が挙げられる。また、加熱処理の際の雰囲気は、大気中又は窒素等の不活性雰囲気中のいずれを選択することもできるが、窒素下で実施する方が感光性樹脂組成物膜の酸化を防ぐことができるので好ましい。
パターン樹脂膜を加熱処理することで、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミドの置換基が、イミド環、オキサゾール環に閉環され、耐熱性を有するパターン硬化膜が得られる。
[パターン硬化膜]
本発明の感光性樹脂組成物から得られるパターン硬化膜(本発明のパターン硬化膜)は、表面保護膜又は層間絶縁膜として好適に用いることができ、半導体装置、多層配線板等の電子部品に使用することができるが、例えばロジック、DRAM、FLASHメモリ、パワーデバイス、LED素子、SAWフィルター部品等が挙げられる。本発明のパターン硬化膜を備える電子部品は、当該パターン硬化膜を表面保護膜又は層間絶縁膜として有する以外は特に制限はされず、さまざまな構造をとることができる。
本発明のパターン硬化膜を備える電子部品(本発明の電子部品)として、半導体装置が挙げられる。ここで、当該半導体装置の製造工程を一例に、本発明の電子部品を説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図1において、回路素子(図示せず)を有するSi基板等の半導体基板1は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層3が形成されている。当該半導体基板上に、本発明の感光性樹脂組成物を用いてスピンコート法等で成膜できる層間絶縁膜4が形成される(工程(a))。
次に、塩化ゴム系又はフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bが開けられる。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
各層を形成した後、表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性樹脂組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱して膜とする。この膜は、導体層を外部からの応力、α線等から保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
尚、表面保護膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
ここに、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。
[アルカリ可溶性樹脂の調製]
合成例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物24.82g(0.08モル)、n−ブチルアルコール11.86g(0.16モル)、ピリジン0.24g(0.0024モル)N−メチルピロリドン135gを仕込み、室温で15時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
次いで、フラスコ中に0℃で塩化チオニル15.23g(0.128モル)を滴下し1時間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン23.44g(0.064モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を20分間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して重量平均分子量30,000のポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(ポリマーc−1)。
合成例2
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物28.66g(0.08モル)、n−ブチルアルコール11.86g(0.16モル)、ピリジン0.24g(0.0024モル)、N−メチルピロリドン135gを仕込み、室温で15時間攪拌し反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
次いで、フラスコ中に0℃で塩化チオニル15.23g(0.128モル)を滴下し1時間反応させて、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を得た。次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン23.44g(0.064モル)を添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥して重量平均分子量25,000のポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(ポリマーc−2)。
合成例3
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸15.48g、N−メチルピロリドン90gを仕込み、フラスコを5℃に冷却した後、塩化チオニル12.64gを滴下し、30分間反応させて、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を得た。
次いで、攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン87.5gを仕込み、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.30gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン8.53gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロリドの溶液を30分間で滴下した後、30分間攪拌を続けた。溶液を3リットルの水に投入し、析出物を回収、純水で3回洗浄した後、減圧乾燥して、重量平均分子量14,560のポリヒドロキシアミド(ポリベンゾオキサゾール前駆体)を得た(ポリマーc−3)。
[感光性樹脂組成物の製造]
感光性樹脂組成物の製造には、下記化合物を用いた。
Figure 0005803638
実施例1
(b)成分であるγ−ブチロラクトン(BLO)140重量部に、(a)成分である化合物a−1を10重量部添加して溶解した。次いで(c)成分である合成例1で調製したポリマーc−1 100重量部及び(d)成分として架橋剤である化合物d−1 10重量部を加えて、混合液の温度を7℃に保つよう冷却しながら撹拌混合し、感光性樹脂組成物を製造した。
得られた感光性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
[感光性樹脂組成物の評価]
(1)o−キノンジアジド化合物の析出の評価
得られた感光性樹脂組成物を1μmPTFEフィルターを用いて濾過し、ろ過後の感光性樹脂組成物(ろ液)5gを、直径1cmのガラス管に所定量採取し、そこにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを60重量%となるように加えて均一混合させた。その後、50℃の恒温槽に24時間静置保管し、感光剤の析出の状態を確認し、以下の基準で評価した。析出の状態がA又はBである場合、感光性樹脂組成物を基板上に塗布するための装置内でo−キノンジアジド化合物が析出することを、十分に抑制することができると言える。
A:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から0.5cm未満
B:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から0.5cm以上〜1.0cm未満
C:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から1.0cm以上〜1.5cm未満
D:o−キノンジアジド化合物の析出量がガラス管の底部から1.5cm以上
(2)破断伸び
得られた感光性樹脂組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、120℃で3分間乾燥し、膜厚14〜18μmの樹脂膜を形成した。形成した樹脂膜をイナートガスオーブンを用いて窒素雰囲気下で下記条件で加熱をし、膜厚10μmの硬化膜を得た。
樹脂膜の加熱条件は、以下の通りである:
装置:光洋サーモシステム社製イナートガスオーブン
加熱条件:室温〜200℃(5℃/分)まで昇温
→200℃(20分)でホールド
→200℃〜300℃(5℃/分)まで昇温
→300℃(60分)でホールド
→300℃〜室温(60分)まで冷却
得られた硬化膜を、4.9質量%フッ酸水溶液を用いてシリコンウエハから剥離し、水洗、乾燥した。乾燥した硬化膜について、島津製作所社製オートグラフAGS−100NHを用いた引張試験より、破断伸びを評価した。
(3)ガラス転移温度Tg
4.9質量%フッ酸水溶液を用いて、上記(2)破断伸びの評価と同様の方法で得られた硬化膜をシリコンウエハから剥離し、水洗、乾燥した。乾燥した硬化膜をセイコーインスツル株式会社製TMA/SS6000を用い、昇温速度5℃/分で加熱して、熱膨張係数の変曲点よりTgを測定した。
(4)感度の評価(感光特性評価)
得られた感光性重合体組成物をスピンナーを使用してシリコンウエハ上に回転塗布し、ホットプレート上120℃で2分間加熱乾燥を行い、膜厚8.6μmの塗膜を得た。この塗膜に露光機としてi線ステッパ(Canon製)を用い、レティクルを介し、100〜800mJ/cmの露光をした。次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を現像液とし、現像後の残膜率が約80%となるような現像時間で現像し、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。L&Sパターンが開口している最小露光量を感度とした。
実施例2−8及び比較例1−4
(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を、表1に示す成分を表1に示す添加量用い、表1に示す温度で混合液を撹拌混合した他は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005803638
表1が示すように、溶液に(a)成分を混合し攪拌する工程を0〜35℃で行なった実施例1−8の感光性樹脂組成物では、50℃、24時間放置してもほとんどo−キノンジアジド化合物が析出しなかった。一方、撹拌混合を40℃又は50℃で行なった比較例1−3の組成物では、o−キノンジアジド化合物の析出が確認された。また、比較例4では、感光剤及び樹脂が溶解せず、評価が実施できなかった。
本発明の製造方法から得られる感光性樹脂組成物は、電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等の材料として好適に用いることができる。
1 半導体基板
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光性樹脂層
6A 窓
6B 窓
6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層

Claims (5)

  1. (a)o−キノンジアジド化合物を(b)溶剤に溶解してo−キノンジアジド化合物溶液を調製する工程と、
    前記o−キノンジアジド化合物溶液と(c)アルカリ可溶性樹脂を0〜35℃の温度範囲で混合撹拌する工程と、を含む感光性樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、ポリイミド、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリヒドロキシアミド、ポリベンゾオキサゾール、及びこれらの共重合体から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  3. 前記(c)アルカリ可溶性樹脂が、下記式(I)又は(I−a)で表される構成単位を有する化合物である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0005803638
    (式中、Rは4価の有機基を示し、Rはカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基を示し、Rは炭素数1〜10の有機基を示す。)
    Figure 0005803638
    (式中、Rは2価の有機基を示し、Rは4価の有機基を示す。)
  4. 前記(b)溶剤が、γ―ブチロラクロン及び/又はN−メチル−2−ピロリドンを含む請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
  5. 前記混合撹拌を10〜25℃の温度範囲で実施する請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の製造方法。
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