JPH0558891B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はメモリカードを利用した射出成形機の
制御装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、射出成形機における制御装置は各種成
形条件を入力するための設定パネルを備えてお
り、この設定パネルに設定した成形条件はデータ
として制御装置本体の内部メモリ（RAM）へ記
憶するとともに、この記憶したデータによつてコ
ントローラを作動させ、このコントローラに接続
した制御対象であるアクチユエータ（バルブ、モ
ータ等）を制御している。なお、成形条件を変更
する場合にも同じく設定パネルで行い、これによ
り内部メモリに記憶されたデータを書き替える。

一方、成形作業の立ち上がり時間を短縮するた
め、外部メモリであるメモリカード、例えばEE
−PROMやCPUを内蔵するICカードを利用した
成形条件の設定も行われている。メモリカードを
利用する場合には、成形条件（データ）を予めカ
ード内に記憶させておく。そして、金型交換時等
において成形条件を変更する場合には当該メモリ
カードを射出成形機に備えたメモリカードドライ
バに装填し、このメモリカードに記憶したデータ
を制御装置本体の内部メモリへ転送して記憶させ
るとともに、この内部メモリのデータに基づいて
制御を行う。なお、成形条件を変更する場合には
設定パネルを操作し、内部メモリ内のデータを書
き替える。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、上述した従来の制御装置は成形条件
を変更するに際し、設定パネルの操作によつて誰
でも、またいつでも容易に行うことができるた
め、次のような不具合を生ずる。

第一に、オペレータ等の不注意によつて手や足
等の体の一部や物が誤つて設定パネルに接触した
場合には成形条件が変わり、この結果、不良品発
生や金型破損を招く虞れがある。

第二に、成形条件の設定又は変更は射出成形機
及び金型保護の見地から社内的に資格のある者の
みに許可し、それ以外は設定操作を禁止している
場合も少なくないが、この際の規制管理が徹底で
きない。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は上述した従来の技術に存在する諸問題
を解決した射出成形機における制御装置の提供を
目的とするもので、以下に示す制御装置１によつ
て達成される。

即ち、本発明は設定パネル２に設定したデータ
Ｄ１またはメモリカード３に記憶したデータＤ２
を制御装置本体１Ｂの内部メモリ４へ選択的に転
送して記憶させ、この内部メモリ４のデータＤ１
又はＤ２によつて制御を行う射出成形機の制御装
置１に適用したもので少なくともフオトタラプト
等の装填検出部１７により、装填したメモリカー
ド３の存在を検出する装填検出手段５を設けると
ともに、この装填検出手段５による装填状態の検
出によつて設定パネル２から内部メモリ４へのデ
ータＤ１の記憶を許容し、他方、非装填状態の検
出によつて当該データ１の記憶を阻止するゲート
手段６を設けたことを特徴とする。この場合、装
填検出手段５はコネクタ部１６にメモリカード３
を完全に装填した際に導通して装填を検知する導
通確認端子を備え、装填検出部１７及び導通確認
端子の双方により装填状態の検出を行うことが望
ましい。

〔作用〕

次に、本発明の作用について説明する。

本発明に係る制御装置１はメモリカード３の装
填状態では装填検出手段５がそれを検出してゲー
ト手段６を開放する。この結果、設定パネル２に
設定されるデータＤ１はゲート手段６を介して内
部メモリ４へ記憶させることができる。

一方、メモリカード３を装填しない状態では装
填検出手段５は非装填状態であることを検出して
ゲート手段６を閉鎖する。この結果、設定パネル
２を操作しても入力されず内部メモリ４のデータ
は変化しない。つまり、設定されたデーテは保護
される。

このように、メモリカード３は成形条件設定時
又は変更時のように必要なときのみみ内部メモリ
４へのデータ書込みを許容するキーとして作用す
る。

なお、コネクタ部１６に対してメモリカード３
が完全装填した際に導通して装填を検知する導通
確認端子を備えることにより、装填検出部１７及
び導通確認端子の双方、即ち、二系統で装填状態
の検出を行うことができ、不完全な形でコネクタ
部１６に装填されたり、メモリカード以外の物が
挿入された場合などにはゲート手段６は開放され
ない。

〔実施例〕

以下には本発明に係る好適な実施例を図面に基
づき詳細に説明する。第１図は本発明に係る制御
装置のブロツク回路図である。

まず、本発明に係る制御装置１のブロツク回路
構成について説明する。

１０はコンピユータ機能をもつコントローラで
ある。コントローラ１０の出力側には表示パネル
１１及び型締制御及び射出制御を行う、電磁切換
弁、電磁流量弁、電磁圧力弁、モータ、サーボ
弁、サーボモータ等の制御対象となる各種アクチ
ユエータ１２を接続する。一方、コントローラ１
０の入力側には内部メモリ４を接続する。この内
部メモリ４はゲート手段６をなすメモリゲート手
段６をなすメモリゲート１３を介して設定パネル
２に接続し、また、メモリカードドライバ１４の
読取書込部１５に接続する。なお、内部メモリ４
はRAMを利用できるとともに、設定パネル２は
射出成形機各部の速度、圧力、位置、温度、回転
数等の成形条件を設定するための設定キーーを備
える。また、メモリゲート１３は入力信号によ
り、例えば設定パネル２との内部メモリ４の信号
ラインを接続又は遮断する機能をもつ。

一方、メモリカードドライバ１４はメモリカー
ド３を装填するコネクタ部１６と、このコネクタ
部１６と内部メモリ４間のデータ交換を行う読取
書込部１５を内蔵するユニツトである。また、こ
のドライバ１４にはメモリカード３の装填状態を
検出する装填検出部１７を備える。装填検出部１
７としてはメモリカード３の存在の有無を検出で
きるフオトインタラプト、近接スイツチ、リミツ
トスイツチ等の任意の検出手段を利用でき、コネ
クタ部１６の近傍に配設する。また、コネクタ部
１６にはメモリカード３が完全な装填状態になつ
たときに導通して装填を検知する導通確認端子が
あり、この導通確認端子と前記装填検出部１７の
出力はAND回路１８の入力側に接続する。なお、
AND回路１８の出力側は前記メモリゲート１３
に接続する。なお、このようにメモリカード３の
装填状態検出を二系統で確認するようにしたた
め、例えば、不完全な形でコネクタ部１６に装填
され、導通確認端子が導通しない場合、或はメモ
リカード３以外の物が挿入された場合にはいずれ
もゲート１３は開放されない。したがつて、誤動
作を防止し、また、信頼性を高めることができ
る。以上、メモリカード３を除く部分は制御装置
本体１Ｂを構成する。

次に、同装置１の動作について説明する。

まず、成形条件の不明な新規の金型を用いて成
形を行う場合を述べる。この場合、メモリカード
３は何も書込まれていないものを用いる。メモリ
カード３は前記ドライバ１４に装填する。これに
より、装填検出部１７は装填検出信号を出力し、
また、コネクタ部１６の導通確認端子は完全に装
填されたことを検出して導通確認信号を出力す
る。よつて、AND回路１８の双方の入力はハイ
レベルとなり、また、その出力もハイレベルとな
つて前記メモリゲート１３を開放する。よつて、
設定パネル２上に成形条件を設定すればそのデー
タＤ１はメモリゲート１３を介して内部メモリ４
へ記憶させることができる。なお、この状態にお
いて実際に成形を行い、最適成形条件になるよう
にデータＤ１の修正を行う。最適成形条件が設定
されたらこの修正されたデータＤ１を内部メモリ
４から読取書込部１５を介してメモリカード３へ
転送して記憶させる。つまり、当該データＤ１を
メモリカード３に複写する。そして、メモリカー
ド３はドライバ１４から取外して成形を続行す
る。

一方、メモリカード３をドライバ１４から取外
すとメモリカード３は非装填状態となるから
AND回路１８の入力はともにローレベルになり、
また、その出力もローレベルとなつてメモリゲー
ト１３を閉鎖する。よつて、メモリカード３が装
填されていない場合には設定パネル２を操作した
り、誤つても接触しても内部メモリ４の記憶デー
タＤ１は何等影響を受けない。

一方、外乱等により成形条件を変更する場合に
は再度メモリカード３を装填すればよく、これに
よりメモリゲート１３を開放し、メモリカード３
からデータＤ１を内部メモリ４へ転送して再設定
できる。この場合、再設定されたデータはメモリ
カード３へ記憶させることなしに内部メモリ４に
のみ残しておいてもよいし、或は、再設定された
データをメモリカード３に記憶させてもよい。さ
らにまた、金型を交換する場合において、成形条
件が不明のときは前記同様に設定を行えばよい
し、以前のメモリカード３を利用できる場合には
そのデータＤ２を内部メモリ４へ転送して成形を
行えばよい。

以上、実施例について詳細に説明したが本発明
はこのような実施例に限定されるものではなく、
細部の構成等において本発明の要旨を逸脱しない
範囲で任意に変更実施することができる。

〔発明の効果〕

このように、本発明に係る制御装置は少なくと
もフオトインタラプト等の装填検出部により、装
填したメモリカードの存在を検出する装填検出手
段と、装填状態の検出によつてのみ設定パネルか
ら内部メモリへのデータの記憶を許容するゲート
手段を設けたため、次のような効果を得る。

メモリカードはキーとして機能し、メモリカ
ードが装填されていない場合にには、不注意等
による誤操作があつてもデータは変更されずに
保護される。したがつて、このようなミスに基
づく不良品の発生や金型及び射出成形機の破損
を防止できる。

メモリカードを管理している本来的に操作を
行える者のみが設定パネルを操作できるため、
管理の徹底化を図ることができ、操作ミスの防
止、さらには射出成形機の保護強化を達成でき
る。

装填検出部と導通確認端子の双方により装填
状態を検出することにより、二系統で確認する
ことができるため、確実な装填状態を検出し、
誤動作の防止、さらには信頼性を高めることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明に係る制御装置のブロツク回路
図。 尚図面中、１……制御装置、１Ｂ……制御装置
本体、２……設定パネル、３……メモリカード、
４……内部メモリ、５……装填検出手段、６……
ゲート手段、Ｄ１，Ｄ２……データ、１６……コ
ネクタ部、１７……装填検出部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 設定パネルに設定したデータまたはメモリカ
   ードに記憶したデータを制御装置本体の内部メモ
   リへ選択的に転送して記憶させ、当該内部メモリ
   のデータによつて制御を行う射出成形機の制御装
   置において、少なくともフオトインタラプト等の
   装填検出部により、装填したメモリカードの存在
   を検出する装填検出手段と、前記装填検出手段に
   よる装填状態の検出によつて設定パネルから内部
   メモリへのデータの記憶を許容し、かつ非装填状
   態の検出によつて当該データの記憶を阻止するゲ
   ート手段を設けたことを特徴とする射出成形機の
   制御装置。 ２ 装填検出手段はコネクタ部にメモリカードを
   完全に装填した際に導通して装填を検知する導通
   確認端子を備え、前記装填検出部及び導通確認端
   子の双方により装填状態の検出を行うことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の射出成形機の
   制御装置。