JPH0558571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜利用分野＞ 本発明は、半導体ウエーハ検査装置に於けるウ
エーハの取り出し装置に関するもので、より詳し
くは該検査装置に於いて、多数のウエーハが収納
されたカセツトより任意のウエーハを取り出せる
ようにした装置に関する。

＜従来技術＞ 従来、半導体ウエーハ検査装置、例えば外観検
査装置、プローブ検査装置等に於いては、検査を
効率よく行なう為に多数のウエーハを適宜間隔で
断積みしたウエーハ収納カセツトを利用し、該カ
セツトよりウエーハを順次取り出してベルトにて
検査部に搬送し、又検査終了後のウエーハを所定
のカセツトに搬送収納するようにしている。

ところで、上記ウエーハの取り出し、収納手段
としては、一般的には、所定位置に配設されるカ
セツト内部まで延設した搬送ベルトにより、取り
出し時はカセツトを上下移動できるようにして最
下段のウエーハから順次ベルトに載せ、収納時は
空カセツトの上段から順次カセツト内へ挿し込む
ようにしている。

また、他の手段としては、上面にバキユームチ
ヤツキング用の溝を形成したアームを利用し、こ
のアームをカセツト内の所定ウエーハ裏面に進退
させて該ウエーハを吸着し、もつて取り出し、収
納を行なわせるようにしたものも存する。

ところで、前者の手段に於いては、ウエーハの
取り出し、収納を常にカセツト内の配列順序に従
つて検査する場合には何ら不都合の生じることは
ないが、抜き取り検査の如く無作為に取り出すこ
とは全く不可能（収納効率を上げる為ウエーハ間
隔が非常に狭く、搬送ベルトをウエーハ間に延設
させることができない）であり、又後者の手段に
於いては反りのあるウエーハの吸着把持には困難
が伴なう等の欠点があり、改善が望まれているも
のであつた。

そこで上記問題を解決するものとして、例えば
特開昭50−1639号公報あるいは特開昭59−139642
号公報等に開示されている如く、カセツトを介し
て搬送部と対向するように、かつカセツトを通し
て搬送部に対し進退するようにした押し出しバー
を利用した押し出し装置が提案されている。

上記によれば、押し出しバーはウエーハ１枚を
押し出すだけの厚み寸法である為、カセツトの上
下移動により任意のウエーハを押し出すことがで
き、前述従来の問題点を解決し得てその点に於い
て非常に便なる効果を奏することができる。

しかしながら、上記押し出しバー方式に於いて
は、押し出しウエーハに対する位置決め精度から
は水平方向に進退させるのが望ましく、また確実
な押し出しをはかる為少なくともカセツトの奥行
き寸法分十若干の余裕分（カセツト上下動を阻害
しないことと取り付け誤差等）の長さ方向寸法を
要することになる。しかして近年のウエーハは次
第に大径化しており、これに対応する為には押し
出しバーも長尺化するのを免れ得ないものであつ
て、そうすると該押し出しバー機構部のスペース
占有部が大きくなり、不必要な空間の増大を招
き、結局検査装置全体の寸法を不必要に大きくし
てしまうことが考えられ、甚だ不具合な問題が新
たに生じる欠点を有していた。

＜本発明の目的＞ 本発明は押し出し方式に於ける上記の如き欠点
に鑑み提供されたもので、ウエーハ押し出し部材
に曲折自在で且つ姿勢復帰習性を付与した長尺部
材を利用することで、ウエーハ押し出し機構部の
寸法増大を招くことが殆どなく、換言すれば検査
装置全体の寸法をウエーハ押し出し装置によつて
増大せしめることなく、又、ウエーハの大径化に
も対応容易でかつ位置決め精度の確保も極めて容
易なウエーハ検査装置のウエーハ押し出し装置を
提供しようとするものである。

＜実施例＞ 図は本発明に係る好適な一実施例を示す要部の
構成図であり、図に於いて１は半導体ウエーハ２
を適宜間隔で多数段積み収納する既知の収納カセ
ツトであり、搬送ベルト３（第２図参照）に対向
する正面側と後述するウエーハ押し出し装置の押
し出し部材と対向する背面側を開口している。１
０は本発明実施例に係るウエーハ押し出し装置を
示すもので、１１は長さ方向に直交する方向の断
面を弧状にして湾曲習性を付与した、所謂コンベ
ツクス形状の曲折自在な長尺帯板でなるウエーハ
押し出し部材であり、１２は該押し出し部材１１
の進退を直角方向にガイドするガイドローラ、１
３は該ガイドローラに沿つた進退を円滑に規制す
る押さえローラであつてガイドローラ１２に対し
相互に直角位置に配置している。１４は最終的に
所望の押し出しウエーハ２への進退方向を規制す
るピンチローラ、１５はウエーハ押し出し部材１
１の基端部を固定支持する支持杆、１６は支持杆
１５を介してウエーハ押し出し部材１１の基端側
を上下方向に進退せしめる駆動装置であり、例え
ば昇降シリンダ、無端往復ベルト、ラツクピニオ
ン等ウエーハ押し出し部材１１を直線運動させ得
るものであれば何れの方式であつてもよい。（図
はエアシリンダ方式を略示している。） しかしてガイドローラ１２及び押さえローラ１
３並びにピンチローラ１４等のガイド装置は、検
査装置本体（図示せず）の適宜位置に固定される
部品基台１７にて回転自在に支持されており、ま
た駆動装置１６もその送り側（ベルト式であれば
駆動ローラ、シリンダ式であればロツド又はハウ
ジング等）を検査装置本体に取り付けられてい
る。

１８はウエーハ押し出し部材１１のウエーハ押
し出し先端部に取り付けられた当該ピースであ
り、薄いウエーハの押し出しが上下位置誤差を吸
収して確実に実行できるように適宜厚みで形成さ
れている。この場合、押し出し部材１１の該先端
部を折り曲げて舌片状に形成しておけば、当接ピ
ース１８を不要とすることもできる。

以上の如き構成に於いて、所望のウエーハをカ
セツト１より取り出す場合、昇降テーブル（図示
せず）に載設されたカセツト１が上下動して取り
出しウエーハ２を所定位置に臨ませた後、所定の
制御信号により駆動装置１６が駆動し、支持杆１
５を介してウエーハ押し出し部材１１の基端部を
押し上げるように作用する。そうすると、該押し
出し部材１１は曲折自在であり、かつ上方に於い
て直角方向（水平方向）に方向転換せしめられる
ようにガイドローラ１２等のガイド装置にて規制
されているので、通常ならば方向転換の抵抗力に
より該ローラ部と部材基端部との中間にて座屈す
ることが考えられるが、本実施例部材１１はコン
ベツクス形状に形成しているので座屈することな
く、しかも曲折自在の特性によりガイドローラ１
２と押さえローラ１３部ではその断面状が平坦化
されるので該部で容易に連続して方向転換せしめ
られ、ピンチローラ１４でガイドされて水平方向
に進出することになる。しかしてウエーハ押し出
し部材の該ローラ１２，１３部より押し出された
部分は湾曲習性により直ちにその姿勢を直線状態
に復帰し、即ちその座屈抵抗により水平状態を維
持するのでそのまま水平方向に進出する。これに
より押し出し部材１１の先端の当接ピース１８が
収納カセツト１内に進入し、対向する取り出しウ
エーハ２を押し出し搬送ベルト３に移送する。こ
の押し出しは、搬送ベルト３がウエーハ２を引き
取れる位置まで押せばよいものであつて、必ずし
も完全に押し出すことを要しない。

上記手順で所定位置まで進出した押し出し部材
１１は、その後の制御信号による駆動装置１６の
下降駆動により後退し、元位置に復帰せしめられ
る。

このようにウエーハ押し出し部材１１は駆動源
側（基端側）にては上下方向に進退し、ウエーハ
押し出し側（先端側）にては方向転換により水平
方向に進退するので、例えばウエーハが大径化し
てもその上下方向の引き込み寸法を考慮するのみ
で、押し出し装置としての水平方向の装置寸法を
考える必要はない。即ちスペース寸法的に影響す
ることがない。また、押し出し部材１１はコンベ
ツクス形状により姿勢復帰習性を付与してある
為、その先端部が最長位置まで進出しても自重で
座屈したり該先端が垂れることはなく、軽量なウ
エーハの押し出しを確実に行なうことができる。

尚、所定位置で検査を終了したウエーハは、搬
送ベルトで収納カセツト部まで搬送されるので、
該ベルト側に装置された既知の押し入れ機構（押
し入れ棒機構）等でカセツト内に押し入れるよう
にすればよい。

ところで、本発明は上記実施例に限ることなく
種々変更可能である。即ち、押し出し部材の進退
作用装置として駆動装置１６を別個に装備し利用
しているが、ガイドローラ１２等側に回転駆動機
構を設ければ、該駆動装置１６を不要としてダイ
レクトドライブが可能となる。又、押し出し部材
１１の先端水平側はピンチローラ１４でその進出
方向の確実な規制を行なうようにしているが、ガ
イドローラ１２と対になる押さえローラ１３によ
りその位置決めができるようにすればピンチロー
ラ１４を不要とすることも可能である。しかしな
がら、ピンチローラを利用した方が方向規制は極
めて容易で便利である。

更に又、押し出し部材としては、曲折自在で姿
勢復帰習性を備えているものであれば、例えば弾
性ワイヤをガイドチユーブで被覆したワイヤチユ
ーブ部材の如きも利用することができる。この場
合は、ガイドチユーブが前述ローラ部材のガイド
装置機能を兼ね、またワイヤの座屈防止機能、進
出方向位置決め等、姿勢復帰習性を併せ持たせる
ことが可能であり、そうすると、前述ローラガイ
ド部は端なる方向転換部材としての適宜な押さえ
部材を利用するだけでよく、これによつても所期
目的を充分に達成することできる。

＜効果＞ 以上述べてきたように本発明は、ウエーハ押し
出し装置に於いてウエーハ押し出し部材を曲折自
在で且つ姿勢復帰習性を付与した部材で形成し、
ウエーハ収納カセツト側へ進退する先端側は水平
方向に、基端側は上下方向に進退可能なようにガ
イド装置により該押し出し部材を中間部で方向転
換せしめるように構成したので、該押し出し装置
装備の為のスペースを大きくすることなく各種径
のウエーハに対応することができ、検査装置本体
の寸法も殆ど影響することなく構成することがで
きる。又、装置としての構成も簡単にできるな
ど、従来の欠点を一挙に解消し得て実用性に極め
て優れたウエーハ押し出し装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すもので、第１図はそ
の要部構成を示す斜視図、第２図は側面図であ
る。 １：ウエーハ収納カセツト、２：ウエーハ、１
０：ウエーハ押し出し機構、１１：ウエーハ押し
出し部材、１２：ガイドローラ、１３：押さえロ
ーラ、１４：ピンチローラ、１６：駆動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 半導体ウエーハを収納したカセツトの任意の
   位置のウエーハを押し出すウエーハ押し出し装置
   を設けた半導体ウエーハ検査装置に於いて、ウエ
   ーハ押し出し部材を曲折自在で且つ姿勢復帰習性
   を付与した長尺部材で形成し、ウエーハ収納カセ
   ツト側へ進退する先端側は水平方向に、基端側は
   上下方向に進退可能にガイド装置により前記押し
   出し部材を中間部で方向転換せしめるように構成
   したことを特徴とするウエーハ押し出し装置。