JPH055851B2 - - Google Patents

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JPH055851B2
JPH055851B2 JP58172672A JP17267283A JPH055851B2 JP H055851 B2 JPH055851 B2 JP H055851B2 JP 58172672 A JP58172672 A JP 58172672A JP 17267283 A JP17267283 A JP 17267283A JP H055851 B2 JPH055851 B2 JP H055851B2
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JP
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acid
electron beam
magnetic
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ester
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JP58172672A
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Seiichi Myai
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Sony Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
この発明は電子線硬化性樹脂に関する。 従来から、電子線の照射によつて分子内の二重
結合が開裂し、分子間に結合を生じて網目構造の
架橋を形成する各種の樹脂が合成され、実用化さ
れている。このような電子線硬化性樹脂はまた、
磁気記録媒体の結合剤としての用途が注目されて
おり、その場合、磁気記録媒体の磁性粉との親和
性を良好にするためにスルホン酸金属塩基などの
極性基を導入することが提案されている。 しかしながら、例えば特願昭57−187683号明細
書等においてこれまでに提案された電子線硬化性
樹脂は何れもその分子末端にのみ二重結合を有す
るものであり、そのため高分子量になるほど電子
線照射によつて形成される架橋の密度が低くなつ
て、硬化膜の機械的強度、耐溶剤性等に不充分な
点を生じていた。 この発明は、この点を解決するものであつて、
4以上の二重結合数が任意に得られ、二重結合数
が5以上の場合には両末端のみならず側鎖にも二
重結合を有し、さらに側鎖に極性基を有する電子
線硬化性樹脂を提供するものである。 すなわちこの発明は、一般式: (式中、R1は炭素原子数2又は3の2価の炭
化水素残基を表し、R2は非置換又は置換アルキ
レン基を表し、R3は水素原子又はメチル基を表
し、Aは両末端に水酸基を有しかつ活性水素を含
まない極性基を側鎖に有する共重合ポリエステル
の2価の有機残基を表す)で示される繰り返し単
位を有し、かつ一般式:
【式】 (式中、R2及びR3は、それぞれ、前記と同義であ
る)で示される両末端基を有する数平均分子量
3950〜20500の電子線硬化性樹脂。 この発明における前記繰り返し単位中のAは、
両末端に水酸基を有し、かつ活性水素を含まない
極性基を側鎖に有する共重合ポリエステルの2価
の有機残基を表わす。この共重合ポリエステルの
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフ
タル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸な
どの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジビン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカル
ボン酸などの脂肪族ジカルボン酸などのジカルボ
ン酸、p−オキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキ
シエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボ
ン酸などが使用可能である。このうち、特に好ま
しいカルボン酸成分は、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、アジピン酸、セバシル酸などである。ま
た、共重合ポリエステルの別の成分である多価ア
ルコールとしては、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサ
ンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−
ペンタンジオールなどの脂肪族ジオールまたはそ
の置換誘導体、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールなどの脂環式ジオール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリアルキレングリコ
ールなどのジオール類、ビスフエノールAのエチ
レンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサ
イド付加物、水素化ビスフエノールAのエチレン
オキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド
付加物などの芳香族ジオールのアルキレンオキサ
イド付加物などのオキサイド類などが列挙でき
る。 また、この共重合ポリエステルは、活性水素を
持たない極性基を有するものである。この極性基
が活性水素を有すると、後述するようにトリイソ
シアネート化合物のイソシアネート基と反応する
ので適当でない。活性水素を持たない極性基とし
ては、次の一般式で示される極性基が挙げられ
る。 −OSO3M、−COOM、−OM、
【式】 または−NO2 (式中、MはLi、Na、K、Ba+、Ca+または
Mg+を表わす。) 前述したような活性水素を持たない極性基を共
重合ポリエステルに導入する方法としては、共重
合ポリエステルの出発原料である前述のカルボン
酸および/または多価アルコールに前記極性基を
有する化合物を併用するのが好ましい。前記極性
基を有するカルボン酸成分のうち、ニトロ基(−
NO2)を有するカルボン酸としては、5−ニト
ロイソフタル酸などが使用可能である。また、カ
ルボン酸金属塩基(−COOM)を有するカルボ
ン酸としては、1,3,5−ベンゼントリカルボ
ン酸二水素カリウムなど;アルコールまたはフエ
ノールの金属塩基(−OM)を有するカルボン酸
として、カリウム−3,5−ジカルボキシフエノ
ラートなど;リン酸金属塩基
【式】を有するカルボン酸として、ジ− P−カルボキシフエニルリン酸金属塩(下記化学
式)などがそれぞれ使用可能である。 前記極性基を有する多価アルコールとしては次
のような化合物が使用可能である。() ジ−
P−β−ヒドロキシエトキシフエニルリン酸金
属塩 () ジ−P−ヒドロキシメトキシフエニルリ
ン酸金属塩 () ジ−P−ヒドロキシカルボメトキシフエ
ニルリン酸金属塩 () P−ヒドロキシメトキシフエニル−P−
β−ヒドロキシエトキシフエニルリン酸金属塩 () ジ−β−ヒドロキシエチルリン酸金属塩 以上、活性水素を持たない極性基を有するカル
ボン酸および多価アルコールの代表的な例を示し
たが、先に共重合ポリエステルのカルボン酸成分
あるいは多価アルコール成分として例示されたカ
ルボン酸あるいは多価アルコールであつて、前記
極性基を有するものも何れも使用可能である。 この発明における前記繰り返し単位中のmで示
される部分は、 一般式: (式中、R1は炭素原子数2もしくは3の2価
の炭化水素残基を表わす) で示されるトリイソシアネート化合物を使用して
得られたものである。この一般式において、3個
のイソシアネート基を区別するためにそれぞれを
便宜的にX、Y、Zで置き換えて、 の様に置き換えた場合、イソシアネート基の反応
性を比較すると、 X<Y、Z Y≒Z ……(3) となる。さらに詳しく述べると、YおよびZは常
温においてXの2倍の反応性を有し、この反応性
の差は高温になるにしたがつて更に広がる。 前記一般式で表わされる化合物は、具体的には
2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−2−イソシ
アナトエチルエステル、2,6−ジイソシアナト
ヘキサン酸−3−イソシアナトプロピルエステ
ル、および2,6−ジイソシアナトヘキサン酸−
2−イソシアナト−2−メチルエチルエステルで
ある。これらはいずれもリジンとアミノアルコー
ルとのエステルをホスゲン化することによつて製
造することができる。 前記一般式(1)においてR1が炭素原子数1のも
のは合成するのが困難であり、また炭素原子数が
4以上になるとイソシアネート基Zの反応性が小
さくなるので適当でない。 この発明における前記繰り返し単位中のnで示
される部分は、一般式: (式中、R3は水素原子またはメチル基を意味
し、そして、R2は非置換もしくは置換アルキレ
ン基を意味する。) で表わされる単量体を使用して得られたもので
ある。一般式(4)において、アルキレン基は、直鎖
状もしくは枝分れ鎖状の二価飽和炭化水素残基で
あつて、炭素原子数が1ないし12のものが好まし
い。このアルキレン基はハロゲン原子、炭素原子
数1〜4のアルキルオキシン基、炭素原子数2〜
4のアルケニルオキシ基、炭素原子数2〜4のア
ルケニルカルボニルオキシ基などの置換基によつ
て置換されていてもよく、これらのアルキルオキ
シ基、アルケニルオキシ基およびアルケニルカル
ボニルオキシ基はさらに1〜3個のハロゲン原子
で置換されていてもよい。 前記一般式(4)にて表わされる化合物のうち好ま
しい例としては、アクリル酸もしくはメタクリル
酸の2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロ
キシプロピルエステル、2−ヒドロキシブチルエ
ステル、2−ヒドロキシオクチルエステル、2−
ヒドロキシドデシルエステル、2−ヒドロキシ−
3−クロロプロピルエステル、2−ヒドロキシ−
3−アクリルオキシプロピルエステル、2−ヒド
ロキシ−3−メタクリルオキシプロピルエステ
ル、2−ヒドロキシ−3−アセトキシプロピルエ
ステル、2−ヒドロキシ−3−クロロアセトキシ
プロピルエステル、2−ヒドロキシ−3−ジクロ
ロアセトキシプロピルエステル、2−ヒドロキシ
−3−トリクロロアセトキシプロピルエステル、
2−ヒドロキシ−3−クロトニルオキシプロピル
エステル、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシエ
ステルなどが挙げられる。 前述したような構成からなるこの発明の電子線
硬化性樹脂は次のような方法によつて合成するこ
とができる。まず、前記A部分に相当する共重合
ポリエステルと前記m部分に相当するトリイソシ
アネート化合物とを、共重合ポリエステルの水酸
基に対するトリイソシアネート化合物のイソシア
ネート基のモル比Mが1.5<M≦3となるように
反応させてポリエステルポリウレタンを得る。こ
の反応は、トリイソシアネート化合物の3個のイ
ソシアネート基のうち反応性の劣るイソシアネー
ト基を除いた2個のイソシアネート基が優先的に
関与するようにして行われ、得られるポリエステ
ルポリウレタンは、共重合ポリエステルがトリイ
ソシアネート化合物によつてウレタン結合を介し
て二次元に鎖長延長された鎖状構造を有するもの
となる。また、前記モル比Mが3の場合、このポ
リエステルウレタンは未反応のイソシアネート基
を両末端にそれぞれ2個有する4官能のポリイソ
シアネートであり、前記モル比Mが1.5<M<3
の場合はイソシアネート基を両末端のみならず側
鎖にも有する5官能以上のポリイソシアネートで
ある。しかし、前記モル比Mが1.5以下ではこの
ようにイソシアネート基を分子内に4個以上有す
るポリエステルポリウレタンは得られず、またこ
のモル比Mが3より大きい化合物を合成すること
は実質的に不可能である。ただし、このモル比M
が3より大きい、すなわちトリイソシアネート化
合物が過剰に存在する反応系で合成を行うことは
可能である。ここでトリイソシアネート化合物と
して、3個のイソシアネート基の反応性が全て同
等のものを用いると、鎖が三次元に生長してゲル
化するため、合成上も使用上も不利である。ま
た、共重合ポリエステルの極性基が活性水素を含
むものであるとトリイソシアネート化合物のイソ
シアネート基はこの活性水素とも反応してしまう
ので、この発明では、極性基は活性水素を含まな
いものである必要がある。 こうして得たポリエステルポリウレタンに、前
記n部分に相当する化合物を反応させて二重結合
を導入して、この発明の電子線硬化性樹脂を得
る。この反応は、ポリエステルポリウレタンのイ
ソシアネート基と(c)成分の化合物の水酸基とによ
る付加反応であり、ウレタン結合が形成される。
また、この付加反応は、必要によつて反応条件を
コントロールすることによつてポリエステルポリ
ウレタンの両末端にそれぞれ1個ずつ存在する反
応性の大きいイソシアネート基のみならず、両末
端および側鎖に存在する反応性の劣るイソシアネ
ート基も反応に関与するように行われる。 このようにして、二重結合が分子内に4個以上
存在しかつ前記極性基を側鎖に有する電子線硬化
性樹脂が得られる。この電子線硬化性樹脂の分子
量や二重結合の数は、共重合ポリエステルとトリ
イソシアネート化合物との配合比を選択すること
によつて任意に調節することができ、これによつ
て種々の物性を有する樹脂が得られる。また、前
記極性基は樹脂中に1種類だけ含まれていても複
数種含まれていてもよい。この極性基の量が好ま
しくは樹脂1g当り0.02mmol以上であると、表
面に親水基を持つ無機物粉体、例えばγ−Fe2O3
などの磁性粉に対する充分な親和性が期待でき
る。しかしながら、この極性基が多すぎると汎用
溶剤に対する溶解性が悪くなるので、極性基の量
は樹脂1g当り多くとも1.0mmolであるのが好ま
しい。またこの発明の樹脂の分子量は各原料の分
子量にも依存するが、通常は、20500以下の範囲
である。表1に、共重合ポリエステル(分子量
1500)、トリイソシアネート化合物(T−100、東
レ(株)製、分子量267)および2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(分子量130)を用いた場合に
ついて、前記モル比Mと、得られる電子線硬化性
樹脂の二重結合数および分子量(概数)との関係
を示す。
【表】 この発明の電子線硬化性樹脂は、表面に親水基
が存在する無機物粒体を含有する塗料、特に磁気
記録媒体の製造時における磁性塗料の結合剤など
に有用である。すなわち、この発明の電子線硬化
性樹脂は、その側鎖に極性基を有するので、この
極性基によつて塗料中の無機物粉体の分散性が良
好になる。また、この発明の電子線硬化性樹脂
は、少くとも両末端に2個ずつ、場合によつて側
鎖にも二重結合を有し、この二重結合の数は任意
に変えられる。そのため、樹脂の分子量が大であ
る場合にも、電子線照射後の塗膜の架橋密度を大
きくでき、ひいては塗膜の機械的強度、耐溶剤性
などを良好にすることができる。 この発明に係る電子線硬化性樹脂を磁気記録媒
体の結合剤に用いる場合、その磁気記録媒体を構
成する他の材料には通常使用される材料を何れも
使用することができる。まず磁性粉には強磁性酸
化鉄粒子、強磁性二酸化クロム、強磁性合金粉末
等が使用できる。強磁性酸化鉄粒子としては、一
般式FeOxで表した場合、Xの値が1.33≦X≦
1.50の範囲にあるもの、即ちマグヘマイト(γ−
Fe2O3X=1.50)、マグネタイト(Fe3O4X=
1.33)、及びこれらの固溶体(FeOx 1.33<X<
1.50)が使用できる。これら強磁性酸化鉄は抗磁
力をあげる目的でコバルトを添加してもよい。コ
バルト含有磁性酸化鉄には大別してドーブ型と被
着型の2種類があるがそのどちらであつてもよ
い。強磁性二酸化クロムとしてはCrO2あるいは、
これらにHcを向上させる目的でRu・Sn・Te・
Sb・Fe・Ti・V・Mn等の少なくとも一種類を
添加したものを使用できる。強磁性合金粉末とし
てはFe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni又はFe−Co
−Ni等が使用でき、又これらに種々の特性を改
善する目的でAl、Si、Ti、Cr、Mn、Cu、Zn等
の金属成分を添加したものがある。 有機溶媒としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチル
エーテル等のエステル系;エーテル、グリコール
ジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテ
ル、ジオキサン等のグリコールエーテル系;ベン
ゼン、トルエン、キシレン等のタール系(芳香族
炭化水素);メチレンクロライド、エチレンクロ
ライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化
水素系等のものが選択して使用できる。 磁性塗料にはさらに、研摩材として、酸化アル
ミニウム、酸化クロム、酸化ケイ素など、帯電防
止剤としてカーボンブラツクなど、更に潤滑剤と
して二硫化モリブデン、グラフアイト、シリコー
ンオイル、オリーブ油などを添加することもでき
る。 また、結合剤には、この発明に係る電子線硬化
性樹脂と共に、磁気記録媒体の結合剤として従来
から使用されている樹脂を併用してもよく、この
場合、この発明の電子線硬化性樹脂は全結合剤中
に20重量%以上含まれるのが好ましい。これは20
重量%より少ないと、電子線照射による架橋の形
成が不充分となり、また極性基による分散性の効
果が期待できないためである。このような樹脂の
例としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩
化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリ
ル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタク
リル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタ
クリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性
ポリウレタン樹脂、フエノキシ樹脂、ポリ弗化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン−アクリル酸共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル
酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース
誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエ
ステル樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂、熱
硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
またはこれらの混合物などが挙げられる。 これらの材料からなる磁性塗料は、常法に従つ
て非磁性担体に塗布される。この非磁性担体の素
材としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル
類;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フイン類;セルローストリアセテート、セルロー
スダイアセテート、セルロースアセテートブチレ
ート、セルロースアセテートプロピオネート等の
セルロース誘導体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン等のビニル系樹脂;ポリカーボネート、
ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチツク
の他に用途に応じてアルミニウム、銅、スズ、亜
鉛またはこれらを含む非磁性合金などの非磁性金
属類;ガラス、陶器、磁器などのセラミツク類;
紙、バライタまたはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−ブテン共重合体などの炭素数2〜
10のα−ポリオレフイン類を塗布またはラミネー
トした紙などの紙類も使用できる。これらの非磁
性担体は使用目的に応じて透明あるいは不透明で
あつてよい。又、非磁性担体の形態はフイルム、
テープ、シート、デイスク、カード、ドラム等い
ずれでも良く、形態に応じて種々の材料が必要に
応じて選択される。これらの非磁性担体の厚みは
フイルム、テープ、シート状の場合は約1〜
50μm程度、好ましくは1〜30μmである。又、デ
イスク、カード状の場合は0.5〜10mm程度であり、
ドラム状の場合は円筒状とし、使用するレコーダ
ーに応じてその型は決められる。 磁性塗料を非磁性担体に塗布し乾燥させた後、
塗膜は通常カレンダー処理を経てから電子線を照
射されて硬化する。電子線の照射量は約1〜
10Mradがよく、約2〜7Mradがより望ましい。
照射に電子線加速機を用いる場合、その加速電圧
は約100KV以上とするのが好ましい。また電子
線の他、中性子線、γ線などの電離放射線も使用
できる。 以下、この発明の実施例を説明する。なお、こ
こで用いられている「部」は全て「重量部」を示
している。 実施例:電子線硬化性樹脂の合成 温度計、かくはん機および部分還流式冷却器を
取り付けた反応容器中に、メチルエチルケトン73
部、トルエン73部、共重合ポリエステル(分子量
1500、核磁気共鳴(NMR)組成分析結果より同
定された。成分は以下の通りである。カルボン酸
成分:テレフタル酸20モル%、イソフタル酸15モ
ル%、ジ−P−カルボキシフエニルリン酸ナトリ
ウム5モル%、セバシン酸60モル%、多価アルコ
ール成分:エチレングリコール50モル%、プロピ
レングリコール50モル%)50部、トリイソシアネ
ート化合物(T−100、東レ(株)製)10.4部を加え、
70〜90℃で3時間反応させて、ポリエステルポリ
ウレタンを生成させた。次に、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート(HEMA)を6.5部投入し、
70〜90℃でさらに3時間反応させて電子線硬化性
樹脂を得た。この電子線硬化性樹脂の数平均分子
量は12000、分子内の二重結合数は9であつた。
繰り返し単位は共重合ポリエステル1分子、トリ
イソシアネート1分子及びヒドロキシエチルメタ
クリレート1分子より成つていた。 比較例:極性基を含まない電子線硬化性樹脂の合
成 実施例で用いたと同様の反応容器中に、メチル
エチルケトン73部、トルエン73部、共重合ポリエ
ステル50部(分子量2550 カルボン酸成分:テレ
フタル酸20モル%、イソフタル酸20モル%、セバ
シン酸60モル%、多価アルコール成分:エチレン
グリコール50モル%、プロピレングリコール50モ
ル%)、トリイソシアネート化合物(T−100)
6.12部を加えて70〜90℃で3時間反応させた。次
にHEMA3.82部投入してさらに70〜90℃で3時
間反応させた。得られた電子線硬化性樹脂は極性
基を有しておらず、その数平均分子量は18300、
二重結合数は9であつた。 前述した実施例および比較例で得た樹脂を用い
て以下のようにして磁気テープを作製した。 γ−Fe2O3磁性粒子10部、メチルエチルケトン
5部およびトルエン7.5部の混合物をボールミル
を用いて3時間混練した。この混合物に別に調製
した実施例1の樹脂2.5部、メチルエチルケトン
5部およびトルエン7.5部の混合溶液を加えて再
びボールミルを用いて24時間混練した。得られた
混合物を脱泡した後、厚さ16μmのポリエチレン
テレフタレートフイルム上に25μmのギヤツプの
ドクターブレードを用いて塗布し、続いて900Oe
の平行磁場内に約1秒間静置した。次いで90℃の
熱風乾燥機中に約30分間放置して溶剤を除去し磁
性塗膜の厚さを8.0μmにした。この角型比Rs
0.87であつた。 別に、比較例の樹脂を用いて同様の方法により
ポリエチレンテレフタレートフイルム上に磁性塗
膜を形成した。 これらのテープに200KVの加速電圧で電子線
を5Mrad照射し、磁性塗膜を硬化させた。こう
して得た磁気テープについてそれぞれの諸特性を
次のようにして調べた。 1 耐溶剤性試験 メチルエチルケトンを含んだガーゼで磁性塗膜
をこすり、この塗膜がなくなるまでのこすつた回
数で表わした。 2 粉落ち試験 テープを実走行させたときピンチローラー、キ
ヤプスタン、ガイドヘツドなどに付着する量を減
点法で0〜−5点で表示した。 それぞれのテープについての試験結果を表2に
示す。
【表】 表2より、実施例の樹脂を用いた磁気テープは
比較例の樹脂を用いた磁気テープに比べて、角型
比および粉落ちが優れていることがわかる。すな
わち、極性基による磁性粉の分散の向上は明らか
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式: (式中、R1は炭素原子数2又は3の2価の炭
    化水素残基を表し、R2は非置換又は置換アルキ
    レン基を表し、R3は水素原子又はメチル基を表
    し、Aは両末端に水酸基を有しかつ活性水素を含
    まない極性基を側鎖に有する共重合ポリエステル
    の2価の有機残基を表す) で示される繰り返し単位を有し、かつ一般式:
    【式】(式中、R2及びR3は、そ れぞれ、前記と同義である)で示される両末端基
    を有する数平均分子量3950〜20500の電子線硬化
    性樹脂。
JP58172672A 1983-09-19 1983-09-19 電子線硬化性樹脂 Granted JPS6065016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58172672A JPS6065016A (ja) 1983-09-19 1983-09-19 電子線硬化性樹脂

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP58172672A JPS6065016A (ja) 1983-09-19 1983-09-19 電子線硬化性樹脂

Publications (2)

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JPS6065016A JPS6065016A (ja) 1985-04-13
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