JPH0558325B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は一般家庭で小麦粉等を回転混練し、パ
ン作りを行なう自動製パン機に関するものであ
る。

（従来の技術） 一般にパン作りを行なう場合、混練機、発酵
器、のし棒、オーブン等の機器を使用している
が、温度と時間の管理が非常に難しく、時節にか
かわらず美味な焼きたてのパンを作るには相当の
熟練が必要であつた。この問題を解消するため、
第２図に示す練り機能、発酵機能、オーブン機能
を単品内に備えた構成の自動製パン機が提案され
ている。

第２図に示すものは、本体１の内部に調理室２
を構成し、調理室２内の上下にヒータ３を設け、
調理室内下部にモータ４から減速駆動される練り
羽根５と、着脱自在に装着される練り容器６とを
具備し、パン材料の練りと発酵を練り容器６で行
なつた後、練り容器６を取り出し、ガス抜き、整
形作業を使用者が行ない、パン焼き型（図示せ
ず）に移し、調理室２内へ入れ、オーブンとして
整形発酵、焼成を行なうものである。

（発明が解決しようとする問題点） このような従来の製パン機は、練り容器が調理
室２内下部に設けた固定ガイドに回転嵌合させ固
定している。しかし、練り容器が四角形になると
回転嵌合させるには必要以上の大きな空間が必要
となり、製品が大きくなるという問題があつた。
また、回転嵌合にせず上下嵌合にする場合は嵌合
力が弱いため、練り容器上部を固定する必要が生
じ、焼成室壁面あるいは本体に位置決めをしてい
たが、その位置決め精度を出すのに組み立て精度
を追求するやり方を行なつていたため、騒音、振
動といつた障害が発生しやすいという問題があつ
た。

本発明は上記の点に鑑み、コネクタを取り付け
る軸、練り容器および焼成容器の相対的位置精度
を向上させるようにした自動製パン機を提供する
ものである。

（問題点を解決するための手段） そこで本発明は、円筒状凸部を有し、その円筒
状凸部の中心部に、先端にコネクタが取り付けら
れてモータにより回転駆動される軸を備えたシヤ
ーシと、底部中心に円形孔を有し、その円形孔が
円筒状凸部に嵌合されてシヤーシに位置決め固定
された焼成容器と、底部中心に円形孔とこの円形
孔に同心の円筒状ガイドを有し、焼成容器の底部
において円形孔が円筒状凸部に嵌合されてシヤー
シに位置決め固定された固定ガイドと、この固定
ガイドに嵌合するように焼成容器内に位置決めセ
ツトされ、コネクタに接続される練り羽根を備え
た練り容器とからなる構成としたものである。

（作用） シヤーシに貫通支持したコネクタ取付軸と同心
の円筒状凸部を設け、この円筒状凸部に焼成容器
底部中心と焼成容器に収容される練り容器の位置
決めをする固定ガイドの底部中心に設けた円形孔
を嵌合させるようにしたことにより、コネクタ取
付軸と焼成容器および練り容器の中心が精度よく
合致するよう組み立てることができ、そのため、
練り時の騒音、振動の低減が計れ、また、練り容
器に対する熱の影響のばらつきを低減できる。

（実施例） 第１図は本発明の実施例を示し、３０は本体、
３１は本体内に設けたシヤーシ、３２はシヤーシ
３１に固定されたモータであり、このモータ３２
のシヤフトの端にはモータ冷却用のフアン３３が
固定され、その他端には小プーリ３４が固定され
ている。また、このモータ３２には冷却用フアン
３３の周囲にフアン効率を上げるためのフアンガ
イド３５が固定されている。３６は大プーリ３７
の軸７２を軸支する軸受であり、シヤーシ３１に
支持されている。大プーリ３７の軸７２の上端に
はコネクタ３８が取り付けられている。大プーリ
３７と小プーリ３４にはベルト３９が掛け渡さ
れ、モータ３２の回転によりコネクタ３８が回転
する。シヤーシ３１にはコネクタ３８が取り付け
られた軸７２と同心の短円筒状の凸部７３が設け
られている。４０はスイツチレバーであつて、シ
ヤーシ３１に支持した軸４１に回動自在に支持さ
れている。４２はスイツチであつて、スイツチレ
バー４０の一端上部に位置するよう設けられてい
る。シヤーシ３１にはまた、焼成容器４４、焼成
容器４４の周囲を覆う遮熱板４５および焼成容器
４４の底部に位置し、コネクタ３８を囲むよう円
筒状固定ガイド４３が固定されている。第３図
は、その固定部分の拡大図であり、焼成容器４４
の底部中心および円筒状固定ガイド４３の底部中
心にそれぞれ設けられた円形孔がシヤーシ３１の
円筒状凸部７３に嵌入され、ねじ止め等によりシ
ヤーシ３１に固定されている。焼成容器４４に
は、壁面に碍子を介して止め金具４７によりヒー
タ４８が固定され、さらに容器固定ばね４９およ
び弾性的に支持された温度検知部５０が固定され
ている。また、焼成容器４４は上部を固定部材５
７により本体上枠５８に固定している。本体３０
は本体上枠５８と固定されると共にシヤーシ３１
とも固定されている。５５は焼成容器４４内に収
容装着された練り容器であつて、上部には提げ手
５６が設けられ、また、内部には軸受５１に支持
された羽根軸５４に着脱自在に装着の練り羽根５
３が設けられている。また、上記羽根軸５４の下
部には、コネクタ３８に接続して回転を伝達され
る容器コネクタ５２が固定されている。練り容器
５５は、焼成容器４４内に収容装着されたとき容
器固定ばね４９が嵌合し、外面に温度検知部５０
が圧接する。６８は開閉自在な蓋体であつて、焼
成容器４４上部に位置する内蓋６６を取り付けた
蓋カバー６７が設けられている。蓋体６８を閉め
ることにより、内蓋６６と焼成容器４４で調理室
６９が形成される。内蓋６６には開閉自在な容器
蓋６２を有するイースト菌容器６５を固定してい
る。イースト菌容器６５には、この容器６５の底
部を開閉する開閉板６３を固定した回転軸６４が
装着されている。開閉板６３は、駆動装置５９に
通電されると、軸６０に回転自在に軸支された伝
達板６１が駆動されて回転軸６４を動かすことに
より開かれる。７０は調理でき上がり時間等の入
力設定用のスイツチパネル、７１はスイツチパネ
ル７０の入力および温度検知部５０の入力情報を
基に、モータ３２、ヒータ４８等の制御条件を決
定し、出力するための制御装置である。

つぎに上記装置の動作について説明する。

焼成容器４４内に練り羽根５３を装着するとと
もに、小麦粉、水等のイースト菌以外の材料を入
れた練り容器５５をセツトし、蓋体６８を閉め、
イースト菌容器６５に所定量のイースト菌を入れ
ておく。この状態でスイツチパネル７０よりパン
のでき上がり時間を入力し、スタートさせる。所
定時間になるとモータ３２の運転が始まり小プー
リ３４が回転し、ベルト３９を介して大プーリ３
７およびコネクタ３８が回転する。コネクタ３８
の回転はそのまま容器コネクタ５２に伝達され、
練り容器５５内の練り羽根５３を回転させて材料
を練る。ついでまた、所定時間が来ると、蓋体６
８内部の駆動装置５９に通電されて伝達板６１が
駆動され、回転軸６４を動かし開閉板６３を開
き、イースト菌容器６５内に入れられていたイー
スト菌を練り容器５５内に投入する。練り容器５
５内に投入されたイースト菌は、他の材料と共に
所定時間混練された後、制御装置７１のプロセス
制御に基づき、温度検知部５０の情報を入力しつ
つ、ヒータ４８で練り容器５５の温度を調整しな
がら一次発酵、ガス抜き、成形発酵、焼成の各工
程を自動的に行ない、設定した時間にパンが焼き
上がるようになる。

上記工程の混練時は、軸７２の上端に取り付け
たコネクタ３８から容器コネクタ５２を介して練
り羽根軸５４に回転が伝達されるが、シヤーシ３
１にコネクタ３８を取り付けた軸７２と同心に設
けた円筒状凸部７３に練り容器５５の位置決めを
する固定ガイド４３の底部中心に設けた円形孔を
嵌合させるように組み立てられているので、練り
容器５５の中心とコネクタ３８の中心が精度よく
合致し、振動、騒音の発生が低く抑えられる。ま
た、焼成時にはヒータ４８の発する熱により練り
容器５５が熱せられるものであるが、ヒータ４８
と練り容器５５が非常に近くするようにした本発
明の場合、その距離が性能に大きく影響するし、
また、温度検知部５０は練り容器に圧接しなくて
はならないが、焼成容器４４もその円形孔が円筒
状凸部７３に嵌合させたことにより、ヒータと練
り容器との距離を精度よくし、温度検知部５０の
圧接状態を得られる。

（発明の効果） 以上のように本発明によれば、シヤーシに設け
たコネクタ取付軸と同心の円筒状凸部に焼成容器
の底部中心および固定ガイドの底部中心に設けた
円形孔を嵌合させるようにしたものであるから、
これら軸、練り容器、焼成容器の中心を精度よく
容易に組み立てられ、そのため、練り時の騒音お
よび振動を減ずることができ、また焼成時の焼き
むらの発生を抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の縦断面図、第２図は
従来の自動製パン機の縦断面図、第３図は要部の
断面図である。 ３１…シヤーシ、３２…モータ、３８…コネク
タ、４４…焼成容器、５３…練り羽根、５５…練
り容器、７２…コネクタ取付軸、７３…円筒状凸
部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒状凸部を有し、その円筒状凸部の中心部
   に、先端にコネクタが取り付けられてモータによ
   り回転駆動される軸を備えたシヤーシと、 底部中心に円形孔を有し、その円形孔が前記円
   筒状凸部に嵌合されて前記シヤーシに位置決め固
   定された焼成容器と、 底部中心に円形孔と該円形孔に同心の円筒状ガ
   イドを有し、前記焼成容器の底部において前記円
   形孔が前記円筒状凸部に嵌合されて前記シヤーシ
   に位置決め固定された固定ガイドと、 前記固定ガイドに嵌合するように前記焼成容器
   内に位置決めセツトされ、前記コネクタに接続さ
   れる練り羽根を備えた練り容器と、 からなることを特徴とする自動製パン機。