JPH0558053B2 - - Google Patents
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- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は耐水素誘起割れ性に優れた鋼板に関
し、さらに詳しくは、ラインパイプ、圧力容器、
タンク等に使用される引張強さ40〜70Kgf/mm2の
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板に関する。 [従来技術] 近年、湿潤硫化水素雰囲気で使用される機器、
例えば、硫化水素を含む原油や天然ガスを輸送す
るラインパイプや石油精製装置等において、所
謂、水素誘起割れに起因する事故が少なくなく、
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板が切望されてい
る。 この水素誘起割れは、鋼の腐蝕により発生した
水素が原子状態で鋼中に侵入、拡散し、介在物と
地鉄との界面で集積、子分化することにより生じ
る水素ガスによつて発生し、これが鋼中の偏析部
に生じるバンド状の硬化組織等に沿つて伝播する
といわれている。 従つて、耐水素誘起割れ対策としては、現状、 (1) 鋼中への水素の侵入、拡散の抑制。 (2) 介在物、特に、先端の切欠効果の大きいA系
介在物の低減と形態制御。 (3) 偏析の低減、硬化組織の生成抑制。 等の方法がとられている。 そして、(1)については、例えば、特開昭50−
097515号公報に記載されているように、Cuの添
加により防蝕被膜を形成させる方法があるが、PH
=3のような厳しい環境下においてはその効果が
なく、水素誘起割れの発生を抑えることができ
ず、(2)については、特開昭51−114318号公報に示
されている硫化物の形状、数を規制する方法、特
開昭55−128536号公報、特開昭54−031020号公報
等のCa、REMによりA系介在物を形態制御する
方法があるが、鋼板の強度水準が高くなり、環境
が厳しくなると、水素誘起割れの発生を完全に防
止することは困難であり、(3)については、特開昭
52−111815号公報に記載してあるようにP含有量
を0.006wt%以下と極端に下げる方法があるが、
コストの点で問答があり、また、特開昭57−
073162号公報に記載してあるように硬化組織部の
硬さHv≦350とする方法があるが、PHの低い厳し
い環境下で高強度の鋼の水素誘起割れの発生を皆
無とすることは困難である。 勿論、これらの方法を組合せて用いることが多
いが、PH=3のような厳しい環境下において水素
誘起割れの発生を完全に抑えることは困難であ
り、また、可能な場合には工業製品の生産性、製
造コストの点で充分なものとはいえないのが実状
である。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記した説明したような従来における
耐水素誘起割れに対する鋼板の種々の問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行なつた結果、PH=3
という厳しい環境下において水素誘起割れの発生
することがない耐水素誘起割れ性に優れた鋼板を
開発したのである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた鋼板
は、 (1) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第1の発明とし、 (2) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt% 以下、Al0.005〜0.060wt%を含有し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt%、 Ti0.005wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、 Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなり、か
つ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測定部に
おける面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在物
の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総長さB
(μ)との関係が下記の式を満足することを特
徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第2の発明とし、 (3) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、かつ、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% のうちの1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第3の発明とし、 (4) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt% Ti0.005wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、
Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有
し、さらに、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% の1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第4の発明とする4つの発明よりなるもので
ある。 本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた鋼板に
ついて以下詳細に説明する。 即ち、本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた
鋼板においては、偏析部の硬さの調整、制御する
こと、および、介在物の調整、制御が重要なこと
である。 そして、偏析部の硬さの制御は、偏析し易い元
素として、C、Muの含有量を抑制し、かつ、
Cu、Ni、Nb、V等の比較的に偏析し難い合金元
素を多く含有させ、さらに、偏析し易く、かつ、
偏析部の硬さを上昇させるP含有量を低減させ、
圧延前の鋼片の高温保持等により偏析元素を拡散
させる必要がある。 また、介在物の長さの制御は、S、Al等介在
物を形成し易い低減させ、Ca、REM等の介在物
の形態制御元素を含有させ、鋼片から鋼板への圧
下比を小さくし、および/または、鋼板圧延時の
圧下温度を高くして、介在物の伸展を抑制する必
要がある。 以下、これらについて、詳細に説明する。 先ず、本発明に係る耐火水素誘起割れ性に優れ
た鋼板の含有成分と成分割合および硬度と介在物
との関係について説明する。 Cは強度を確保するためには含有量は0.01wt%
以上を必要とし、また、0.30wt%を越けて含有さ
れると溶接割れ感受性が高くなる。よつて、C含
有量は0.01〜0.30wt%とする。なお、Cは偏析し
易い元素であるから、この含有量は厳格に規制す
る必要がある。 Siは脱酸に必要な元素であり、そのためには含
有量は0.02wt%以上を必要とし、また、多量に含
有されると靭性を劣化させる。よつて、Si含有量
は0.02〜0.60wt%とする。 Mnは強度確保のために必要な元素であり、含
有量が0.50wt%未満ではこの効果は少なく、ま
た、2.50wt%を越えて含有されると溶接性が損な
われる。よつて、Mn含有量は0.50〜2.50wt%と
する。なお、Mnは偏析し易い元素であるから、
上記の含有量は厳格に規制する必要がある。 Pは本来鋼のへ偏析部の硬さを上昇し、耐水素
誘起割れ性を劣化させるので好ましくないが、偏
析部の硬さと介在物長さとの関係が所定の条件を
満足する限りにおいては、特に、Pの規制は不要
である。しかし、溶接部の靭性の点からP含有量
は0.020wt%以下とする。なお、このPは偏析し
易く、偏析部の硬さを上昇させる元素であるか
ら、含有量は少なければ少ない程よく、不純物で
ある。 SはA系介在物を形成し、耐水素誘起割れ性を
害する元素であり好ましくなく、偏析部の硬さと
介在物長さの関係が所定の条件を満足する限りに
おいては、特に、Sを規制する必要はないが、靭
性の点からS含有量は0.010wt%以下とする。し
かし、このSは介在物形成元素である少ないほど
よく、不純物である。 Alは脱酸元素として含有量は0.005wt%以上必
要であり、多量の含有は靭性の劣化を招来するの
で上限を0.060wt%に規制する。よつて、Al含有
量は0.005〜0.060wt%とする。なお、このAlは介
在物形成元素であるから、この含有量の範囲内に
規制する必要がある。 Nb、V、Tiは含有量が0.005wt%未満では強
度向上に効果が少なく、また、0.150wt%を越え
て含有されると溶接部の靭性を劣化させる。よつ
て、Nb、V、Tiの含有量は.0.005〜0.150wt%
とする。 Cuは含有量が0.05wt%未満では強度向上に効
果が少なく、また、0.50wt%を越えて含有される
と熱間加工性を劣化させる。よつて、Cu含有量
は0.05〜0.50wt%とする。 Cr、Moは含有量が0.05wt%未満では強度向上
に効厚果が少なく、また0.50wt%を越えて含有さ
れると溶接性を劣化させる。よつて、Cr、Mo含
有量は0.5〜0.50wt%とする。 Niは含有量が0.05wt%未満では強度上昇に効
果は少なく、また、1.00wt%を越えて含有される
と効果は飽和してしまい、かつ、経済性を損な
う。 よつて、Ni含有量は0.05〜1.00wt%とする。 Bは強度を上昇させるためには0.0003wt%以上
の含有量が必要であり、また、0.0030wt%を越え
て含有されると靭性が劣化する。よつて、B含有
量は0.0003〜0.0030wt%とする。 Caは酸化物系介在物の球状化に効果のある元
素であり、含有量が0.0005wt%未満ではなこの効
果を少なく、また、0.0050wt%を越えて含有され
ると靭性を劣化させる。よつて、Ca含有量は
0.0005〜0.005wt%とする。なお、Caは介在物形
態制御元素であるから、含有させることは有利で
ある。 REMはCaと同様に硫化物系介在物の球状化に
効果のある元素であり、含有量が0.001wt%以上
を必要とし、また、0.030wt%を越えて含有され
ると靭性が劣化させる。よつて、REM含有量は
0.001〜0.030wt%とする。なお、このREMは介
在物形態制御元素であるから、含有させることは
有利である。 水素誘起割れの発生は、偏析部のビツカース硬
さと測定部における面積10mm2中の長さ10μ以上の
A系介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の
総長さB(μ)により制限されるものであり、即
ち、第1図に示すように、偏析部の硬さと介在物
長さの異なる鋼板を用い、PH=3の条件で96時間
の水素誘起割れ試験を行なつた結果、偏析部の硬
さHv>230であれば、長さ10℃以上のA系および
B系介在物が無くても水素誘起割れは発生する。
また、偏析部の硬さがHv≦230の場合、長さ10μ
以上のA系およびB系介在物の総長さAおよびB
と偏析部のビツカース硬さHvの関係が、 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を満足する場合、水素誘起割れは発生しないが、
この条件を満足しない場合には水素起割れが発生
するのである。 この場合、介在物として長さ10μ未満のものを
省いた理由は、このような小さい介在物は地鉄と
の界面の面積が小さく、また、介在物先端の尖鋭
度も小さく水素誘起割れに大きな影響を与えない
からである。また、B系介在物の総長さの係数を
A系介在物の総長さの係数1/2としたのは、A系
介在物と同じ係数として場合、偏析部硬さと介在
物長さの関係で水素誘起割れ発生の有無を良好に
整理できないのに対し、この係数を1/2とすると
第1図の示すように、この両者の関係によつて水
素誘起割れの発生を制御できるからである。ま
た、偏析部とは鋼板の中央部またはその近傍に位
置する凝固時の成分偏析部のことである。 以上説明したような、含有成分および成分割合
の鋼を通常の溶解法により溶解後、連続鋳造また
は造塊法により鋼塊または鋼片とした後、圧延前
に鋼塊、鋼片を1200℃以上1350℃以下の温度にお
いて、2時間以上24時間以下保持することによ
り、偏析元素が拡散して偏析部の硬さを低減する
ことができる。そして、この保持温度が1200℃未
満ではこのような効果は少なく、また、1350℃を
越えると鋼塊、鋼片の一部が溶融する可能性があ
るので保持温度は1200℃以上1350℃以下の範囲と
する。また、保持時間が2時間未満では上記の温
度範囲にあつても拡散効果は少なく、また、24時
間を越えると生産性が悪くなるので、保持時間は
2時間以上24時間以下とする。 また、鋼片から鋼板への圧下比を小さくし、お
よび/または、鋼板圧延時の圧下温度を高くし
て、介在物の伸展を抑制するために、鋼片を鋼板
に圧下を行う際に、900℃以下の温度における圧
下率を小さくすることにより、特に、A系介在物
の長さを小さくすることができる。そして、900
℃を越える温度における圧下は介在物の伸展に影
響が小さいので900℃以下の温度とする。圧下率
はA系介在物の長さは略圧下率に比例して長くな
ることから、介在物長さの低減には圧下率を小さ
くすることが必要である。 そして、水素誘起割れの発生が、偏析部の硬さ
とその位置における介在物の総長さによつて制限
される理由は未が解明されていないが、介在物と
地鉄との界面の面積、界面先端の尖鋭度、水素ガ
スの圧力の大きさ、介在物の周囲の地鉄の水素脆
化の程度に関係しているものと考えられる。 [実施例] 本発明に係る耐水誘起割れ性に優れた鋼板の実
施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合の鋼を溶
製後、連続鋳造法または造塊法により鋳造した後
熱間圧延によつて供試鋼板を製造した。 各供鋼板の偏析部の硬さをビツカーズ硬度計
(荷重100g)で測定すると共に、その部分におけ
る面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在文および
B系介在物の総長さを光学顕微鏡を用いて倍率
400倍で測定た。 この測定に用いた供試鋼板は、以下説明する水
素誘起割れ試験供試鋼板と同じ位置から採取し
た。 測定結果を第2表に示す。 耐水素誘起割れ性の評価は、NACE Stand
and TM−02−84に準じて行なつた。ただし、試
験に用いた溶液は、H2Sで飽和した人工海水(所
謂、BP溶液、PH〓5)と5%NaCl+0.5%酢酸
溶液(所謂、NACE溶液、PH〓3)の2種類で
ある。 各供試鋼板より採取した試験片を無負荷状態で
上記溶液に96時間浸漬した後、断面検鏡により水
素誘起剤割れの有無を判定した。 上記水素誘起割れ試験に供した試験片は、最も
偏析の大きいと考えられる位置から、第2図に示
すように採取した。試験片の形状および断面検鏡
位置を第3図に示す。試験片のサイズは、t×
20w×100lmmである。また、試験片の厚さは鋼板
の表裏両面を各1mmずつ切削した。 各供試鋼板より各試験溶液当り3個の試験片を
採社し、何れの試験片においても水素誘起割れの
発生が認められらない場合のみ、水素誘起割れの
発生無しと判定した。 試験結果を第2表に示す。 この第2表から明らかなように、本発明に係る
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板においては、PH〓
5のBP溶液においては勿論のこと、PH〓3の
NACE溶液においても水素誘起割れな全く発生
していない。 また、本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた
鋼板の要件を満足していない鋼板においては何れ
も水素誘起割れが発生している。
し、さらに詳しくは、ラインパイプ、圧力容器、
タンク等に使用される引張強さ40〜70Kgf/mm2の
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板に関する。 [従来技術] 近年、湿潤硫化水素雰囲気で使用される機器、
例えば、硫化水素を含む原油や天然ガスを輸送す
るラインパイプや石油精製装置等において、所
謂、水素誘起割れに起因する事故が少なくなく、
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板が切望されてい
る。 この水素誘起割れは、鋼の腐蝕により発生した
水素が原子状態で鋼中に侵入、拡散し、介在物と
地鉄との界面で集積、子分化することにより生じ
る水素ガスによつて発生し、これが鋼中の偏析部
に生じるバンド状の硬化組織等に沿つて伝播する
といわれている。 従つて、耐水素誘起割れ対策としては、現状、 (1) 鋼中への水素の侵入、拡散の抑制。 (2) 介在物、特に、先端の切欠効果の大きいA系
介在物の低減と形態制御。 (3) 偏析の低減、硬化組織の生成抑制。 等の方法がとられている。 そして、(1)については、例えば、特開昭50−
097515号公報に記載されているように、Cuの添
加により防蝕被膜を形成させる方法があるが、PH
=3のような厳しい環境下においてはその効果が
なく、水素誘起割れの発生を抑えることができ
ず、(2)については、特開昭51−114318号公報に示
されている硫化物の形状、数を規制する方法、特
開昭55−128536号公報、特開昭54−031020号公報
等のCa、REMによりA系介在物を形態制御する
方法があるが、鋼板の強度水準が高くなり、環境
が厳しくなると、水素誘起割れの発生を完全に防
止することは困難であり、(3)については、特開昭
52−111815号公報に記載してあるようにP含有量
を0.006wt%以下と極端に下げる方法があるが、
コストの点で問答があり、また、特開昭57−
073162号公報に記載してあるように硬化組織部の
硬さHv≦350とする方法があるが、PHの低い厳し
い環境下で高強度の鋼の水素誘起割れの発生を皆
無とすることは困難である。 勿論、これらの方法を組合せて用いることが多
いが、PH=3のような厳しい環境下において水素
誘起割れの発生を完全に抑えることは困難であ
り、また、可能な場合には工業製品の生産性、製
造コストの点で充分なものとはいえないのが実状
である。 [発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記した説明したような従来における
耐水素誘起割れに対する鋼板の種々の問題点に鑑
み、本発明者が鋭意研究を行なつた結果、PH=3
という厳しい環境下において水素誘起割れの発生
することがない耐水素誘起割れ性に優れた鋼板を
開発したのである。 [問題点を解決するための手段] 本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた鋼板
は、 (1) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第1の発明とし、 (2) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt% 以下、Al0.005〜0.060wt%を含有し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt%、 Ti0.005wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、 Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有
し、残部Feおよび不可避不純物からなり、か
つ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測定部に
おける面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在物
の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総長さB
(μ)との関係が下記の式を満足することを特
徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第2の発明とし、 (3) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、かつ、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% のうちの1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第3の発明とし、 (4) C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt% Ti0.005wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、
Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有
し、さらに、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% の1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測
定部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系
介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総
長さB(μ)との関係が下記の式を満足するこ
とを特徴とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼
板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を第4の発明とする4つの発明よりなるもので
ある。 本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた鋼板に
ついて以下詳細に説明する。 即ち、本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた
鋼板においては、偏析部の硬さの調整、制御する
こと、および、介在物の調整、制御が重要なこと
である。 そして、偏析部の硬さの制御は、偏析し易い元
素として、C、Muの含有量を抑制し、かつ、
Cu、Ni、Nb、V等の比較的に偏析し難い合金元
素を多く含有させ、さらに、偏析し易く、かつ、
偏析部の硬さを上昇させるP含有量を低減させ、
圧延前の鋼片の高温保持等により偏析元素を拡散
させる必要がある。 また、介在物の長さの制御は、S、Al等介在
物を形成し易い低減させ、Ca、REM等の介在物
の形態制御元素を含有させ、鋼片から鋼板への圧
下比を小さくし、および/または、鋼板圧延時の
圧下温度を高くして、介在物の伸展を抑制する必
要がある。 以下、これらについて、詳細に説明する。 先ず、本発明に係る耐火水素誘起割れ性に優れ
た鋼板の含有成分と成分割合および硬度と介在物
との関係について説明する。 Cは強度を確保するためには含有量は0.01wt%
以上を必要とし、また、0.30wt%を越けて含有さ
れると溶接割れ感受性が高くなる。よつて、C含
有量は0.01〜0.30wt%とする。なお、Cは偏析し
易い元素であるから、この含有量は厳格に規制す
る必要がある。 Siは脱酸に必要な元素であり、そのためには含
有量は0.02wt%以上を必要とし、また、多量に含
有されると靭性を劣化させる。よつて、Si含有量
は0.02〜0.60wt%とする。 Mnは強度確保のために必要な元素であり、含
有量が0.50wt%未満ではこの効果は少なく、ま
た、2.50wt%を越えて含有されると溶接性が損な
われる。よつて、Mn含有量は0.50〜2.50wt%と
する。なお、Mnは偏析し易い元素であるから、
上記の含有量は厳格に規制する必要がある。 Pは本来鋼のへ偏析部の硬さを上昇し、耐水素
誘起割れ性を劣化させるので好ましくないが、偏
析部の硬さと介在物長さとの関係が所定の条件を
満足する限りにおいては、特に、Pの規制は不要
である。しかし、溶接部の靭性の点からP含有量
は0.020wt%以下とする。なお、このPは偏析し
易く、偏析部の硬さを上昇させる元素であるか
ら、含有量は少なければ少ない程よく、不純物で
ある。 SはA系介在物を形成し、耐水素誘起割れ性を
害する元素であり好ましくなく、偏析部の硬さと
介在物長さの関係が所定の条件を満足する限りに
おいては、特に、Sを規制する必要はないが、靭
性の点からS含有量は0.010wt%以下とする。し
かし、このSは介在物形成元素である少ないほど
よく、不純物である。 Alは脱酸元素として含有量は0.005wt%以上必
要であり、多量の含有は靭性の劣化を招来するの
で上限を0.060wt%に規制する。よつて、Al含有
量は0.005〜0.060wt%とする。なお、このAlは介
在物形成元素であるから、この含有量の範囲内に
規制する必要がある。 Nb、V、Tiは含有量が0.005wt%未満では強
度向上に効果が少なく、また、0.150wt%を越え
て含有されると溶接部の靭性を劣化させる。よつ
て、Nb、V、Tiの含有量は.0.005〜0.150wt%
とする。 Cuは含有量が0.05wt%未満では強度向上に効
果が少なく、また、0.50wt%を越えて含有される
と熱間加工性を劣化させる。よつて、Cu含有量
は0.05〜0.50wt%とする。 Cr、Moは含有量が0.05wt%未満では強度向上
に効厚果が少なく、また0.50wt%を越えて含有さ
れると溶接性を劣化させる。よつて、Cr、Mo含
有量は0.5〜0.50wt%とする。 Niは含有量が0.05wt%未満では強度上昇に効
果は少なく、また、1.00wt%を越えて含有される
と効果は飽和してしまい、かつ、経済性を損な
う。 よつて、Ni含有量は0.05〜1.00wt%とする。 Bは強度を上昇させるためには0.0003wt%以上
の含有量が必要であり、また、0.0030wt%を越え
て含有されると靭性が劣化する。よつて、B含有
量は0.0003〜0.0030wt%とする。 Caは酸化物系介在物の球状化に効果のある元
素であり、含有量が0.0005wt%未満ではなこの効
果を少なく、また、0.0050wt%を越えて含有され
ると靭性を劣化させる。よつて、Ca含有量は
0.0005〜0.005wt%とする。なお、Caは介在物形
態制御元素であるから、含有させることは有利で
ある。 REMはCaと同様に硫化物系介在物の球状化に
効果のある元素であり、含有量が0.001wt%以上
を必要とし、また、0.030wt%を越えて含有され
ると靭性が劣化させる。よつて、REM含有量は
0.001〜0.030wt%とする。なお、このREMは介
在物形態制御元素であるから、含有させることは
有利である。 水素誘起割れの発生は、偏析部のビツカース硬
さと測定部における面積10mm2中の長さ10μ以上の
A系介在物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の
総長さB(μ)により制限されるものであり、即
ち、第1図に示すように、偏析部の硬さと介在物
長さの異なる鋼板を用い、PH=3の条件で96時間
の水素誘起割れ試験を行なつた結果、偏析部の硬
さHv>230であれば、長さ10℃以上のA系および
B系介在物が無くても水素誘起割れは発生する。
また、偏析部の硬さがHv≦230の場合、長さ10μ
以上のA系およびB系介在物の総長さAおよびB
と偏析部のビツカース硬さHvの関係が、 Hv≦230−4/10×(A+B/2) を満足する場合、水素誘起割れは発生しないが、
この条件を満足しない場合には水素起割れが発生
するのである。 この場合、介在物として長さ10μ未満のものを
省いた理由は、このような小さい介在物は地鉄と
の界面の面積が小さく、また、介在物先端の尖鋭
度も小さく水素誘起割れに大きな影響を与えない
からである。また、B系介在物の総長さの係数を
A系介在物の総長さの係数1/2としたのは、A系
介在物と同じ係数として場合、偏析部硬さと介在
物長さの関係で水素誘起割れ発生の有無を良好に
整理できないのに対し、この係数を1/2とすると
第1図の示すように、この両者の関係によつて水
素誘起割れの発生を制御できるからである。ま
た、偏析部とは鋼板の中央部またはその近傍に位
置する凝固時の成分偏析部のことである。 以上説明したような、含有成分および成分割合
の鋼を通常の溶解法により溶解後、連続鋳造また
は造塊法により鋼塊または鋼片とした後、圧延前
に鋼塊、鋼片を1200℃以上1350℃以下の温度にお
いて、2時間以上24時間以下保持することによ
り、偏析元素が拡散して偏析部の硬さを低減する
ことができる。そして、この保持温度が1200℃未
満ではこのような効果は少なく、また、1350℃を
越えると鋼塊、鋼片の一部が溶融する可能性があ
るので保持温度は1200℃以上1350℃以下の範囲と
する。また、保持時間が2時間未満では上記の温
度範囲にあつても拡散効果は少なく、また、24時
間を越えると生産性が悪くなるので、保持時間は
2時間以上24時間以下とする。 また、鋼片から鋼板への圧下比を小さくし、お
よび/または、鋼板圧延時の圧下温度を高くし
て、介在物の伸展を抑制するために、鋼片を鋼板
に圧下を行う際に、900℃以下の温度における圧
下率を小さくすることにより、特に、A系介在物
の長さを小さくすることができる。そして、900
℃を越える温度における圧下は介在物の伸展に影
響が小さいので900℃以下の温度とする。圧下率
はA系介在物の長さは略圧下率に比例して長くな
ることから、介在物長さの低減には圧下率を小さ
くすることが必要である。 そして、水素誘起割れの発生が、偏析部の硬さ
とその位置における介在物の総長さによつて制限
される理由は未が解明されていないが、介在物と
地鉄との界面の面積、界面先端の尖鋭度、水素ガ
スの圧力の大きさ、介在物の周囲の地鉄の水素脆
化の程度に関係しているものと考えられる。 [実施例] 本発明に係る耐水誘起割れ性に優れた鋼板の実
施例を説明する。 実施例 第1表に示す含有成分および成分割合の鋼を溶
製後、連続鋳造法または造塊法により鋳造した後
熱間圧延によつて供試鋼板を製造した。 各供鋼板の偏析部の硬さをビツカーズ硬度計
(荷重100g)で測定すると共に、その部分におけ
る面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在文および
B系介在物の総長さを光学顕微鏡を用いて倍率
400倍で測定た。 この測定に用いた供試鋼板は、以下説明する水
素誘起割れ試験供試鋼板と同じ位置から採取し
た。 測定結果を第2表に示す。 耐水素誘起割れ性の評価は、NACE Stand
and TM−02−84に準じて行なつた。ただし、試
験に用いた溶液は、H2Sで飽和した人工海水(所
謂、BP溶液、PH〓5)と5%NaCl+0.5%酢酸
溶液(所謂、NACE溶液、PH〓3)の2種類で
ある。 各供試鋼板より採取した試験片を無負荷状態で
上記溶液に96時間浸漬した後、断面検鏡により水
素誘起剤割れの有無を判定した。 上記水素誘起割れ試験に供した試験片は、最も
偏析の大きいと考えられる位置から、第2図に示
すように採取した。試験片の形状および断面検鏡
位置を第3図に示す。試験片のサイズは、t×
20w×100lmmである。また、試験片の厚さは鋼板
の表裏両面を各1mmずつ切削した。 各供試鋼板より各試験溶液当り3個の試験片を
採社し、何れの試験片においても水素誘起割れの
発生が認められらない場合のみ、水素誘起割れの
発生無しと判定した。 試験結果を第2表に示す。 この第2表から明らかなように、本発明に係る
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板においては、PH〓
5のBP溶液においては勿論のこと、PH〓3の
NACE溶液においても水素誘起割れな全く発生
していない。 また、本発明に係る耐水素誘起割れ性に優れた
鋼板の要件を満足していない鋼板においては何れ
も水素誘起割れが発生している。
【表】
【表】
○:水素誘起割れ無し。
×:水素誘起割れ発生。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る耐水素誘起
割れ性に優れた鋼板は上貴の構成であるから、PH
=3のような厳しい環境下においても水素誘起割
れは全く発生することがない優れた耐水素誘起割
れ性を有する効果がある。
×:水素誘起割れ発生。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る耐水素誘起
割れ性に優れた鋼板は上貴の構成であるから、PH
=3のような厳しい環境下においても水素誘起割
れは全く発生することがない優れた耐水素誘起割
れ性を有する効果がある。
第1図は水素誘起割れ発生におよぼす鋼板偏析
部の硬さと介在物長さの関係を示す図、第2図は
水素誘起割れ試験片の採取位置を示す斜視図、第
3図は水素誘起割れ試験片の形状と断面検鏡位置
を示す斜視図である。
部の硬さと介在物長さの関係を示す図、第2図は
水素誘起割れ試験片の採取位置を示す斜視図、第
3図は水素誘起割れ試験片の形状と断面検鏡位置
を示す斜視図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からな
り、かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測定
部における面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在
物の総長さA(μ)、同じくB系介在物の総長さB
(μ)との関係が下記の式を満足することを特徴
とする耐水素誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) 2 C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt% 以下、Al0.005〜0.060wt%を含有し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt%、 Ti0.005〜0.150wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、 Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、
残部Feおよび不可避不純物からなり、かつ、偏
析部のビツカース硬さと、硬さ測定部における面
積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在物の総長さA
(μ)、同じくB系介在物の総長さB(μ)との関
係が下記の式を満足することを特徴とする耐水素
誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) 3 C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、
S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt% を含有し、かつ、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% のうちの1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、
かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測定部に
おける面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在物の
総長さA(μ)、同じくB系介在物の総長さB(μ)
との関係が下記の式を満足することを特徴とする
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2) 4 C0.01〜0.30wt%、Si0.02〜0.60wt%、 Mn0.50〜2.50wt%、P0.020wt%以下、 S0.010wt%以下、Al0.005〜0.060wt%を含有
し、かつ、 Nb0.005〜0.150wt%、V0.005〜0.150wt% Ti0.005〜0.150wt%、Cu0.05〜0.50wt%、 Cr0.05〜0.50wt%、Mo0.05〜0.50wt%、 Ni0.05〜1.00wt%、 B0.0003〜0.0030wt% のうちから選んだ1種または2種以上を含有し、
さらに、 Ca0.0005〜0.0050wt%、 REM0.001〜0.030wt% の1種または2種 を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなり、
かつ、偏析部のビツカース硬さと、硬さ測定部に
おける面積10mm2中の長さ10μ以上のA系介在物の
総長さA(μ)、同じくB系介在物の総長さB(μ)
との関係が下記の式を満足することを特徴とする
耐水素誘起割れ性に優れた鋼板。 Hv≦230−4/10×(A+B/2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8652286A JPS62243737A (ja) | 1986-04-15 | 1986-04-15 | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8652286A JPS62243737A (ja) | 1986-04-15 | 1986-04-15 | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62243737A JPS62243737A (ja) | 1987-10-24 |
JPH0558053B2 true JPH0558053B2 (ja) | 1993-08-25 |
Family
ID=13889319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8652286A Granted JPS62243737A (ja) | 1986-04-15 | 1986-04-15 | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62243737A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06271976A (ja) * | 1993-03-16 | 1994-09-27 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐硫化物割れ性に優れた鋼材並びに鋼管 |
KR100832982B1 (ko) * | 2006-11-09 | 2008-05-27 | 주식회사 포스코 | 내수소유기균열성과 저온인성이 우수한 열연강재 및 그제조방법 |
JP4251229B1 (ja) | 2007-09-19 | 2009-04-08 | 住友金属工業株式会社 | 高圧水素ガス環境用低合金鋼および高圧水素用容器 |
KR100957973B1 (ko) | 2007-12-28 | 2010-05-17 | 주식회사 포스코 | 냉간변형 하에서 내 사우어 특성이 우수한 열연강판 |
-
1986
- 1986-04-15 JP JP8652286A patent/JPS62243737A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62243737A (ja) | 1987-10-24 |
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