JPH055749U - 記録紙重送防止構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】低コストで構成でき、重送防止性能も高い、記
録紙重送防止構造。 【構成】記録紙を収容した記録紙カセット１０の前壁１
１Ｂの幅方向中央部に、所定の弾性を有する重送防止板
４０が記録紙３１の搬出経路にその先端部を所定量干渉
させて配置されて構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、記録紙を収容した収容部から、記録紙の重合状態での送り出しを防 いで一枚づつの送り出し可能とする、記録紙重送防止構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時、複写機，プリンタ，ファクシミリ等の画像形成装置に於て、所定サイズ に裁断された普通紙上に画像形成を行なう画像形成を行なうものが増加している 。 このような普通紙上に画像形成を行なう画像形成装置では、通常、給紙部に着 脱可能に構成された記録紙カセットに記録紙を積層状態で収容し、この記録紙カ セットから記録紙を一枚づつ導入して画像形成するように構成される。 ここで、複数枚の記録紙が記録紙カセットから重合状態で送り出されると、記 録紙搬送不良による紙詰まりや画像形成不良の原因となる為、給紙部又は記録紙 カセットに、確実に一枚づつ送り出すことのできる重送防止機構を備える必要が ある。 一般的な重送防止機構としては、送りローラの下側に、該送りローラと逆方向 に回転する逆転ローラを設け、記録紙が重送された場合には下側の記録紙を残す ように作用する、摩擦係合機構と呼ばれる方式のものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし乍ら、上記の如き摩擦係合機構方式は、重送防止性能は優れるものの構 造が複雑であってコストが高いという問題があった。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、上記の如き事情に鑑み、低コストで構成でき、重送防止性能も高い 、記録紙重送防止構造の提供、を目的とする。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】

上記目的達成の為、本考案に係る記録紙重送防止構造は、記録紙を収容した収 容部の記録紙送り出し方向前方の、少なくとも記録紙の幅方向中央部に、所定の 弾性を有する規制部材が記録紙の搬出経路にその先端部を所定量干渉させて配置 されて構成されてている。

【０００６】

【考案の実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に基いて説明する。 図１は、本考案に係る記録紙重送防止構造の一実施例を適用した、記録紙カセ ットの縦断面図であり、図２は該記録紙カセットを装着した状態の画像形成装置 の給紙部の部分断面図、図３は図２のＡ矢視図（記録紙カセットの正面図）であ る。 記録紙カセット１０は、平面形状が長方形で上方に開放する底の浅い直方体状 の容器部１１内に、収納される記録紙の側端位置を規制する側端規制板１２が幅 方向両側に備えられると共に、後端側に記録紙の後端を規制する後端規制板１３ が設けられ、更に、前端側の両側端規制板１２に挟まれた部位に、記録紙保持板 １４が配置されて構成されている。

【０００７】 記録紙保持板１４は、前端部を上下に揺動可能としてその後端に形成されたフ ック１４Ａで容器部１１の底部１１Ａに係合すると共に、該前端部と容器部１１ の底部１１Ａとの間にスプリング１５が介設され、該スプリング１５によって前 端部が上側に付勢された状態で設けられている。図１は記録紙が収容されていな い状態であって、記録紙保持板１４の前端部がスプリング１５の付勢力で側端規 制板１２の記録紙上面押え１２Ａの下面に当接しているが、記録紙が収容されて いる状態では、収容された記録紙の上面が記録紙上面押え１２Ａの下面に当接し て記録紙が脱落しないようになっている。

【０００８】 一方、画像形成装置の給紙部２０には、記録紙カセット１０が装着された状態 に於て左右の側端規制板１２の記録紙上面押え１２Ａ間と対応する位置に、給紙 ローラ２１が設けられており、該給紙ローラ２１は、図２に示す如く記録紙カセ ット１０が給紙部２０に装着された状態でその下側の周面が記録紙上面押え１２ Ａより下側に位置し、従って、この給紙ローラ２１の下側の周面に記録紙カセッ ト１０に収容された積層記録紙３０の上面がスプリング１５の付勢力で押圧付勢 されるようになっている。この給紙ローラ２１は、図示しないが画像形成装置側 の駆動源からの伝達される回転力で回転駆動され、その周面に当接している記録 紙（積層記録紙３０の最上部の記録紙３１）を画像形成装置内に供給すべく搬送 駆動するようになっているものである。

【０００９】 ここで、記録紙カセッ卜１０の前方壁面１１Ｂの上縁は、前述の如く積層記録 紙３０の上面が給紙ローラ２１の周面にスプリング１５の付勢力で押圧付勢され た状態で、積層記録紙３０の上面より所定量低く設定されており、更に、この前 方壁面１１Ｂの内面に、重送防止部材としての重送防止板４０が設けられている 。 重送防止板４０は、弾性変形可能な所定厚さの合成樹脂板で所定幅且つ所定高 さの長方形状に形成され、図２に示す如く記録紙カセット１０の幅方向中央に配 置されて、その上端は給紙ローラ２１の周面に当接した積層記録紙３０の上面よ り所定量高く設定されている。つまり、該重送防止板４０は、その先端が給紙ロ ーラ２１による記録紙搬送経路に干渉し、記録紙の搬送を妨害する位置として設 けられているものである。

【００１０】 而して、上記の如き構成によれば、容器部１１内に記録紙を収容した記録紙カ セット１０が画像形成装置の給紙部２０に装着され、給紙ローラ２１の回転によ ってその周面に当接している積層記録紙３０の最上部の記録紙３１が搬送駆動さ れて画像形成装置内に供給されるが、この時、搬送される最上部の記録紙３１と 隣接する下側の記録紙が静電気等で密着しているような場合でも、下記の如く作 用して記録紙の重送が防止される。 即ち、給紙ローラ２１の回転によって、該給紙ローラ２１と当接している最上 部の記録紙３１は搬送駆動されるが、その先端は重送防止板４０に当接しており 該重送防止板４０によって搬送は阻止され、その結果、図４に示す如く給紙ロー ラ２１と重送防止板４０との間で上側に弛みを生ずる。ここで、この上側への弛 み屈曲は、記録紙自体の剛性と搬送駆動力のバランスによって生じ、最上部の記 録紙３１は当該記録紙自体の剛性より搬送駆動力が勝る為に搬送駆動に伴って次 第に大きく屈曲することとなるが、給紙ローラ２１によって直接搬送駆動されな い下側の記録紙３２は、最上部の記録紙３１との密着力より記録紙自体の剛性が 勝ることとなって最上部の記録紙３１と同一曲率で屈曲することはなく、従って 、この屈曲半径の差によって重合状態が解消されることとなる。 その後、搬送駆動に伴って最上部の記録紙３１の弛み屈曲量が増大し、図５に 一点鎖線乃至二点鎖線で示す如く、重送防止板４０を弾性変形させつつ記録紙の 先端が弾けて弛みが復元して記録紙カセット１０の前壁の前方側に至り、画像形 成装置側に送り出されるものである。

【００１０】 重送防止板４０の剛性やその記録紙搬送経路との干渉量は、記録紙の剛性との 関係で適宜設定すべきものであるが、厚さ０．３ｍｍのポリエステルシートを、 幅：Ｗ＝３０ｍｍ，前壁上縁からの突出量：Ｈ＝３ｍｍ，記録紙上面からの突出 量：ｈ＝０．８〜２ｍｍとして設けると共に、給紙ローラ２１との間隔：Ｌ＝１ ４ｍｍとして設定し、６４ｇ／ｍ２，７５ｇ／ｍ２の記録紙を用いて実験した結 果、良好な重送防止結果が得られた。

【００１２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案に係る記録紙重送防止構造によれば、簡単な構成で 優れた重送防止効果が得られ、低コストに構成できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る記録紙重送防止構造の一実施例を
適用した記録紙カセットの縦断面図。

【図２】記録紙カセットを装着した状態の画像形成装置
の給紙部の部分断面図。

【図３】図２のＡ矢視図。

【図４】図２から作用した状態を示す図。

【図５】図４から更に作用した状態を示す図。

【符号の説明】

１０…容器部（収容部） ３０…積層記録紙 ４０…重送防止板（重送防止部材）

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】記録紙を収容した収容部の記録紙送り出し
   方向前方に、所定の弾性を有する重送防止部材が記録紙
   の搬出経路にその先端部を所定量干渉させて配置されて
   構成されていること、を特徴とする記録紙重送防止構
   造。