JPH05571B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は互いに同心的に設けられる２つの剛性
継手部分が、回転軸線に対し接線方向に配置され
た単層または複数層の連結板により互いに結合さ
れ、、連結板が対をなして互いに角をなし、これ
らの連結板の両端が打込みボルトにより両方の継
手部分にそれぞれ取付けられている、連結板継手
に関する。

従来技術 この種の連結継手は例えばドイツ連邦共和国実
用新案第7642271号から公知である。このような
連結板継手では、力を伝達する際周方向にはねじ
り剛性をもち軸線方向には撓むような挙動をとる
ので、継手は軸点方向およびカルダン可撓性を利
用可能である。継手において使用される連結板の
数は伝達すべきトルクに大きく関係するが、各連
結板を単層または複数層の連結板として構成する
ことができるので、構造ごとに変化する。

力伝達の際連結板が受ける比較的大きい張力お
よび圧縮力の結果として、連結板を剛性継手部分
へ取付けるために打込みボルトを使用することが
必要である。このような構成では、不可避なピツ
チ誤差および直径の公差をできるだけ小さくする
ため、製造にきわめて高い要求が課せられる。実
際にわかつたように、これらの要求は特殊なゲー
ジまたは特別に形成されたゲージ穴あけ機構によ
つて満たされる。それにより製造は著しく高価に
なる。しかし精確な製造にもかかわらず、異なる
製造過程による部品を組合わせつ際、不可避な公
差が不利な方へ加算され、したがつて組立てを著
しく困難にするので、組立ての際常に問題が生ず
る。このことは、とりわけ使用場所で摩耗部品を
交換するときにいえる。

発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、従来の構造の連結板継手と同
じ機能をもつにもかかわらず、組立てが簡単な連
結板継手を提供することである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するため本発明によれば、少な
くとも一方の継手部分例えば継手フランジの所
で、打込みボルトが、連結板の端部を互いに分離
した円弧片へ遊隙なしに結合し、ねじボルトが、
円弧片および一方の継手片にあけられてねじボル
トより大きい径をもつ貫通穴を貫通して、遊隙を
もつて円弧片を一方の継手部分へ結合している。

発明の効果 本発明によれば、継手の円弧片をもたない継手
部分および円弧片のすべての打込みボルト用はめ
合い穴を、直径の不可避な普通の公差およびピツ
チ誤差で簡単に形成できる。その際必然的に生ず
るピツチ誤差および公差は、個別部分の組立てに
不利な影響を及ぼさない。なぜならば、これらの
誤差および公差による偏差は、円弧片取付け用ね
じボルトをはめるため円弧片および一方の継手部
分にある貫通穴の遊隙の利用により、簡単に相殺
できるからである。このような継手部分へ円弧片
を遊隙をもつて取付けることにより、はまり合い
結合しか利用できないような最初にあげた構造の
従来の連結板継手と異なり、円弧片と継手部分と
の間に力を伝える結合、したがつて両継手部分の
間に相対回転のない結合が行なわれるにもかかわ
らず、継手の組立てまたは使用場所における修理
のための分解や再組立てが著しく簡単になる。

実施態様 連結板継手の有利な構成では、回転軸線の方へ
張り出す環状フランジが継手フランジに一体に形
成され、この環状フランジの軸線方向両側に対を
なして同じ形状の円弧片が接して、共通なねじボ
ルトにより保持され、連結板対の端部がそれぞれ
１対の円弧片の間にあつて、２つの円弧片に保持
される打込みボルトにより取付けられている。

所定の長さの連結板で継手フランジの周囲をで
きるだけ小さくするため、打込みボルトの範囲に
おいて環状フランジに内周縁から出る凹所に設
け、この凹所が打込みボルトに係合する連結板端
部の輪郭を遊隙をおいて包囲しているようにする
のが有利である。それにより連結板端部に対して
充分な自由空間が得られるので、打込みボルトお
よびねじボルトの中心を共通なピツチ円上に配置
することができる。

存在する周面をよく利用するため、円弧片の互
いに向き合う端部の間に小さい遊隙を残して、環
状フランジの全周に円弧片を配置するのがよい。
各円弧片または円弧片対は、周方向に見て円弧片
または円弧片対の中央に配置される打込みボルト
の取付けのために設けられている。

実施例 本発明の実施例が図面に示されており、以下こ
れについて説明する。

剛性継手部分すなわち継手ボスおよび外側継手
フランジはそれぞれ符号１および２をつけられて
いる。継手ボス１は軸線方向に当たつて互いに締
付けられる２つの部分３，４から形成され、部分
３に一体に形成される環状フランジ５は、取付け
ねじをはめるため互いに間隔をおいて周囲にわた
つて設けられた穴６をもつている。継手ボス１の
両部分３，４には、周囲にわたつて分布して平行
で互いに一直線をなす穴７が含まれ、これらの穴
に結合アダプタ８がはまつて、部分３，４の互い
に相対回転しない結合に役だつ。部分３，４の周
囲を形成する２つの同じ形状のフランジ９，１０
は互いに軸線方向に離れているので、環状の空所
が存在する。

継手フランジ２は、後続回転部分を結合する取
付けねじを挿入する平行な多数の穴１１をもつ外
側取付けフランジ２ａからできている。この取付
けフランジ２ａには、連結板継手の回転軸線１２
の方へ向く張出し環状フランジ１３が一体に形成
され、その軸線方向厚さはフランジ９，１０の内
面の軸線方向間隔に合わせている。

継手ボス１と継手フランジ２は全部で16個の連
結板１４，１５により結合され、継手ボス１およ
び継手フランジ２の所で、それぞれ２つの連結板
が共通な打込みボルト１６または１７に係合して
いる。継手ボス１のフランジ９，１０は、打込み
ボルト１６をはめるため等間隔で配置された８つ
の穴１８をもつている。これらの穴１８にはそれ
ぞれはめ合いスリーブ１９が挿入され、その中に
打込みボルト１６がはまり合いで即ち遊隙なしに
保持されている。各打込みボルトは一端にねじ頭
部をもち、他端にあるおねじ上には取付けナツト
がはまつている。

連結板１４，１５は実施例では例えばばね鋼製
の個別連結板からなり、その輪郭形状は第１図に
示されている。間隔円板２０により、両連結板１
４，１５の間およびフランジ９，１０の内面に対
して所定の間隔が維持される（第３図および第４
図参照）。

半径方向に見て外端において、連結板１４，１
５はそれぞれ対をなして同じように打込みボルト
１７およびはめ合いスリーブ２１により結合され
ている。しかし打込みボルトはここでは継手フラ
ンジ２自体に設けられているのではなく、それぞ
れ１対の円弧片２２に設けられている。すべての
円弧片２２は同じである。これらの円弧片はその
両端にねじボルト２４をはめるそれぞれ２つの平
行な穴２３をもち、ねじボルトのおねじ上にはナ
ツトがある。環状フランジ１３は、ねじボルト２
４の直径を大きくされすなわち所定の遊隙を形成
された同じ数の穴２５をもつている。打込みボル
ト１７およびはめ合いスリーブ２１は円弧片２２
の中央にある穴２６へはまり合いで保持されてい
る。

第１図および第２付からわかるように、連結板
１４，１５の外端で環状フランジ１３に内周縁か
ら出る凹所２７が含まれ、この凹所２７は充分な
遊隙を維持して連結板端部の周囲輪郭にほぼ合わ
されている。この遊隙は、継手ボス１に対する継
手フランジ２の予想される相対運動の際、連結板
１４，１５と環状フランジ１３との間に接触がお
こらないように、大きさを定められている。

このような連結板継手を組立てる際、まずすべ
ての打込みボルト１６，１７が規則正しく締めら
れ、それからはじめて取付けねじボルト２４のナ
ツトが締められ、それにより連結板１４，１５と
外側の継手フランジ２との力を伝える結合が行な
われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による連結板継手の一部の正面
図、第２図は組立て前における外側継手部分の一
部の正面図、第３図は第１図の−線による連
結板継手の拡大断面図、第４図は第１図の−
線により連結板継手の拡大断面図である。 １……継手部分（継手フランジ）、２……継手
部分（継手ボス）、１４，１５……連結板、１６，
１７……打込みボルト、２２……円弧片、２３，
２５……穴、２４……ねじボルト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 互いに同心的に設けられる２つの剛性継手部
   分が、回転軸線に対し接線方向に配置された単層
   または複数層の連結板により互いに結合され、、
   連結板が対をなして互いに角をなし、これらの連
   結板の両端が打込みボルトにより両方の継手部分
   にそれぞれ取付けられているものにおいて、少な
   くとも一方の継手部分１または２の所で、打込み
   ボルト１６または１７が、連結板１４，１５の端
   部を互いに分離した円弧片２２へ遊隙なしに結合
   し、ねじボルト２４が、円弧片２２および一方の
   継手片１または２にあけられてねじボルト２４よ
   り大きい径をもつ貫通穴２３，２５を貫通して、
   遊隙をもつて円弧片２２を一方の継手部分１また
   は２へ結合していることを特徴とする、連結板継
   手。 ２ 円弧片２２が一方の継手部分としての継手フ
   ランジ２に設けられていることを特徴とする、特
   許請求の範囲第１項に記載の連結板継手。 ３ 回転軸線の方へ張り出す環状フランジ１３が
   一方の継手部分としての継手フランジ２に一体に
   形成され、この環状フランジ１３の軸線方向両側
   に対をなして同じ形状の円弧片２２が接して、共
   通なねじボルト２４により保持され、連結板対１
   ４，１５の端部がそれぞれ１対の円弧片２２の間
   にあつて、２つの円弧片２２に保持されて打込み
   ボルト１７により取付けられていることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項に記載の連結板継
   手。 ４ 打込みボルト１７の範囲において環状フラン
   ジ１３が内周縁から出る凹所２７をもち、この凹
   所２７が打込みボルト１７に係合する連結板端部
   の輪郭を遊隙をおいて包囲していることを特徴と
   する、特許請求の範囲第３項に記載の連結板継
   手。 ５ 打込みボルト１７およびねじボルト２４の穴
   の中心が共通なピツチ円上にあることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第４項に記載の連結板継手。 ６ 円弧片２２がそれらの互いに向き合う端部の
   間に小さい遊隙を残して、環状フランジ１３の全
   周に配置されていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第１項ないし第３項の１つに記載の連結板
   継手。 ７ 打込みボルト１７がそれぞれ円弧片２２の中
   央に取付けられ、打込みボルト１７の両側にねじ
   ボルト２４をはめる穴２３が設けられていること
   を特徴とする、特許請求の範囲第１項ないし第６
   項の１つに記載の連結板継手。