JPH0557131U

JPH0557131U - Ｐｃ壁型枠

Info

Publication number: JPH0557131U
Application number: JP11314191U
Authority: JP
Inventors: 達也脇坂; 則之古屋; 康平栗田; 研三吉岡
Original assignee: Obayashi Corp
Current assignee: Obayashi Corp
Priority date: 1991-12-27
Filing date: 1991-12-27
Publication date: 1993-07-30

Abstract

(57)【要約】【目的】一対のＰＣ版を適宜間隔をもって互いに結合
し、かつ、壁を構築するに必要な壁配筋を予めＰＣ版に
設置して、壁の構築作業を著しく簡単にする。【構成】ＰＣ壁型枠１０を、適宜間隔をもって対峙す
る一対の第１，第２ＰＣ版１２，１４と、これら第１，
第２ＰＣ版１２，１４を互いに連結するセパレータ筋１
６とで構成する。第１，第２ＰＣ版１２，１４の成形時
に、縦筋１８ａ，１９ａおよび横筋１８ｂ，１９ｂとで
構成される格子状鉄筋１８，１９を設置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一対のＰＣ（プレキャストコンクリート）版を適宜間隔をもって対峙することにより構成したＰＣ壁型枠に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鉄筋コンクリートの壁を構築する方法として、オムニア版等の半ＰＣ部材を型枠の片側に利用する方法は、例えば、特公昭５４−３１２９３号(Int.Cl. E04B 2/84)によって公知となっている。即ち、かかるコンクリート外壁構築方法は、工場生産と現場作業とを合理的に組み合わせることによって、建物外方からの表面仕上げ作業、外側型枠とその組付け解体作業等を不要にして現場作業の省力化、安全化及び工期の短縮化を図りながらも、軽量で強度のある壁の構築を可能とするものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる従来のＰＣ壁型枠にあっては、半ＰＣ版を建て込みながら支持し、配筋後もう片側の内型枠を建て込む。この場合、セパレータは半ＰＣ版から突出している鉄筋等からとり、内型枠を支保工で支持する必要があり、コンクリート打設後、該内型枠と支保工を解体しなければならず、多くの労力を必要とし、作業者不足の折、工期と建築費が嵩んでしまう。

【０００４】また、前記ＰＣ版と壁配筋とは別々にして配置しなければならず、この点からも壁の構築作業工程が増大し、省力化を達成することができないという各種課題があった。

【０００５】そこで本考案は、一対のＰＣ版を適宜間隔をもって互いに結合し、かつ、壁を構築するに必要な壁配筋を予めＰＣ版に設置しておくことにより、壁の構築作業を簡単にすることができるＰＣ壁型枠を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために本考案のＰＣ壁型枠は、壁連結材を介して一対のＰＣ版を所要の間隔に保持して結合すると共に、それぞれのＰＣ版に壁配筋を全て設置することにより構成する。

【０００７】また、かかるＰＣ壁型枠において、前記壁連結材の両端部にそれぞれスペーサー筋を予め取り付けておき、このスペーサー筋によって前記壁配筋に対するコンクリート被り厚を設定することが望ましい。

【０００８】

【作用】

以上の構成により本考案のＰＣ壁型枠にあっては、壁連結材を介して一対のＰＣ版を所要の間隔に保持して結合したので、この壁型枠を所定位置に建込んだ後、一対のＰＣ版間にコンクリートを打設することにより、コンクリート壁を簡単に構築することができる。また、前記ＰＣ版に予め壁配筋を全て設置してあるので、前記コンクリート打設時の配筋作業を省略して、前記コンクリート壁の構築作業を更に簡単にし、大幅な省略化を達成することができる。

【０００９】また、かかるＰＣ壁型枠において、前記壁連結材の両端部にそれぞれスペーサー筋を予め取り付けておき、このスペーサー筋によって前記壁配筋に対するコンクリート被り厚を設定するようにしたので、前記壁配筋をそれぞれのＰＣ版に対して最適な位置に設定することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図に基づいて詳細に説明する。図１，図２は本考案にかかるＰＣ壁型枠１０の一実施例を示し、図１は縦断面図、図２は図１中のＡ− Ａ線断面図である。

【００１１】即ち、前記ＰＣ壁型枠１０は、適宜間隔をもって対峙する一対の第１，第２ＰＣ版１２，１４と、これら第１，第２ＰＣ版１２，１４を互いに連結する壁連結材としてのトラス状のセパレータ筋１６とで構成してある。

【００１２】前記第１，第２ＰＣ版１２，１４には、縦筋１８ａ，１９ａおよび横筋１８ｂ，１９ｂとで構成される壁配筋としての格子状鉄筋１８，１９が設置され、これら格子状鉄筋１８，１９により第１，第２ＰＣ版１２，１４の補強が行われる。

【００１３】前記ＰＣ壁型枠１０は、図３から図７に示す工程を経て形成される。即ち、図３ではトラス状のセパレータ筋１６の前記第１，第２ＰＣ版１２，１４が結合される両端部（同図中上下端部）に、それぞれスペーサー筋２０，２２を固設する。このスペーサー筋２０，２２の各先端からの取付け距離Ｌ1 ，Ｌ2 は、前記格子状鉄筋１８，１９が第１，第２ＰＣ版１２，１４に設置される位置（コンクリート被り厚）を予め想定して決定される。一方（図中下方）のスペーサー筋２０はセパレータ筋１６の全長に亘って連続して形成され、他方（図中上方）のスペーサー筋２２はセパレータ筋１６の各先端部間で分離される。

【００１４】次に、図４に示したように全ての横筋１８ｂのうち１つ置きに配置される半分の数を、前記セパレータ筋１６の各トラス状部分の内側に位置してスペーサー筋２０の上側に仮止めする。一方、前記横筋１８ｂの残りの横筋１８ｂと全ての縦筋１８ａとを格子状に組み込んで仮止めし、この仮止めした縦筋１８ａおよび横筋１８ｂを前記セパレータ筋１６の上方から各トラス状部分の外側に落とし込み、前記スペーサー筋２０に仮止めする。この状態で前記全ての横筋１８ｂと前記縦筋１８ａとにより格子状鉄筋１８が形成される。

【００１５】次に、図５に示したように前記格子状鉄筋１８が仮止めされたセパレータ筋１６をこの格子状鉄筋１８を下にして、生コンクリート２４が打設，充填された型枠２６に落とし込み、この生コンクリート２４内にセパレータ筋１６の一端部および格子状鉄筋１８を設置する。そして、前記生コンクリート２４が硬化された後、前記型枠２６から脱型することにより第１ＰＣ版１２が成形される。

【００１６】次に、図６に示したように成形された前記第１ＰＣ版１２を立て起こして略直立状態にし、セパレータ筋１６の他端部（第１ＰＣ版１２の取付側とは反対側）に格子状鉄筋１９を取り付ける。この格子状鉄筋１９は縦筋１９ａと全ての横筋１９ｂとを格子状に仮止めしておき、前記セパレータ筋１６の他端部に固設したスペーサー筋２２に仮止めする。尚、前記スペーサー筋２２は前記第１ＰＣ版１２を立て起こした際に、セパレータ筋１６の各トラス状部分の先端部から、前記格子状鉄筋１９を係止するに十分な量だけ上方に突出されている。

【００１７】そして、前記格子状鉄筋１９を仮止めした後、図７に示したように前記第１ＰＣ版１２を反転して上方に配置し、この格子状鉄筋１９が仮止めされたセパレータ筋１６の他端部を、生コンクリート２８が打設，充填された型枠３０に落とし込む。この状態で前記生コンクリート２８が硬化された後、型枠３０から脱型することにより、図１に示したように第２ＰＣ版１４が成形される。

【００１８】尚、本実施例では前記格子状鉄筋１８，１９が第１，第２ＰＣ版１２，１４に設置される際、内側に配置される縦筋１８ａ，１９ａは、その断面積の略１／３〜１／２が埋設されて、残りの部分が露出された状態となっているので、後打ちコンクリートとの一体性が増す。

【００１９】以上の構成により本実施例のＰＣ壁型枠１０にあっては、一対の第１ＰＣ版１２および第２ＰＣ版１４が、セパレータ筋１６を介して所要の間隔をもって対峙された状態で形成される。従って、このＰＣ壁型枠１０を所定位置に建込んだ後、一対の第１，第２ＰＣ版１２，１４間に後打ちコンクリートを打設して、この後打ちコンクリートが硬化されることにより、コンクリート壁を簡単に構築することができる。尚、前記コンクリート壁と柱または梁との接合部は、これら両者間に跨がって差し筋を配置しておくことにより、それぞれの間の接合強度を著しく増大することができる。

【００２０】ところで、前記ＰＣ壁型枠１０では壁配筋、つまり、本実施例では縦筋１８ａ，１９ａおよび横筋１８ｂ，１９ｂからなる格子状鉄筋１８，１９が、前記第１，第２ＰＣ版１２，１４に予め設置されているので、前記コンクリート打設時の配筋作業を省略して、前記コンクリート壁の構築作業を更に簡単にし、大幅な省略化を達成することができる。

【００２１】また、前記第１，第２ＰＣ版１２，１４は、後打ちコンクリートと共に一体化した壁として挙動するため、従来のコンクリート壁と同様の設計を行うことができる更に、本実施例では前記ＰＣ壁型枠１０を製造する際、まずセパレータ筋１６の一端部を、これに仮止めした格子状鉄筋１８と共に型枠２６の生コンクリート２４内に落し込んで、これが硬化，脱型されることにより第１ＰＣ版１２を成形し、次に、セパレータ筋１６の他端部を、これに仮止めした格子状鉄筋１９と共に型枠２８の生コンクリート内に落し込み、これが硬化，脱型されることにより第２ＰＣ版１２を成形するようになっている。従って、前記第１，第２ＰＣ版１２，１４を成形する際に、同時に前記格子状鉄筋１８，１９を設置することができるため、壁配筋の取り付けが著しく簡単になる。

【００２２】そして、このように前記格子状鉄筋１８つまり壁配筋が第１，第２ＰＣ版１２，１４内に設置されているため、これら第１，第２ＰＣ版１２，１４内に後打ちコンクリートを打設する際に、壁配筋が障害となることがなく、この後打ちコンクリートの充填性が大幅に向上され、延いては、コンクリート壁の強度向上を図ることができる。

【００２３】更にまた、本実施例ではセパレータ筋１６の第１，第２ＰＣ版１２，１４が結合される両端部にそれぞれスペーサー筋２０，２２を予め固設しておき、このスペーサー筋２０，２２によって前記格子状鉄筋１８，１９に対するコンクリート被り厚を設定するようにしたので、ＰＣ壁型枠１０の製作を容易にすることができる。

【００２４】尚、前記第１，第２ＰＣ版１２，１４を成形するにあたって、それぞれの型枠２６，３０に予め表面仕上材を配置した後にコンクリートを打設することにより、表面仕上材を一体化したＰＣ壁型枠を成形することができる。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のＰＣ壁型枠にあっては、所要の間隔に保持して結合された一対のＰＣ版に壁配筋を全て設置したので、後打ちコンクリートの打設時の配筋作業を省略することができ、コンクリート壁の構築作業を著しく簡単にし、大幅な省略化を達成することができる。

【００２６】また、本考案のＰＣ壁型枠では、前記壁連結材の両端部にそれぞれスペーサー筋を予め取り付けておき、このスペーサー筋によって壁配筋に対するコンクリート被り厚を設定するようにしたので、これら壁配筋をそれぞれのＰＣ版に対する最適な位置に設定することができるという各種優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のＰＣ壁型枠の一実施例を示す縦断面図
である。

【図２】本考案の一実施例を示す図１中のＡ−Ａ線断面
図である。

【図３】ＰＣ壁型枠の製造工程の第１段階を示す説明図
である。

【図４】ＰＣ壁型枠の製造工程の第２段階を示す説明図
である。

【図５】ＰＣ壁型枠の製造工程の第３段階を示す説明図
である。

【図６】ＰＣ壁型枠の製造工程の第４段階を示す説明図
である。

【図７】ＰＣ壁型枠の製造工程の第５段階を示す説明図
である。

【符号の説明】

１０ＰＣ壁型枠１２第１ＰＣ版１４第２ＰＣ版１６セパレータ
筋１８，１９格子状鉄筋２０，２２スペ
ーサー筋２４，２８生コンクリート２６，３０型枠

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者吉岡研三東京都清瀬市下清戸４丁目640番地株式会社大林組技術研究所内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】壁連結材を介して一対のＰＣ版を所要の
間隔に保持して結合すると共に、それぞれのＰＣ版に壁
配筋を全て設置したことを特徴とするＰＣ壁型枠。
【請求項２】前記壁連結材の両端部にそれぞれスペー
サー筋を予め取り付けておき、このスペーサー筋によっ
て前記壁配筋に対するコンクリート被り厚を設定するこ
とを特徴とする請求項１に記載のＰＣ壁型枠。