JPH0557083U - 汚水収集システムにおける真空弁装置 - Google Patents

汚水収集システムにおける真空弁装置

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JPH0557083U
JPH0557083U JP360892U JP360892U JPH0557083U JP H0557083 U JPH0557083 U JP H0557083U JP 360892 U JP360892 U JP 360892U JP 360892 U JP360892 U JP 360892U JP H0557083 U JPH0557083 U JP H0557083U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸入管部及び排出管部を遮断・連通させる弁
部において管路を狭めることなく且つ同部分に汚水や砂
等の異物が停滞して流れ不良や弁の損傷を生じるといっ
たことのない真空弁装置を提供することを目的とする。 【構成】 汚水流通のための管路を構成する吸入管部1
0と排出管部12とを遮断・連通させる弁部の弁体14
を該管路に対して斜めに配設し、該弁体14を可撓性な
いし可動性の隔壁18に連結して、該隔壁18にて区画
・形成された圧力作用室20内の負圧と該弁体14に作
用する前記排出管部12の内部の負圧とによって該弁体
14を斜めに駆動するようにした真空弁装置において、
前記排出管部12の軸心位置を前記吸入管部10の軸心
位置に対して、該軸心と直角方向に且つ該弁体14から
離れる側にずらせた位置に位置させる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は汚水収集システムにおける真空弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】
汚水収集システムとして、家庭等から排出された汚水を配管を通じて真空吸引 し、これを真空ステーションに集めた上、汚水浄化施設へと送るようにした真空 式汚水収集システムが知られている。
【0003】 図2はこの真空式汚水収集システムの例を示している。図に示しているように 一般にこの真空式汚水収集システムでは、家庭等から排出された汚水を流入管1 00を通じて自然流下させ、一旦これを真空弁ユニット102に貯留する。
【0004】 そして更に真空ステーション104の真空発生装置106にて発生させた真空 により、真空弁ユニット102の汚水を鋸状の配管108を通じて真空ステーシ ョン104へと吸引し、ここよりポンプにて汚水浄化施設へと圧送する。
【0005】 ここで真空弁ユニット102は、汚水桝110と真空弁装置112とコントロ ーラ114とを備えており、汚水桝110内の水位が一定水位に達するとコント ローラ114がこれを検知して真空弁装置112の弁を開き、汚水桝110内の 汚水を配管108の側に吸引させるようになっている。
【0006】 図3はこの種真空弁装置として従来用いられているものの例を示している。図 3(A)の真空弁装置115において、116,118はそれぞれ汚水の吸入管 部,排出管部であり、120は弁体、122は弁体120を着座させるための弁 座、123は弁駆動部である。
【0007】 弁駆動部123には、可撓性のダイヤフラムが内部に配設されており、このダ イヤフラムにて圧力作用室が区画形成されている。またダイヤフラムには弁体1 20の弁棒124が連結されている。
【0008】 この真空弁装置115においては、真空弁ユニット102の汚水桝100内の 汚水が一定水位に到達すると、コントローラ114が検知して排出管部118内 の負圧を導入口126より弁駆動部123の圧力作用室に導く。
【0009】 この結果、弁体120には排出管部118内部の負圧と圧力作用室の負圧とが 逆向きに作用するが、上記ダイヤフラムは弁体120よりも受圧面積が大きくさ れているため、弁体120は弁座122から離間して吸入管部116と排出管部 118とを連通させ、汚水桝110内の汚水を真空ステーション104側に吸引 させる。
【0010】 尚汚水桝110内の水位が一定水位まで低下すると、上記圧力作用室には大気 圧が導入され、弁体120が閉鎖される。
【0011】 ところでこの真空弁装置115においては、弁体120が吸入管部116及び 排出管部118にて構成される管路内に斜めに突入している関係上、弁座122 が、管路を内側に一部突出させて構成してある。
【0012】 この結果、管路が弁座122部分で絞られた形となり、汚水の流量がここで制 約されてしまうといった不都合がある。
【0013】 そこで図3(B)に示す真空弁装置128では、吸入管部116の管端内面を 弁座としてそのまま利用する一方、排出管部118側の管端部を一部下側に部分 球状に膨出させ、弁座形成によって流れが絞られないようにしている。
【0014】 しかしながらこの真空弁装置128の場合、汚水がこの膨出部130において 迂回して流れることから流動抵抗が高くなるとともに、膨出部130内に水が溜 る問題がある。
【0015】 特に冬期や寒冷地においては、膨出部130に溜った水が凍結してその際に体 積膨張を起し、これにより弁体120が十分に閉まらなくなったり、凍結により 通路面積が少なくなって、大きな汚物が流れてきたときにこの凍結部で管路が詰 まってしまうといった問題を生ずる。
【0016】 またこの外、この膨出部130に砂等の異物が溜ることがあり、この場合にも 通路面積が狭くなるとともに、弁体120の閉作動時に弁体120が砂等を噛み 込んで十分に閉まらなくなったり、弁体120が損傷したりするといった不都合 を生ずる。
【0017】 尤も弁体の径を大きくすればこのような問題を解決することが可能であるが、 この場合には上記ダイヤフラムの受圧面積を更に大きくしなければならず、真空 弁装置が大型化してしまう問題を生ずる。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような課題を解決するためになされたものであり、その要旨は、 汚水流通のための管路を構成する吸入管部と排出管部とを遮断・連通させる弁部 の弁体を該管路に対して斜めに配設し、該弁体を可撓性ないし可動性の隔壁に連 結して該隔壁にて区画・形成された圧力作用室と該弁体に作用する前記排出管部 の内部圧力との差圧に基づいて該弁体を斜めに駆動するようにした真空弁装置に おいて、前記排出管部の軸心位置を前記吸入管部の軸心に対して、該軸心と直角 方向に且つ前記弁体から離れる側にずらせたことにある。
【0019】
【作用及び考案の効果】
本考案は、従来の真空弁装置において上記不具合が生じていたのは、吸入管部 と排出管部との軸心を揃えるようにしていることに起因するとの着眼の下に、排 出管部の軸心位置を吸入管部の軸心位置に対して弁体から離れる側にずらせたも のである。
【0020】 吸入管部の軸心と排出管部の軸心とが揃っていることは、真空弁装置を真空弁 ユニットに設置施工する際に、これら吸入管部及び排出管部と接続すべき配管の 位置を同じ位置に配置することが可能である点で好都合である。
【0021】 しかしながら真空弁ユニットを構成する汚水桝,真空弁装置等は工場生産段階 で互いに組み付けることのできるもので、上記のように軸心が一致していないこ とは殆ど支障とならない。
【0022】 本考案はこの点に鑑みて吸入管部及び排出管部の軸心をずらせたもので、この ようにすることで弁座形成によって管路が局部的に狭められるのを防止できると ともに、上記膨出部の生成を回避することができる。
【0023】 かかる本考案によれば、汚水を多量に円滑に流通させることができるとともに 、上記従来の真空弁装置のように膨出部に水や異物が溜って各種不具合を発生す るのを回避できる。
【0024】 また弁体を良好に閉鎖させることができるともに、異物の噛込み等に基づく弁 体の損傷を防止することができる。
【0025】
【実施例】
次に本考案の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。 図1において10,12は口径の等しい吸入管部,排出管部で、14はこれら 吸入管部10及び排出管部12を遮断し連通させる弁体である。
【0026】 弁体14は、これら吸入管部10及び排出管部12にて構成される管路に対し て斜め上方よりほぼ45度の向きで突入している。
【0027】 16は弁駆動部で、ハウジング内部に可撓性隔壁としてのダイヤフラム18が 配設され、このダイヤフラム18によって圧力作用室20が区画形成されている 。
【0028】 ダイヤフラム18には弁体14の弁棒22が連結されており、このダイヤフラ ム18の変位によって弁体14が進退移動させられるようになっている。
【0029】 ダイヤフラム18には剛性のカップ体23が固定してあり、このカップ体23 に対してスプリング24の弾発力が下向きに作用させられている。
【0030】 上記圧力作用室20には圧力導入口26が設けてあり、排出管部12の取出口 29を通じて取り出された負圧が、この導入口26を通じて圧力作用室20へと 導入されるようになっている。
【0031】 前記排出管部12は、その軸心が吸入管部10の軸心に対して下側に一定距離 lだけずらした位置に位置させられている(lは15mm以上とすることが望ま しい)。そしてこの排出管部12の管端部が、吸入管部10へと滑らかに移行す る湾曲部28とされている。
【0032】 本例の真空弁装置においては、弁体14が吸入管部10の管端内面に着座させ られる。即ち吸入管部10の管端部内面が弁座30として構成されている。
【0033】 この弁座30に弁体14が着座させられた状態において、吸入管部10と排出 管部12とは遮断され、吸入管部10側の汚水に対して真空吸引力は作用しない 。
【0034】 而して汚水桝内部の水位が一定水位に上昇すると、コントローラによって排出 管部12内の負圧が取出口29,導入口26を通じて圧力作用室20内へと導か れる。
【0035】 この結果弁体14には排出管部12内部の負圧と圧力作用室20内に導かれた 負圧とがそれぞれ逆向きに作用する。
【0036】 ここでダイヤフラム18における受圧面積は弁体14の受圧面積よりも大きく されており、従って圧力作用室20内に負圧が導入されると、ダイヤフラム18 はそれらの受圧面積の差に基づいて上方へと変位させられる。
【0037】 この結果弁体14が上方に引き上げられて弁座30から離間し、吸入管部10 と排出管部12とを連通させる。即ち汚水桝内部の汚水を真空吸引力にて排出管 部12側へと流入させる。
【0038】 吸入管部10側の汚水が排出管部12側に流入した結果汚水桝内部の水位が一 定水位まで低下すると、コントローラによって圧力作用室20への負圧の導入が 停止されるとともにここに大気圧が導入される。これにより弁体14が押し出さ れて弁座30に着座させられる。
【0039】 本例の真空弁装置においては、排出管部12の軸心位置の偏心によって吸入管 部10の管端内面を弁座30として利用できるとともに、前述したような膨出部 、いわば管路における落込み部が形成されるのを回避できる。
【0040】 この結果汚水は円滑に管路を流通することができるとともに、汚水や異物が落 込み部分に溜るといったことがなくなり、かかる落込み部への汚水や砂等異物の 停滞に基づく不具合を解消することができる。
【0041】 以上本考案の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。例えば上例で は真空弁装置を上下向きに配置しているが、これを水平方向に配置することも場 合により可能である等、本考案はその主旨を逸脱しない範囲において、当業者の 知識に基づき様々な変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である真空弁装置の縦断面図
である。
【図2】真空式汚水収集システムの説明図である。
【図3】従来の真空弁装置の説明図である。
【符号の説明】
10 吸入管部 12 排出管部 14 弁体 18 ダイヤフラム 20 圧力作用室

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚水流通のための管路を構成する吸入管
    部と排出管部とを遮断・連通させる弁部の弁体を該管路
    に対して斜めに配設し、該弁体を可撓性ないし可動性の
    隔壁に連結して該隔壁にて区画・形成された圧力作用室
    と該弁体に作用する前記排出管部の内部圧力との差圧に
    基づいて該弁体を斜めに駆動するようにした真空弁装置
    において、 前記排出管部の軸心位置を前記吸入管部の軸心に対し
    て、該軸心と直角方向に且つ前記弁体から離れる側にず
    らせたことを特徴とする真空弁装置。
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