JPH0556553U - フューエルタンク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フューエルの流動を抑制して流動音の発生を
防止するとともにタンク本体の底面の面剛性を高めてス
ポット割れを確実に防止し、かつフュエルゲージの指針
の振れを抑制して正しい表示を行う。 【構成】 タンク本体１内に環状のバッフルプレート３
を配設してタンク本体１の底面にスポット溶接６にて固
着し、このバッフルプレート３にて囲まれた空間８内
に、サブタンク９とフューエルゲージの検出部１０を配
設し、サブタンク９をタンク本体底面にスポット溶接１
１にて固着し、環状のバッフルプレート３にてフューエ
ルの流動を抑制するとともにタンク本体１の底面の面剛
性を高めている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車などに用いるフューエルタンクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

自動車用フューエルタンクの構成としては、例えば図３に示すように、タンク 本体２１内にサブタンク２２を配設してタンク本体２１の底面にスポット溶接２ ３にて固着する（実開昭５８−１１８０２０号公報参照）とともに、そのサブタ ンク２２の両側にバッフルプレート２４、２４を配設してタンク本体２１の底面 にスポット溶接し、さらにバッフルプレート２４と干渉しないようにバッフルプ レート２４の配設されていない空間にフューエルゲージの検出部２５が配設され ている。

【０００３】 このように、タンク本体２１内にサブタンク２２を設けてこのサブタンク２２ 内でフューエルを吸入することにより、旋回時の加速度や車体の傾きによってフ ューエルがタンク本体２１内で片寄ってもフューエルの吸入が出来なくなるのを 防止している。又、バッフルプレート２４を設けることにより、車体が大きく傾 いたり、急に旋回したときなどにおけるタンク本体２１内のフューエルの移動を 抑制し、フューエルの流動音の発生を減少させるようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のようにサブタンク２２の両側にバッフルプレート２４、２４を 設けただけではフューエルの流動抑制作用がなお十分でなく、サブタンク２２に フューエルの流動力が作用し、かつ２枚のバッフルプレート２４、２４が独立し てタンク本体２１の底面にスポット溶接されているのでバッフルプレート２４に てタンク本体２１の底面の面剛性を高める効果が期待できず、そのためタンク本 体２１の底面の面剛性が小さい状態でこれにスポット溶接されているサブタンク ２２にフューエルの流動力が作用することによってスポット割れを発生し易いと いう問題があった。

【０００５】 又、フューエルゲージの検出部２５が配置されている部分ではフューエルの流 動抑制効果が十分でないため、図４に示すように、タンク本体２１内のフューエ ルが大きく波立つことがあり、その場合に液面変動によってフューエルゲージの 指針が大きく振れてしまい、正しいフューエル量を検出できないという問題があ った。

【０００６】 本考案は、このような従来の問題点に鑑み、フューエルの流動を抑制して流動 音の発生を防止するとともにタンク本体の底面の面剛性を高めてスポット割れを 確実に防止でき、かつフュエルゲージの指針の振れを抑制して正しい表示を行え るフューエルタンクを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、タンク本体内に環状のバッフルプレートを配設してタンク本体底面 にスポット溶接し、このバッフルプレートにて囲まれた空間内に、サブタンクと フューエルゲージの検出部を配設し、サブタンクをタンク本体底面にスポット溶 接したことを特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、タンク本体内に環状のバッフルプレートを配置しているので 旋回時や傾斜時におけるフューエルの流動が効果的に抑制され、フューエルの流 動音の発生を防止でき、かつこのようにバッフルプレートにてフューエルの流動 が抑制されている空間内にサブタンクを配置しているのでサブタンクに加わるフ ューエルの流動力を小さくできるとともに環状のバッフルプレートをタンク本体 底面にスポット溶接したことによりタンク本体底面の面剛性が高められるため、 フューエルの流動力によってサブタンクのスポット溶接割れが発生するのを防止 でき、又バッフルプレートにて囲まれた空間内にフューエルゲージの検出部を配 置しているので指針の振れを抑制して正しいフューエル量の表示を行える。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１、図２を参照して説明する。

【００１０】 図１において、タンク本体１の下部を構成するロアタンク２の略中央部に、環 状のバッフルプレート３が配設されている。このバッフルプレート３は、図１、 図２に示すように、同じ形に折り曲げ成形された２枚のバッフル片４、４の両端 を接続して形成されている。各バッフル片４の下縁には、ロアタンク２の内底面 に載置される複数の脚部５が形成され、この脚部５をスポット溶接６にてロアタ ンク２の内底面に固着している。又、バッフル片４には適当間隔おきに複数の開 口部７が形成されている。

【００１１】 バッフルプレート３で囲まれた空間８内に、サブタンク９とフューエルゲージ の検出部１０が配設されている。サブタンク９はその底面がロアタンク２の底面 にスポット溶接１１にて固着されている。又、サブタンク９の内底部には側壁を 貫通して外部に突出する小径の屈曲連通管９ａが設けられ、タンク本体１内のフ ューエルを内部に流入させるとともにタンク本体１に加速度が作用したり、傾斜 してフューエルが大きく片寄った場合でもサブタンク９内のフューエルが急激に 流出しないようにしてあり、このサブタンク９内にフューエルポンプの吸入口が 開口される。フューエルゲージの検出部１０は、そのフロート１０ａのフューエ ルレベルの変化による移動軌跡がバッフルプレート３やサブタンク９と干渉しな いように配設され、タンク本体１の図示しないアッパータンクの上壁に支持され ている。

【００１２】 以上の構成によると、タンク本体１内に環状のバッフルプレート３を配置して いるのでこのバッフルプレート３にて自動車の旋回時や傾斜時におけるフューエ ルの流動を効果的に抑制することができ、フューエルの流動音の発生を防止でき る。又、このようにバッフルプレート３にてフューエルの流動が抑制されている 空間８内にサブタンク９が配置されているので、サブタンク９に加わるフューエ ルの流動力は小さく、かつロアタンク２の底面に環状のバッフルプレート３がス ポット溶接６にて固着されているためロアタンク２の底面の面剛性が高められる 。そのため、フューエルの流動によりサブタンク９に作用する力でサブタンク９ がロアタンク２の底面から浮き上がるとともに底面が容易に変形して両者を固着 しているスポット溶接１１に応力が集中し、割れが発生するというようなことを 確実に防止できる。また、バッフルプレート３にて囲まれた空間８内にフューエ ルゲージの検出部１０を配置しているので指針の振れを抑制して正しいフューエ ル量を表示することができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のフューエルタンクによれば、タンク本体内に環状のバッフルプレート を配置しているので旋回時や傾斜時におけるフューエルの流動が効果的に抑制さ れ、フューエルの流動音の発生を防止でき、かつバッフルプレートにてフューエ ルの流動が抑制されている空間内にサブタンクを配置しているのでサブタンクに 加わるフューエルの流動力を小さくできるとともに環状のバッフルプレートをタ ンク本体底面にスポット溶接したことによってタンク本体底面の面剛性が高めら れるため、フューエルの流動力によってサブタンクのスポット溶接割れが発生す るのを防止でき、またバッフルプレートにて囲まれた空間内にフューエルゲージ の検出部を配置しているので指針の振れを抑制して正しいフューエル量の表示を 行えるという効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のフューエルタンクの要部を
示す斜視図である。

【図２】同実施例のバッフルプレートの斜視図である。

【図３】従来例のフューエルタンクの要部の斜視図であ
る。

【図４】従来例におけるフューエルゲージの配置状態を
示す断面図である。

【符号の説明】

１ タンク本体 ３ バッフルプレート ６ スポット溶接 ８ バッフルプレート３で囲まれた空間 ９ サブタンク １０ フューエルゲージの検出部 １１ スポット溶接

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０１Ｆ 23/00 Ｚ 8201−2Ｆ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンク本体内に環状のバッフルプレート
   を配設してタンク本体底面にスポット溶接し、このバッ
   フルプレートにて囲まれた空間内に、サブタンクとフュ
   ーエルゲージの検出部を配設し、サブタンクをタンク本
   体底面にスポット溶接したことを特徴とするフューエル
   タンク。