JP2016124412A - 鞍乗り型車両の燃料タンク構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】給油口から油量を簡単に目視確認できるようにする。【解決手段】両輪接地状態にて前方傾斜する燃料タンク20の底部76において、給油口65の下方となる部分に上方突出する底面突出部77を設け、その上面で給油口65から覗いたとき視認できる範囲Zに目視用油面表示90を上方へ突出させて設ける。目視用油面表示90は高所から低所に向かって前後方向へ長い凸条として設けられ、その後端を上限指示部92、前端を下限指示部94とする。上限指示部92は燃料の油面が上限に近いことを示し、下限指示部94は燃料の油面が下限に近いことを示すように設けられる。給油口65から覗いたときに見える油面が上限指示部92と下限指示部94の間にあれば適切な油量であると判断でき、目視用油面表示90上における油面の位置より、おおよその油量を目視にて直ちに確認できる。【選択図】図4

Description

この発明は、鞍乗り型車両の燃料タンク構造に係り、特に、給油口から簡単に油量を視認できるようにしたものに関する。
内部に収容されている燃料の量の検出を給油口から直接目視可能にした燃料タンクが特許文献1に開示されている。この燃料タンクは、給油口に濾過筒を装着し、濾過筒の底に所定の長さの可撓支持部材を介してフロートを接続し、給油口から内部を覗いたとき、フロートが油面上に視認できれば満量(上限)未満の状態と判断し、フロートが油面下に没すれば満量状態と判断するようになっている。
特開2002−243522号公報
ところで、上記特許文献1に記載された構造では、濾過筒が給油口に配置されている構造の燃料タンクにしか油量視認用の手段(フロート及び可撓支持部材)を配置することができない。また、フロートの状態により、燃料が上限以上か否かのみを選択的に確認できるだけであり、実際の油量が、給油を促すための残量警告表示をする下限であるか、もしくは下限と上限との中間状態におけるどのあたりに位置するかは確認できなかった。
そこで本願は、上記のような濾過筒がない構造であっても、給油口から油量を視認できる簡易な構造を提供することを主たる目的とし、併せて、中間状態も容易に確認できるようにすることも目的とする。
上記課題を解決するため請求項1に記載した発明は、車体フレーム(10)の前後に支持された前輪(12)及び後輪(14)と、
前記車体フレーム(10)に支持され上面に給油口(65)が設けられた燃料タンク(20)とを備えた鞍乗り型車両において、
前記燃料タンク(20)の底部(76)に、前記前輪(12)と前記後輪(14)が共に接地している両輪接地状態で、水平方向の高低差が大きくなる傾斜部(77)が設けられるとともに、
この傾斜部(77)上で、前記給油口(65)から視認できる範囲(Z)に目視用油面表示(90)が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は上記請求項1において、前記目視用油面表示(90)が、前記傾斜部(77)上で高所から低所へ延びるように設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は上記請求項1又は2において、油量を測定するため前記燃料タンク(20)内に設けられた油量計測器(86)と、
この油量計測器(86)の測定値により油量が所定の下限値以下になると警告する前記燃料タンク(20)の外部に設けられた残量警告表示(50)とを有する残量警告装置を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載した発明は上記請求項3において、前記燃料タンク(20)は、前記車体フレームに支持されたエンジン(16)の燃料噴射装置(58)へ燃料を送る燃料ポンプ(80)を内蔵し、この燃料ポンプ(80)と前記給油口(65)が車体前後方向へずらして配置されるとともに、
前記燃料タンク(20)の底部(76)は、側面視で前記燃料ポンプ(80)の下方となる部分(76a)が、前記給油口の下方に位置する底面(76b)より低い位置に配置され、前記燃料ポンプ(80)に前記油量計測器(86)が取付けられていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は上記請求項4において、前記燃料ポンプ(80)は、気化燃料を液体燃料中へ戻す戻し用孔(85)が設けられたベーパーリターン機構(84)と、前記燃料ポンプ下端に設けられた燃料フィルタ(82)とを備えるとともに、
前記目視用油面表示(90)は、上下方向に長く設けられて上端(92)と下端(94)を備え、上端(92)は前記戻し用孔(85)より下方であり、
前記目視用油面表示の下端(94)は前記残量警告表示(50)が警告する時点の油面より上方であることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は上記請求項1〜5のいずれか1項において、前記燃料タンク(20)は、上半体(70)と下半体(72)とを接合してなる上下分割形式であることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は上記請求項1〜6のいずれかにおいて、前記目視用油面表示(90)は、前記傾斜部(77)から上方へ突出する凸部として形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、車体フレーム(10)の前後に支持された前輪(12)及び後輪(14)と、
前記車体フレーム(10)に支持され上面に給油口(65)が設けられた燃料タンク(20)とを備えた鞍乗り型車両において、
前記給油口(65)の下方となる前記燃料タンク(20)の底部(76)上に、前記燃料タンク(20)と別体に形成された油面表示部材(97)が取付けられるとともに、
油面表示部材(97)は、前記前輪(12)と前記後輪(14)が共に接地している両輪接地状態で、水平方向の高低差が大きくなるように傾斜する傾斜部(97a)を備え、
この傾斜部が、前記給油口(65)から視認できる範囲に配置されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、給油口の下方となる燃料タンクの底部に傾斜部を設け、この傾斜部上の給油口から視認可能位置に、例えば、上限を示す目視用油面表示を設けることで、油量に応じて油面が傾斜部上を上下するとき、この目視用油面表示を目安にして油面の高さを確認できる。
そこで、油量を確認したいときは、給油口から覗き込むだけで、目視用油面表示を目安にして油面の位置を把握し、この油面位置からおおよその油量を判断できるので、油量を目視で容易に確認することができる。しかも、この目視用油面表示は、給油口の下方に位置する燃料タンク底部の傾斜部に設けるだけであるから、特殊な給油口構造を有するものに限定されず、広範な燃料タンクに適用でき、しかも簡素な構造とすることができる。
請求項2の発明によれば、目視用油面表示を高所から低所へ延びるように比較的長い範囲にかけて設けたので、油面の位置をより正確に確認できる。例えば、油面の上限位置から下限位置を含む範囲にかけて長く設ければ、目視用油面表示上の長さ方向における油面の位置により、油面が上限又は下限もしくは中間のいずれにあるかを容易に視認できる。したがって、より正確に油量を視認することができる。
請求項3の発明によれば、車両に残量警告装置を配置したことにより、油量が下限以下になった際には乗員が燃料タンクを覗き込まずとも給油するタイミング等が認識できる。しかも、残量警告装置が警告する前の段階では、燃料タンクを覗き込むことで油量を簡単に目視で確認することができる。したがって、残量警告装置のみを備え、残量警告装置が警告する下限から満量の上限までの間における油量の連続変化を電子的に表示する油量メータを備えない形式の車両においても、簡素な構造で油量を確認することが可能となる。
請求項4の発明によれば、燃料ポンプの下方における燃料タンクの底面を、給油口の下方に位置する底面より低くすることで、燃料ポンプを燃料タンクの底が深い位置に配置できるので、燃料タンク内の燃料を吸引残量が可及的に少なくなるように効率よく吸引することができる。また、油量計測器を小型化することができる。
そのうえ、燃料タンク上面において給油口を燃料ポンプが側面視で重複しない位置に配置し、目視用油面表示を、燃料タンクの底部において相対的に上方となる位置に設けることで、給油口から覗き込んで目視用油面表示により視認する油面を、残量警告表示が警告する下限(油量計測器で計測する下限)よりも高い位置に配置することができる。このため、油量計測器と目視用油面表示による計測とで測定エリアを分けやすくなる。
請求項5の発明によれば、残量警告装置が警告しない状態で、燃料切れを疑わせるエンジンの不調が生じたとき、給油口を覗き目視用油面表示で油面を確認することにより、燃料フィルタの目詰まり有無を判断できる。このとき、油面が目視用油面表示の下端より上方にあれば、油量は燃料切れを生じない量であることが判る。また、目視用油面表示の上端より下方にあれば、ベーパーリターン機構を燃料が逆流することがない。したがって、燃料フィルタの目詰まりと判断できる。しかも、燃料ポンプを燃料タンクから取り出さずに、簡易かつ迅速に判断できる。
請求項6の発明によれば、燃料タンクを上半体と下半体との接合により形成したので、燃料タンク底部に相当する下半体の一部に対して目視用油面表示を設ける際に、上半体を合わせない前の上方へ大きく開放された状態の凹部内で目視用油面表示の付与作業を行うことができる。したがって、目視用油面表示の付与工程が容易になる。
請求項7の発明によれば、傾斜部の一部を上方へ突出させて目視用油面表示を設けたので、シールなどと比べて消えづらい目視用油面表示を構成することができるとともに、上方に突出しているため、陰影により油面の視認が容易になる。
請求項8の発明によれば、燃料タンクの底部上に別体の油面表示部材を取付け、その傾斜部を給油口から覗いたとき視認できる範囲へ配置することにより、油面を視認するときの目安にしたので、燃料タンクに対して別加工で簡単に目視用油面表示を設けることができる。
本実施形態に係る自動2輪車の左側面図 上記車両におけるシートの下方部分の上面視図 燃料タンクの側面図、給油口部分の断面図及び平面図を示す図 燃料タンクの左側面の断面の斜視図 図4における底面突出部を斜め上方から示す図 燃料タンクに関する図1の6−6線断面図及びその傾斜時状態を示す図 給油口から覗いたときにおける目視用油面表示を示す図 目視用油面表示の別実施例を示す図 目視用油面表示の他の実施例を示す図 目視用油面表示のさらに他の実施例を示す図
図1は、鞍乗り型車両の一例であり本実施形態に係る自動2輪車の左側面を示す。なお、鞍乗り型車両としては、2輪車に限らず、3又は4輪車等がある。また本願において、前後・左右・上下の各方向は、燃料タンクを搭載する車両を基準とする。また、前方をFr、後方をRr、左方をLH、右方をRHとして、必要により図中に表示する。
この自動2輪車は、車体フレーム10の前後に前輪12と後輪14を支持し、これら前輪12と後輪14の中間部にてエンジン16を支持している。
エンジン16及び後輪14の上方には、シート18が配置され、このシート18の下方には、燃料タンク20が配置されている。
車体フレーム10は、車体中心に沿って斜め下がり後方へ延びるメインフレーム22と、その前端に設けられたヘッドパイプ24と、メインフレーム22の中間部から斜め上がり後方へ延びるシートレール26と、メインフレーム22の後端部から下方へ突出するピボットプレート28を備える。
ヘッドパイプ24には、ハンドルバー30と一体のステアリングシャフト32が回動自在に支持されている。ステアリングシャフト32の下端は左右一対のフロントフォーク34に連結し、ハンドルバー30を回動することにより、フロントフォーク34の下端に支持されている前輪12を操向するようになっている。
シートレール26には燃料タンク20が支持され、この上をシート18が開閉自在に覆っている。シート18もシートレール26上に支持される。
ピボットプレート28には、リヤスイングアーム36の前端がピボット27により上下方向へ揺動自在に軸止され、リヤスイングアーム36の後端に後輪14が支持されている。また、リヤスイングアーム36の後端部とシートレール26の前後方向中間部との間にリヤサスペンションを構成するリヤクッション38が配置され、上下方向へ揺動する後輪14を緩衝するようになっている。リヤクッション38の上端支持部は燃料タンク20の後側下部近傍である。
図示の車両はサイドスタンド29を立てて駐車した状態であり、前輪12と後輪14が共に地面19へ接地している両輪接地状態である。この両輪接地駐車状態において、燃料タンク20の底部は、前傾した傾斜状態となるように配置されている。
なお、駐車の形式としては、サイドスタンド29に代えてメインスタンド29aを立てることにより、後輪14を地面19から浮かせ、前輪12のみを接地させて、車両を地面19に対して直立させるものもある。
車体はフロントカバー40とリヤカバー42で覆われている。リヤカバー42はシート18の下方を、その前後方向中間部から後端部までを覆っている。
フロントカバー40はヘッドパイプ24の側方からエンジン16の上方を通り、シート18の前部下方で燃料タンク20の前部側方と側面視で重なる位置まで設けられている。
フロントカバー40の前端部にはヘッドライト44が設けられ、一部を覆うヘッドライトカウル46で覆われている。このヘッドライトカウル46後方かつヘッドライト44の上方に、メーター48が配置されている。
メーター48はスピード等の各種情報が表示されるとともに、燃料タンク20の油量が所定量以下となったときに点灯するエンプティランプ50が設けられている。エンプティランプ50は本願発明の残量警告装置における警告表示部をなし、メーター48に限らず、例えばハンドルバー30上等、乗員の視認しやすい適所に設けることができる。また、点灯するランプではなく、給油を促す文字や記号などによる警告表示であってもよい。
エンジン16は、シリンダ52が前傾して略水平に寝かされた配置をなし、クランクケース54の前側上部がブラケット22aを介してメインフレーム22へ支持されている。クランクケース54の後端部上下は、ピボットプレート28に対してボルト28a及び28bにて取付けられている。クランクケース54に設けられた出力スプロケット55と後輪14に設けられた従動スプロケット14aとの間にチェーン56が巻き掛けられ、後輪14がエンジン16によりチェーン駆動される。
シリンダ52におけるシリンダヘッド53の上面には吸気ポート(図示省略)が設けられ、ここにスロットルバルブ57aが内蔵されたスロットルボデイ57が接続している。シリンダヘッド53の下面からは排気管59が下方へ出てから後方へ曲がっている。
スロットルボデイ57には、燃料噴射装置である電子燃料噴射弁58が設けられ、燃料タンク20から燃料ポンプ(後述)で圧送される燃料の最適量を電子的に計量して吸気ポートへ供給している。さらにスロットルボデイ57には後方のエアクリーナ21から清浄空気が供給されている。
図2はシート18を取り去った状態でシート18の下方部分を示す上面視図である。燃料タンク20は、ボルト60、ボルト62によりシートレール26へ取付けられる。燃料タンク20の周囲にはフランジ74が形成され、その前端部が左右のシートレール26間に架け渡されたクロスプレート26aへ重ねて左右のボルト60で締結され、後端部が左右のシートレール26の後部上に設けられたブラケット26bへ重ねられ、左右のボルト62で締結されている。
燃料タンク20の上面20aには、前部に後述する燃料ポンプを取付けるためのポンプ取付座64が設けられ、その後方には給油口65が設けられ、タンクキャップ66で覆われている。給油口65は上面20aの後部に形成された上面視略U字状の凹部20bの内側に設けられ、その中心は、車体中心CLよりも若干車体右側へ偏って配置されている。
取付座64には燃料ポンプの基部(後述)が取付けられている。燃料ポンプの基部からは燃料吐出パイプ83が上方へ突出し、取付座64から外部へ出て燃料パイプ63へ接続している。
燃料パイプ63は燃料タンク20の上面20a上を前側左角部へ向かって延びてから下方へ曲がり、燃料タンク20の前面に沿って下方へ延出し、さらにシートレール26に沿って前方へ延びてスロットルボデイ57へ接続されている。この燃料パイプ63を通して燃料タンク20内の燃料が燃料ポンプからスロットルボデイ57へ圧送される。
燃料タンク20の前方には、エアクリーナ21が配置されている。エアクリーナ21は燃料タンク20の前方に位置するダクト21aから外気を吸入し、内部の燃料フィルタで浄化する。清浄空気は、エアクリーナ21の前部から前方へ延出する吸気チューブ21b(図1参照)からスロットルボデイ57へ供給される。
以下、燃料タンク20を詳細に説明する。
図3は、燃料タンク20を示し、Aは燃料タンク20全体の左側面図、Bは給油口部分の拡大断面図、Cは給油口部分の平面視図である。なおBは、給油口部分について、その中心を通り前後方向に切った断面である。
図のAに示すように、燃料タンク20は中央部を上方へ凸に形成されて下方へ開放された凹部が形成された上半体70と、中央部を下方へ凸に形成されて上方へ開放された凹部が形成された下半体72とを上下合わせにしてフランジ74で上下一体化することにより密閉中空容器状にし、中空部を油室としたものである。下半体72の下方へ膨出する部分のうち、下部は燃料タンクの底部76をなし、周囲は周壁78をなす。周壁78のうち前部を前壁78f、後部を後壁78rとする。
給油口65は、燃料タンク20の上面後部に設けられ、給油口65から燃料タンク20内へ給油筒67が突出している。
図3のBに示すように、給油口65は、凹部20bの一部を輪状の隆起部20cとし、その内側を開口させることにより形成されている。給油口65の周縁部65aは、隆起部20cの頂部よりも一段低い段差状をなし、その先端側は下方へ折れ曲がって、タンクキャップ66の小径部66aを嵌合するガイド筒部65bになっている。
周縁部65aとガイド筒部65bの一部には、切り欠き溝65cが形成され、タンクキャップ66の小径部66aに形成された突起66bを通過可能になっている。突起66bを切り欠き溝65cに通し、ガイド筒部65bの下方へ出してからタンクキャップ66を回転させると、タンクキャップ66を給油口65へ取付けることができる。切り欠き溝65cは対向位置に一対で設けられている。
給油筒67は下方へ向かってすぼまるテーパー状をなし、その上端に形成された外フランジ67aを凹部20bの下面へ溶接して一体化されている。
給油筒67は上下両端が開口し、このうち上側開口縁部67bは周縁部65aより径方向外方にあり、下側開口縁部67cは周縁部65aの下方に位置している。
給油口65から燃料タンク20内を覗き込んだときの視野は、給油筒67の下側開口縁部67cにより規制される。
図3のCにおいて、一対の切り欠き溝65cを車両の前後方向に向けて配置したとき、下側開口縁部67cはガイド筒部65bの内側に位置し、一部が切り欠き溝65cから見えている。
ここで、給油口65から燃料タンク20内を覗き込んだときにおける視野を説明するための点として、上側前端P1及び上側後端P2並びに下側前端Q1及び下側後端Q2を特定する。上側前端P1及び上側後端P2は給油口65の内径上における前後対称位置にある点である。下側前端Q1及び下側後端Q2は、切り欠き溝65c内における下側開口縁部67c上の点であり、点P1とP2を結ぶ直線(図示省略)の延長線との交点である。
図3のBに示すように、上側前端P1及び上側後端P2と下側前端Q1及び下側後端Q2は、上下に離れている。
対向する上側前端P1と下側後端Q2を結んだ直線をL1、同じく対向する上側後端P2と下側前端Q1を結んだ直線をL2とすれば、直線をL1とL2は点Oで交差する。この交点Oは、給油口65及び給油筒67の中心線CT上に位置する。
図4は、両輪接地で車両を地面に対して直立した状態における燃料タンク20の左側面を破断して示す図である。燃料タンク20は車両の両輪接地状態にて前方へ傾斜しており、下半体72に形成された底部76は、水平に対してθなる所定の傾斜角をなしている。なお、図中において底部76の傾斜を示す線は、前壁78f及び後壁78rの各下端部がアール形状で底部76へ連続しているので、この各アールのアール止まりを結んだ線である。
底部76には、ポンプ取付座64の下方となる前側底部76aと、給油口65の下方となる後側底部76bが設けられている。
後側底部76bのうち、給油筒67から視認できる部分(中心線CTとの交差点を含むその近傍部分)は、後側底部76bの一部を上方へ凸に膨出させて上げ底状にした底面突出部77をなす。底面突出部77は本願発明における傾斜部の一例であり、後側底部76bにおける下方へ開放された凹部により形成され、給油筒67の下方となる中心線CTとの交差点を頂部として前後方向及び左右方向へなだらかに変化する曲面をなしており、水平方向において、後方が高く前方が低くなるように高低差が設けられている。
底面突出部77は、その大部分が直線L1及びL2に囲まれた視認可能範囲Z内に位置する。給油口65の中心線CTは、後側底部76bと直交するように前傾している。
なお、視認可能範囲Zをより正確に表現すれば、上記直線L1(L2)を中心線CTを中心に回転して形成される円錐形の表面と底部76及び後壁78rとの交点を視認可能な限界点とし、この限界点より給油口65の中心軸CT側となる範囲とする。
底面突出部77上には、目視用油面表示90が設けられている。この目視用油面表示90は、視認可能範囲Z内にて、底面突出部77上に上方へ突出して設けられた刻印からなり、後端部側が高く前端側が低くなるよう、底面突出部77の傾斜面上に高所から低所へかけて連続して形成され、側面視で上方へ凸に湾曲する緩い弧状をなして傾斜している。
また、上面視では、前後方向へ長い直線状に形成され(図7のA参照)、給油口65から覗き込んだとき全体を視認可能である。
燃料タンク20の前部に燃料ポンプ80が内蔵されている。この燃料ポンプ80は前側底部76aの上方かつ底面突出部77の前方となる油室前部75に、上下方向へ長くやや前傾して配置され、上端の基部80aを取付座64へ取り付けることにより、下端部は吊り下げ状に支持されている。燃料ポンプ80の下端部は、底部76の前側底部76aの近傍へ達し、ここに燃料フィルタ82が設けられている。燃料フィルタ82は燃料ポンプ80が吸引する燃料中の異物を除去するようになっている。
燃料ポンプ80と給油口65が車体前後方向へずらして配置されている。
車両搭載状態における燃料タンク20の前側底部76aは、側面視(図示状態)にて、後側底部76b並びに底面突出部77より低くなっているとともに、車両の両輪接地状態において、燃料の深さは、燃料タンク20の油室のうち油室前部75の底部が最も深くなる。
燃料ポンプ80は燃料タンク20内の最も低い位置から燃料フィルタ82により燃料を濾過して吸引し、燃料吐出パイプ83が取付座64の外へ出て燃料パイプ63(図2)へ接続されている。
このため、油室前部75の前側底部76a近傍に燃料フィルタ82を配置することにより、燃料ポンプ80が燃料タンク20内の燃料を吸引残量が可及的に少なくなるよう、ほぼ最後まで効率よく吸引することができる。
燃料ポンプ80には、燃料ポンプ80で発生した燃料の気化ガスを液体燃料中へ戻すためのベーパーリターン機構81が設けられている。ベーパーリターン機構81は燃料ポンプ80の側面に沿って上下方向に設けられたリターンパイプ84を備え、このリターンパイプ84の上端近傍に気化ガスの戻し用孔85が設けられ、燃料ポンプ80内で発生したベーパー(気化燃料)をリターンパイプ84から戻し用孔85を通して燃料タンク20内上部へ排出することで気化燃料リターン機構を構成している。
燃料タンク20内の油面がリターンパイプ84の戻し用孔85よりも高くなると、燃料が戻し用孔85から入ってリターンパイプ84を逆流することになるので、戻し用孔85の下端部位置より若干低い位置が油面の上限となる。この位置を通る水平線を給油上限線Up(車両直立時)とする。油面の給油上限線Upは給油筒67の下端よりも下方に位置している。
なお、ベーパーリターン機構81を燃料が逆流し、その燃料中に異物があれば、この異物が燃料ポンプを経由して燃料噴射装置に送られ、燃料噴射装置を詰まらせることがある。
また、燃料タンク20内の燃料が所定残量より少なくなって、エンプティランプ50の点灯により燃料切れを予告し給油を促す警告を発することが必要となる状態における油面の高さを示す水平線を給油下限線Lw(車両直立時)とする。油面が給油下限線Lwまで下がると、油量計測器86はこれを検出してエンプティランプ50(図1)を点灯させ、油量が少なくなったことを乗員へ警告し、給油を促す。目視用油面表示90は、給油上限線Upの下方かつ給油下限線Lwの上方に配置されている。
サイドスタンド29(図1)を立てて車両を傾けて駐車する傾斜駐車時においては、燃料タンク20が左右いずれか側(本例では左側)へ傾くことにより、リターンパイプ84も傾き、戻し用孔85の位置が低くなるため、油面の上限線も低くなり、給油上限線Upより下がり、マーク上限線UpMkとなる。また、下限時における油面は、燃料タンク20の傾斜により上昇するので(図6の丸囲み部B参照)、マーク下限線LwMkとなる。なお、給油上限線UpとUpMkとの間は、所定のバッファ領域であり、状況によっては、燃料が戻し用孔85へ入って逆流する可能性がある。また、給油下限線Lwとマーク下限線LwMkとの間は、所定のバッファ領域であり、油面が給油下限線Lw以下になればエンプティランプ50が点灯し、燃料切れを警告する。油面が給油下限線Lwより高くなればエンプティランプ50が点灯しない。
目視用油面表示90は、上端部(後端部)である上限指示部92に、傾斜駐車時における油面の上限を示すマーク上限線UpMkが重なり、下端部(前端部)である下限指示部94に、傾斜駐車時における油面の下限を示すマーク下限線LwMkが重なるように設定されている。すなわち目視用油面表示90は、マーク上限線UpMkとマーク下限線LwMkとの間に形成される。
目視用油面表示90は、給油上限線Upより下方に配置されることにより、戻し用孔85より下方に設けられる。したがって、給油時に油面を見て、油面が上限指示部92に到達したとき給油を停止することにより、燃料がリターンパイプ84の戻し用孔85から逆流することを阻止できる。その結果、給油過剰により、燃料を逆流させて燃料中の異物が燃料ポンプから燃料噴射装置へ送られないようにして、ベーパーリターン機構81を経由する電子燃料噴射弁58の目詰りを防止できる。
燃料ポンプ80の中間部には、油量計測器86が設けられている。この油量計測器86は、本願発明における残量警告装置の一部をなし、燃料ポンプ80の上下方向中間部から後方へ突出する計測本体部86aと、この計測本体部86aへ一端を揺動自在に取付けられたアーム87と、このアーム87の他端に取付けられているフロート88を備える。
フロート88は油面の上下動に追随して給油上限線Upと給油下限線Lwの間を揺動し、油量計測器86はフロート88に連動するアーム87の回動により油面を検出する。但し、本例における残量警告装置は油量表示としてエンプティランプ50のみを備え、変化する油量をリアルタイムで表示する電子的な油量計を備えていないので、油量計測器86は実質的に油面の下限のみを検出することになる。また、エンプティランプ50が点灯するときのフロート88の位置であるフロート下限位置を、給油下限線Lwより若干低くして、油面が給油下限線Lwになっても直ちにエンプティランプ50が点灯しないように設定することもできる。
なお、油量計測器86は前側底部76aの上方に配置され、前側底部76aは後側底部76bに設けられている底面突出部77よりも低い位置にある。したがって、油量計測器86を燃料タンク20の比較的深い位置に配置して、アーム87を短くすることができるので、油量計測器86を小型化することができる。
そのうえ、燃料タンク20の上面において給油口65を燃料ポンプ80から前後方向へずらし、給油口65と燃料ポンプ80を側面視で重複しない位置に配置し、目視用油面表示90を、燃料タンク20の後側底部76bにおいて相対的に上方となる位置に設けることで、給油口65から覗き込んで目視用油面表示90により視認する油面を、エンプティランプ50の点灯する給油下限線Lwよりも高い位置に配置することができる。このため、前側底部76aにおける油量計測器86と後側底部76bにおける目視用油面表示90による計測とで測定エリアを分けやすくなる。
図5は、図4における底面突出部77を斜め上方から示す図である。本例における目視用油面表示90は、底面突出部77の曲面に沿って前後方向へ延びる平面視直線状をなす。
目視用油面表示90の後端部は上限指示部92であり、前端部は下限指示部94をなす。目視用油面表示90は、底面突出部77の表面上に上方へ突出する凸条に形成されている。
この例では、底面突出部77を下半体72の成形時に上方へ打ち出したビード状に刻設されている。ただし、この形成方法は種々可能であり、塗装、シール等の帯状(テープ状)部材の接着、溶接ビードなどがある。また、長さ方向へ等間隔に目盛線を設けて目盛状に形成してもよい。
なお、目視用油面表示90を、塗装、シール等の接着、溶接ビードの形成及び目盛形成など、下半体72の成形後に別加工で設ける場合には、上半体70を重ねる前の上方に開放されている下半体72の底部76に対して、上方から加工することにより、容易に設けることができる。
図6は、燃料タンク20の横断面を示し、図6のAは車両の直立かつ両輪接地状態にて給油口65の後方を断面にした図1の6−6線に沿う断面図である。なお、燃料ポンプは省略してある。この図に示すように、底面突出部77は車幅方向において中央部77aが最も高くなるように上方へ湾曲した曲面をなし、その左右は下方へ湾曲した側方油室79になっている。側方油室79は油室前部75と連通しており、燃料タンク20の水平時(図3のAの状態)にて、側方油室79の底部は前側底部76aとほぼ同じ高さになっている。
底面突出部77は車幅方向において中央部77aが最も高くなるように上方へ湾曲した曲面をなし、中央部77aは車体中心線CL上に位置する。給油筒67の中心線CTは、車体中心線CLよりも若干量dだけ左右いずれか側(本例では右側)へずれており、この給油筒67の中心線CT上に目視用油面表示90が形成されている。
目視用油面表示90は、中央部77aに対して、サイドスタンドを立てて駐車する車両の傾斜状態で高くなる側(本例では右側)に設けられている。
目視用油面表示90は、その拡大断面を図中の丸囲み部Bに示すように、底面突出部77を下方から打刻することにより刻設され、底面突出部77の上面側へ突出する凸条部をなし、底面突出部77の下面においては凹溝状をなし、図示の断面にて給油筒67の中心線CTに沿っている。
図中の丸囲み部Cは、サイドスタンドを立てて傾斜駐車したときの燃料タンク20を示す。
傾斜駐車時には、図6のAに示す直立状態の燃料タンク20が傾くため、燃料は左右いずれか側へ移動し、本例では中心線CLが直立時の垂直位置から左側へ傾き、左側の側方油室79における油量が増加し、右側の側方油室79における油量が減少する。このとき左右方向にて、中央部77aは目視用油面表示90よりも低い位置になり、かつ目視用油面表示90が最も高い位置になり、油量の確認が容易な位置になる。
図7は、油量の変化に対する給油口65から覗いたときにおける油面の見え方が変化する状態を示す。なお、以下は、サイドスタンド29を立てて駐車した状態にあり、車体が車幅方向一方側(左側)へ傾いた状態を示す。
図7のAは、燃料タンク内に燃料が無い空の状態で、中心線CTに沿って給油口65を覗き込まずに上方から見たときにおける目視用油面表示90を示す。目視用油面表示90は給油口65を越えて前後方向へ長く延びており、その中間部が給油口65から見えている。目視用油面表示90の上限指示部92及び下限指示部94はいずれも凹部20bの下方に隠れている。但し、中心線CTに沿って給油口65内を覗けば、目視用油面表示90は視認可能範囲Z内に配置されているため、その全体が見える。
図7のBは、油面がマーク上限線UpMkにある状態において、直線L1(図3)に沿って給油口65から燃料タンク20の内部を覗いたときの視野V1を示す。なお、以下の説明において、直線L2(図3)に沿って給油口65から燃料タンク20の内部を覗いたときの視野をV2、中心線CTに沿って覗いたときの視野をV3とする。
図7のBにおいて、目視用油面表示90は上限指示部92側の後半部が視認範囲となり、油面の先端20dは、円弧状をなして目視用油面表示90の上限指示部92に達している。したがって、目視にて油面の先端20dが上限にあることを直ちに目視確認できる。
しかも、目視用油面表示90は上方突出する凸条として形成されているので、油面の先端20dは、目視用油面表示90を横切るとき一部が湾曲変形する。したがって、この変形と、目視用油面表示90の立体形状による陰影により、油面の先端20dを容易に視認できるようになる。
なお、目視用油面表示90のうち上限指示部92より前側となる部分は、視認範囲であっても油面の下になるので、明瞭に視認できない。
また、仮に油面の先端20dが上限を超えていれば、仮想線で示すように、油面の先端20dが上限指示部92を越え、上限指示部92が油面の下に隠れるため、給油過剰の状態を確認できる。
図7のCは、油面がマーク下限線LwMkにある状態において、直線L2(図3)に沿って給油口65から燃料タンク20の内部を覗いたときの視野V2を示す。このとき、目視用油面表示90は下限指示部94側の前半部が視認範囲となり、かつ油面上に露出しており、油面の先端20dは、円弧状をなして目視用油面表示90の下限指示部94に達している。したがって、目視にて油面の先端20dが下限にあることを直ちに目視確認できる。
また、仮に油面がマーク下限線LwMkよりも下がっていれば、油面の先端20dは仮想線で示すように、下限指示部94より下にあるので、燃料不足を直ちに確認できる。
なお、油面がマーク下限線LwMkとマーク上限線UpMkの中間にあれば、油面の先端20dが下限指示部94を上限指示部92側へ越えた中間部にあるので、これも直ちに確認できる。
次に、本実施例の作用を説明する。この車両は、エンプティランプ50のみが設けられ、
燃料が所定の下限以下となって残量不足となったときのみ点灯して乗員に警告するが、油量が所定の下限より多ければ点灯せず、実際の油量が下限と上限の間でどの程度であるかは判らない。そこで、油量を確認したいときは、シート18を開いてタンクキャップ66を外し、給油口65から中を覗く。すると、視認可能範囲Z内に配置された目視用油面表示90と油面が見える。
このとき、油面の先端20dが上限であれば図7のBのように見え、下限であれば図7のCのように見える。また、中間であれば、油面の先端20dが下限指示部94と上限指示部92の間に見える。したがって、油量について、目視用油面表示90を目安にして、油面が上限、下限、中間のいずれかの状態にあるかを目視にて迅速に確認できる。
このため、リアルタイムの油量を正確に表示する電子的油量計ではなく、簡単なエンプティランプ50のみが設けられているような車両においても、おおよその残量を簡単に把握でき、しかも目視用油面表示90に目盛を設ければ、この目盛によりかなり正確に油量を判断できるので、このような車両において好適な、簡素かつ安価な非電子的油量計になる。
しかも、この目視用油面表示90は、給油口65の下方に位置する燃料タンク20の後側底部76bにおける底面突出部77に設けるだけであるから、特殊な給油口構造を有するものに限定されず、広範な燃料タンクに適用できる。
また、燃料フィルタ82の目詰まり有無を簡易に判断することができる。すなわち、エンジンがかからない等の燃料切れを疑わせるエンジンの不調が生じたとき、燃料フィルタ82の目詰まりが原因の一つに想定される。しかし、燃料フィルタ82の交換は、燃料ポンプ80を燃料タンク20から取り出さなければならず容易でないから、まず、燃料フィルタ82の目詰まりが原因であるか否かを簡易かつ迅速に判断できるようにすることが求められる。
そこで、上記エンジンの不調が生じたとき、まず、エンプティランプ50の点灯有無を確認し、点灯していれば燃料切れの可能性が疑われる。
一方、エンプティランプ50が点灯していなければ、給油口65から燃料タンク20の内部を覗き、油面の位置を確認する。
このとき、油面が上限指示部92と下限指示部94の間に位置すれば、図4に示すように、油面は、下限指示部94を通るマーク下限線LwMkと、上限指示部92を通るマーク上限線UpMkとの間にあり、燃料切れを生じない適切な油量であることを直ちに目視確認できるから、燃料フィルタ82の目詰まりと判断する。したがって、燃料ポンプ80を燃料タンク20から取り出さずに燃料フィルタ82が目詰まりであることを簡易かつ迅速に判断できるようになる。そのうえ、比較的高価な電子的な油量計を設けなくても燃料フィルタ82の目詰まりを判断できる。燃料フィルタ82の目詰まりと判断された場合には、その後、燃料ポンプ80を取り出し、確認後、燃料フィルタ82を交換するなどして修理を行う。
但し、油面が上限指示部92より上方にある場合は、燃料フィルタ82の目詰まりの判断は困難である。すなわち、この場合は、図4において、油面が上限指示部92を通るマーク上限線UpMkより上にあるので、燃料が戻し用孔85からリターンパイプ84内を燃料ポンプ80へ逆流する可能性があり、実際には燃料フィルタ82が目詰まりしているにもかかわらず、エンジンの上記不調が現れず、燃料フィルタ82が目詰まりを正確に判断できない場合があるからである。
したがって、目視用油面表示90により簡易に燃料フィルタ82の目詰まりを判断できる条件は、上記エンジンの不調があり、かつ油面が上限指示部92と下限指示部94の間に位置することである。
また、図6のAに示すように、底面突出部77の一部を上方へ突出させて目視用油面表示90を設けたので、シールなどと比べ消えづらい目視用油面表示を構成することができるとともに、上方に突出しているため、陰影により油面の視認が容易になる。
また、目視用油面表示を上方への凸部でなく逆に下方へ凸の凹部にした場合と比べれば、凹部の場合は上面が溝状等にくぼむので、燃料がこのくぼみに溜まることがある。しかし、上方へ凸の場合は燃料が溜まらなくなる。
次に、図8〜10に基づいて目視用油面表示に関する別実施例を説明する。このうち、図8及び図9は、目視用油面表示を燃料タンクの後側底部76bにおける底面突出部77上へ直接設けた例であり、図10は目視用油面表示として機能する別体の部材を燃料タンクの後側底部76bへ設けた例である。
図8のAは、燃料が空の状態において、中心線CTに沿って給油口65内を覗いたときの視野V3を示す。この例における目視用油面表示90は、図7のAに示す目視用油面表示90に対して目盛96を施したものである。
目盛96は目視用油面表示90の長さ方向へ等間隔で複数形成された目盛線であり、両端のものが、上限指示部92及び下限指示部94になっている。目盛96は油量表示マークの一例であり、必要に応じて、油量を示す数字等の他の表示、例えば、H・M・L、もしくはF・E等の適宜な記号や文字にしてもよい。
このようにすると、油面の先端20d近傍の目盛96を見ることにより、直ちにおおよその油量を目視確認できる。しかも、単に、上限又は下限に限らず、その中間における油量をある程度正確に把握することができる。
なお、目盛96は底面突出部77上に直接形成してもよい。
図8のBは、直線状の目視用油面表示に代えて、前後方向へ等間隔で一直線上に並んだ多数の点状小突起よりなる目視用油面表示90Aとしたものである。この複数の点状をなす目視用油面表示90Aのうち、一直線上両端のものを上限指示部92Aと下限指示部94Aとする。このようにすると、等間隔に並ぶ点状小突起が目盛代わりになる。
図9のAは、三角形状の打ち出し形状よりなる小突起を目視用油面表示90Bとした例である。視野V1において、目視用油面表示90Bがほぼ中央に位置するように設定する。また、頂点の一つを前方側へ向けて配置する。
なお、中心線CTに沿って給油口65内を見たとき(視野V3相当時)、仮想線で示すように、目視用油面表示90Bを中心より後方の適正位置に設けることにより、視野V1において中央となるように配置できる。
このようにすると、油面の先端20dが目視用油面表示90Bへ達することにより上限であることを確認でき、それより下方であれば、適正な油量であることが把握できる。このとき、目視用油面表示90Bは凸部になっているので、油面の先端20dとの間に段差ができることにより、油面の先端20dの視認が容易になる。また、頂点の一つを前方側へ向けてあるので、頂点の先端から油面の先端20dと接触することになり、油面の先端20dの位置を正確に視認できる。
また、比較的小さな目視用油面表示90Bを1個設けるだけなので、簡単に設けることができる。なお、下限側は、フロート88が給油下限位置へ移動することにより、油量計測器86がこれを検知し、エンプティランプ50を点灯させて知らせるので、下限側の目視用油面表示は設けずに省略することができる。但し、次に述べるように設けることもできる。
図9のBは、上記三角形状の目視用油面表示90Bを、上限指示部92Bと下限指示部94Bとして一対にして設けた例であり、図は視野V3を示している。なお、上限指示部は上記図9のAに示す目視用油面表示90Bと同じである。下限支持部94Bは、上限指示部92Bを逆向きにして、一つの頂点を後方へ向けたものであり、視野V2において、下限時における油面の先端20d及びこの油面の先端20dの先端に上記頂点が接する下限支持部94Bをほぼ中央に来るように設定する。
このようにすると、油面の先端20dが上限、下限またはこれらの中間のいずれにあるかを容易に把握できる。また、頂点の一つを後方側へ向けると、下限時における油面の先端20dの位置も正確に把握し易くなる。
なお、上限指示部92Bと下限指示部94Bの間に、1又は複数の目視用油面表示90Bを等間隔で一直線状に設けることもできる。
図9のCは、三角形状に代えて弧状をなす目視用油面表示90Cとした例である。この
例は、視野V1において、ほぼ中央に配置することにより、上限確認用になっている。この例でも、仮想線のように、中心線CTから所定位置後方へずらして配置することにより、視野V1の中央となるように配置できる。
このように、目視用油面表示90Cを弧状にすると、油面の先端20dが弧状になることに対応し、目視用油面表示90Cと油面の先端20dが長く接触するので、油面の先端20dの把握が容易になる。
なお、目視用油面表示90Cを一対にして上下限確認を可能にしたり、前後方向へ等間隔で複数設けたりすることができることは前実施例(図9のB)と同様である。
図10のAは、目盛付の棒状部材97自体を目視用油面表示90Dとしたものであり、棒状部材97の一端を給油口65の下方となる底部76の内面上へ溶接等で固定し、他端を角αなる傾斜角で視認可能範囲Z内へ突出させてある。角αは任意に設定できる。底部76のうち棒状部材97を固定する部分は、平坦でも傾斜していても構わない。
棒状部材97は、本願発明における油面表示部材の一例であり、燃料タンク20の下半体72と別体に設けられた部材から構成されている。
この棒状部材97は、下半体72と別体に形成されるが、燃料タンク20を上半体70と下半体72の上下分割形式とすれば、上半体70を重ねる前の下半体72に対して上方から、溶接等の固定作業を容易におこなうことができる。
目視用油面表示90Dは、棒状部材97の傾斜部97aと、その上に長さ方向等間隔で形成した目盛96からなる。目盛96のうち上端のものは、傾斜駐車時のマーク上限線UpMkと一致する上限指示部92Dをなし、下端のものは傾斜駐車時のマーク下限線LwMkと一致する下限指示部94Dをなしている。
このようにすると、底面突出部77を備えない燃料タンクに対しても、傾斜部を設けて目視用油面表示90Dを設けることができる。
しかも、目盛96により、油量の把握が容易になるとともに、棒状部材97の傾斜部97aが傾斜しているだけ、先端側が上方へ突出していることになるので、上限指示部92Dと下限指示部94D間の幅が狭くなる。したがって、前後方向の比較的狭い範囲で油面の先端20dの確認が可能になる。
なお、目盛96に代えて適当な油量表示マークを形成できることは、前述した図8のAの場合と同様である。また、目盛等の油量表示マークを設けなくても、棒状部材97の傾斜部97a自体が、油面に対して傾斜するので、目視用油面表示として機能できる。
図10のBは、棒状部材97に代わり略コ字状部材98を用い、これに目視用油面表示90Eを設けた例である。略コ字状部材98は、本願発明における燃料タンクの底部76と別体に設けられる油面表示部材の他の一例である。この略コ字状部材98は、前記棒状部材97と異なり、板状部材の長さ方向両端側を折り曲げることにより、一対の脚部98a及び98cとこれらをつなぐ中間部である傾斜部98bを連続して形成したものであり、一対の脚部98a及び98cを前後に向けて配置し、各下端を給油口65の下方となる底部76の内面上へ溶接等で取付けてある。
また、前側の脚部98aを短くし、後側の脚部98cを長くすることにより、傾斜部98bを斜面としたものである。傾斜部98bには、必要により、適当な目盛等の油量表示マークが設けられる。本例では、油量表示マークとして半球状の突起からなる上限指示部92E及び下限指示部94Eを設けてある。
このようにしても、油面の先端20dの確認が容易にできる。しかも、略コ字状部材98の長さ方向両端を確実に固定して、油面の先端20d検出の精度を高めることができる。
この略コ字状部材98も、棒状部材97と同様に、上下に分割された下半体72に対して簡単に取り付けることができる。
20:燃料タンク、20d:油面の先端、65:給油口、76:底部、76a:前側底部、76b:後側底部、77:底面突出部(傾斜部)、80:燃料ポンプ、81:ベーパーリターン機構、82:燃料フィルタ、85:戻し用孔、86:油量計測器、90:目視用油面表示、92:上限指示部、94:下限指示部、96:目盛、97:棒状部材(油面表示部材)、98:略コ字状部材(油面表示部材)

Claims (8)

  1. 車体フレーム(10)の前後に支持された前輪(12)及び後輪(14)と、
    前記車体フレーム(10)に支持され上面に給油口(65)が設けられた燃料タンク(20)とを備えた鞍乗り型車両において、
    前記燃料タンク(20)の底部(76)に、前記前輪(12)と前記後輪(14)が共に接地している両輪接地状態で、水平方向の高低差が大きくなる傾斜部(77)が設けられるとともに、
    この傾斜部(77)上で、前記給油口(65)から視認できる範囲(Z)に目視用油面表示(90)が設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  2. 前記目視用油面表示(90)は、前記傾斜部(77)上で高所から低所へ延びるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  3. 油量を測定するため前記燃料タンク(20)内に設けられた油量計測器(86)と、
    この油量計測器(86)の測定値により油量が所定の下限値以下になると警告する前記燃料タンク(20)の外部に設けられた残量警告表示(50)とを有する残量警告装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  4. 前記燃料タンク(20)は、前記車体フレームに支持されたエンジン(16)の燃料噴射装置(58)へ燃料を送る燃料ポンプ(80)を内蔵し、この燃料ポンプ(80)と前記給油口(65)が車体前後方向へずらして配置されるとともに、
    前記燃料タンク(20)の底部(76)は、側面視で前記燃料ポンプ(80)の下方となる部分(76a)が、前記給油口の下方に位置する底面(76b)より低い位置に配置され、
    前記燃料ポンプ(80)に前記油量計測器(86)が取付けられていることを特徴とする請求項3に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  5. 前記燃料ポンプ(80)は、気化燃料を液体燃料中へ戻す戻し用孔(85)が設けられたベーパーリターン機構(84)と、前記燃料ポンプ下端に設けられた燃料フィルタ(82)とを備えるとともに、
    前記目視用油面表示(90)は、上下方向に長く設けられて上端(92)と下端(94)を備え、上端(92)は前記戻し用孔(85)より下方であり、
    前記目視用油面表示の下端(94)は前記残量警告表示(50)が警告する時点の油面より上方であることを特徴とする請求項4に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  6. 前記燃料タンク(20)は、上半体(70)と下半体(72)とを接合してなる上下分割形式であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  7. 前記目視用油面表示(90)は、前記傾斜部(77)から上方へ突出する凸部として形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載した鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
  8. 車体フレーム(10)の前後に支持された前輪(12)及び後輪(14)と、
    前記車体フレーム(10)に支持され上面に給油口(65)が設けられた燃料タンク(20)とを備えた鞍乗り型車両において、
    前記給油口(65)の下方となる前記燃料タンク(20)の底部(76)上に、前記燃料タンク(20)と別体に形成された油面表示部材(97)が取付けられるとともに、
    油面表示部材(97)は、前記前輪(12)と前記後輪(14)が共に接地している両輪接地状態で、水平方向の高低差が大きくなるように傾斜する傾斜部(97a)を備え、
    この傾斜部が、前記給油口(65)から視認できる範囲に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両の燃料タンク構造。
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