JPH0556523U - スライド式窓構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】ガラスランリップ部がめくれ上がって反転する
ことのないスライド式窓構造の提供。 【構成】車体の側面または後面に組み付けた窓枠フレー
ム１１に嵌着した断面コ字状のガラスラン本体１２に窓
ガラス１０を前記ガラスラン本体１２に沿ってスライド
可能に組み付ける。前記窓ガラス１０の一面に前記ガラ
スラン本体１２の起立壁部の頂部からこのガラスラン本
体１２の底部側へ延びるガラスランリップ部１２ａの外
側面を弾撥的に当接させる。前記窓ガラス１０の隅部の
うち鋭角状の隅部における前記ガラスランリップ部１２
ａに当接する部位の一部を切欠いて前記隅部を鈍角状に
形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のスライド式窓構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車においてはその型式により、車体の側面あるいは後面に方形状に形成さ れて窓ガラスが前後、あるいは左右方向にスライドして開閉する窓構造を備えて いるものがある。図４は自動車の側面に装着されたスライド式窓構造を、図６は 窓ガラスを示しており、窓ガラス２０は前後方向にスライドし、窓枠の形状に合 わせて後方下部の形状が鋭角状になっている。図５は図４の矢印５−５方向の拡 大断面図で、このスライド式窓構造は窓ガラス２０、窓枠フレーム２１、ガラス ラン本体２２を備え、ガラスラン本体２２には窓ガラス２０両面に圧接されて窓 枠フレーム２１側に傾斜しているガラスランリップ部２２ａが形成されており、 窓枠を通して雨水やほこり等が侵入するのを防止するとともに、車体の振動を吸 収できるよう構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来のものでは窓ガラス２０の後方下部の形状が鋭角状になっ ているため、窓ガラス２０を下部の鋭角頂部が進む方向、すなわち後ろ方向にス ライドさせると、窓ガラス２０の鋭角状の隅部２０ａにおける傾斜端面２０ｂで ガラスランリップ部２２ａを押し上げる方向に力が働き、図５に仮想線で示した ようにガラスランリップ部２２ａが上方にめくれ上がって反転し、見栄えが損な われるだけでなく、ガラスランリップ部２２ａと窓ガラス２０の間に隙間を生じ 、またガラスランリップ部２２ａ先端が外部に露出するためこの部分で劣化しや すくなって、雨水やほこりの侵入防止が不完全となり、品質の低下につながると いう問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 そこで本考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、上記従来より 知られた自動車のスライド式窓構造を改良して、窓ガラスの隅部のうち鋭角状の 隅部における前記ガラスランリップ部に当接する部位の一部を切欠いて鈍角状に 形成したことを特徴とする。

【０００５】

【考案の作用・効果】

このように構成すると窓ガラス頂部が鈍角状であるため、ガラスをスライドし て開閉する際にガラスランリップ部には常に窓枠方向への力がかかるため、ガラ スランリップがめくれ上がって反転することがない。従って、スライド窓構造の 見栄え及び品質を維持することができる。

【０００６】

【実施例】

以下に本考案の一実施例を図面を用いて説明する。 図１は自動車の側面後方に装着されたスライド式窓構造を示しており、窓ガラ ス１０は前後方向にスライドし、窓枠の形状に合わせて後方下部の形状が鋭角状 に形成されている。図２は図１の矢印２−２の拡大断面図で、このスライド式窓 構造は窓枠フレーム１１に二列のガラスラン本体１２を嵌着し、窓ガラス１０が このガラスラン本体１２に沿ってスライドする構成になっている。ガラスラン本 体１２には窓ガラス１０両面に圧接し、窓枠フレーム１１側に傾斜するガラスラ ンリップ部１２ａが形成されており、雨水やほこりが侵入するのを防止できるよ うになっている。

【０００７】 図３は図１における窓ガラス１０の後方下部の部分拡大図であり、窓ガラス１ ０の頂部はガラスランリップ部１２ａとほぼ同じ高さまで切り落とされて、鈍角 状に形成されている。このように鋭角状になっている頂部を切り落とすと、ガラ スランリップ部１２ａには窓枠方向の力がかかっているため、窓ガラス１０の開 閉時にガラスランリップ部１２ａがめくれ上がって反転することがない。したが って、スライド式窓構造の見栄えを損なうことなく、品質の低下を招くこともな い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例にかかる自動車の側面に装
着されたスライド式窓構造である。

【図２】 図１の矢印２−２方向の拡大断面図である。

【図３】 図１における窓ガラスの後方下部の部分拡大
図である。

【図４】 自動車の側面に装着された従来のスライド式
窓構造である。

【図５】 図４の矢印５−５方向の拡大断面図である。

【図６】 図４における窓ガラスの後方下部の部分拡大
図である。

【符号の説明】

１０，２０…窓ガラス、１１，２１…窓枠フレーム、１
２，２２…ガラスラン本体、１２ａ，２２ａ…ガラスラ
ンリップ部。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 正一 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車体の側面または後面に組み付けた窓枠フ
   レームに嵌着した断面コ字状のガラスラン本体に窓ガラ
   スをこのガラスラン本体に沿ってスライド可能に組み付
   けて、前記窓ガラスの一面に前記ガラスラン本体の起立
   壁部の頂部からこのガラスラン本体の底部側へ延びるガ
   ラスランリップ部の外側面を弾撥的に当接させてなるス
   ライド式窓構造において、前記窓ガラスの隅部のうち鋭
   角状の隅部における前記ガラスランリップ部に当接する
   部位の一部を切欠いて前記隅部を鈍角状としたことを特
   徴とするスライド式窓構造。