JPH0352593Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、断面がドアアウタパネルの上面から
内面に沿つたほぼ逆Ｌ字形であるドアベルトモー
ルを、ウエザストリツプと係合させてドアアウタ
パネル内面へ取付けるための自動車用ドアベルト
モールの取付け構造に関するものである。

〔従来の技術と考案が解決しようとする問題点〕

第５図はこの種の従来のドアベルトモール２を
示すもので、ドアアウタパネル１の上面から内面
に離間して沿つた逆Ｌ字形であり、先端部２ａは
パネル上面へ向けて曲げられ、背後にはウエザス
トリツプ３が接着され、後端部がパネル内面にク
リツプ４で狭持されている。つまり、ドアベルト
モール２の内面に沿つた部分を保持するだけであ
つたために、その先端部２ａとドアアウタパネル
１の上面との接触面Ａに隙間を生じ易く、車両の
建付品質が低下する問題があつた。

よつて、本考案は簡単な構造でドアアウタパネ
ル上面との間に隙間が生じないドアベルトモール
を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、この目的を達成するために、ドアア
ウタパネル１のパネル上面１ａからパネル内面１
ｂに離間して沿つた逆Ｌ字形であり、かつモール
先端部１０ａがパネル上面１ａへ向けて曲げられ
たドアベルトモール１０におけるパネル内面１ｂ
に沿つた部分１０ｂを、ウエザストリツプ１１の
基部１１ｃに形成された基部溝１１ｄへ嵌入し
た。そして、ウエザストリツプ１１の基部側面１
１ｅの上側部分には長手方向へ沿つて複数個の嵌
合片１１ｆを斜目上方へ向けて形成すると共に、
パネル内面１ｂにはこれらの嵌合片に対する対応
位置に切欠１ｃ及び基部底面１１ｇに対する係止
片１ｄを形成した。嵌合片１１ｆ及び切欠１ｃの
相互の形状並びに係止片１ｄの位置は、嵌合片１
１ｆが切欠１ｃへ嵌入保持され、かつこの状態で
基部側面１１ｅ及び基部底面１１ｇがそれぞれパ
ネル内面１ｂ及び係止片１ｄに弾性圧縮させれて
当接するように設定されている。（ ）内の符号
は後術する実施例のものと参照させてある。

〔作用〕

ドアベルトモール１０がウエザストリツプ１１
の基部溝１１ｄへ嵌入された状態でその嵌合片１
１ｆを切欠１ｃに嵌入させると、係止片１ｄに対
する圧縮反力で嵌合片１１ｆの上側付根位置Ｂに
上方への押圧力が生じて確実な保持が行われる。
また、上側付根位置Ｂは基部側面１１ｅの半分位
置よりも上側に位置するために、その基部側面１
１ｅ下側により大きな車室内方向への圧縮反力が
生じ、ドアベルトモール１０には上側付根位置Ｂ
を支点としてパネル上面１ａへ向かう回動力が生
じる。

〔考案の実施例〕

第１図において、１０はステンレス製のドアベ
ルトモールであり、その断面はドアアウタパネル
１のパネル上面１ａからパネル内面１ｂに離間し
て沿つたほぼ逆Ｌ字形である。その先端部１０ａ
は離間位置から上面１ａへ向つて車室外方向へ曲
げられ、かつ折返されている。

１１はゴム系のウエザストリツプであり、ウイ
ンドガラスに当接する上下２個の舌状部１１ａ
と、ドアベルトモール１０の上面をカバーする水
平部１１ｂと、これらの基部１１ｃとから形成さ
れている。基部１１ｃの車室外側の基部側面１１
ｅの半分位置よりも上側部分には、斜目上方に突
出した嵌合片１１ｆがウエザストリツプ１１の長
手方向に沿つて複数個配列されている。ドアベル
トモール１０のパネル内面１ｂに沿つた部分の後
半部分１０ｂは、ウエザストリツプ１１の基部１
１ｃに形成された縦方向の基部溝１１ｄに嵌入さ
れることにより互に一体化される。これらの各部
１１ａ〜１１ｆは弾性材より一体に成形されてい
る。

パネル内面１ｂにおける嵌合片１１ｆに対応す
る位置には、これを嵌入させるように対応する縦
幅形状の切欠１ｃが形成され、また下端において
は切欠１ｃに嵌合片１１ｆが嵌入した状態で基部
底面１１ｇを圧縮着座させる位置に突出した係止
片１ｄが形成されている。嵌合片１１ｆは斜目上
方へ突出することにより、その上側付根位置Ｂに
おいて切欠１ｃの上縁との係合溝を形成してい
る。切欠１ｃの横幅は嵌合片１１ｆよりも僅かに
広くすることにより、互の寸法及び配置位置の誤
差を吸収するようにしてある。

ドアベルトモール１０がウエザストリツプ１１
の基部溝１１ｄへ嵌入・溶着された状態で嵌合片
１１ｆを切欠１ｃに嵌入させ、かつ基部底面１１
ｇを係止片１ｄに係止させると、基部底面１１ｇ
の係止片１ｄに対する圧縮反力で嵌合片１１ｆの
上側付根位置Ｂに上方への押圧力が生じて確実な
保持が行われる。また、ドアベルトモール１０の
パネル内面１ｂに沿つた部分には、基部側面１１
ｅのパネル内面１ｂに対する圧縮反力で車室内方
向への押圧力が生じる。この際、上側付根位置Ｂ
は基部側面１１ｅの上部に位置するために、その
偶力によりドアベルトモール１０には上側付根位
置Ｂを支点としてパネル上面１ａへ向かう回動力
が生じる。したがつて、ドアベルトモール１０の
先端部１０ａはパネル上面１ａへ向かう方向に回
動して位置Ａで確実な接触を行う。

第４図は別の実施例を示すもので、前述の実施
例におけるドアベルトモール１０に嵌合片１１ｆ
の形状に沿つて斜目上方へ延びた切起し部１０ｃ
が形成されて嵌合片１１ｆへ嵌入している。これ
により、嵌合片１１ｆの切欠１ｃへの嵌合がより
強固になる。

〔考案の効果〕

以上、本考案によればモール係止用クリツプを
廃止できるだけでなく、簡単な構造でモール先端
とドアパネル状面との接合面の隙間を確実に無く
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるドアベルトモー
ルの断面図、第２図はそのドアベルトモールのド
アアウタパネルへの取付状態を示す断面図、第３
図は同様にその取付状態を示す背面図、第４図は
別の実施例によるドアベルトモールの断面図及び
第５図は従来のドアベルトモールの取付状態を示
す断面図。 １はドアアウタパネルであり、１ａはそのパネ
ル上面、１ｂはパネル内面、１ｃは切欠、１ｄは
係止片である。１０はドアベルトモールであり、
１０ａはその先端部、１０ｂはその後半部分であ
る。１１はウエザストリツプであり、１１ｃはそ
の基部、１１ｄは基部溝、１１ｅは基部側面、１
１ｆは嵌合片、１１ｇは基部底面である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 断面がドアアウタパネルの上面から内面に離間
   して沿つたほぼ逆Ｌ字形であり、先端部が離間位
   置から前記パネル上面へ向けて曲げられたドアベ
   ルトモールを、ウエザストリツプと係合させて前
   記パネル内面へ取付けるための自動車用ドアベル
   トモールの取付け構造において、 パネル内面に沿つたドアベルトモール部分をウ
   エザストリツプの基部溝へ嵌入させ、 この基部側面の上側部分において前記ウエザス
   トリツプの長手方向へ沿つて複数個の嵌合片を斜
   目上方へ突出させ、 前記パネル内面には、この面に前記基部側面が
   圧接するように前記嵌合片を嵌入保持する切欠
   と、前記基部底面を圧接着座させる係止片とを形
   成したことを特徴とする取付け構造。