JPH0556430A - スクランブル方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクランブルをガードバンドレスのＶＴＲで
実現する。 【構成】 入力端子１からの映像信号が分離回路２に供
給され、分離された輝度信号が並べ換え回路４に供給さ
れ、水平走査線を単位にした並べ換えが行われる。また
分離された色信号は１フレーム遅延回路８を通じて低域
変換回路１０に供給され、輝度信号及び低域変換色信号
が合成されてテープ１３上にガードバンドレスで記録さ
れる。さらに再生信号がハイパスフィルター１５に供給
されて輝度信号が取り出され、この輝度信号が並べ戻し
回路１７に供給され、並べ戻しが行われる。また再生信
号がローパスフィルター２１に供給されて低域変換色信
号が取り出され、この低域変換色信号が高域変換回路２
２に供給され、この色信号が減算回路２３に供給される
と共に１水平期間の遅延回路２４を通じて減算回路２３
に供給され、クロストークが除去される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば民生用のＶＴＲ
で記録に機密性をもたせるためのスクランブル方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えばＢＳやＣＳの有料放送において、
放送信号に機密性をもたせるためのスクランブルが行わ
れている。すなわち図２において、原画像は一旦フレー
ムメモリーに取り込まれ、例えば水平走査線を単位にし
た並べ換えが行われて送信されると共に、並べ換えの暗
号キーが別途伝送される。これに対して受信側では、受
信された信号が、別途伝送された暗号キーで並べ戻さ
れ、フレームメモリーを介して復元画像が取り出され
る。このようにしてスクランブルが行われている。

【０００３】ところで例えば民生用のＶＴＲにおいても
記録に機密性をもたせることが要望されている。ところ
が民生用のＶＴＲにおいては、記録密度を高める目的で
ガードバンドレスの記録が行われており、この場合にク
ロストークの除去のために画像の垂直相関性を利用した
信号処理が行われている（特公昭５９−４１３５４号公
報等参照）。このため上述のような水平走査線の並べ換
えによるスクランブルを行うと良好な再生信号を得られ
なくなってしまう恐れがあった。

【０００４】すなわち図３において、入力端子３１に供
給された映像信号は、輝度／色信号の分離回路３２に供
給される。分離された同期信号を含む輝度信号はＦＭ変
調回路３３に供給されて記録用のＦＭ輝度信号にされ
る。また色信号は低域変換回路３４に供給されて、低域
信号に変換されると共に搬送信号の位相が所定の方式で
水平走査線ごとに位相反転または位相シフトされ、記録
用の低域変換色信号にされる。これらのＦＭ輝度信号及
び低域変換色信号が合成され、記録アンプ３５を通じて
回転ヘッド３６に供給され、互いにアジマス角の異なる
２個の磁気ヘッドを用いて、テープ３７上にガードバン
ドレスで記録される。

【０００５】またこの記録を再生する場合には、テープ
３７上の記録が回転ヘッド３６で再生され、この再生信
号が再生アンプ３８を通じて取り出される。この再生信
号がハイパスフィルター３９に供給されてＦＭ輝度信号
が取り出され、このＦＭ輝度信号がＦＭ復調回路４０に
供給されて同期信号を含む輝度信号が復調される。さら
に再生信号がローパスフィルター４１に供給されて低域
変換色信号が取り出され、この低域変換色信号が高域変
換回路４２に供給されて、高域変換されると共に搬送信
号の位相が元に戻され、規定の色信号に逆変換される。

【０００６】そしてこの色信号が減算回路４３に供給さ
れると共に１水平期間の遅延回路４４を通じて減算回路
４３に供給され、テープ３７上の隣接トラックからのク
ロストークが除去される。すなわち上述の逆変換によっ
て、本来の色信号は規定により水平期間ごとに搬送信号
の位相が反転される。これに対してクロストークの色信
号の搬送信号の位相は同相になり、１水平期間前の信号
を減算することによって画像の垂直相関性からクロスト
ークが除去される。これらの輝度信号及び色信号が合成
されて出力端子４５に取り出される。なお輝度信号及び
色信号はそれぞれ独立に取り出し（出力端子４５Ｙ、４
５Ｃ）てもよい。

【０００７】従ってこの装置において、色信号は画像の
垂直相関性によって１水平期間前の信号を減算すること
でクロストークが除去されており、上述のように水平走
査線の並べ換えによるスクランブルを行うと、画像の垂
直相関性が失われてクロストークの除去が行われなくな
ってしまう。このため従来の民生用のＶＴＲにおいては
水平走査線の並べ換えによるスクランブルを行うことが
できなかった。なお映像信号に機密性をもたせる方法は
種々検討されているが、水平走査線の並べ換えによるス
クランブルが機密性が高く、また比較的簡単な構成で実
現できるものである。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の民生用のＶＴＲにおいては水平走査線の並
べ換えによるスクランブルを行うことができなかったと
いうものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、映像信号（入
力端子１）を同期信号を含む輝度信号と色信号とに分離
（分離回路２）し、上記輝度信号を水平走査線単位で並
べ換える（並べ換え回路４）と共に、所定の位相で低域
変換され（低域変換回路１０）た上記色信号と加算して
ガードバンドレスで記録（回転ヘッド１２、テープ１
３）し、この記録を再生し、この再生信号中の上記輝度
信号を水平走査線単位で並べ戻す（並べ戻し回路１７）
と共に、上記低域変換色信号のクロストークを除去（減
算回路２３、１水平期間の遅延回路２４）し規定の位相
で高域変換（高域変換回路２２）して取り出す（出力端
子２７、２７Ｙ、２７Ｃ）ようにしたスクランブル方法
である。

【００１０】

【作用】これによれば、水平走査線の並べ換えによるス
クランブルをガードバンドレスのＶＴＲで実現すること
ができる。

【００１１】

【実施例】図１において、入力端子１に供給された映像
信号は、輝度／色信号の分離回路２に供給される。分離
された同期信号を含む輝度信号はフレームメモリー３を
介して並べ換え回路４に供給され、端子５からの暗号キ
ーによって例えば水平走査線を単位にした並べ換えが行
われる。この並べ換えの行われた輝度信号と元の輝度信
号がスイッチ６で選択され、選択された輝度信号がＦＭ
変調回路７に供給されて記録用のＦＭ輝度信号にされ
る。

【００１２】また分離回路２からの色信号は１フレーム
期間の遅延回路８に供給され、この遅延された色信号と
元の色信号がスイッチ９で選択され、選択された色信号
が低域変換回路１０に供給されて、低域信号に変換され
ると共に搬送信号の位相が所定の方式で水平走査線ごと
に位相反転または位相シフトされ、記録用の低域変換色
信号にされる。これらのＦＭ輝度信号及び低域変換色信
号が合成され、記録アンプ１１を通じて回転ヘッド１２
に供給され、互いにアジマス角の異なる２個の磁気ヘッ
ドを用いて、テープ１３上にガードバンドレスで記録さ
れる。

【００１３】またこの記録を再生する場合には、テープ
１３上の記録が回転ヘッド１２で再生され、この再生信
号が再生アンプ１４を通じて取り出される。この再生信
号がハイパスフィルター１５に供給されてＦＭ輝度信号
が取り出され、このＦＭ輝度信号がＦＭ復調回路１６に
供給されて同期信号を含む輝度信号が復調される。この
復調された輝度信号が並べ戻し回路１７を介してフレー
ムメモリー１８に供給され、端子１９からの暗号キーに
よって並べ戻しが行われる。この並べ戻しの行われた輝
度信号と元の輝度信号がスイッチ２０で選択される。

【００１４】さらに再生信号がローパスフィルター２１
に供給されて低域変換色信号が取り出され、この低域変
換色信号が高域変換回路２２に供給されて、高域変換さ
れると共に搬送信号の位相が元に戻され、規定の色信号
に逆変換される。そしてこの色信号が減算回路２３に供
給されると共に１水平期間の遅延回路２４を通じて減算
回路２３に供給され、テープ１３上の隣接トラックから
のクロストークが除去される。すなわち上述の逆変換に
よって、本来の色信号は規定により水平期間ごとに搬送
信号の位相が反転される。これに対してクロストークの
色信号の搬送信号の位相は同相になり、１水平期間前の
信号を減算することによって画像の垂直相関性からクロ
ストークが除去される。このクロストークの除去された
色信号が１フレーム期間の遅延回路２５に供給され、こ
の遅延された色信号と元の色信号がスイッチ２６で選択
される。

【００１５】そしてこれらのスイッチ２０、２６で選択
された輝度信号及び色信号が合成されて出力端子２７に
取り出される。なお輝度信号及び色信号はそれぞれ独立
に取り出し（出力端子２７Ｙ、２７Ｃ）てもよい。

【００１６】従ってこの装置において、並べ換え回路４
に端子５からの暗号キーを供給すると共に、スイッチ６
でこの並べ換え回路４側の信号を選択することによっ
て、輝度信号が例えば水平走査線を単位にして並べ換え
られた信号がテープ１３に記録される。なおこのとき輝
度信号は並べ換え処理のために１フレーム期間遅延され
るので、スイッチ９でフレームメモリー８側の信号を選
択して時間が合わせられる。

【００１７】また再生時には、並べ戻し回路１７に端子
１９からの暗号キーを供給すると共に、スイッチ２０で
この並べ戻し回路１７側の信号を選択することによっ
て、輝度信号が並べ戻された信号が取り出される。なお
このとき輝度信号は並べ戻し処理のために１フレーム期
間遅延されるので、スイッチ２６でフレームメモリー２
５側の信号を選択して時間が合わせられる。

【００１８】すなわちこの装置において、例えば水平走
査線を単位にした並べ換えは輝度信号のみについて行わ
れるものであり、色信号については１フレーム期間の遅
延が行われるだけなので、画像の垂直相関性を利用した
クロストークの除去は支障なく行うことができる。なお
輝度信号のみが並べ換えられた映像信号は、再生画像の
明暗が乱されたものになり、これに正常な色信号が合成
されても判読は極めて困難になる。

【００１９】こうして上述の装置によれば、水平走査線
の並べ換えによるスクランブルをガードバンドレスのＶ
ＴＲで実現することができるものである。

【００２０】なお暗号キーは、例えば使用者が任意に設
定する４桁程度の数字が用いられ、テンキー等によって
入力される。そして並べ換え回路４及び並べ戻し回路１
７では、この数字から一義的に定まる処理、あるいはこ
の数字とテープ１３上に記録されるデータとによって定
まる処理が行われるようにされる。これらの回路の具体
的な構成や方式は、例えばＢＳやＣＳの有料放送に用い
られているものが適用できる。また暗号キーの入力によ
ってスイッチ６、９、２０、２６が自動的に切り換えら
れるようすることもできる。

【００２１】

【発明の効果】この発明によれば、水平走査線の並べ換
えによるスクランブルをガードバンドレスのＶＴＲで実
現することができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるスクランブル方法の適用されたＶ
ＴＲの一例の構成図である。

【図２】スクランブル方法の説明のための図である。

【図３】ＶＴＲの構成図である。

【符号の説明】

１ 映像信号の入力端子 ２ 輝度／色信号の分離回路 ３、１８ フレームメモリー ４ 並べ換え回路 ５、１９ 暗号キーの端子 ６、９、２０、２６ スイッチ ７ ＦＭ変調回路 ８、２５ １フレーム期間の遅延回路 １０ 低域変換回路 １１ 記録アンプ １２ 回転ヘッド １３ テープ １４ 再生アンプ １５ ハイパスフィルター １６ ＦＭ復調回路 １７ 並べ戻し回路 ２１ ローパスフィルター ２２ 高域変換回路 ２３ 減算回路 ２４ １水平期間の遅延回路 ２７、２７Ｙ、２７Ｃ 出力端子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像信号を同期信号を含む輝度信号と色
   信号とに分離し、上記輝度信号を水平走査線単位で並べ
   換えると共に、所定の位相で低域変換された上記色信号
   と加算してガードバンドレスで記録し、この記録を再生
   し、この再生信号中の上記輝度信号を水平走査線単位で
   並べ戻すと共に、上記低域変換色信号のクロストークを
   除去し規定の位相で高域変換して取り出すようにしたス
   クランブル方法。