JPH0555963U - 布団カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 縫製作業が容易で、しかもネット生地を表生
地にほつれが生じないように確実にかつ容易に縫合で
き、外観的体裁も良好な縫製が行なえるようにした布団
カバーを提供する。 【構成】 表生地１の中央部が大きく開口されて、該開
口部にネット生地３が張設されてなる布団カバーにおい
て、ネット生地３の周縁部を折返し、該折返し縁部３ａ
と表生地１の開口縁部１ａとを重ね合せて縁布４により
包被した状態でこれらを一体に縫合するとともに、この
縁布４による包被部と開口側へ延びるネット生地３とを
一体に縫合してなることを特徴とする布団カバー。 【効果】 ネット生地を表生地の開口縁部に熟練を要さ
ず容易にかつ強固に縫合でき、洗濯や使用による引張り
によるほつれを防止できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、表生地の中央部に有する開口部にネット生地が張設されてなる布団 カバーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

布団カバーは、通常、表裏生地により外形が長方形の袋状に縫合されるととも に、側縁の一部分にスライドファスナー等による開閉口部を設けて、該開閉口部 より布団を出し入れできるようになっている。しかして、掛け布団カバーにおい ては、表側生地の中央部が大きく開口されるとともに、該開口部にネット生地が 張設されて布団の表生地の空模様をネットを通して見えるようにした掛け布団カ バーが存する。

【０００３】 この掛け布団カバーにおいては、図４に示すように、表生地（１１）の開口縁 部（１１ａ）に対するネット生地（１３）の縫合は、ネット生地（１３）の周縁 部（１３ａ）を、表生地（１１）の開口縁部（１１ａ）の内側に重ね合せるとと もに、補強のために内側に当てがわれるバイアス生地よりなる比較的細幅のテー プ状生地（１４）と表生地（１１）との間に挟み込むようにして、２本針のミシ ン縫製によりテープ状生地（１４）の両側端部で一体に縫合している。（１５） （１６）はその縫合部分を示す。

【０００４】 この場合、２本針によるミシン縫製のために、テープ状生地（１４）の幅およ び２条の縫合部分の間隔が比較的小さく、そのため、テープ状生地（１４）の内 側に挟み込まれるネット生地（１３）の周縁部（１３ａ）の挟み込み寸法（Ｗ） を一定にするのが難かしく、この縫製作業に熟練を要するばかりか、特に開口部 （１０）の四隅部等の円弧状の湾曲形状の部分では、前記寸法（Ｗ）を大きくと れない場合がある。そのためネット生地（１３）の周縁部（１３ａ）が、部分的 にほつれ易くなり、洗濯等を繰返すと表生地（１１）から外れることがある。

【０００５】 これを防止するために、ネット生地（３）の周縁部を鎖線のようにもう一方の 縫合部分まで延ばすと、ネット生地の端が露出することとなって、見栄えが悪く なり、不体裁で商品価値を低下させることになる。

【０００６】 本考案は、上記に鑑みて、縫製作業が容易で、しかもネット生地を表生地にほ つれが生じないように確実にかつ容易に縫合でき、外観的体裁も良好な縫製が行 なえるようにした布団カバーを提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、表生地の中央部が大きく開口されて、該開口部にネット生地が張設 されてなる布団カバーであって、上記の課題を解決するために、ネット生地の周 縁部を折返し、該折返し縁部と表生地の開口縁部とを重ね合せて縁布により包被 した状態でこれらを一体に縫合するとともに、この縁布による包被部と開口側へ 延びるネット生地とを一体に縫合してなることを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

上記の構成よりなる布団カバーによれば、ネット生地の折返し縁部が表生地と 縁布との間に挿し込まれて一体に縫合された上、さらに開口側に折返されている ネット生地と前記縁布による包被部とを一体に縫合しているために、該ネット生 地は２個所で縫合されていることになって、縫合が確実かつ強固になり、少々引 張られても、また洗濯を繰返してもほつれや外れが生じることがない。

【０００９】 しかもネット生地の周端縁は折返されて縁布による袋部の内部に挿し込まれて 縫合されているため、この挿し込み寸法を充分に大きくとっても外部に露出する おそれがなく体裁良好である。またこのように挿し込み寸法を大きくとれるため に、円弧状に湾曲した部分においても、縫い代の不足が生じることがなく、容易 にして確実に縫製できることになる。

【００１０】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。

【００１１】 図１は本考案の実施例に係る布団カバーの全体を示し、表裏生地（１）（２） を側縁部で縫合されて外形が長方形の袋状に形成されている。通常、側縁の一部 分にスライドファスナーやボタン等の開閉手段を備えた布団出入用の口部（図示 省略）が設けられ、布団を出し入れできるように構成される。

【００１２】 表生地（１）の中央部は図のように大きく開口されて、該開口部（１０）にネ ット生地（３）が張設されている。このネット生地（３）は図２に示すように表 生地（１）の開口縁部（１ａ）に縫合される。

【００１３】 すなわち、図３に示すように、前記開口部（１０）より一回り大きめのネット 生地（３）の周縁部を表生地（１）の開口縁部（１ａ）に略対応するように折返 し、この折返し縁部（３ａ）と表生地（１）の開口縁部（１ａ）とを重ね合せ、 比較的広幅のバイアス生地等より縁布（４）を幅方向中央部で折曲して、これを 前記重ね合されてた両縁部に対し内外より挟み込むように包被させ、この状態で 縁布（４）の両側端縁近傍位置で縁布（４）の外側より縫合する。（５）はこの 第１の縫合部分を示している。なおこの縫合の際、ネット生地（３）の折返し縁 部（３ａ）より内方部分は表生地（１）の側に重ねるようにしておく。

【００１４】 前記のように縫合すれば、縁布（４）の内側に挿し込まれるネット生地（３） の周縁部の挿し込み寸法（Ｗ3 ）を、縁布（４）の幅（Ｗ4 ）の範囲内で充分に 大きくとることができる。特にこの寸法（Ｗ3 ）を大きくしても縁布（４）によ り覆われているために、外部に露出することはない。なお縁布（４）の両側端部 は図のように内側に折込んでおく。

【００１５】 前記の縫合後、開口部側へ延びているネット生地（３）と、縁布（４）による 包被部とを、縁布（４）の折曲部近傍位置で一体に縫合して、図２のように縫合 すればよい。（６）はこの第２の縫合部分を示している。

【００１６】 このように縫合することにより、ネット生地（３）は、その周縁部（３ａ）に おいて表生地（１）の開口縁部（１ａ）に対し２個所で縫合されることになり、 それゆえ縫合が従来に比して確実かつ強固になり、少々引張られても、また洗濯 を繰返してもほつれや外れが生じることがない。

【００１７】 またネット生地（３）の周端縁（３ａ）は縁布（４）による袋部内に挿し込ま れるため、特にこの挿し込み寸法（Ｗ3 ）を大きくしても縁布（４）により覆わ れて外部に露出せず体裁良好であり、しかもこのように挿し込み寸法（Ｗ3 ）を 大きくとれるために、円弧状に湾曲した部分においても、縫い代の不足が生じる ことがなく、容易にして確実に縫製できることになる。

【００１８】

【考案の効果】

上記したように本考案によれば、表生地の中央部の開口部に張設されたネット 生地は、その周縁部が表生地の開口縁部に２個所で確実かつ強固に縫合されて、 使用中に少々の引張られても、また洗濯を繰返してもほつれを生じさせるおそれ がなく、また縫製が容易で熟練を要することなく簡単に縫合でき、しかもネット 生地の端が露出することがなく、縫合状態の体裁も良好なものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す斜視図である。

【図２】表生地とネット生地との縫合状態を示す部分拡
大断面図である。

【図３】同縫合部分における縫合途中の部分拡大断面図
である。

【図４】従来の表生地とネット生地の縫合状態を示す部
分拡大断面図である。

【符号の説明】

（１） 表生地 （１０） 開口部 （１ａ） 開口縁部 （２） 裏生地 （３） ネット生地 （３ａ） 折返し縁部 （４） 縁布 （５） 縫合部分 （６） 縫合部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表生地の中央部が大きく開口されて、該
   開口部にネット生地が張設されてなる布団カバーであっ
   て、ネット生地の周縁部を折返し、該折返し縁部と表生
   地の開口縁部とを重ね合せて縁布により包被した状態で
   これらを一体に縫合するとともに、この縁布による包被
   部と開口側へ延びるネット生地とを一体に縫合してなる
   ことを特徴とする布団カバー。