JPH0555959A - ジツタ補償装置 - Google Patents

ジツタ補償装置

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JPH0555959A
JPH0555959A JP3209434A JP20943491A JPH0555959A JP H0555959 A JPH0555959 A JP H0555959A JP 3209434 A JP3209434 A JP 3209434A JP 20943491 A JP20943491 A JP 20943491A JP H0555959 A JPH0555959 A JP H0555959A
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echo
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tap coefficient
jitter compensation
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豊 粟田
Mitsuo Tsunoishi
光夫 角石
Nobukazu Koizumi
伸和 小泉
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Fujitsu Ltd
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B3/00Line transmission systems
    • H04B3/02Details
    • H04B3/20Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other
    • H04B3/23Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers
    • H04B3/237Reducing echo effects or singing; Opening or closing transmitting path; Conditioning for transmission in one direction or the other using a replica of transmitted signal in the time domain, e.g. echo cancellers using two adaptive filters, e.g. for near end and for end echo cancelling

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、受信側のA/D変換器の後段にエ
コー特性の等化などに用いられるフィルタが設けられ、
更にその後段でエコーキャンセルが行われる構成の伝送
装置においても、適切なジッタ補償を可能とすることを
目的とする。 【構成】 A/D変換装置104とエコーキャンセラ1
06との間にフィルタ装置105が挿入されると、タイ
ミング再生装置107におけるサンプリングタイミング
信号108においてジッタが発生した直後に、フィルタ
装置105の出力においてジッタのインパルス応答が変
化し得る。この場合、ジッタ補償装置112において、
選択手段110は、複数のアダプティブフィルタ手段1
09から順次選択した各出力によってエコーキャンセル
残を補償する。ここで、複数組のタップ係数をタップ係
数記憶手段に記憶させておき、選択手段がそれらのタッ
プ係数の組を順次読み出して1つのアダプティブフィル
タ手段を動作させる構成にすれば、ジッタ補償回路の回
路規模を縮小できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送信側から受信側に回
り込むエコー成分を除去するエコーキャンセラと、A/
D変換された受信信号からA/D変換時のサンプリング
タイミングを再生するタイミング再生装置とを備えた伝
送装置に係り、更に詳しくは、エコーキャンセル時にタ
イミング再生装置で発生する位相ジャンプ(ジッタ)を
補償するジッタ補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル加入者線伝送装置の1構成例
として、ハイブリッド回路を使用した2線式ディジタル
加入者線伝送装置がある。
【0003】図5に、上記ディジタル加入者線伝送装置
の構成例を示す。コーダ部(COD)501は、2値の
ディジタル送信データを伝送符号(例えば2B1Q符
号)に変換する。
【0004】ラインドライバ部(DRV)502は、加
入者線504を駆動し伝送符号を送信する。ハイブリッ
ド部(HYB)503は、2線の加入者線504と2線
の送信線505及び2線の受信線506との間で2線/
4線変換を行う。
【0005】A/D変換器(ADC)507は、ハイブ
リッド部503を経由して漏れ込む自装置からの送信信
号のエコーと、相手装置から送信され加入者線504上
で減衰した受信信号(アナログ信号)とが混合した信号
を、ディジタル信号に変換する。
【0006】エコーキャンセラ(EC)508及び加算
器509は、上記エコーをキャンセルする。ジッタ補償
回路(JC)510及び加算器511は、後述するタイ
ミング再生回路513で生成されるA/D変換器507
のサンプリングタイミング信号514の位相がジャンプ
した場合に、エコーキャンセラ508におけるエコーキ
ャンセル残を補償する。
【0007】等化器(EQL)512は、相手装置から
送信され加入者線504上で減衰した受信信号を等化す
る。タイミング再生回路(TIM)513は、受信信号
からA/D変換器507のサンプリングタイミング信号
514を再生する。
【0008】以上のような構成を有するハイブリッド回
路を使用した2線式ディジタル加入者線伝送装置では、
送信側から受信側にハイブリッド部503を経由してエ
コーが漏れ込み、一方、加入者線504上を伝送されて
きた受信信号はかなり減衰している。このため、エコー
と受信信号との強度比は数十デシベルにも達することが
ある。従って、上述のような伝送装置では、エコーキャ
ンセラ508及びジッタ補償回路510によるエコーキ
ャンセルの処理が不可欠となる。
【0009】図5のエコーキャンセラ508及び加算器
509の1構成例を図6に示す。図6で、Xj は離散時
刻j(以下、単に時刻jと呼ぶ)における入力エコー、
ERj は時刻jにおいて生成されるエコーレプリカ、a
j は時刻jにおける送信シンボル、C0 〜CN はタップ
係数、εj は時刻jにおける入力エコーXj とエコーレ
プリカERj との誤差信号である。
【0010】まず、エコーレプリカERj は、信号を1
サンプリングタイミングTだけ遅延させる遅延回路60
2、乗算器603及び加算器604からなる部分によっ
て、次式で示されるように演算される。なお、“*”
は、乗算を表わす。
【0011】
【数1】
【0012】また、誤差信号εj は、加算器(減算器)
509によって、次式で示されるように演算される。
【0013】
【数2】
【0014】タップ係数更新部601は、上述の誤差信
号εj を減少させるよう、タップ係数C0 〜CN を更新
する。タップ係数更新アルゴリズムの1例を次式に示
す。なお、αは定数である。
【0015】
【数3】
【0016】次に、図5のディジタル加入者線伝送装置
を含む伝送システムにおけるタイミング再生制御につい
て説明する。まず、局と加入者のそれぞれの側には、図
5のディジタル加入者線伝送装置と同様の装置が加入者
線504を挟んで互いに対向して設けられる。
【0017】ここで、局側の伝送装置においては、送信
データは、自局内の発振器で生成される局部発振クロッ
クに同期してコーダ部501で符号化されて送信され、
受信データは、タイミング再生回路513が受信信号か
ら再生したサンプリングタイミング信号514に基づい
てA/D変換器507でA/D変換される。これに対し
て、加入者側の伝送装置においては、まず、受信データ
は、局側と同様に、タイミング再生回路513が受信信
号から再生したサンプリングタイミング信号514に基
づいてA/D変換器507でA/D変換される。また、
送信データは、局側と異なり、上記サンプリングタイミ
ング信号514に同期してコーダ部501で符号化され
て送信される。
【0018】そのため、タイミング再生回路513が、
再生した受信タイミングの位相を変化させる場合、局側
の伝送装置では、再生された受信タイミングは、その位
相の変化以前、以後ともに送信タイミングに対して位相
変動を起こすが、加入者側の伝送装置では、再生された
受信タイミングは、その位相の変化以前の送信タイミン
グに対して位相変動を起こすのに対し、位相の変化以後
の送信タイミングに対しては位相変動を起こさないとい
う特徴がある。
【0019】ここで、タイミング再生回路513が、D
PLL(ディジタルフェイズトロックループ)方式によ
って、A/D変換器507に供給するサンプリングタイ
ミング信号514の位相制御を行う場合に、その制御過
程でサンプリングタイミング信号514の位相がジャン
プし、ジッタが発生し得る。
【0020】このジッタは、図5のジッタ補償回路51
0及び加算器511によって補償される。ジッタ補償回
路510及び加算器511を中心とする1構成例を図7
に示す。
【0021】図7で、EC508及び加算器509は各
々図5に示されるものと同じである。Fj は時刻jにお
けるエコーキャンセル残、JRjは時刻jにおいて生成
されるジッタ補償用レプリカ、aj は時刻jにおける送
信シンボル、J0 〜JK はタップ係数、εj ′は時刻j
におけるエコーキャンセル残Fj とジッタ補償用レプリ
カJRj との誤差信号である。また、Dはタイミング再
生回路513から指示されるジッタ方向データであり、
位相進み制御時には−1、位相遅れ制御時には+1、非
制御時には0の値が指示される。
【0022】この場合に、局側の伝送装置では、受信側
で再生されたサンプリングタイミング信号514は、送
信側の局部発振器から独自に生成されるタイミング信号
に対して、位相が相対的に動かされることになる。その
ため、局側の伝送装置では、次のような原理に基づいて
エコーキャンセル及びジッタ補償が実行される。
【0023】今、説明の簡単のため、或る1つの送信タ
イミングにおいてコーダ部501から出力される1つの
送信シンボルのみに基づいて発生し、A/D変換器50
7において例えば図8の各タイミングt0 、t1
2 、・・・でサンプリングされる各エコー成分に対
し、エコーキャンセラ508及び加算器509(図5、
図6参照)が、上記各サンプリングタイミング毎に、タ
ップ係数C0 、C1 、C2 、・・・の各々に基づいて生
成される各エコーレプリカ成分によってキャンセルを実
行しているとする。
【0024】ここで、例えばサンプリングタイミングt
0 において、タイミング再生回路513がサンプリング
タイミング信号514の位相を、相対値0を中心に前後
の相対位相P又はMにジャンプさせる場合を考える。
【0025】サンプリングタイミング信号514の相対
位相が0の場合は、図8からわかるように、タイミング
0 では、エコーキャンセラ508からのタップ係数C
0 に基づくエコーレプリカ成分のみでエコー成分をキャ
ンセルできる。これ以後、各タイミングt1 、t2 、・
・・では、エコーキャンセラ508からの各タップ係数
1 、C2 、・・・に基づく各エコーレプリカ成分のみ
で各タイミングにおけるエコー成分をキャンセルでき
る。
【0026】実際には、エコーは、各送信タイミングに
おいてコーダ部501から出力される各送信シンボルに
基づいて連続的に発生し、受信側では各送信タイミング
で発生したエコーが合成されたものがA/D変換される
ため、1つのサンプリングタイミングでは、エコーキャ
ンセラ508からの複数のタップ係数C0 〜CN に基づ
く各エコーレプリカ成分の和ERj (図6参照)によっ
てそのタイミングにおける合成エコー成分がキャンセル
される。
【0027】一方、サンプリングタイミング信号514
の相対位相がPにジャンプした場合は、タイミングt0
では、エコーキャンセラ508からのタップ係数C0
基づくエコーレプリカ成分とジッタ補償回路510から
のタップ係数J0Pに基づくジッタ補償用レプリカ成分と
によってエコー成分をキャンセルできる。これ以後、各
タイミングt1 、t2 、・・・では、エコーキャンセラ
508からの各タップ係数C1 、C2 、・・・に基づく
各エコーレプリカ成分とジッタ補償回路510からの各
タップ係数J1P、J2P、・・・に基づく各ジッタ補償用
レプリカ成分とによって各タイミングにおけるエコー成
分をキャンセルできる。
【0028】この場合も実際には、各送信シンボルに基
づいて連続的に発生した各エコー成分が合成されたもの
が受信側でA/D変換されるため、1つのサンプリング
タイミングでは、エコーキャンセラ508からの複数の
タップ係数C0 〜CN に基づく各エコーレプリカ成分の
和ERj と、ジッタ補償回路510からの複数のタップ
係数J0 〜JK に基づく各ジッタ補償用レプリカ成分の
和JRj (図7参照)によってそのタイミングにおける
合成エコー成分がキャンセルされる。
【0029】同様に、サンプリングタイミング信号51
4の相対位相がMにジャンプした場合は、タイミングt
0 では、エコーキャンセラ508からのタップ係数CO
に基づくエコーレプリカ成分とジッタ補償回路510か
らのタップ係数J0Mに基づくジッタ補償用レプリカ成分
とでエコー成分をキャンセルできる。これ以後、各タイ
ミングt1 、t2、・・・では、エコーキャンセラ50
8からの各タップ係数C1 、C2 、・・・に基づく各エ
コーレプリカ成分とジッタ補償回路510からの各タッ
プ係数J1M、J2M、・・・に基づく各ジッタ補償用レプ
リカ成分とによって各タイミングにおけるエコー成分を
キャンセルできる。
【0030】この場合もやはり、実際には各送信シンボ
ルに基づいて連続的に発生した各エコー成分が合成され
たものが受信側でA/D変換されるため、1つのサンプ
リングタイミングでは、エコーキャンセラ508からの
複数のタップ係数C0 〜CN に基づく各エコーレプリカ
成分の和ERjと、ジッタ補償回路510からの複数の
タップ係数J0 〜JK に基づく各ジッタ補償用レプリカ
成分の和JRj によってそのタイミングにおける合成エ
コー成分がキャンセルされる。
【0031】以上のジッタ補償の原理に基づけば、局側
の伝送装置における図7のジッタ補償回路510におい
て、ジッタ補償用レプリカJRj は、信号を1サンプリ
ングタイミングTだけ遅延させる遅延回路702、乗算
器703、704及び加算器705からなる部分によっ
て、次式で示されるように演算される。
【0032】
【数4】
【0033】ここで、タイミング再生回路513によっ
てサンプリングタイミング信号514の相対位相がジャ
ンプさせられる狭い位相範囲では、エコー成分は直線的
に増減すると近似できるため、サンプリングタイミング
信号514の相対位相がPにジャンプした場合の各タッ
プ係数J0P、J1P、J2P、・・・と、その相対位相がM
にジャンプした場合の各タップ係数J0M、J1M、J2M
・・・とでは、それぞれ大きさが等しく符号のみが逆と
なるように近似的に設定できる。
【0034】そのような事実に基づいて、図7のジッタ
補償回路510においては、上記数4式に示されるよう
に、各乗算器704で、各タップ係数J0 、J1
2 、・・・に、タイミング再生回路513から指示さ
れたジッタ方向を示すデータDの値(−1、0、+1の
何れかの値)が乗算されたものが、ジッタ補償用レプリ
カJRj を生成するためのタップ係数とされる。
【0035】次に、誤差信号εj ′は、加算器(減算
器)511によって、次式で示されるように演算され
る。
【0036】
【数5】
【0037】タップ係数更新部701は、上述の誤差信
号εj ′を減少させるよう、タップ係数J0 〜JK を更
新する。タップ係数更新アルゴリズムの1例を次式に示
す。なお、βは定数である。
【0038】
【数6】
【0039】上述の説明では、局側の伝送装置におい
て、タイミング再生回路513が、相対位相0を中心
に、前後の相対位相P,Mでジッタを起こす場合を考え
たが、タイミング再生の引き込み時等、位相を連続的に
シフトする場合には、ジッタ補償回路510の各タップ
係数が収束した後に位相をシフトし、その時に、エコー
キャンセラ508における各タップ係数を次式により変
更し、その動作を繰り返すことで、残留エラーが大きく
なることなく、サンプリング位相のシフトを行うことが
できる。
【0040】
【数7】
【0041】次に、加入者側の伝送装置におけるエコー
キャンセル及びジッタ補償の動作について説明する。加
入者側では、送信データは、前述したように、タイミン
グ再生回路513が受信信号から再生した受信側のサン
プリングタイミング信号514にそのまま同期させられ
てコーダ部501から送信される。従って、ジッタ発生
以前に送信された送信シンボルに基づいて発生したエコ
ーに対しては、エコーキャンセラ508からのエコーレ
プリカとジッタ補償回路510からのジッタ補償用レプ
リカとでキャンセルし、ジッタ発生以後に送信された送
信シンボルに基づいて発生したエコーに対しては、送信
側と受信側との間で相対的な位相差は生じないため、エ
コーキャンセラ508からのエコーレプリカのみでキャ
ンセルすればよいことになる。
【0042】今、A/D変換器507において例えば図
9のタイミングt0でサンプリングされるエコー成分
は、t0 を含んでそれ以前の各タイミング・・・、
-2、t-1、t0 における各送信シンボルに基づき発生
した図9に示される各エコー成分が合成されたものであ
る。同様に、タイミングt1 でサンプリングされるエコ
ー成分は、t1 を含んでそれ以前の各タイミング・・
・、t-2、t-1、t0 、t1 における各送信シンボルに
基づき発生した各エコー成分が合成されたものである。
一般的には、t0 以降のタイミングtj においてサンプ
リングされるエコー成分は、tj を含んでそれ以前の各
タイミング・・・、t-2、t-1、t0 、・・・、tj
おける各送信シンボルに基づいて発生した各エコー成分
が合成されたものである。
【0043】従って、例えば図9のタイミングt0 にお
いてタイミング再生回路513がサンプリングタイミン
グ信号514の位相を相対値0を中心に前後の相対位相
P又はMにジャンプさせた場合、それ以後の任意のタイ
ミングtj (但し、0≦j≦K−1)では、タイミング
0 より前の各タイミング・・・、t-2、t-1に送信さ
れた各送信シンボルに基づいて発生した各エコー成分
は、エコーキャンセラ508からの各タップ係数CN
N-1 、・・・、C1+j に基づく各エコーレプリカ成分
と、ジッタ補償回路510からの各タップ係数JK 、・
・・、J1+j に基づく各ジッタ補償用レプリカ成分とに
よりキャンセルできる。また、タイミングt0 を含んで
それ以後の各タイミングt0 、t1 、・・・、tj に送
信された各送信シンボルに基づいて発生した各エコー成
分は、エコーキャンセラ508からの各タップ係数
j 、・・・、C0 に基づく各エコーレプリカ成分のみ
でキャンセルできる。
【0044】なお、t-Nより前に発生したエコー成分は
十分に減衰しており無視できるものとする。また、t-K
(N>K、即ち、t-N<t-K)より前のジッタ補償成分
は十分に小さく、やはり無視できるものとする。
【0045】以上のジッタ補償の原理に基づけば、時刻
0(=t0 )においてタイミング再生回路513がサン
プリングタイミング信号514の位相をジャンプさせた
場合、それ以後の任意のタイミングj(=tj 、0≦j
≦K)において、加入者側の伝送装置における図7のジ
ッタ補償回路510から発生されるジッタ補償用レプリ
カJRj は、次式で示される。
【0046】
【数8】
【0047】即ち、図7のジッタ補償回路510の加算
器705は、上記数8式で示されるジッタ補償用レプリ
カJRj を発生すべく、0番目〜K番目の乗算器704
の出力のうち、1+j番目〜K番目の乗算器704の出
力を選択して加算する。
【0048】また、誤差信号εj ′は、前述の数5式と
同様、加算器(減算器)511によって、次式で示され
るように演算される。
【0049】
【数9】
【0050】タップ係数更新部701は、上述の誤差信
号εj ′を減少させるよう、タップ係数J1+j 〜JK
更新する。タップ係数更新アルゴリズムの1例を次式に
示す。なお、βは定数である。
【0051】
【数10】
【0052】なお、K<jなる時刻jにおけるジッタ補
償成分は前述したように十分に小さく無視できると仮定
できるため、K<jなる時刻jにおいては、特には図示
しない制御回路によって、ジッタ補償回路510からの
ジッタ補償用レプリカJRj の出力が停止されるように
制御される。
【0053】
【発明が解決しようとする課題】図5のような構成のデ
ィジタル加入者線伝送装置では、送信側から受信側へ漏
れ込むエコーのインパルス応答はかなり長いため、何も
対策を講じない場合は、エコーキャンセラ508におけ
るタップ係数長N及びジッタ補償回路510におけるタ
ップ係数長Kがかなり大きな値となってしまう。
【0054】そこで、図5のA/D変換器507と加算
器509の間にハイパスフィルタを挿入することによっ
て、エコーのインパルス応答を短くしエコーキャンセラ
508とジッタ補償回路510における各タップ係数長
を短くする技術が適用され得る。
【0055】しかし、上述のようなフィルタが設けられ
ると、ジッタが発生した直後の上記フィルタの出力にお
いては、ジッタ発生前のA/D変換結果とジッタ発生後
のA/D変換結果がたたみ込まれている。このため、図
7の構成を有する従来のジッタ補償回路では、同回路か
らのジッタ補償用レプリカの成分を、どの時点からのエ
コー残から減算したらよいか確定できず、ジッタ補償を
行うことができなくなってしまうという問題点を有して
いる。
【0056】本発明は、受信側のA/D変換器の後段に
エコー特性の等化などに用いられるフィルタが設けら
れ、更にその後段でエコーキャンセルが行われる構成の
伝送装置においても、適切なジッタ補償を可能とするこ
とを目的とする。
【0057】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理ブ
ロック図である。本発明は、伝送路113における送信
信号101と受信信号102を混合、分離するハイブリ
ッドトランス等の信号変換装置103と、そこで分離さ
れた信号をA/D変換するA/D変換装置104と、そ
の出力信号をフィルタリングするハイパスフィルタ等の
フィルタ装置105と、その出力信号から送信側からの
エコーを除去するエコーキャンセラ106と、受信信号
からA/D変換装置104のためのサンプリングタイミ
ング信号108を再生するタイミング再生装置107と
を備えたディジタル加入者線伝送装置などの伝送装置を
前提とする。
【0058】そして、以下の構成を有するジッタ補償装
置112を有する。即ち、ジッタ補償装置112は、ま
ず、複数のアダプティブフィルタ手段109を有する。
【0059】次に、タイミング再生装置107がサンプ
リングタイミング信号108においてジッタを発生させ
た以後、各アダプティブフィルタ手段109の出力を順
次選択し、その選択されたフィルタ出力によりエコーキ
ャンセラ106におけるエコーキャンセル残を補償する
選択手段110を有する。
【0060】更に、選択手段110により選択されたア
ダプティブフィルタ手段109のタップ係数の組を更新
するジッタ成分タップ係数更新手段111を有する。以
上の本発明の構成において、アダプティブフィルタ手段
は1つのみが設けられ、その代わり、複数のアダプティ
ブフィルタリング特性に対応する複数組のタップ係数を
記憶するタップ係数記憶手段が設けられる構成にしても
よい。この場合、選択手段は、タイミング再生装置がサ
ンプリングタイミング信号においてジッタを発生させた
以後、タップ係数記憶手段から各タップ係数の組を順次
読み出し、各タップ係数の組に基づいてアダプティブフ
ィルタ手段を動作させ、そのフィルタ出力によりエコー
キャンセラにおけるエコーキャンセル残を補償する。ま
た、ジッタ成分タップ係数更新手段は、選択手段により
選択されたタップ係数の組を更新して再びタップ係数記
憶手段に記憶させる。
【0061】また、ここまでの本発明の構成で、ジッタ
成分タップ係数更新手段により更新されたタップ係数の
組に基づいてエコーキャンセラ106のタップ係数の組
を更新するエコー成分タップ係数更新手段を更に有する
ように構成してもよい。
【0062】
【作用】ディジタル加入者線伝送装置などでは、送信側
から受信側へ漏れ込むエコーのインパルス応答はかなり
長いため、A/D変換装置104とエコーキャンセラ1
06との間にフィルタ装置105を挿入することによっ
て、エコーのインパルス応答を短くしエコーキャンセラ
106などにおけるタップ係数長を短くすることができ
る。
【0063】しかし、上述のようなフィルタが設けられ
ると、タイミング再生装置107がサンプリングタイミ
ング信号108においてジッタを発生させた直後のフィ
ルタ装置105の出力においては、ジッタ発生前のA/
D変換結果とジッタ発生後のA/D変換結果がたたみ込
まれており、ジッタのインパルス応答が変化する。
【0064】そこで、本発明では、ジッタ発生直後のジ
ッタ特性の変化に対応してジッタ発生直後の各時刻にお
いてジッタを補償する複数のアダプティブフィルタ手段
109を設ける。そして、タイミング再生装置107が
サンプリングタイミング信号108においてジッタを発
生させた以後、選択手段110が、各アダプティブフィ
ルタ手段109の出力を順次選択し、その選択したフィ
ルタ出力によりエコーキャンセラ106におけるエコー
キャンセル残を補償する。
【0065】これにより、適切なジッタ補償動作が実現
される。なお、選択手段110により選択されたアダプ
ティブフィルタ手段109のタップ係数の組は、ジッタ
成分タップ係数更新手段111によって個別に更新する
ことができる。
【0066】ここで、アダプティブフィルタ手段109
を複数個設けるのではなく、複数組のタップ係数をタッ
プ係数記憶手段に記憶させておき、選択手段がそれらの
タップ係数の組を順次読み出して1つのアダプティブフ
ィルタ手段を動作させる構成にすれば、ジッタ補償回路
の回路規模を縮小させることができる。
【0067】また、伝送装置が局側に設けられる場合な
どにおいて、サンプリングタイミング信号の位相が連続
的にシフトされてゆくような場合には、新たに設けられ
るエコー成分タップ係数更新手段が、ジッタ成分タップ
係数更新手段111により更新されたタップ係数の組に
基づいてエコーキャンセラ106のタップ係数の組を更
新することにより、残留エラーが大きくなることなく、
サンプリング位相のシフトを行える。
【0068】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
つき詳細に説明する。全体構成 まず、図2は、本発明によるディジタル加入者線伝送装
置の実施例の全体的な構成を示す図である。図2におい
て、図5の従来例の場合と同じ番号が付された部分は、
図5の場合と同じ機能を有する。図2が図5と異なる点
は、A/D変換器507と加算器509の間に、エコー
のインパルス応答を短くするための例えばハイパスフィ
ルタであるフィルタ201が挿入され、それに対応して
ジッタ補償回路510の内部の構成が異なる点である。
【0069】図2において、エコーキャンセラ508
は、前述した図6と同じ構成を有するが、各タップ係数
0 〜CN の初期値は、後述するように、フィルタ20
1での畳み込みを考慮して決定される。ジッタ補償回路510の第1の実施例 次に、図2のジッタ補償回路510の第1の実施例の構
成を図3に示す。
【0070】図3のようにジッタ補償回路510の第1
の実施例では、前述した図7と同様の回路(以下、この
回路を「ジッタ補償用アダプティブフィルタ」と呼ぶ)
が、JC0 〜JCR のR+1個設けられ、これらの何れ
かより出力されるジッタ補償用レプリカJRj (0≦j
≦R)が、セレクタ(SEL)301で選択されて加算
器511(図2参照)に出力される。
【0071】ここで、カウンタ(CNT)302は、図
2のタイミング再生回路513からのジッタ方向を示す
データDが変化した時点以後、タイミング再生回路51
3からのサンプリングタイミング信号514が入力する
毎に、後述する所定の規則に従ってカウント動作を実行
する。デコーダ(DEC)303は、上記カウンタ30
2からのカウンタ出力に基づいて、セレクタ301及び
各ジッタ補償用アダプティブフィルタJCj (0≦j≦
R)内のタップ係数更新部701を制御する。なお、図
2のディジタル加入者線伝送装置が加入者側に設けられ
る場合には、デコーダ303は、各ジッタ補償用アダプ
ティブフィルタJCj (0≦j≦R)内の加算器705
も制御する。
【0072】以上の構成を有するジッタ補償回路510
の第1の実施例の動作原理と具体的動作について順次説
明する。 <局側におけるジッタ補償回路510の第1の実施例の
動作>まず、図2のディジタル加入者線伝送装置が局側
に設けられる場合の動作について説明する。
【0073】今、時刻j=0で、タイミング再生回路5
13がサンプリングタイミング信号514においてジッ
タを発生させたとき、時刻jにおいて図2のA/D変換
器507から出力されるエコーEHj は、次式で示され
る。
【0074】
【数11】
【0075】ここで、CEn (0≦n≦N)は、ジッタ
成分がない場合のエコー成分のタップ係数(以下、「エ
コー成分タップ係数」と呼ぶ)、CJk (0≦k≦K)
は、ジッタ成分のタップ係数(以下、「ジッタ成分タッ
プ係数」と呼ぶ)である。
【0076】数11式より、時刻jにおいて図2のフィ
ルタ201から出力されるフィルタ出力EQj は、以下
の数12式〜数14式を経て数15式で示される。な
お、フィルタ201は、0次からR次までのタップ係数
CQr (0≦r≦R)を有するトランスバーサルフィル
タであるとする。
【0077】即ち、まず、
【0078】
【数12】
【0079】である。ここで、
【0080】
【数13】
【0081】である。また、同様に、
【0082】
【数14】
【0083】である。従って、数12式〜数14式よ
り、フィルタ出力EQj は、次式で表わされる。
【0084】
【数15】
【0085】上記数15式において、第1項目の、
【0086】
【数16】
【0087】は、ジッタ成分がない場合のエコー成分で
あり、前述した数1式で示される図2のエコーキャンセ
ラ508からのエコーレプリカERj によってキャンセ
ルできる。
【0088】そして、エコーキャンセラ508におい
て、前述した図6のタップ係数更新部601が、タップ
係数Cn を数3式などの更新アルゴリズムに従って更新
する。この結果、タップ係数Cn は、数16式内の、
【0089】
【数17】
【0090】で計算される値に対応する値に収束するこ
とになる。一方、数15式において、第2項目の、
【0091】
【数18】
【0092】
【数19】
【0093】は、ジッタ成分に対応しており、0≦j<
Rの範囲では、ジッタ成分は数18式で示されるような
時刻jに依存する値を有する。また、j≧Rの範囲で
は、ジッタ成分は数19式で示されるような一定値とな
る。
【0094】そこで、図2のジッタ補償回路510の第
1の実施例である図3の回路構成では、0≦j<Rの範
囲では、時刻jにおけるジッタ成分を図3のj番目のジ
ッタ補償用アダプティブフィルタJCj からのジッタ補
償用レプリカJRj によって補償(キャンセル)し、j
≧Rの範囲では、各時刻jにおけるジッタ成分を図3の
R番目のジッタ補償用アダプティブフィルタJCR から
のジッタ補償用レプリカJRR によってキャンセルすれ
ばよい。
【0095】具体的には、まず、サンプリングタイミン
グ信号514に同期して進む任意の離散時刻をjとし、
タイミング再生回路513からのジッタ方向を示すデー
タDが変化した時点を時刻0とすれば、図3のカウンタ
302は、そのカウンタ出力として、j<0なる時刻j
では0〜Rの範囲以外の値である所定のリセット値を示
し、0≦j<Rなる時刻jでは値jを示し、j≧Rなる
時刻jでは値Rを示すように構成される。
【0096】そして、図3のデコーダ303は、上記カ
ウンタ出力がリセット値を示している場合は、セレクタ
301に、値0を出力させる。また、デコーダ303
は、上記カウンタ出力がリセット値以外の値jを示して
いる場合は、セレクタ301に、カウンタ出力値jに対
応する番号のジッタ補償用アダプティブフィルタJCj
から出力されるジッタ補償用レプリカJRj (0≦j≦
R)を選択させる。
【0097】以上の動作により、任意の時刻jにおい
て、図3のセレクタ301からは、次式で示されるジッ
タ補償用レプリカJRj が出力される。
【0098】
【数20】
【0099】また、誤差信号εj ′は、加算器(減算
器)511によって、次式で示されるように演算され
る。
【0100】
【数21】
【0101】図3における各ジッタ補償用アダプティブ
フィルタJCj の各タップ係数更新部701は、上述の
誤差信号εj ′を減少させるよう、各タップ係数J0j
Kjを更新する。タップ係数更新アルゴリズムの1例を
次式に示す。なお、βは定数である。
【0102】
【数22】
【0103】即ち、j<0なる時刻jでは、数22式の
第1式のように、JC0 〜JCR の何れのジッタ補償用
アダプティブフィルタ内のタップ係数更新部701も動
作しない。
【0104】0≦j<Rなる時刻jにおいては、デコー
ダ303の指示に基づいて、j番目のジッタ補償用アダ
プティブフィルタJCj 内のタップ係数更新部701
が、上記数22式の第2式に従って、タップ係数Jkj
更新する。この結果、タップ係数Jkjは、数18式内
の、
【0105】
【数23】
【0106】に対応する値に収束することになる。そし
て、j≧Rなる時刻jにおいては、デコーダ303の指
示に基づいて、R番目のジッタ補償用アダプティブフィ
ルタJCR 内のタップ係数更新部701が、前記数22
式の第3式に従って、タップ係数JkRを更新する。この
結果、タップ係数JkRは、数19式内の、
【0107】
【数24】
【0108】に対応する値に収束することになる。上述
の説明では、局側の伝送装置において、タイミング再生
回路513が、相対位相0を中心に、前後の相対位相
P,Mでジッタを起こす場合を考えたが、タイミング再
生の引き込み時等、位相を連続的にシフトする場合に
は、ジッタ補償回路510の現在選択されているジッタ
補償用アダプティブフィルタJCj における各タップ係
数Jkjが収束した後に位相をシフトし、その時に、エコ
ーキャンセラ508における各タップ係数を次式により
変更し、その動作を繰り返すことで、残留エラーが大き
くなることなく、サンプリング位相のシフトを行うこと
ができる。
【0109】
【数25】
【0110】<加入者側におけるジッタ補償回路510
の第1の実施例の動作>次に、図2のディジタル加入者
線伝送装置が加入者側に設けられる場合の動作について
説明する。
【0111】今、時刻j=0で、タイミング再生回路5
13がサンプリングタイミング信号514においてジッ
タを発生させたとき、時刻jにおいて図2のA/D変換
器507から出力されるエコーEHj は、次式で示され
る。
【0112】
【数26】
【0113】数26式より、時刻jにおいて図2のフィ
ルタ201から出力されるフィルタ出力EQj は、以下
の数27式〜数29式を経て数30式で示される。な
お、フィルタ201のタップ係数長R+1に関して、R
<Kであるとする。
【0114】即ち、まず、
【0115】
【数27】
【0116】である。ここで、
【0117】
【数28】
【0118】である。また、同様に、
【0119】
【数29】
【0120】である。従って、数27式〜数29式よ
り、フィルタ出力EQj は、次式で表わされる。
【0121】
【数30】
【0122】上記数30式において、第1項目は、前述
した局側の場合と同様、ジッタ成分がない場合のエコー
成分であり、前述した数1式で示される図2のエコーキ
ャンセラ508からのエコーレプリカERj によってキ
ャンセルできる(前記数16式及び数17式参照)。
【0123】一方、数30式において、第2項目の、
【0124】
【数31】
【0125】
【数32】
【0126】
【数33】
【0127】は、ジッタ成分に対応しており、0≦j<
Rの範囲では、ジッタ成分は数31式で示されるような
時刻jに依存する値を有し、R≦j<Kの範囲では、ジ
ッタ成分は数32式で示されるような一定値となる。
【0128】また、K≦j<K+Rの範囲では、ジッタ
成分は数33式で示されるように再び時刻jに依存する
値を有するが、この範囲ではジッタ成分は十分に減衰し
ているため、上記範囲におけるジッタ成分の値は近似的
に0とすることができる。
【0129】従って、図2のジッタ補償回路510の第
1の実施例である図3の回路構成では、前述した局側の
場合と同様、0≦j<Rの範囲では、時刻jにおけるジ
ッタ成分を図3のj番目のジッタ補償用アダプティブフ
ィルタJCjからのジッタ補償用レプリカJRj によっ
てキャンセルすればよい。また、R≦j<Kの範囲にお
いては、各時刻jにおけるジッタ成分を図3のR番目の
ジッタ補償用アダプティブフィルタJCR からのジッタ
補償用レプリカJRR によりキャンセルすればよい。
【0130】具体的には、まず、サンプリングタイミン
グ信号514に同期して進む任意の離散時刻をjとし、
タイミング再生回路513からのジッタ方向を示すデー
タDが変化した時点を時刻0とすれば、図3のカウンタ
302は、そのカウンタ出力として、j<0なる時刻j
では0〜Rの範囲以外の値である所定のリセット値を示
し、0≦j<Kなる時刻jでは値jを示し、K≦jなる
時刻jでは再びリセット値を示すように構成される。
【0131】そして、図3のデコーダ303は、上記カ
ウンタ出力がリセット値を示している場合には、セレク
タ301に、値0を出力させる。上記カウンタ出力が0
≦j<Rなる値jを示している場合には、デコーダ30
3は、セレクタ301に、上記カウンタ出力値jに対応
する番号のジッタ補償用アダプティブフィルタJCj
ら出力されるジッタ補償用レプリカJRj (0≦j≦
R)を選択させる。更に、上記カウンタ出力がR≦j<
Kなる値jを示している場合には、デコーダ303は、
セレクタ301に、R番目のジッタ補償用アダプティブ
フィルタJCR から出力されるジッタ補償用レプリカJ
R を選択させる。
【0132】以上の動作により、任意の時刻jにおい
て、図3のセレクタ301からは、次式で示されるジッ
タ補償用レプリカJRj が出力される。
【0133】
【数34】
【0134】即ち、図3のジッタ補償回路510内のj
番目の加算器705は、上記数34式で示されるジッタ
補償用レプリカJRj を発生すべく、0番目〜K番目の
乗算器704の出力のうち、1+j番目〜K番目の乗算
器704の出力を選択して加算する。
【0135】また、誤差信号εj ′は、前述の数5式、
数9式又は数21式と同様、加算器(減算器)511に
よって、次式で示されるように演算される。
【0136】
【数35】
【0137】図3における各ジッタ補償用アダプティブ
フィルタJCj の各タップ係数更新部701は、上述の
誤差信号εj ′を減少させるよう、各タップ係数J0j
Kjを更新する。タップ係数更新アルゴリズムの1例を
次式に示す。なお、βは定数である。
【0138】
【数36】
【0139】即ち、j<0又はK≦jなる時刻jでは、
数36式の第1式のように、JC0 〜JCR の何れのジ
ッタ補償用アダプティブフィルタ内のタップ係数更新部
701も動作しない。
【0140】0≦j<Rなる時刻jにおいては、デコー
ダ303の指示に基づいて、j番目のジッタ補償用アダ
プティブフィルタJCj 内のタップ係数更新部701
が、上記数36式の第2式に従って、1+j≦k≦Kな
るタップ係数Jkjを更新する。この結果、タップ係数J
kjは、前記数31式内の、
【0141】
【数37】
【0142】に対応する値に収束することになる。そし
て、R≦j<Kなる時刻jにおいては、デコーダ303
の指示に基づき、R番目のジッタ補償用アダプティブフ
ィルタJCR 内のタップ係数更新部701が、前記数3
6式の第3式に従って、タップ係数JkRを更新する。こ
の結果、タップ係数JkRは、前記数32式内の、
【0143】
【数38】
【0144】に対応する値に収束することになる。な
お、より精密なジッタ補償を実現するためには、時刻j
がK≦j<K+Rの範囲において、前述した数33式に
対応するジッタ補償用レプリカを生成するためのR個の
ジッタ補償用アダプティブフィルタを新たにジッタ補償
回路510内に設け、これらを切り替えてジッタ補償動
作を行えばよい。ジッタ補償回路510の第2の実施例 次に、図2のジッタ補償回路510の第2の実施例の構
成を図4に示す。
【0145】上述した図3の第1の実施例では、ジッタ
発生以後の各時刻jに対応してR+1個のジッタ補償用
アダプティブフィルタJCj (0≦j≦R)が、カウン
タ302及びデコーダ303の制御下で順次切り替えら
れたが、図4の第2の実施例では、ジッタ補償用アダプ
ティブフィルタは1組のみが用意され、その代わり、図
3の各ジッタ補償用アダプティブフィルタJCj におけ
る各タップ係数Jkjの組(J00〜JK0)、(J01
K1)、・・・、(J0R〜JKR)が係数メモリ401に
記憶される。そして、ジッタ発生以後の各時刻jに対応
するタップ係数の組(J0j〜JKj)がカウンタ302及
びデコーダ303の制御下で各乗算器703に読み出さ
れ、対応するジッタ補償用レプリカJRj が生成され
る。また、上記タップ係数の組(J0j〜JKj)は、タッ
プ係数更新部701で前述したようにして更新され、再
びタップ係数メモリ401に格納される。
【0146】具体的なジッタ補償の動作は、前述した図
3の第1の実施例の場合と同様である。以上のような構
成により、ジッタ補償回路510の回路規模を縮小する
ことができる。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、エコーのインパルス応
答を等化するために受信側のA/D変換装置とエコーキ
ャンセラとの間にフィルタ装置が挿入され、その結果、
サンプリングタイミング信号においてジッタが発生した
直後に、フィルタ装置の出力においてジッタのインパル
ス応答が変化しても、選択手段が複数のアダプティブフ
ィルタ手段から順次選択した各出力によってエコーキャ
ンセル残を補償することにより、適切なジッタ補償動作
を実現することが可能となる。
【0148】ここで、複数組のタップ係数をタップ係数
記憶手段に記憶させておき、選択手段がそれらのタップ
係数の組を順次読み出して1つのアダプティブフィルタ
手段を動作させる構成にすれば、ジッタ補償回路の回路
規模を縮小させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明によるディジタル加入者線伝送装置の実
施例の全体構成図である。
【図3】本発明によるジッタ補償回路の第1の実施例の
構成図である。
【図4】本発明によるジッタ補償回路の第2の実施例の
構成図である。
【図5】従来のディジタル加入者線伝送装置の構成例を
示した図である。
【図6】エコーキャンセラの構成例を示した図である。
【図7】従来のジッタ補償回路の構成例を示した図であ
る。
【図8】局側でのジッタ補償動作の説明図である。
【図9】加入者側でのジッタ補償動作の説明図である。
【符号の説明】
101 送信信号 102 受信信号 103 信号変換装置 104 A/D変換装置 105 フィルタ装置 106 エコーキャンセラ 107 タイミング再生回路 108 サンプリングタイミング信号 109 アダプティブフィルタ手段 110 選択手段 111 ジッタ成分タップ係数更新手段 112 ジッタ補償装置 113 伝送路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信信号(101)と受信信号(10
    2)を混合、分離する信号変換装置(103)と、該信
    号変換装置で分離された信号をA/D変換するA/D変
    換装置(104)と、その出力信号をフィルタリングす
    るフィルタ装置(105)と、該フィルタ装置の出力信
    号から送信側からのエコーを除去するエコーキャンセラ
    (106)と、受信信号から前記A/D変換装置(10
    4)のためのサンプリングタイミング信号(108)を
    再生するタイミング再生装置(107)とを備えた伝送
    装置において、 複数のアダプティブフィルタ手段(109)と、 前記タイミング再生装置(107)が前記サンプリング
    タイミング信号(108)においてジッタを発生させた
    以後、前記各アダプティブフィルタ手段(109)の出
    力を順次選択し、該選択されたフィルタ出力により前記
    エコーキャンセラ(106)におけるエコーキャンセル
    残を補償する選択手段(110)と、 該選択手段により選択された前記アダプティブフィルタ
    手段(109)のタップ係数の組を更新するジッタ成分
    タップ係数更新手段(111)と、 を有することを特徴とするジッタ補償装置。
  2. 【請求項2】 送信信号と受信信号を混合、分離する信
    号変換装置と、該信号変換装置で分離された信号をA/
    D変換するA/D変換装置と、その出力信号をフィルタ
    リングするフィルタ装置と、該フィルタ装置の出力信号
    から送信側からのエコーを除去するエコーキャンセラ
    と、受信信号から前記A/D変換装置のためのサンプリ
    ングタイミング信号を再生するタイミング再生装置とを
    備えた伝送装置において、 1つのアダプティブフィルタ手段と、 複数のアダプティブフィルタリング特性に対応する複数
    組のタップ係数を記憶するタップ係数記憶手段と、 前記タイミング再生装置が前記サンプリングタイミング
    信号においてジッタを発生させた以後、前記タップ係数
    記憶手段から前記各タップ係数の組を順次読み出し、該
    各タップ係数の組に基づいて前記アダプティブフィルタ
    手段を動作させ、そのフィルタ出力により前記エコーキ
    ャンセラにおけるエコーキャンセル残を補償する選択手
    段と、 該選択手段により選択された前記タップ係数の組を更新
    して再び前記タップ係数記憶手段に記憶させるジッタ成
    分タップ係数更新手段と、 を有することを特徴とするジッタ補償装置。
  3. 【請求項3】 前記ジッタ成分タップ係数更新手段によ
    り更新されたタップ係数の組に基づいて前記エコーキャ
    ンセラのタップ係数の組を更新するエコー成分タップ係
    数更新手段を更に有する、 ことを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の
    ジッタ補償装置。
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