JPH0555491B2 - - Google Patents

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JPH0555491B2
JPH0555491B2 JP2504388A JP2504388A JPH0555491B2 JP H0555491 B2 JPH0555491 B2 JP H0555491B2 JP 2504388 A JP2504388 A JP 2504388A JP 2504388 A JP2504388 A JP 2504388A JP H0555491 B2 JPH0555491 B2 JP H0555491B2
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JP
Japan
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cyclohexane
compound
naphthylaminocarbonyl
bis
malonamide
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JP2504388A
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JPH01203338A (ja
Inventor
Kazuhisa Hiratani
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、シクロヘキサン含有混合物からシク
ロヘキサンを分離する方法に関するものである。
〔従来技術〕
シクロヘキサンの沸点は80〜81℃で、ベンゼン
とほぼ等しく、又エタノールの沸点とも近似して
おり、シクロヘキサンをこれらの混合物から蒸留
によつて分離することは極めて困難である。ま
た、シクロヘキサンは、シクロヘキサノール、シ
クロヘキサノン、シクロヘキセン等の有用物質に
変換されるが、この場合、シクロヘキサンをそれ
ら生成物から分離することも容易ではない。
以上のように、従来技術では、シクロヘキサン
含有混合物からシクロヘキサンを分離するのに困
難を伴つていた。
〔目 的〕
本発明は、シクロヘキサン含有混合物からシク
ロヘキサンを分離するための新しい方法を提供す
ることを目的とする。
〔構 成〕
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意研究
を重ねた結果、マロンアミド誘導体がシクロヘキ
サンと高選択的に反応して包接化合物を形成する
ことを見出すとともに、この原理を用いることに
より、シクロヘキサンそのものの分離精製を達成
し得るばかりでなく、製品中に不純物として少量
存在するシクロヘキサンであつてもこれを包接組
成物として除去することができ、これによつて製
品の精製を達成し得ることを見出し、本発明を完
成するに到つた。
即ち、本発明によれば、シクロヘキサン含有混
合物を、一般式 (式中、R1,R2はアルキル基、R3はナフチル
基を示す) で表わされるマロンアミド誘導体に接触させるこ
とにより、該混合物中のシクロヘキサンを、該マ
ロンアミド誘導体に包接させ、得られた包接化合
物からシクロヘキサノンを分離することを特徴と
するシクロヘキサンの分離方法が提供される。
前記マロンアミド誘導体にシクロヘキサンが包
接し、包接化合物を形成することは従来全く知ら
れておらず、本発明は、この現象を利用すること
により、シクロヘキサン含有混合物からシクロヘ
キサンを高選択的に分離しようとするものであ
る。
以下、本発明について詳述する。
本発明のマロンアミド誘導体は前記一般式
()で表わされる鎖状化合物であり、R1,R2
しては、たとえば、炭素数1〜8程度のアルキル
基たとえばブチル基、ペンチル基、ヘキシル基な
どが挙げられ、R3としては、ナフチル基が挙げ
られる。
これらのマロンアミド誘導体は種々の製造法に
よつて得ることができる。最も一般的にはマロン
酸の酸ハロゲン化物に2倍モルの芳香族アミンを
反応させることにより容易に高収率で得ることが
できる。
この反応を行う場合、反応温度は0℃〜100℃、
好ましくは20〜80℃であり、反応媒体としては上
記マロン酸誘導体の酸ハロゲン化物とアミノ化合
物を溶解し、それらに不活性な非プロトン性溶媒
であれば、任意の溶媒が使用可能であり、このよ
うなものには、例えば、ベンゼン、シクロヘキサ
ン、クロロホルム、ジオキサン、テトラヒドロフ
ランなどがあるが、特に、ベンゼン、クロロホル
ムが好適である。得られた反応生成物はカラムク
ロマトグラフイー(シリカゲル−クロロホルム)
により精製できる。
本発明において、前記一般式()のマロンア
ミド誘導体とシクロヘキサンとの包接化合物を得
るには、種々の方法が適用される。例えば、シク
ロヘキサン含有混合物中に前記マロンアミド誘導
体を添加してもよいし、また包接化を完全に行わ
しめるために上記のようにマロンアミド誘導体を
添加して得られる混合物を加熱し、完全に溶解し
た溶液とし、これを冷却して生じた結晶を分離す
ることによつても得られる。いずれの方法によつ
ても容易にマロンアミド誘導体にシクロヘキサン
が包接した包接化合物を得ることができる。被包
接成分/マロンアミド誘導体のモル比は0.5(モ
ル/モル)である。
前記一般式()のマロンアミド誘導体の使用
量は、シクロヘキサン含有混合物中のシクロヘキ
サン1モル当り、10-4〜100モル、好ましくは
10-3〜10モルの割合が有利である。
前述のようにしてマロンアミド誘導体にシクロ
ヘキサンを包接させる場合、一般に−50〜120℃、
好ましくは0〜80℃の範囲の温度で行われる。か
くして形成された包接化合物をそれを含有する混
合物から分離するには、通常、固液分離(例えば
濾過、遠心分離、沈降等)によるか或いは溶液成
分を蒸留により蒸発除去する方法が好ましく利用
できる。いずれの方法であつてもその操作温度は
−50〜120℃、好ましくは0〜80℃の範囲が望ま
しい。
本発明におけるシクロヘキサン含有混合物とし
ては、シクロヘキサンを含有しているものであれ
ばよく、シクロヘキサン以外の成分として包接化
を阻害したり、生成した包接化合物からシクロヘ
キサンを容易に脱着したりしないものであればよ
く、特に、包接化合物を容易に溶解したりしない
ものが好適である。シクロヘキサン含有混合物中
のシクロヘキサンの含有量は、シクロヘキサンの
含有量が極めて低い場合であつても包接化合物を
得ることができるので、広い範囲でよい。例え
ば、シクロヘキサン含有混合物として、シクロオ
クタン、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキ
サン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、
又はキシレン等から選択的にシクロヘキサン包接
化合物を分離することができる。
本発明におけるマロンアミド誘導体はその機能
もさることながら、まず安価に合成できること、
経済的なプロセスを自由に選択しうることなどの
有利な点を有している。また、マロンアミド誘導
体とシクロヘキサンとの包接化合物は、種々の方
法により容易にシクロヘキサンを脱着させること
ができ、純粋なシクロヘキサンを得ることができ
る。
本発明においてマロンアミド誘導体とシクロヘ
キサンとの包接化合物からシクロヘキサンを分離
する場合には、種々の方法が採用されるが、例え
ば、(a)包接化合物を、常圧80〜250℃、好ましく
は120〜150℃の範囲の温度に加熱するか、減圧
下、40〜250℃、好ましくは60℃〜150℃の範囲の
温度に加熱してシクロヘキサンを分離する方法、
(b)包接化合物に例えば、ベンゼン、クロロホル
ム、アセトン等の溶媒を接触させてシクロヘキサ
ンを分離する方法等が有利に適用される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
実施例 1 (A) 5,5−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ノナン(マロンアミド誘導体:R1=R2
n−ブチル、R3=1−ナフチル)の製造 2,2g(1ミリモル)のジブチマロン酸を5
gの塩化チオニル中60℃、3時間攪拌したのち、
過剰の塩化チオニルを減圧下留去する。この残留
物を30mlの無水ベンゼンに溶解し、2.9g(2ミ
リモル)の1−アミノナフタレンと2.0g(2ミ
リモル)のトリエチルアミンを加えて、攪拌下3
時間加熱還流する。反応液を室温に冷却したの
ち、水を加えてベンゼン相をよく洗浄し、ベンゼ
ン相を無水硫酸マグネシウムで乾燥する。ベンゼ
ンを減圧留去後、残留物をカラムクロマト(シリ
カゲル、クロロホルム)により未反応物や副生成
物を除いたのち、メチルシクロヘキサン溶液から
再結晶し60℃で減圧乾燥することによつて3.7g
(収率79%)の5,5−ビス(1−ナフチルアミ
ノカルボニル)ノナンが得られた。
質量分析:計算値466,2619(C31H34O2N2), 実測値 4662532、IR(KBr):3250(NH)、1650
cm-1 (C=0)。
(B) 5,5−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ノナンとシクロヘキサンとの包接化合物 (1) シクロヘキサン溶媒中からの包接化合物 0.1gの5,5−ビス(1−ナフチルアミノカ
ルボニル)ノナンを20mlのシクロヘキサンに加熱
溶解し、室温で放置することにより白色の結晶が
析出する。これを吸引濾過により溶媒と分離し、
室温で3時間真空ポンプにより減圧乾燥(<1mm
Hg)する。得られた白色固体をDSC、TGAおよ
びNMRスペクトルを検討することにより、5,
5−ビス(1−ナフチルアミノカルボニル)ノナ
ンとシクロヘキサンの比が2:1であることを確
認した。
DSC:128℃付近にシクロヘキサンの脱離によ
る吸熱ピーク164℃に5,5−ビス(1−ナフチ
ルアミノカルボニル)ノナンの融点を示す吸熱ピ
ーク TGA:80〜130℃の範囲でシクロヘキサンの脱
離に基づく重量減少 NMR:1.48ppmにシクロヘキサンに基づくピ
ーク (2) シクロヘキサン及びベンゼン混合媒体中か
らの包接化合物 0.1gの5,5−ビス(1−ナフチルアミノカ
ルボニル)ノナンを20mlのベンゼンとシクロヘキ
サン(50:50モル%)混合溶媒に加熱溶解し、室
温で放置することにより白色の結晶を析出する。
前記(B)−(1)と同様にして後処理し、DSC、TGA
およびNMRスペクトルによりシクロヘキサンの
みが2:1のモル比で包接されていることを確認
した。
(C) 5,5−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ノナンとシクロヘキサンととの包接化合物
からのシクロヘキサンの分離 前記(B)−(1)で得られた包接化合物を真空ポンプ
により100℃加熱下減圧(<1mmHg)にして3時
間処理することによりシクロヘキサンを液体窒素
トラツプ中に捕集することができた。シクロヘキ
サンが完全に脱離した5,5−ビス(1−ナフチ
ルアミノカルボニル)ノナンを定量的に回収で
き、これはシクロヘキサンにさらすことにより再
度包接化合物を形成し、くり返し使用することが
できた。
実施例 2 (A) 6,6−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ウンデカン(マロンアミド誘導体:R1
R2=n−ペンチル、R3=1−ナフチル)の製
造 実施例1の(A)と同様にして、収率71%で目的の
化合物が得た。
質量分析:計算値494.2931(C33H38O2N2), 実測値 494.2958、IR(KBr):3250(NH)、1650
cm-1 (C=0)。
(B) 6,6−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ウンデカンとシクロヘキサンとの包接化合
物の製造 実施例1の(B)と同様にして、当該化合物とシク
ロヘキサンの比が2:1である白色固体を得た。
DSC:99℃付近にシクロヘキサンの脱離によ
る吸熱ピーク148℃に6,6−ビス(1−ナフチ
ルアミノカルボニル)ウンデカンの融点を示す吸
熱ピーク TGA:約90℃付近でシクロヘキサンの脱離に
基づく重量減少 NMR:1.48ppmにシクロヘキサンに基づくピ
ーク (C) 6,6−ビス(1−ナフチルアミノカルボニ
ル)ウンデカンとシクロヘキサンとの包接化合
物からのシクロヘキサンの分離 実施例1の(C)と同様にして、100℃加熱下減圧
することにより、当該化合物及びシクロヘキサン
を定量的に回収することができた。
〔効 果〕
以上のように、本発明では、混合物中に含まれ
るシクロヘキサンをマロンアミド誘導体との包接
化合物として分離することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 シクロヘキサン含有混合物を、一般式 (式中、R1,R2はアルキル基、R3はナフチル
    基を示す) で表わされるマロンアミド誘導体に接触させるこ
    とにより、該混合物中のシクロヘキサンを、該マ
    ロンアミド誘導体に包接させ、得られた包接化合
    物からシクロヘキサンを分離することを特徴とす
    るシクロヘキサンの分離方法。 2 一般式 (式中、R1,R2はアルキル基を、R3はナフチ
    ル基を示す) で表わされるマロンアミド誘導体にシクロヘキサ
    ンを包接させてなる包接化合物。
JP2504388A 1988-02-05 1988-02-05 シクロヘキサンの分離方法 Granted JPH01203338A (ja)

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