JPH0555253B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電極と工作物を夫々一方の側面に取り
付けた工作物台と電極台とを両者が相対向すると
共に対向方向に送り移動可能に支持されたダイセ
ツトを、ベツドに立てた頂部の梁状アームの先端
部に設けた可動軸の先端部に取り付け吊持してコ
ラム中断に設け載置台に載置するようにすると共
に、ベツド上の加工槽を上下に移動して載置台上
のダイセツトの電極と工作物とを加工液に浸入す
るようにし、電極、工作物に応じて複数個用意し
たダイセツトを交換設置しながら、次々と加工を
行うようにした放電加工装置に関する。

〔従来の技術〕

従来の放電加工装置、ベツド上に配置され、互
いに直角なＸ軸、Ｙ軸方向に移動するテーブルの
上に工作物を設置し、そのテーブルの周囲に側壁
を立てて加工槽を形成し、その中に加工液を入れ
るようになつている。工作物を加工する電極の方
はベツドの側部に固定立設したコラムの摺動面を
摺動するラムに支持され、テーブルと鉛直方向に
相対向して移動するヘツドに、更に回転摺動可能
に支持されたスピンドルの先端に装着されてい
る。このように工作物と電極とを対峙させて加工
間隙を設け、相対的に移動させながら、両者間に
加工電圧パルスを印加して放電加工をするもので
ある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

この従来の放電加工装置は加工槽の中にテーブ
ルがあるから、工作物をテーブルに設置する際に
は、加工槽の側壁を開くか、加工槽の側壁全体を
テーブルの下方に下げなければならない不便さが
あり、しかもテーブルに設置することができる工
作物の大きさは、テーブルの大きさと移動量から
制御されることになり、反面小さな工作物も大き
なテーブルに設置して多量の加工液を供給しなが
ら加工しなければならない。このようにしてテー
ブルに設置した工作物を加工する電極は前記した
複雑な構成のもとにスピンドルに装着されて工作
物と対峙しているから、工作物と電極とに加工電
圧パルスを印加して放電加工を行なうと、電極及
び放電点は一種の発熱源となつていて、この発熱
や温室の変化のためにコラムが変形したり、ベツ
ドが凸状に変形したりしていて工作物に対する電
極の位置や向きを変えることになる。つまり、従
来の放電加工装置は、電極と工作物とは遠隔なと
ころから複雑な構造物を介して接近し対峙してい
るから、僅かな発熱による構造物の変形で電極と
工作物との相対的位置関係に狂いが生じ、加工精
度を低下させている。又、一方では電極と工作物
との加工間隙に溜る加工屑を除去するために、
様々に工夫された加工液の噴流、吸引装置があ
り、それなりの効果があるものの、充満している
加工液の抵抗にあつて、その効果が阻害される部
分もかなりあつた。

〔問題点を解決するための手段〕

そこで本発明は、工作物と電極を夫々一方の側
面に取り付けた工作物台と電極台とを工作物と電
極が相対向すると共に対向方向に送り移動可能に
支持構成されて成るダイセツトに更に前記送り移
動を行なう送り駆動装置と当該構成体の吊持治具
とを取り付けて成る放電加工ユニツトと、 側部にコラムを立設したベツトと、コラム頂部
に回動等進退可能に設けられたアームと、該アー
ムと前記ベツト間の所定高さ位置にあるように前
記コラムに固着して設けられる前記放電加工ユニ
ツトの載置台と、前記アームの先端側の部位に設
けられる吊持装置であつて前記放電加工ユニツト
の吊持治具と係合囲開離可能な着脱装置を先端に
有する前記吊持装置と、前記放電加工ユニツトを
前記載置台上に載置した状態で、電極、工作物が
相対向する加工部を加工液中に浸漬状態に収納可
能な上方開放の加工槽と、常時は上記ベツト上に
設置されている前記加工槽を前記載置台と共に載
置放電加工ユニツトを収容する位置迄上昇及び下
降させる加工槽の昇降装置とから成ることを特徴
とするもので、ダイセツトを加工液で浸するよう
にし、更にその加工槽を上下に動かし加工液を流
動させながら電極と工作物との間に加工電圧を印
加して放電加工を行なうようにしたものである。

〔作用〕

工作物を取り付けた工作物台と、ガイドバーで
枢支した電極を取り付けた電極台を、スクリユで
移動させるという簡単で、しかも熱的に平衡を保
つ構成のダイセツトに送り駆動装置と吊持治具を
取り付けて放電加工ユニツトを構成し、このユニ
ツトをベツドに立てたコラムに支承されたアーム
先端部に設けた先端に着脱装置を有する可動軸に
吊持させて搬送し、コラム中段に設けたユニツト
載置台の上に載置する。そして、この台の下方に
搬入した加工槽には工作物を放電加工するのに最
も適した加工液が入れてあり、その加工槽をワイ
ヤーロープ等で吊り上げて電極と工作物とを浸し
たならば、その電極と工作物とにベツド及びコラ
ム近傍の邪魔にならない位置に設けた放電加工電
源からの加工電圧パルスを印加して放電加工を行
なうようにする。その際、電極と工作物との間の
加工間隙に発生する加工屑を取り除いたり、冷却
をしたような場合には加工槽を上下に移動するよ
うに、ワイヤーロープを巻いているドラムを所定
量往復回動することによつて加工間隙の加工液を
流通させる。

〔実施例〕

第１図に於て、ダイセツト１００は、工作物１
が設置されている工作物台２と天板３との間にガ
イドバー４を固着し、このガイドバー４と平行に
駆動送り装置として付設されたサーボモータ５で
回動するスクリユ６を枢支する。

そして、このガイドバー４に枢支すると共にス
クリユ６に螺着する電極台７を設け、この電極台
７に電極８を取り付けたものである。そして更
に、このダイセツトを吊り上げ搬送するためのラ
ツク等の吊持治具を天板３上に設け放電加工ユニ
ツトを構成する。この放電加工ユニツトを吊り上
げるための着磁装置９は図示していないが公知
の、電磁石によつて開閉する爪を備えたようなも
のであつて、この着脱装置９は略鉛直方向に移動
する可動軸１０の先端部に設ける。この可動軸１
０は、図示していない公知の回動装置で回動又は
進限する回動アーム１１に枢支され、モータ１２
によつて駆動される歯車箱１３内のウオーム，ウ
オームホイル，ピニオン，ラツク等を組合わせた
公知の機構によつて略鉛直方向に移動する。アー
ム１１を回動又は進限可能に支持したコラム１４
はベツト１５に固定してあり、コラム１４の中程
には、垂直方向に深く折曲げたアーム１６が、そ
の取付位置を調整することができるようにして固
着されていて、そのアーム１６の先端部に水平な
上面を有するユニツトの載置台１７を固着する。
ベツド１５に固定したカバー１８、コラム１４、
及びベツド１５の夫々に固着したブラケツト１９
に回転自在に支持したプーリ２０を設け、このプ
ーリ２０に掛けたワイヤーロープ２１の一端は加
工槽台２２に連結され、他端部は減速機２３によ
つて回動するドラム２４に巻き込まれている。２
７はベツド１５に設けた台であつて、ワイヤーロ
ープ２１を通す溝２８が設けてある。

第２図は電極台７の他の実施例であつて、電極
台７に固定した軌道２９の軌道台３０にスライド
３１が固定されている。このスライド３１に螺合
するスクリユ３２は電極台７に枢支され、その端
部を電極台７に固定したサーボモータ３３に連結
する。スライド３１に設けた一対のガイド軸３４
にはテーブル３５が枢支され、このテーブル３５
にスクリユ３６が螺合している。そのスクリユ３
６はスライド３１に固定したブラケツト３７によ
つて枢支されており、一方の端部はブラケツト３
８に固定されたサヘボモータ３９と連結する。そ
してこの電極台７にはガイド４に枢支する孔４０
とスクリユ６と螺合するねじ４１が設けてある。

今、減速機２３でドラム２４を図中時計方向に
回動し、ワイヤーロープ２１を繰出して加工槽２
５を加工槽台２２と共に下降し台２７に載置す
る。次にモータ１２を回動し、可動軸１０を少し
上昇してダイセツト１００を台１７から少し浮か
したならばアーム１１を水平に回動して、図示し
ていない台又は搬送車、ベルトコンベア等に載置
して搬送し、所定の場所で工作物１や電極８を交
換し、再び可動軸１０の下に搬送する。その間、
別のダイセツト１００、或いは新たに工作物１や
電極８を取付けたダイセツト１００を着脱装置９
で可動軸１０に挿着したならば、再びアーム１１
を回動し、可動軸１０を歯車箱１３を介して、モ
ータ１２の駆動力によつて上昇、下降させ、ダイ
セツト１００を台１７に載置する。そうして図示
していない制御装置とサーボモータ５、或いはサ
ーボモータ３３，３９と接続し、スクリユ６等を
回動して工作物１と電極８とを近接させて加工間
隙を形成する。その作業をしている間に新たな加
工液２６を入れた加工槽２５を加工槽台２２に載
せておいて、ドラム２４を図中反時計方向に回動
することによりワイヤーロープ２１をドラム２４
に巻き込み加工槽台２２を上昇する。加工液２６
が工作物１と電極８とを浸したところでドラム２
４の回動を停止して加工槽２５を所定の位置に保
つておいて、工作物１と電極８とに、図示してい
ない放電加工源より加工電圧パルスを印加して放
電加工を行なう。その放電加工中ドラム２４を減
速機２３で往復回動させることによつて加工槽２
５を上下に移動し、加工間隙内に加工液を流通さ
せて加工屑を流出したり、工作物１や電極８を冷
却するようにする。

〔発明の効果〕

本発明の放電加工装置は、工作物を設置した工
作物台と電極を設置した電極台とをガイドバーと
スクリユとによつて相対的に接離し、更に電極を
互いに直角にＸ，Ｙ方向に移動することができる
ダイセツトを用いて放電加工ユニツトを構成し、
該放電加工ユニツトを放電加工部に設けた吊持搬
送手段によつて吊り上げ搬送し、加工液を収納す
る加工槽が昇降して収納及び離脱する前記加工部
のユニツト載置台上に載置して加工し得るように
したものであるから、工作物と電極との関係位置
は構造的にも熱的にも平衡を保つことができる。
従つて、ダイセツトが傾いて台に載置されたり、
可動軸に吊されていたとしても加工精度に対する
影響がないのが特徴である。そのダイセツトで放
電加工する際に、加工間隙に溜る加工屑を取り除
いたり、電極や工作物を冷却したいときには単に
加工槽を上下に移動するだけでよく、しかも加工
槽は、配管設備との接続が無いから搬出、搬入が
容易にできることにより、従来の加工槽に対する
加工液の供給装置や加工間隙に対する加工液の噴
射、吸引装置を省略することができる効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の側面図で一部断面したところ
の図、第２図は電極台の他の実施例の図である。 １……工作物、２……工作物台、４……ガイド
バー、５……サーボモータ、７……電極台、８…
…電極、９……着脱装置、１０……可動軸、１
１，１６……アーム、１７……台、２１……ワイ
ヤーロープ、２５……加工槽、１００……ダイヤ
セツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 工作物と電極を夫々一方の側面に取り付けた
   工作物台と電極台とを工作物と電極が相対向する
   と共に対向方向に送り移動可能に支持構成されて
   成るダイセツトに更に前記送り移動を行なう送り
   駆動装置と当該構成体の吊持治具とを取り付けて
   成る放電加工ユニツトと、 側部にコラムを立設したベツドと、コラム頂部
   に回動等進退可能に設けられたアームと、該アー
   ムと前記ベツド間の所定高さ位置にあるように前
   記コラムに固着して設けられる前記放電加工ユニ
   ツトの載置台と、前記アームの先端側の部位に設
   けられる吊持装置であつて前記放電加工ユニツト
   の吊持治具と係合開離可能な着脱装置を先端に有
   する前記吊持装置と、前記放電加工ユニツトを前
   記載置台上に載置した状態で、電極、工作物が相
   対向する加工部を加工液中に浸漬状態に収納可能
   な上方開放の加工槽と、常時は上記ベツド上に設
   置されている前記加工槽を前記載置台と共に載置
   放電加工ユニツトを収容する位置迄上昇及び下降
   させる加工槽の昇降装置とから成ることを特徴と
   する放電加工装置。