JPH0553555U - 椅子構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】合成樹脂により成形された支持枠に弾性シート
の周囲部を強固にかつ良好容易に組付けた座体及び背体
等の椅子部品を得る。 【構成】合成樹脂により形成された支持枠の上面に弾性
シートの周辺部迄を一体的に包被して成形し、支持枠に
は取付用のボルト，ナットを挿着する取付孔を形成した
ものであり、また、取付孔の周縁内部にまで弾性シート
の繊維を入り込ませて一体的に成形したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、椅子のフレームに固定する座体、背体の支持枠に弾性シートの周辺 部を取り付ける椅子構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来は、椅子のフレームに固定することが出来て内部が開口した座体及び背体 の支持枠の上面に弾性シートの４周辺部を結合して構成する椅子において、図６ に示すように、フレーム（１）より延出する受け金具（７）の上方にネジ（８） により固定した支持枠（２ａ）は木製にして、該支持枠（２ａ）の上面に弾性シ ート（３）の周辺部をタッカー針（９）により係止し、弾性シート（３）の上方 にクッション材（１０）を介装して被覆した張布（１１）の周辺部を支持枠（２ ａ）にタッカー針（９）により係止するような構造になっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、そのように木枠にタッカー針により弾性シートを係止すると、 弾性シートは常時伸張した状態で固定されているから係止部分から切れたり破れ たりする。また係止部分から離れている部分は元に戻ってしまうから弾性シート を均一に引っ張って取り付けるのも困難であり、木枠を椅子のフレーム側に取り 付けた場合、小形の椅子では木枠を大形にすることができず強度不足になってし まうと言った不具合を呈していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はそのような不具合を解決し、好適に実施できるよう工夫したものであ り、そのため、合成樹脂材により成形された支持枠の上面に弾性シートの周辺部 を一体的にして成形し、支持枠には取付用のボルト，ナットを挿着する取付孔を 形成して構成したものであり、また取付孔の周縁内部にまで弾性シートの繊維を 入り込ませるようにして構成したものである。

【０００５】

【作用】

したがって、弾性シートの繊維を傷めずに、しかも強固に良好容易に支持枠に 組み付けることができると共に支持枠も比較的に細く且つ軽い枠体とすることも できる。

【０００６】

【実施例】

次に、図面に示す実施例について説明する。 図２は、椅子全体の斜視図を示し、パイプを屈折して形成した椅子のフレーム（ １）の前部間には座体（Ａ）を取り付けるとともに、後部間には、背体（Ｂ）を 取り付ける。 ここでは説明を簡略化するための座体（Ａ）の実施例についてのみ記載するが、 必要に応じて背体（Ｂ），または座体（Ａ）と背体（Ｂ）を同様に構成すること ができる。 前記フレーム（１）に固定することが出来て内部が開口した支持枠（２）を、図 １及び図４に示すようにその横断面の一辺がアール形状となって図５に示すよう に外周面にスキン層（２ｂ）が形成されるように合成樹脂材により発砲成形する とともに支持枠（２）の両側４ケ所の部位には、上部と下部に凹段部（６ａ）を 有して周面にスキン層（２ｂ）が形成される上下方向の取付孔（６）を形成し、 更に前記支持枠（２）の上面には外周方向に引っ張った弾性シート（３）の４周 辺部を溶着して一体的に形成するが、弾性シート（３）の繊維（３ａ）を図４及 び図５に示すように取付孔（６）の内方に迄、入り込ませて一体的に成形する。 なお弾性シート（３）の支持枠（２）への取り付けは、本考案の考案者らが先に 発明した特願平２ー１９９２５６号によって容易に実施することができる。また 、支持枠（２）は発泡成形に限らず他の方法によって適宜形成することもできる 。また、前記凹段部（６ａ）には、凹段部（６ａ）を一杯に塞ぐ座金部を有し、 かつ取付孔（６）内一杯を塞ぐ筒部を有するナット（５）を嵌装して凹段部まで 介在挿入されている弾性シート（３）とその繊維（３ａ）をしっかり係着させ更 に前記弾性シート（３）の上方にはクッション材（１０）を介装して、張布（１ １）を以って被覆するとともに該張布（１１）の外周縁部を支持枠（２）の外側 面から下面に掛合してタッカー針（９）により止着し、前記フレーム（１）より 内方に延出する受け金具（７）を前記取付孔（６）に当接するとともに、受け金 具（７）の先端側彎曲部（７ａ）を支持枠（２）のアール形状部に接合させ、前 記受け金具（７）の下方から嵌挿するボルト（４）を前記取付孔（６）内のナッ ト（５）に螺合して組み付け構成する。

【０００７】

【考案の効果】

このように本考案は、クッション体（１０）表面を覆う張布（１１）の外周縁 部分を大巾に延長して樹脂成形支持枠（２）の外周縁及び下面まで充分包被させ る。一方弾性シート（３）は支持枠の凹段部（６ａ）の奥底まで入り込ませるよ うにして、この上面より広巾の座金部を有するナットを以って螺合固定するよう にしたのでクッション体の全体を極めてしっかりと係着させることができる。こ のため椅子としては色々な応力や、最も荷重がかかる反面美麗に保持しなければ ならない座体，背体等の椅子部品をいつまでも美しくかつ確実に保形することが できる。更に弾性シート（３）の繊維３ａを傷めずに支持枠（２）に強固にかつ 良好容易に組み付けることができるものである。そのうえ支持枠（２）を合成樹 脂材で成形することによってアール形状や取付孔（６）も容易に形成できるとと もに強度が充分で軽量かつフレームの取り付けも容易な座体及び背体などの椅子 構成の主部材を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の要部を示した図２のイーイ線断面図
である。

【図２】椅子全体を示した斜視図である。

【図３】座体の支持枠及び弾性シートを示した斜視図で
ある。

【図４】図３のローロ線における断面図を示した斜視図
である。

【図５】図３のハーハ線における一部を示した断面図で
ある。

【図６】従来例を示した要部の断面図である。

【符号の説明】

Ａ・・・座体 Ｂ・・・背体 １・・・フレーム ２・・・支持枠 ３・・・弾性シート ３ａ・・・弾性シートの繊
維 ４・・・ボルト ５・・・ナット ６・・・取付孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】椅子のフレーム（１）に固定することがで
   きて内部が開口した支持枠（２）の上面に弾性シート
   （３）の周辺部を結合して構成する椅子部品において、
   合成樹脂より成形された支持枠（２）の上面に前記弾性
   シート（３）の周辺部を一体的に成形し、前記支持枠
   （２）には取付用のボルト（４）．ナット（５）を挿着
   する取付孔（６）を形成して構成したことを特徴とする
   椅子部品。
2. 【請求項２】取付孔（６）の周縁内部にまで弾性シート
   （３）の繊維（３ａ）を入りこませて一体的に成形して
   なる請求項１記載の椅子部品。