JPS6110522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案はクツシヨン体き殻体構造の椅子に関し、
その目的とする処は構成、組立てを簡易となしコ
スト低廉な椅子を提供しようというものである。

殻体構造の椅子は背凭部と座部が殻体によつて
一体連続状に形成されており、外観特に側方、又
は後方からの外観視上シンプルな美観を呈する為
に従来から開発、実施されていたが、従来構造の
場合合成樹脂製の殻体を内、外二重構造となし内
側殻体の表面側に背凭部、座部を夫々クツシヨン
体表面カバーを用いて形成した構成であり、殻体
を内、外二重構造としている為に材料コストが高
くつくだけでなく上記した外観上の美感の点では
外側の殻体だけの使用で十分その効果を発揮する
ので内側の殻体は余り必要でなく、又該内側殻体
に背凭部、座部を形成する際特に表面カバーの張
設が殻体が一体連続状である為に技術的に極めて
困難であつた。

本案は以上の従来欠点を解決すべく考案したも
のでその要旨とする点は従来構造における内側殻
体に代えて構成、組立で容易でかつコストの安い
基体を用い背凭部、座部の表面カバー張設等を容
易にしようというものである。以下添附図面にて
詳説すれば、本案の殻体構造の椅子は、椅子の裏
側を被覆すべき外側殻体１と従来構造における内
側殻体に代わる基体２との組合せによつて構成さ
れるもので、先ず基体２は、椅子としての背凭部
座部に相当する部位に安楽な着座状態を保つため
に所定方向に弯曲形成した背凭板３座板４を位置
させ、該背凭部３座板４を図示の如く互いに空間
を存して離隔させた状態で連結具５を介してビス
止め又はボルト、ナツト締め等によつて連結して
なる。而して該基体２の背凭板３座板４には夫々
クツシヨン体６を接着その他の適宜手段にて取付
けるとともに表面カバー７で被覆し、該カバーの
周端は、夫々、背凭板又は座板の周縁裏面にビス
止め等の手段によつて定着されている。次に外側
殻体１は従来と同様に合成樹脂の一体成型によつ
て背凭部、座部連続状に形成され、その下辺部１
ａには内向き（図中では上向き）の高突部８，８
と低突部９を設け、高突部８，８はその上面で前
記基体２の座板４を載支し且つネジ１０…でもつ
て着脱自在に固定支持し得るように考慮され、低
突部９はその上面に前記基体２の連結具５を安定
よく載支し、且つ下面側に形成された凹陥部１１
に椅子の主脚１２上端の取付具１３が安定よく嵌
合し得るように考慮されている。又該外側殻体１
の立板状部１ｂの上端部内側には前記基体２の背
凭板３に一体付設した掛止片１４を着脱自在に嵌
合掛止すべき掛止凹所１５を形成している。

尚、以上の構成において図中１６は外側殻体１
の周縁に嵌着されるエツジカバーを示し、該エツ
ジカバーは背凭板３、座板４の裏面に当接されて
表面カバー７の端部を押圧保持する効果もある。
又基体２の背凭板３及び座板４は、特に材質限定
する必要はないが、コスト及び表面カバー７の張
設容易、確実化を考慮した場合プレス成形による
合板が最適であり、この場合強度も確保できる。
又基体２の連結具５は図面に示すような屈曲形状
の金属杆体を複数本並列して用いても、又図示の
屈曲杆体を一辺とする枠状に形成しても良い。

以上のようになる本案の殻体構造の椅子は従来
構造の二重殻体構成の内側殻体に代えて背凭板、
座板を連結具で連結した簡単な構成の基体を用い
て、外観上は従来の殻体構造の椅子と全く変わら
ない椅子を構成、組立て簡単にしてかつ低コスト
で製作できる利点があり、加えて当該基体は背凭
板と座板を連結具を介して分離状態となしたので
夫々クツシヨン、表面カバーを取付けて背凭部、
座部を形成するに際して表面カバーの張設が従来
の内側殻体の場合に比して極めて簡単かつ確実に
行い得る利点があり、又外側殻体１と基体２は、
背凭板３に設けた掛止片１４を外側殻体の掛止凹
所１５に上方から嵌合掛止した状態で連結具５に
て背凭板３と一体連結した座板４をネジ１０にて
外側殻体１の高突部８に締着することで連結さ
れ、このネジ１０による締着によつて座板４背凭
板３を下方向へ引き付けて、もつて掛止片１４と
掛止凹所１５の嵌合掛止をより一層確実となすこ
とができるのである。

又上述のように背凭板３と座板４は互いに離隔
状態で連結具５にネジ又はビス止めして連結され
るものであることから、当該連結具５に対する取
付け位置を任意にズラして、掛止片１４と掛止凹
所１５、座板４のネジ穴と外側殻体１のネジ取付
け孔が合致するように寸法補正することができる
という作用効果もある。

【図面の簡単な説明】

添附図面は本案椅子の一実施例を示す縦断面図
である。 １……外側殻体、２……基体、３……背凭板、
４……座板、５……連結具、６……クツシヨン
体、７……表面カバー、８……高突部、９……低
突部、１０……ネジ、１１……凹陥部、１２……
主脚、１３……取付金具、１４……掛止片、１５
……掛止凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表面にクツシヨン体、表面カバーを付設して背
   凭部又は座部を形成する背凭板３と座板４を所定
   の空間を隔てた状態で連結具５連結してなる基体
   ２と、当該基体２の後面から下面を被覆して下面
   に椅子の主脚１２の上端を連結してなる外側殻体
   １からなり、背凭板３に設けた掛止片１４を外側
   殻体１に設けた掛止凹所１５に上方から嵌合掛止
   させた状態で座板４を外側殻体１の高突部８にネ
   ジ１０にて下向き引き付け状に締着して基体２と
   外側殻体１を連結してなることを特徴とするクツ
   シヨン付き殻体構造の椅子。