JP2003275054A

JP2003275054A - 椅子の背シェル構造

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Publication number: JP2003275054A
Application number: JP2002086273A
Authority: JP
Inventors: Nobuaki Nasu; 信昭那須; Akira Kiyohisa; 彰清久
Original assignee: Okamura Corp
Current assignee: Okamura Corp
Priority date: 2002-03-26
Filing date: 2002-03-26
Publication date: 2003-09-30
Anticipated expiration: 2022-03-26
Also published as: JP3789102B2

Abstract

(57)【要約】【課題】背シェルの上部がクッション体を支持するの
に十分な強度を有するとともに、適度のフィット感を併
せもち、かつ外観上も良好な椅子が得られる背シェル構
造を提供する。【解決手段】クッション体を前面に取り付けるように
した椅子の背シェル１であって、背シェル１の上部を、
後方に向けて湾曲２させるとともに、前記湾曲部２の前
面の空間内に、上下方向を向く複数のリブ３を、左右方
向に離間して設け、かつ前記各リブ３の上下縁を、前記
湾曲部２の上下端縁と連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の新規な背シ
ェル構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】座の後方において立ち上がる背フレーム
に取り付けられている背凭れ部における背シェルは、着
座者が背凭れ部に凭れ掛かった際、背シェルの上部にお
いて、後方への負荷がかかるため、それに対応する強度
が要求される。従来、背シェルの上部を補強するため、
たとえば特開２０００−７９０３８号公報に記載されて
いるように、背シェルの上部に一様の幅を有する横リブ
を設け、この横リブと交差する縦リブを部分的に設け
た、補強手段を有する背シェルが提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、着座者の背中
を安定よくサポートすることを目的として、平面視で後
方に湾曲させ、横リブによって上部を補強した前記背シ
ェルの構造では、前記湾曲部の変形が横リブにより制限
されるため、着座者が背シェルに凭れ掛かった際の湾曲
部の変形性は乏しく、柔軟なフィット感を得る点におい
て、改良の余地があった。

【０００４】本発明は、着座者が背凭れ部に凭れ掛かっ
た際に必要とされる背シェルの上部における強度のみな
らず、背凭れ部のクッション体を、専ら背シェルの上部
で支持するために充分な強度を確保し、さらに背シェル
の柔軟なフィット感をも併せ有し、かつ背シェルを支持
する背フレームが背シェルの後方に突出することがない
ようにして、外観上も良好な椅子を得るようにした背シ
ェル構造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によると上記課題
は、次のようにして解決される。 (１) クッション体を前面に取り付けるようにした椅子
の背シェルであって、背シェルの上部を、後方に向けて
湾曲させるとともに、前記湾曲部の前面の空間内に、上
下方向を向く複数のリブを、左右方向に離間して設け、
かつ前記各リブの上下縁を、前記湾曲部の上下端縁と連
結する。

【０００６】(２) 上記(１)項において、前記各リブの
前後方向の幅を、上縁から下縁に向かって、漸次大とな
るようにする。

【０００７】(３) 上記(１)項または(２)項において、
湾曲部の形状を、平面視で、左右より中央が後方へ突出
するように、かつ側面視で、上部より下部が後方へ突出
するようにする。

【０００８】(４) 上記(１)項〜(３)項のいずれかにお
いて、前記クッション体の後面から係合部を後方に向け
て突設し、かつ湾曲部の前面側のリブとリブとの間に、
前記係合部と係合する被係合部を設けて、クッション体
を背シェルに支持させるようにする。

【０００９】(５) 上記(１)項〜(３)項のいずれかにお
いて、前記クッション体の上部後面側に、下端が開口す
る袋状取付部を設け、この袋状取付部を、前記湾曲部に
被せることにより、クッション体を背シェルに支持させ
るようにする。

【００１０】(６) 上記(１)項〜(４)項のいずれかにお
いて、前記背シェルを支持する背フレームを、背シェル
の後面における前記湾曲部の直下の後面側に位置させて
設ける。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の、椅子の背シェ
ル構造の代表的な実施形態を示す前方斜視図、図２は、
同じく後方斜視図、図３は、クッション体を装着した状
態を示す側面図、図４は、背シェルを背フレームに取り
付けた状態を示す後方斜視図である。

【００１２】本発明における背シェル(１)は、側面視に
おいて、上部を後方に向けて湾曲(２)させるとともに、
前記湾曲部(２)の前面に、上下方向を向く複数のリブ
(３)を左右方向に離間して設け、かつ各リブ(３)の上下
縁を、湾曲部(２)の上下端と連結してある。湾曲部(２)
は、平面視において、左右より中央が後方へより大きく
突出し、かつ側面視において、上部より下部が、後方へ
大きく突出している。

【００１３】各リブ(３)の前後方向の幅は、上縁から下
縁に向かって、漸次、大とされ、かつ各リブ(３)の後縁
は、湾曲部(２)の前面に、一体的に固着されている。

【００１４】また背シェル(１)は、側面視において前向
くの字形をなし、前記湾曲部(２)の下方に続く板状部
(４)における上下方向の中間部(4a)において、前後方向
に弾性屈曲可能とされている。

【００１５】背シェル(１)の前面は、表面材(5a)により
覆われたクッション体(５)が取り付けられる。クッショ
ン体(５)の後面上部から、図示を省略した係合部を後方
に向けて突設するとともに、湾曲部(２)のリブ(３)の間
に、前記係合部と係合しうる被係合部(６)を設けて、ク
ッション体(５)の上部を背シェル(１)に取り付け、かつ
クッション体(５)の後面下部から図示を省略した係合部
を設け、背シェル(１)の下部に設けた係合孔(７)に係合
させてある。

【００１６】さらに、クッション体(５)の上部後面側
に、下端が開口する袋状取付部(5b)を設け、この袋状取
付部(5b)を、前記湾曲部(２)に被せてある。

【００１７】着座者が背凭れ部に凭れ掛かった際には、
クッション体(５)には、上下方向の力が負荷され、その
力は、クッション体(５)を介して湾曲部(２)に伝達され
る。

【００１８】しかし、湾曲部(２)には、上下方向を向く
複数のリブ(３)が設けられているため、前記の上下方向
の負荷に対して十分な強度を有し、クッション体(５)
は、安定的に保持される。

【００１９】しかも、前記各リブ(３)の前後方向の幅
を、上縁から下縁に向かって漸次、大としてあるため、
背シェル(１)の上端では、適度の可撓性を有するととも
に、湾曲部(２)の下部では、妄りに撓むことなく、十分
な強度を有する。

【００２０】また、湾曲部(２)における各リブ(３)は、
上下方向を向いているため、背シェル(１)は、縦軸まわ
りに、比較的容易に変形しうる。そのため、着座者が後
方に凭れ掛かったときに、背シェル(１)の湾曲部(２)の
中央部は後方に、かつ両側部は接近するように弾性変形
し、着座者に快適なフィット感を与えることができる。

【００２１】なお、背シェル(１)における湾曲部(２)の
下方に続く板状部(４)の後面の上部左右には、背シェル
(１)を背フレーム(８)の横杆(９)に取り付けるための取
付用中空突起(10)(10)が設けられている。

【００２２】背シェル(１)の後面の下部左右には、先端
部が前方を向くように湾曲させた横向き係合片(11)(11)
が設けられ、この係合片(11)(11)を、背フレーム(８)の
左右の縦杆(12)(12)に、後方から上下摺動可能に係合さ
せるようにしてある。

【００２３】前記係合片(11)(11)の上方には、背シェル
(１)を背フレーム(８)に取り付ける際、背フレーム(８)
の縦杆(12)(12)を受支する受片(13)(13)が設けられてい
る。

【００２４】背シェル(１)を背フレーム(８)に取り付け
るには、背フレーム(８)を背シェル(１)の後面における
湾曲部(２)の直下に位置させて、前記左右の受片(13)(1
3)を背フレーム(８)の縦杆(12)(12)の位置に合わせ、前
記左右の係合片(11)(11)を弾性を利用して縦杆(12)(12)
に係合させ、次いで、前記左右の取付用中空突起(10)(1
0)の上下方向の位置を、横杆(９)に合わせた後、取付用
中空突起(10)と横杆(９)とに、図示を省略した締付けね
じを若干の遊びをもって貫挿し、ナット締めすればよ
い。かくして背シェル(１)は、締付けねじの遊びの範囲
において、締付けねじの部分を中心として、前後に傾動
することができる。

【００２５】背シェル(１)の板状部(４)における取付用
中空突起(10)の下方には、正面視Ｕ字型のスリット(14)
を切ってあり、かつスリット(14)の内方部分(15)の中央
下端と外方部分(16)とを、可撓性接続片(17)で接続して
ある。

【００２６】着座者が背シェル(１)を後方へ押して、背
シェル(１)が、横杆(９)への取付部を中心として、後方
へ傾動するに伴い、スリット(14)の内方部分(15)の下部
は、適度に前方へ突出し、着座者の腰部を押圧して、ラ
ンバサポート機能を発揮する。

【００２７】内方部分(15)および外方部分(16)には、そ
れぞれ縦リブ(18)(19)を設けて補強されている。背フレ
ーム(８)の後方には、背フレームカバー(20)が、適宜取
り付けられる。

【００２８】

【発明の効果】本発明によると、次のような効果を奏す
る。 (１) 請求項１記載の発明によれば、背シェルの上部に
おける湾曲部の前面側の空間内に、上下方向を向く複数
のリブを設けてあるため、上下方向の負荷に対して大き
な強度を有し、クッション体を専ら背シェルの上部で、
安定的に支持することができる。さらに、前記リブは、
上下方向を向いているため、背シェルは、平面視におけ
る湾曲形状の変形が容易であり、着座者に柔軟なフィッ
ト感を与えることができる。

【００２９】(２) 請求項２記載の発明によれば、背シ
ェルの上端では、適度の可撓性を有し、着座者に柔軟な
フィット感を与えるとともに、湾曲部の下部では、クッ
ション体を支持するための十分な強度を有する。

【００３０】(３) 請求項３記載の発明によれば、湾曲
部の前面側の空間内に、前後方向の幅が、上縁から下縁
に向かって漸次大となるリブを設け得る湾曲部が形成さ
れ、前記のようなリブを設けることによって、請求項２
に記載の発明と同様の効果が得られる。

【００３１】(４) 請求項４記載の発明によれば、クッ
ション体を、強度の大きい湾曲部を利用して、背シェル
に安定的に取り付けることができる。

【００３２】(５) 請求項５記載の発明によれば、請求
項４に記載の発明と同様の効果が得られる。

【００３３】(６) 請求項６記載の発明によれば、背シ
ェルを支持する背フレームが、背シェルの後方に突出す
ることがなく、かつ背フレームの上端が湾曲部で覆われ
るため、外観上優れた椅子を得ることができる。

【００３４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の、椅子の背シェル構造の代表的な実施
形態を示す前方斜視図である。

【図２】同じく後方斜視図である。

【図３】クッション体を装着した状態を示す側面図であ
る。

【図４】背シェルを背フレームに取り付けた状態を一部
破断して示す後方斜視図である。

【符号の説明】

(１)背シェル (２)湾曲部 (３)リブ (４)板状部 (4a)中間部 (５)クッション体 (5a)表面材 (5b)袋状取付部 (６)被係合部 (７)係合孔 (８)背フレーム (９)横杆 (10)取付用中空突起 (11)係合片 (12)縦杆 (13)受片 (14)スリット (15)内方部分 (16)外方部分 (17)可撓性接続片 (18)(19)縦リブ (20)背フレームカバー

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】クッション体を前面に取り付けるように
した椅子の背シェルであって、背シェルの上部を、後方
に向けて湾曲させるとともに、前記湾曲部の前面の空間
内に、上下方向を向く複数のリブを、左右方向に離間し
て設け、かつ前記各リブの上下縁を、前記湾曲部の上下
端縁と連結したことを特徴とする椅子の背シェル構造。
【請求項２】前記各リブの前後方向の幅を、上縁から
下縁に向かって、漸次大となるようにした請求項１記載
の椅子の背シェル構造。
【請求項３】湾曲部の形状を、平面視で、左右より中
央が後方へ突出するように、かつ側面視で、上部より下
部が後方へ突出するようにした請求項１項または２項に
記載の椅子の背シェル構造。
【請求項４】前記クッション体の後面から係合部を後
方に向けて突設し、かつ湾曲部の前面側のリブとリブと
の間に、前記係合部と係合する被係合部を設けて、クッ
ション体を背シェルに支持させるようにした請求項１項
〜３項のいずれかに記載の椅子の背シェル構造。
【請求項５】前記クッション体の上部後面側に、下端
が開口する袋状取付部を設け、この袋状取付部を、前記
湾曲部に被せることにより、クッション体を背シェルに
支持させるようにした請求項１項〜３項のいずれかに記
載の椅子の背シェル構造。
【請求項６】前記背シェルを支持する背フレームを、
背シェルの後面における前記湾曲部の直下の後面側に位
置させて設けた請求項１項〜４項のいずれかに記載の椅
子の背シェル構造。